宮内悠介のレビュー一覧

  • ヨハネスブルグの天使たち

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    前作『盤上の夜』以上にハードなSFであった。ストライクゾーンはものすごく狭いけど、好きな人にはたまらない作品になっていると思う。

    テロ・紛争・格差などの今日的な問題を想起させる世界各地の建物から、少女の外見をして甘ったるい声で歌う初音ミクをモチーフにしたような日本製ロボット・DX9の雨が降ってくるお話が5編続く。9.11の再現と思われる「ロワーサイドの幽霊たち」を筆頭に、よくもまあこんなアクロバティックな作品を描いたなあというのが率直な印象。

    一話一話はそれほど長くないけど、結構大事なことがさらりと書いてあったりするので、惰性で読んでいると物語についていけなくなる。細心の注意を払って読む必

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    2015年10月31日
  • ヨハネスブルグの天使たち

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    近未来、ディストピア、軍隊、久々にSFを読んだ人間からすると、伊藤計劃以降のSFって似過ぎてる気がする。まぁ別に伊藤計劃が発端ってワケやなくて、攻殻機動隊とかブレードランナーとかからつながってるんやろうけど。
    初宮内悠介、最初の感想はそれ。似てるからアカンいうことはなくて、おもしろかったりカッコよかったりすればそれはそれでええわけで、アフガン→イエメンの連作とかなかなか良い。ヨハネスブルグと北東京、降ってくる少女型ロボットを見ている少年少女、というほぼ相似のシチュエーションからどうなるのかと思ったら、それほど虚をつかれた感じはしない。もう少し大風呂敷でもええんちゃう?という印象。どうも頭の中の

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    2015年09月30日
  • ヨハネスブルグの天使たち

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    ≪本の感想ではありません≫
    東西冷戦が指導者・思想家に引っ張られた対立なら
    昨今の紛争は人々の民族、宗教の意識に姿を変えて
    湧き上がり、制御不能になった状態なのかと。
    そこに米国中心の指導者たちの思想に動かされる
    人々、国々と民族の意識がが互いに異なる地平で
    ぶつかり、決して交わることない視点で争う。
    で、日本はというと機械、技術の面で世界にかかわり、
    思想や意識とは距離を置きながら、なんとなく
    世界に組み込まれ、覇者側に染まる、と。
    いや、この短編とは直接関係がないのだけど、
    この本を読んで、場を支配する空気というか、
    なんとなく、現代の世界と安倍以前の日本の
    立ち位置がそんなかんじだったか

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    2015年09月30日
  • ヨハネスブルグの天使たち

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    ネタバレ

    5篇全編に渡って、ロボット「DX9」が建築物の上から落下し続ける様子が描かれている。
    物語の中には9.11以降、そして伊藤計劃以降の「閉塞感」みたいなものが漂っている。
    「そこに留まり朽ちていくか、道を切り拓くべく出て行くか」。物語中で建築物からの落下を繰り返し続けるDX9は「留まり朽ちていく」ものの象徴として描かれていると思う。対比として描かれている作中の主人公たちは最終的には「道を切り拓くべく出て行く」ことになるが、全てがハッピーエンドとはなっていないように思う(シェリルは凶弾に倒れ、ザカリーは死に、璃乃はDX9へ接続するようになる)。
    ある意味で「俺たちの戦いはこれからだ」的な展開とも言

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    2015年09月23日
  • ヨハネスブルグの天使たち

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     日本製のロボットDX9を媒介に世界各国のテロや紛争地区の近未来を描いた連作短編。

     民族問題や宗教問題などの歴史的背景と問題の複雑さが各短編で描かれるので、正直作品を理解しきれたかどうかは自信がないのですが、それでもこの作品に備えられている力というものは十二分に感じました。

     その力の理由に作品の独創性がまずあると思います。現代においても未だ解決の糸口が見えない民族や宗教の問題、それを近未来とDX9というSFのガジェットを使ってどう描くか。表題作や「ハドラマウトの道化たち」でのDX9の利用法や政治の統治法もすごいなあ、と思ったのですが、なによりすごかったのが「ロワーサイドの幽霊たち」。虚

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    2015年09月21日
  • 名探偵だって恋をする

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    宮内さん目当てで購入し、やっぱり「空蜘蛛」が一番好みだったし、この短さの中で、物語と人物描写のみならず細かな部分(音楽や服装等々)も「抜かりなし」で満足。
    影響されて、しばらくパッサカリアばかり聴いてしまった。

    アンソロジーゆえ、他4人の、今まで読んだことがないラノベ系作家さんの作品に触れられたことも良かった。失礼ながら、どなたも存じ上げなかったし、好みはあるものの、購入して損はなかった。(アンソロジー集は、半分以上の作品を気に入らないと、失敗したと思う)

    他作品では、椹野さんの軽めの探偵ものが特に気に入った。舞台がイギリスなのも好み。貴族探偵エドワードシリーズを読みたくなった。

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    2014年06月28日
  • 旅する小説

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    6人によるアンソロジー 昔の記憶を呼び覚ます旅 二つ目の月が生まれてしまった為 一生動き続ける旅 自分の家族を探す旅 大好きだった兄を探す旅等 どこかに行くだけが旅ではない

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    2025年12月23日
  • エクソダス症候群

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    SF小説仕立ての精神医学史、という感じである。
    SF小説としては、火星の精神病院とか病棟の構造とか面白い舞台装置の割に、ストーリーはあっさり(サクサクではなく)で、各病棟の特色や構造、外界との関係性といった深堀りどころはまだまだあったのかなと思いやや残念。

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    2025年12月13日
  • これが最後の仕事になる

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    献鹿狸太朗さんのファンで読みました。今回も良かったです。短い分、もっと読みたい…!ってウズウズしてしまいます。

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    2025年12月10日
  • 人工知能の見る夢は AIショートショート集

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    人工知能学会の学会誌に掲載されたSFのショートショート集。

    各テーマの小説の後に研究者の解説、という本の構成が珍しく、面白い。
    人工知能の開発が進んでいった先の世界を垣間見れて、楽しくもあり、怖くもあった。

    人工知能の開発の際に、人間とは何か?という哲学的なものに返ってくるのは興味深い。
    人工知能の開発が進んでいくにつれ、社会の仕組みや倫理観、概念までもが大きく変わっていくのだろう。

    2017年発行のため、作品に出てくる人工知能でできることが、今すでにできるものもあり、人工知能の開発・実現のスピードの早さを感じた。

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    2025年12月01日
  • 盤上の夜

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    麻雀の話しだけ少し理解できたかな。もう少し自分に読み解く力と、共感力が欲しい。要するに心に響くところまではこなかったなぁ。

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    2025年11月27日
  • 旅する小説

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    ネタバレ

    ・宮内悠介 「国境の子」
    対馬生まれ韓国人とのダブルの話
    ・藤井太洋 「月の高さ」
    〇小川 哲 「ちょっとした奇跡」
    自転がほぼ止まった地球で明暗境界を移動するカティサーク号の少年は、地球の反対側で同じことをしている車へと出発する。
    ・深緑野分 「水星号は移動する」
    〇森晶麿 「グレーテルの帰還」
    グレーテルはヘンゼルに誘導され魔女(祖母)を焼き殺す。
    〇石川宗生 「シャカシャカ」
    地表が突然シャッフルを始め、時間と空間が円環する。

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    2025年11月09日
  • 暗号の子

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    AIとか暗号資産とか、新しいテクノロジーに私の頭がついて行けてなくて、楽しめなかった部分あり。最後の2作品「行かなかった旅の記録」と「ペイル・ブルー・ドット」なら私的には星4つ。

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    2025年11月05日
  • これが最後の仕事になる

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    24人の作家さんが「これが最後の仕事になる」の書き出しで1編6頁、24種の物語!
    大好きな作家さんが何人も名を連ねていて思わず読んでみました…恐い話や難しい話もあったけど1編が短くて手軽に読めました

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    2025年11月02日
  • 本格王2024

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    1編15分、世界がくるりと裏返る。
    ミステリのプロが厳選した、2024年を代表する本格アンソロジー。


    本格ミステリ作家クラブ選・編の、2023年発表の作品から厳選された本格ミステリアンソロジー。
    倒叙からダイイングメッセージ、日常の謎まで内容もバラエティに富んでいて面白いです。
    個人的によく読む、という作家さんも少なかったため、新鮮に楽しめました。

    以下、個別の感想を少しだけ。
    東川篤哉『じゃあ、これは殺人ってことで』……ドタバタした倒叙ミステリ。どんどん話がややこしくなっていく様に思わずくすっとしてしまいます。以前読んだときも思ったのですが、コメディ強めのノリについていけるかは好みが分

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    2025年10月30日
  • かくして彼女は宴で語る 明治耽美派推理帖

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    明治時代に実在した若き芸術家集団「パンの会」で、身近で起こった事件を解き明かしていく連作ミステリ。

    史実に絡めた、趣向が凝らされた謎解きが楽しい。
    青臭い自意識に苦しみながらも、自身の信じる形而上学的な美への追求をやめない彼らの若さが眩しかった!

    青春の終わりを予感させるラストの余韻がとても心地良い。

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    2025年10月18日
  • 旅する小説

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    「旅」をテーマに、気鋭の作家陣が短編を寄稿したアンソロジー。とはいえ旅の解釈はそれぞれであり、SFだったりミステリーだったり、各人の特徴が出ている内容となっている。

    個人的な好みは藤井太洋さんの「月の高さ」。ご本人の経験を踏まえた舞台芸術の置かれた現状、地方巡業のドタバタ感、枯れたおじさんと若い女性の緩い連帯といった内容が小気味よくロードムービー的に展開されていて面白かった。

    一方で石川宗生さんの「シャカシャカ」については正直よく理解できなかった。地表がシャッフルされるという話のメタ構造として、各章の順番もシャッフルされていく流れなのだけど、いきなり話と場所が飛んでしまうためについていけな

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    2025年10月13日
  • 彼女がエスパーだったころ

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    吉川英治文学新人賞の短編集。僕個人の価値観としてこれがミステリーなのかSFなのかは判断出来ない
    全て疑似科学、超常現象が主題なのだが決着はいわゆる、「普通」ではないものをテーマにすることで人間とは何かを考えさせてくれる短編集だった

    この語り手もまた、各短編にて読む側と同じ立場を担っていて、そもそもジャンルを決定させないで読む人の捉え方を楽しませる本なのではと感じた

    なんというか、1編で考えてみても膨らませたら全然長編になりそうな気もするのに、実にあっさり塩味な描き方に評価が分かれる気がする
    (絶対ワザとだが)
    表題作は読後感といい、タイトルといい◎でした

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    2025年10月03日
  • ラウリ・クースクを探して

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    時代に翻弄された友情の物語。ソ連とエストニアの確執と紛争と独立の流れの中で、同じものを見ていた少年少女たちはそれぞれの道へと分かれていく。そして時を経てのその邂逅。
    主人公のラウリがひたすらに実直で素直なので、嫌味なく読み進めることができる。
    最後まで普通に面白く読んだけれど、せっかくの邂逅シーンが思ったよりも盛り上がらずに淡々とした描写になってしまったのが残念だった。

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    2025年09月29日
  • これが最後の仕事になる

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    短編集って隙間時間にさっくと読めるの良いです。
    また多数の作家で構成されているので新たな発見もありました。

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    2025年09月20日