宮内悠介のレビュー一覧
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中央アジアを舞台にしているということで、中央アジア旅行の前に空気感を知っておこうと思って読んだ本。中央アジアというより南アジアが主な舞台だったので予習にはならなかったけど、レイとジョンの旅を読んでいると、ラダック旅行をした時の空気感が蘇った。
様々な登場人物がそれぞれの理由で目指す幻の山イシュクト。あらすじを読んだ時は冒険譚かと思ったけど、冒険譚でありつつ、エンジニア的視点が多分に織り交ぜられたSFだった。世界の不具合をデバッグする「世界医」と呼ばれる人たちの仕事やイシュクトに対する捉え方、大量のメタ注釈がとてもエンジニア的で、リアルと空想が混ざり合う不思議な小説だった。
前半は登場人物が -
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読みやすさ★★★
学べる★★★★
紹介したい★★★★
一気読み★★★★
読み返したい★★★
たまたま手に取ったことからの初の宮内悠介作品だったが、この読後感。どうしてくれよう、お腹いっぱいだ。
近未来SF、テクノロジーにまつわる短編集らしいが、著者の他のテーマの作品も気になる。
仮想空間、ネット社会の暗部、AIが書いた小説(よくできている)、宇宙開発、と次元を越えた物語が一冊に詰め込まれている。
技術的に細かく作り込まれた設定やイデオロギーの応酬など、なかなかしっかり難解(だが興味深い)な話ばかりで、その点だけでもかなり読み応えがあるのだが、反面、登場人物たちがドライというかダウン系とい -
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ネタバレ【暗号の子】
〈人から暗号〔クリプト〕へ。あるいは、認知のアナログ・デジタル変換。わたしは一個の暗号体となり……〉
冒頭から掴まれる。
主人公はカウンセラーに勧められてVR空間にあるASD匿名会に参加するが、参加者の一人が無差別殺人事件を起こし、主人公も関係者として取り調べを受ける。
警察には合同会社化を持ちかけられたが、会〔クリプトクリドゥス〕のメンバーは賛同せず、事件やクリプトクリドゥスのことが社会問題となり、主人公の本名や住所などが暴かれる。
主人公は動画配信者とのコラボ企画などで自分の考えを発言するが、無政府主義者と言われる。
そして、クリプトクリドゥスはもう以前とは違ったものになって -
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宮内悠介さんの、金融・ゲーム・メンタルヘルスの知識と、バラード派SF観が惜しみなく詰め込まれたテクノロジー系短編集。おもしろかった。
ひとつひとつのお話しに関して好みの差はあるものの、編集がいい。
前半の4話
「暗号の子」
「偽の過去、偽の未來」
「ローパス・フィルター」
「明晰夢」
は、暗号通貨またはSNS環境と何らかの社会不適合や依存性をからめてあり、新しいテクノロジーに人生の何かを壊された人がテーマになっている。
とはいえ、物語としての完成度は、やはり「暗号の子」がもっとも高いと思った。
「すべての記憶を燃やせ」
は、半分はAIが書いた小説。
悲しい、苦しい、涙が止まらないなどの -
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エストニアがソビエト連邦共和国の構成国から国家として独立していく、そんな時代に翻弄された少年ラウリの夢やかけがえのない友情が崩されていく様子は、克明であった。旧構成国は、今でもロシア原住民とも共に暮らしながらも、常に隣国ロシアを警戒しているという、複雑に絡まった歴史を背負って生きていかねばならない、そんな実情まで言及している。また、この小説では、幼い頃一つの事(コンピューター)にしか集中できなかったラウルは、発達障害だったのだろうが、紆余曲折を経ながらも、デジタル国家を発展させていく要員となれる、という、大人になると社会的に対応できるようになる一つの道筋も示してくれている。