宮内悠介のレビュー一覧

  • Genesis 時間飼ってみた 創元日本SFアンソロジー

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    SF。短編集。
    作品によって、けっこう好みが別れた印象。
    好きだった作品は、小川一水「未明のシンビオシス」、宮澤伊織の表題作。
    表題作の突飛なアイディアがとても好き。
    受賞作2作では、個人的には溝渕久美子さん「神の豚」がわりと好み。ちょっと高山羽根子さんっぽい?

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    2021年12月25日
  • カブールの園

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    表題作と「半地下」の2編。とちらも米国で差別を受け悩む日系人が主人公。英語と日本語という相容れない言語で思考するアイデンティティの葛藤?ちょっと難しかったです。

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    2021年11月18日
  • 超動く家にて

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    ナンセンスSFが多いが楽しめた。

    表題作や、トランジスタ技術の圧縮など、だから?と言われればそれまでの内容を軽い会話の応酬で面白く見せてくれる。
    ミステリ作品にありがちな間取り図、いいよね。

    長編読んだあとの箸休めとしてオススメ。

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    2021年11月12日
  • 盤上の夜

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    一冊の本で、こんなにも満たされるとは思いもしませんでした。
    6つの話で構成されているのですが、どの話も違った魅力があって最後まで夢中で読むことができました。
    ルールや用語がわからないものばかりだったのですが、それでも読んでいて惹き込まれ、盤上の美しさにうっとりしました。 滅多に出会うことのできない素晴らしい作品に出会えたことが嬉しいです。

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    2021年09月16日
  • 宮辻薬東宮

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    ネタバレ

    人気作家によるアンソロジー。
    最初に書いた宮部さんの物語をモチーフにした作品を書き連ねる。
    テーマは「ホラー、中黒」といったところ。
    最後の宮内さんの作中に出てくる「Z80」ですが、過去に技術屋をやっていたため、妙に懐かしさと親しみを覚えてしまった。

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    2021年07月29日
  • 月と太陽の盤~碁盤師・吉井利仙の事件簿~

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    囲碁に詳しくないので、あまり理解できない内容もあったけど、落ち着いた感じのミステリで面白かった。利仙さんよりは慎と蛍衣のコンビが展開繰り広げる感じ。
    碁石の白は蛤からできてるの知らなかった…

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    2021年06月14日
  • あとは野となれ大和撫子

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    架空の政治の話が絡む、現代アラビアンファンタジー。賢い女の子たちがワイワイ賑やかに集まるお話。ジャミラとアイシャがカッコいい。登場シーンからナジャフはイケメンオーラが漂っていた。イーゴリは最後までうるさくていまいち掴みきれなかった。
    架空の国だけど、水の話や政治的な立ち位置など、リアルにかかれてて面白い。乙女の学友会と勢いで突っ走ってしまったけど、もう少し経験したたかなばあさん連中と政治のメンツを取りこんで、議会の内外で組み立てれば、骨太なファンタジーになったのにと思う。
    ところどころで挟まれる、ママチャリで世界一周のお兄ちゃんのブログが好き。

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    2021年06月10日
  • 超動く家にて

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    バカSF系。
    『トランジスタ技術の圧縮』
    『法則』
    『スモーク・オン・ザ・ウオーター』
    『星間野球』
    が面白かった。

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    2021年06月06日
  • 超動く家にて

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    作者のあとがきによると、基本バカ話・与太を集めた作品集なのだそうだが、案外生真面目な作品も含まれてはいる。作品の出来も、バカ話系のほうがいいように思う。個人的ベストはミステリガジェットを満載して、クローズドサークルを虚仮にする表題作だが、この短編集のへそは「トランジスタ技術の圧縮」だと思う。しょーもないことに変に凝ってしまうことは、プログラマ系の人は誰でもやる。で無駄な労力を注ぎ込んだ、美麗な仕上がりを見た誰かが、これはもう伝統工芸だなとか、これ地区大会やって、夏に全国大会やったらいいんじゃないとか言い出す。それなら甲子園だな、負けたら砂拾うのかよ、いや四年に一度のワールドカップだ、イタリア代

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    2021年04月21日
  • 彼女がエスパーだったころ

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    疑似科学がテーマの連作短編集。「彼女がエスパーだったころ」「ムイシュキンの脳髄」「薄ければ薄いほど」が好き。

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    2021年04月16日
  • 盤上の夜

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    全体的な短編の完成度はかなり高かった。
    現実から離れた設定だけど、安っぽいラノベと違ってたしかな筆力で読ませてくれた。人物造形もしっかりしてるし、語り手から見える世界に読者の自分は魅了された。
    二編目のシェーファーの話が素晴らしくて、一種の歴史小説に近いと思う。こういう徹底さには勝てないなと思う。
    でも、それ以上に麻雀の話があまりにもおざなりすぎて、評価が一気に地の底に落ちた。ほかの短編のゲームに精通していない自分にはわからなかったけど、囲碁やってる人でも最初の短編すんなり読めると思うんだよね。ただ、麻雀はさすがに雑すぎ。マジで舐めすぎ。作者もともと麻雀プロだったっていうけど、さすがに傲慢すぎ

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    2021年03月29日
  • 宮辻薬東宮

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    辻村さんが居たから取り敢えず読んでみた。既読だったけど……。
    宮部さんは流石の筆力で、薬丸さんも後半になるにつれて面白く。東山さんは最初、どこの話だと思ったが、なかなか面白かった。宮内さんは、技術的な話が長いだけあって、ちょっと難しかった。

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    2021年03月26日
  • 宮辻薬東宮

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    宮部みゆきさんの作品を元に4名の作者がアンサーストーリーのような形でとても面白かった。読み終えた後に少し不気味な感覚になるような本で、面白いコンセプトを元にそれぞれ話が展開されていた。

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    2021年03月14日
  • ヨハネスブルグの天使たち

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    巻末の解説にもある通り、"歌姫" と称される歌唱用のロボット DX-9 が、本来の用途を離れて転用され「人の死」に密接に関わる場所で落ちる、と言う短編が繰り返される。
    女性型で「よくできたペッパーくん」とも言うべき量産品であり、廉価で高耐久なので盛んに目的外利用された、という設定である。
    しかし、この「ボディつき初音ミク」が物語上の必然性を持っているかと言うとそうでもない。その点で『南極点のピアピア動画』(野尻抱介)とはかなり異なる。
    この物語では「天使たち」は重要なギミックではあるが問題を解決しない。基本的には傍観者であり、そこから外れる時はたいてい死をもたらす。つまり「

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    2021年02月16日
  • あとは野となれ大和撫子

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    沙漠の小国家、アラルスタンで大統領が暗殺された。国の中枢にいる男たちが危険を感じて国外へ逃亡する中、国家の危機に立ち上がったのは教育機関"後宮"の少女たちだった。

    様々な民族が集まり、複雑なバランスで成り立っている国家の危機を少女たちが救う。なんと面白そうなストーリー…!

    周辺国の圧力やテロリスト、血腥い想像をしながら読むが、あくまで筆致は軽い。その軽さが物足りなく思えて初めなかなか乗れなかったが、おかげで辛くならずに安心して読み終えることができた。

    少女たちはもとから優秀であったが、責任を負ってまた更に成長する。試練を経て強くなる姿に胸が熱くなる、これこそ青春冒険譚

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    2021年01月11日
  • アメリカ最後の実験(新潮文庫)

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    少し複雑な構成の話。
    主人公・脩の<グレッグ音楽院>の受験と、そこに集まる受験生たちの話。
    脩の父親探しと、父が残した<パンドラ>という楽器の話。
    二次試験直前に起きた殺人事件と、そこから連鎖する数々の事件の話。
    それぞれの話の中で語られる登場人物の出自と境遇が3つの話をリンクして、全体として語られるのは音楽の存在とその意義について。

    読み終わってみて整理して見えてきた構図だが、読んでいる時は話がどんどん飛んでいくのでついて行くのが少々大変だった。
    音楽院の風変わりな試験に集まるピアニストたちの交情の話だけで十分楽しめるのだが、色々話を繋ぎ合わせて盛り上げていくのは、まあ、これもジャズみたい

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    2020年11月29日
  • ヨハネスブルグの天使たち

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    一話目、「ヨハネスブルクの天使たち」の冒頭数ページからはとてもこんな作品だとは予想できなかった。良い意味で裏切られた。

    DX9という味気ない名前しかつけられていない日本製のロボット、通称“歌姫”が流通している架空の近未来が舞台のディストピアSF短編連作集。時代はおそらく2040〜50年代くらいか。

    DX9、あるいは天使たち、は作品の軸ではあるけれども、具体的な外見の描写は控えめ。耐久性が恐ろしく高い、ということ以外ほとんど分からない。あえて抽象的に描いている感じ。

    海外、特に中東やアフリカの内戦や戦争の記述が非常に詳しい。参考文献が各話の最後に記載されているが、執筆にあたり調査が徹底して

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    2020年11月07日
  • エクソダス症候群

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    物資のない火星に里帰り的に赴任する精神科医という設定は面白かったが、なんかあんまり入り込めなかった。

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    2020年09月12日
  • ヨハネスブルグの天使たち

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    全体的に内省的で様式美に溢れてる作品。現代人の苦悩とかクソどうでもよくて、さすがに「北東京の子供たち」だけは読むに耐えなかったけど、「ジャララバードの兵士たち」、「ハドラマウトの道化たち」はエンタテインメントとして面白く読めた。事実の調査や盛り込みはすごいと思う反面、wikipediaを並べた小説(もちろん、この作品は違うけど)のように見えてしまって、やり過ぎはあまり好みじゃない。事実は小説よりも奇なりのフックを超えたやっぱり小説の方が奇なりを期待して、著者の近作を読もうと思う。

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    2020年08月21日
  • 宮辻薬東宮

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    ネタバレ

    「ミステリー短編バトンつなぎ」
    最初と最後の「宮」のつなぎ方は(なるほど~)だったけど、どこがどうつながっているのか分からない話もあった。
    みなさん読み応えがある作家さんですが、アンソロジーだとパワーダウンしてしまうのかなあ。
    「薬」は先が読めたし、「東」はよく分からんかったです。

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    2020年07月12日