宮内悠介のレビュー一覧

  • 暗号の子

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    テクノロジーの最先端にいる天才たちの物語。それって人類の最先端ってことだよね。ど文系の私にもわかって面白かった。最近のAIは私のような末端まで届いてて、生活が変わっていくだろう予感がある。後書きに書かれていたように、科学技術に対する姿勢は山の尾根に立って右にも左にも滑落することなく歩いていくしかなんだと思う。(時に立ち止まることも必要だと思うけど、立ち止まれないことも恐怖を煽るよね。)

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    2025年07月19日
  • これが最後の仕事になる

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    同じ書き出しで始める短編集。ストーリーそのものがおもしろいというよりは、作家の個性を楽しんだり、「同じ書き出しでもこれほどバリエーションがあるなんて」とアイディアそのものもを楽しんだりできる1冊だと思った。

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    2025年07月13日
  • ヨハネスブルグの天使たち

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    ロボットというのを使う目的として人間の手伝いというのは分かりやすいけど、脳の移植ってのは確かにあるよね。もはや不死の世界だけど、さて、どれくらい脳のデータ化が進むのか、楽しそうではある。その第一弾としてはARやらVRやらの没入感でそこでの行動をデータ化すればもはや人間がそこで生きているのと変わらんみたいな、いやけっこう近づいてる感もある。
    という感じで宇宙へGOみたいな未来感よりちょっと現実感があって不気味の谷っぽい微妙な不快感が悪くない。

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    2025年07月11日
  • 暗号の子

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    読みやすさ★★★
    学べる★★★★
    紹介したい★★★★
    一気読み★★★★
    読み返したい★★★

    たまたま手に取ったことからの初の宮内悠介作品だったが、この読後感。どうしてくれよう、お腹いっぱいだ。
    近未来SF、テクノロジーにまつわる短編集らしいが、著者の他のテーマの作品も気になる。

    仮想空間、ネット社会の暗部、AIが書いた小説(よくできている)、宇宙開発、と次元を越えた物語が一冊に詰め込まれている。

    技術的に細かく作り込まれた設定やイデオロギーの応酬など、なかなかしっかり難解(だが興味深い)な話ばかりで、その点だけでもかなり読み応えがあるのだが、反面、登場人物たちがドライというかダウン系とい

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    2025年07月08日
  • スペース金融道

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    酷い上司と部下の、バディ物SFで、借金取りストーリー。めちゃ面白かったです。回収経費を考えたらダメですw

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    2025年06月07日
  • 暗号の子

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    書かれた時期も掲載誌もバラバラな8つの短編をまとめたアンソロジー。
    名前は知っていたが、読んだことがなかった作家さん。パソコンやシステム用語が普通に出てくるため、半分は言葉の意味を想像しながら読む事になった。中にはAIに9割以上書かせたという作品もあった。今ってこうなってるの〜?の世界。
    最後の「ペイル・ブルー・ドット」が一番読みやすく、感情移入できた。ワクワクがない仕事はつまらない、という結論には深く納得。
    他の作品も読んでみたい。

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    2025年04月15日
  • 偶然の聖地

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    古本屋で偶然見つけた本。装丁に惹かれて購入。物語の大筋がわかるまでが、分からない単語も多いし場面が切り替わるしで読んでいてつまらなかったけど、途中から物語が掴めてきて最後が面白かった。世界医がこの世界のバグを直してるなんておもろすぎる。

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    2025年04月09日
  • 暗号の子

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    ネタバレ

    【暗号の子】
    〈人から暗号〔クリプト〕へ。あるいは、認知のアナログ・デジタル変換。わたしは一個の暗号体となり……〉
    冒頭から掴まれる。
    主人公はカウンセラーに勧められてVR空間にあるASD匿名会に参加するが、参加者の一人が無差別殺人事件を起こし、主人公も関係者として取り調べを受ける。
    警察には合同会社化を持ちかけられたが、会〔クリプトクリドゥス〕のメンバーは賛同せず、事件やクリプトクリドゥスのことが社会問題となり、主人公の本名や住所などが暴かれる。
    主人公は動画配信者とのコラボ企画などで自分の考えを発言するが、無政府主義者と言われる。
    そして、クリプトクリドゥスはもう以前とは違ったものになって

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    2025年03月30日
  • 暗号の子

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    初めて読む作家さん。こりゃ、すごい。表題作を読んで舌を巻いた。技術、思想、社会、病理、家族、国家…。様々な問題を無理なく織り込んだ小説。あるいは、小説の形をとって、現代を多面的総合的に描いたものか。今年に入って一番の邂逅だ。

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    2025年03月26日
  • 暗号の子

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    宮内悠介さんの、金融・ゲーム・メンタルヘルスの知識と、バラード派SF観が惜しみなく詰め込まれたテクノロジー系短編集。おもしろかった。
    ひとつひとつのお話しに関して好みの差はあるものの、編集がいい。

    前半の4話

    「暗号の子」
    「偽の過去、偽の未來」
    「ローパス・フィルター」
    「明晰夢」

    は、暗号通貨またはSNS環境と何らかの社会不適合や依存性をからめてあり、新しいテクノロジーに人生の何かを壊された人がテーマになっている。
    とはいえ、物語としての完成度は、やはり「暗号の子」がもっとも高いと思った。

    「すべての記憶を燃やせ」
    は、半分はAIが書いた小説。
    悲しい、苦しい、涙が止まらないなどの

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    2025年03月26日
  • ラウリ・クースクを探して

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    エストニアがソビエト連邦共和国の構成国から国家として独立していく、そんな時代に翻弄された少年ラウリの夢やかけがえのない友情が崩されていく様子は、克明であった。旧構成国は、今でもロシア原住民とも共に暮らしながらも、常に隣国ロシアを警戒しているという、複雑に絡まった歴史を背負って生きていかねばならない、そんな実情まで言及している。また、この小説では、幼い頃一つの事(コンピューター)にしか集中できなかったラウルは、発達障害だったのだろうが、紆余曲折を経ながらも、デジタル国家を発展させていく要員となれる、という、大人になると社会的に対応できるようになる一つの道筋も示してくれている。

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    2025年03月10日
  • ラウリ・クースクを探して

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    第11回高校生直木賞受賞とのことで、高校生に響く作品はどんなものとの好奇心で読んでみたら面白かった。私の感性は高校生なのかも。
    構成も登場人物も良い。コンピュータお宅の伝記かと最初は思ったが、第二章の最後で驚きがあり、第三章で暖かい気持ちにさせてもらえた。ラウリとイヴァンがつくるコンピュータゲームの描写も楽しいし、カーチャと3人で過ごすダーチャも素敵だ。
    エストニアに行ってみたくなった。大人になって、再会したい幼馴染がいるのは良いことだ。定年後はなおさら・・・・

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    2025年03月01日
  • 暗号の子

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    ネタバレ

    割と面白かった。
    短編集で、それぞれの話は独立している。
    近未来のSFっぽい話かと思ったら、そうでもなく。
    ハッピーエンドではないけど、こういう報われない感じやスッキリしない感じって、よくあるな、って思った。

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    2025年02月21日
  • これが最後の仕事になる

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    ネタバレ

    一生本を読んで暮らせるなら、
    人生と引き換えでもよいか?

    そこで得た報酬を娘たちに残し
    サラッと宇宙へ旅立てる?

    ふとそんなことを考えた。

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    2025年02月14日
  • 暗号の子

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    様々なテクノロジーに関する物語を収めた短編集。「暗号の子」と「ペイル・ブルー・ドット」、この2作がとてもいい。
    前者はSNSでの不確かな情報や、そうしたものに踊らされる人々の姿が描かれていて「その内世界では口を噤む事しかできなくなるかもしれない」と思った。ある一節にとても勇気づけられた。
    後者は開発者に焦点が当たっている。クレイジーで、普通などという物差しなどハナッから鼻で笑う人の姿に勇気をもらった。

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    2025年02月01日
  • これが最後の仕事になる

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    ネタバレ

    見たことのある名前の作家さんがたくさんの、ぜいたくな1冊。
    私は呉勝浩さんのお話が1番印象的だった。他の本にもあたりたいと思う。
    多崎礼さん、岸田奈美さん、米澤穂信さんは何作か読んだことがあり、短編でも“っぽさ”が出るなと感じる。様々な「これが最後の仕事になる」が読めて良かった。

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    2025年01月21日
  • ラウリ・クースクを探して

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    二人の天才少年達が、エストニアのソヴィエトからの独立という時代に翻弄され、離れ離れになってしまう。
    とあるジャーナリストがラウリの伝記を残すために彼を追いかけるという形をとっているが、ノンフィクションと思わせるほど生々しく、どんどん引き込まれた。

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    2025年01月02日
  • 盤上の夜

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    私にもっとゲームの知識があれば…と悔やんだ作品。
    単なる盤上ゲームを扱った作品ではなく、ゲームそのものの抽象的意味を投げかけるような哲学的な話であったり、そこに掛ける人間の精神性であったりを描いていて、とても読み応えがあった。
    正直言って難解な内容。起承転結も掴みにくく、ゲームのルールが理解できないと、本書の魅力は半減すると思う。
    それでも静謐たる文章が心地よく、また実在するようにすら感じる人物たち、SFらしい驚きと新鮮さに引き込まれた。


    個人的には「人間の王」と、「象を飛ばした王子」が好き。これはどちらもゲームがよくわかっていなくても面白いから、というのもあるけれど。
    短編だけど、実は連

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    2024年12月25日
  • スペース金融道

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    直球王道、本寸法のバカSF(←褒め言葉ヽ( ´ー`)ノ)。いや、バカSFに本寸法も何もありませんけどねヽ( ´ー`)ノ
    地獄の女王にこき使われていた天才SEの青年が、銀河を股にかける金融会社の取立て担当者に助けられ、共に貸付の取り立てをするために宇宙やら地獄やら情報の渦の中やらに飛び込んで大冒険。・・・って話なんですが、みなさん意味わかります?鴨も書いててよくわかりません(笑)。取り立てをするときに主人公が先輩に突かれて発声する企業理念「わたしたち新星金融は、多様なサービスを通じて人と経済をつなぎ、豊かな明るい未来の実現を目指します。期日を守ってニコニコ返済・・・」が水戸黄門の印籠のように登場

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    2024年12月22日
  • ラウリ・クースクを探して

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    エストニアのソビエトからの独立の歴史。その中で生きてきた40代の男性。同世代だ。エストニア神のラウリ・クースクという人を追いかけるジャーナリストの手記のような体裁をとった本。プログラミングの天才少年だったラウリの人生を通してみるバルトの国の歴史がみえた。それと彼をとりまく友情など。軽やかな文体で爽やか、なのに内容は濃い。

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    2024年12月09日