宮内悠介のレビュー一覧
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おもしろいシリーズだから愉しみ
最初に大好きな堀晃作品を読んだ。土地勘あるからスラスラ読める。堀さんの近況報告みたいなものかな。
最も楽しみにしていた久永作品を最後におき、順番に読む。高山羽根子作品は最初から乗り切れずパス。宮内悠介作品はミステリー感覚て肩透かし。秋永麻琴作品がとても楽しかったぞ。これ別作品も読みたいってことで発見のワクワク感で持ち直す。松崎有理さくひんは少しトーンダウンて、次の生首って作品はさっぱり乗り切れずに少しコーヒータイム。
リフレッシュ後の宮澤伊織作品は、これまた秋永作品同様にアクションつぽくてとても良かった。これも発見だ。アンソロジーはこれが醍醐味。
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小学校のとき囲碁将棋クラブだったはずなんだけど囲碁やった覚えがありません。主にセブンブリッジやってた…こういう小さな後悔が積み重なって人生は豊かになっていくんだよねきっと。
趣味全開の盤上SFから広がって、今回は碁盤師を探偵としたミステリ仕立て。形から入って道具フリークになりがちな私としては、それ専用の道具、それを専門に作る職人、という存在は憧れであり、吉井先生はまさにそのイメージ通りで楽しく読めた。語り手である愼の未熟さもまた良い対比だけれど、語り口に引っ張られると少し雰囲気が崩れるかも。少年棋士を上手くイメージ出来るか、というところ。なんとなくなんらかのギーグが周りに居てる -
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東京創元社の日本SFアンソロジーシリーズ「Genesis」、毎年刊行されるこのシリーズもこれで4冊目となる。いつもこの本が出るのを本当に心待ちにしてきており、申し分なく期待どおりの作品集となっている。このアンソロジーには有名なSF作家、新人SF作家が執筆しているのでいつも時間をかけて読んでいる。
短編が多い中、一番スペースを割いていたのが小田雅久仁の「ラムディアンズ・キューブ」で、私はこれが一番面白かった。この方のお名前はあまり覚えていなかったが、今回の作品でとても興味を持った、読み終えて直ぐに先々月出版された「残月記」を購入した。刊行されて間もないのに重版が出ていたということは、やはり人気 -
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架空の政治の話が絡む、現代アラビアンファンタジー。賢い女の子たちがワイワイ賑やかに集まるお話。ジャミラとアイシャがカッコいい。登場シーンからナジャフはイケメンオーラが漂っていた。イーゴリは最後までうるさくていまいち掴みきれなかった。
架空の国だけど、水の話や政治的な立ち位置など、リアルにかかれてて面白い。乙女の学友会と勢いで突っ走ってしまったけど、もう少し経験したたかなばあさん連中と政治のメンツを取りこんで、議会の内外で組み立てれば、骨太なファンタジーになったのにと思う。
ところどころで挟まれる、ママチャリで世界一周のお兄ちゃんのブログが好き。 -
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作者のあとがきによると、基本バカ話・与太を集めた作品集なのだそうだが、案外生真面目な作品も含まれてはいる。作品の出来も、バカ話系のほうがいいように思う。個人的ベストはミステリガジェットを満載して、クローズドサークルを虚仮にする表題作だが、この短編集のへそは「トランジスタ技術の圧縮」だと思う。しょーもないことに変に凝ってしまうことは、プログラマ系の人は誰でもやる。で無駄な労力を注ぎ込んだ、美麗な仕上がりを見た誰かが、これはもう伝統工芸だなとか、これ地区大会やって、夏に全国大会やったらいいんじゃないとか言い出す。それなら甲子園だな、負けたら砂拾うのかよ、いや四年に一度のワールドカップだ、イタリア代
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全体的な短編の完成度はかなり高かった。
現実から離れた設定だけど、安っぽいラノベと違ってたしかな筆力で読ませてくれた。人物造形もしっかりしてるし、語り手から見える世界に読者の自分は魅了された。
二編目のシェーファーの話が素晴らしくて、一種の歴史小説に近いと思う。こういう徹底さには勝てないなと思う。
でも、それ以上に麻雀の話があまりにもおざなりすぎて、評価が一気に地の底に落ちた。ほかの短編のゲームに精通していない自分にはわからなかったけど、囲碁やってる人でも最初の短編すんなり読めると思うんだよね。ただ、麻雀はさすがに雑すぎ。マジで舐めすぎ。作者もともと麻雀プロだったっていうけど、さすがに傲慢すぎ -
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巻末の解説にもある通り、"歌姫" と称される歌唱用のロボット DX-9 が、本来の用途を離れて転用され「人の死」に密接に関わる場所で落ちる、と言う短編が繰り返される。
女性型で「よくできたペッパーくん」とも言うべき量産品であり、廉価で高耐久なので盛んに目的外利用された、という設定である。
しかし、この「ボディつき初音ミク」が物語上の必然性を持っているかと言うとそうでもない。その点で『南極点のピアピア動画』(野尻抱介)とはかなり異なる。
この物語では「天使たち」は重要なギミックではあるが問題を解決しない。基本的には傍観者であり、そこから外れる時はたいてい死をもたらす。つまり「 -
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沙漠の小国家、アラルスタンで大統領が暗殺された。国の中枢にいる男たちが危険を感じて国外へ逃亡する中、国家の危機に立ち上がったのは教育機関"後宮"の少女たちだった。
様々な民族が集まり、複雑なバランスで成り立っている国家の危機を少女たちが救う。なんと面白そうなストーリー…!
周辺国の圧力やテロリスト、血腥い想像をしながら読むが、あくまで筆致は軽い。その軽さが物足りなく思えて初めなかなか乗れなかったが、おかげで辛くならずに安心して読み終えることができた。
少女たちはもとから優秀であったが、責任を負ってまた更に成長する。試練を経て強くなる姿に胸が熱くなる、これこそ青春冒険譚 -
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少し複雑な構成の話。
主人公・脩の<グレッグ音楽院>の受験と、そこに集まる受験生たちの話。
脩の父親探しと、父が残した<パンドラ>という楽器の話。
二次試験直前に起きた殺人事件と、そこから連鎖する数々の事件の話。
それぞれの話の中で語られる登場人物の出自と境遇が3つの話をリンクして、全体として語られるのは音楽の存在とその意義について。
読み終わってみて整理して見えてきた構図だが、読んでいる時は話がどんどん飛んでいくのでついて行くのが少々大変だった。
音楽院の風変わりな試験に集まるピアニストたちの交情の話だけで十分楽しめるのだが、色々話を繋ぎ合わせて盛り上げていくのは、まあ、これもジャズみたい