グーテンベルク21の検索結果
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サンクチュアリ
判事の娘で女子学生のテンプルは、男友だちに連れられて、酒の密造所に連れ込まれ、恐怖の一夜を明かした朝、性的不能者のポパイに、トウモロコシの軸で犯される。そのおり彼女を守ろうとした仲間のひとりがポパイに射殺され、家主のグッドウィンが容疑者として裁判にかけられるが、テンプルの偽証で犯人に仕立てられ、群衆から火あぶりのリンチを受ける。ポパイは町の売春宿にテンプルを監禁して男を当てがうが、この男にそむかれて殺害し、のち自分自身も覚えのない殺人事件の容疑を問われて無実のまま断罪されてしまう。救いようのない性と暴力の残虐物語だが、この渦中に耐えて生きてゆくグッドウィンの妻を配して、救いを設けている。 -
災厄の町
ふらりと立ち寄った町が気に入ったエラリーは土地の有力者ライツ家の持ち家を借りた。その家はライツ家の当主が次女ノーラとジム・ハイトとの結婚後に住む家として用意したものだったが、二人は喧嘩別れして、ジムは姿を消していた。それからすでに三年たつが、突然ジムが戻り、二人はよりを戻して結婚する。新婚早々、ノーラは偶然ジムが妹宛てに書いた3通の手紙を見つける。そこには、まがまがしい予告とも受け取れる出来事が書いてあった。やがてジムの妹ローズマリーが招かれてやってきた。そして感謝祭、クリスマスと、手紙の中味に符合するような事件がノーラの身に起こり、新年にはついに、ローズマリーが毒酒で死ぬ事件が起こる。ことの成り行きからジムが逮捕された……アメリカの架空の田舎町を舞台に繰り広げられる家族ドラマ。クイーン中期の代表作として名高い。 -
夏の黄昏
南部の小さな町に育った十二歳の少女。背丈ばかりのびて、近所の子どもから仲間はずれになっている少女の夏の出来事。この少女の心の孤独感は、仲間はずれになったことのある誰の心にも消えがたく残っている。そして自分がどこかのグループに属したい、誰かに認められたいという願望も。この作品はこの深くて鋭い心情をとらえて、あますところがない。しかしその卓越している点は、空気さえ感ぜしめる描写の力だ。人は空気によって生きるように、この作品の三人――少女と少年と黒人女性――は作中の暑い夏の空気を呼吸して生きている。その空気は狭いキチンにいる三人の息遣いを伝え、その絶妙の会話を伝える。外で遊ぶ子供たちの叫び、ピアノの調律音、猿まわしの演奏するオルガンの音、照りつける街なかの白い光などを伝え、その脈搏によってこの作品を日常の次元よりも高い、不思議な雰囲気のものにしている(訳者あとがき)。「結婚式のメンバー」という訳書もあるマッカラーズの代表作。 -
遺志あるところ
米国実業界の大物ノエル・ホーソーンが、義弟の国務長官の別荘近くの森で死体となって発見され、ショットガンの事故として処理された。遺書の内容はショッキングだった。妻デイジーに50万ドル、3人の娘たちには長女のジューンつまり国務長官夫人にはリンゴ1個、次女でヴァーニイ・カレツジの学長であるメイにはナシ1個、三女で女優のエイプリルにはモモ1個、ジューンの2人の子供アンドルーとセーラにそれぞれ10万ドル、ナオミ・カーンなる女性、つまり愛人に700万ドル、を遺贈するとあったのだ。未亡人デイジーは遺言無効の申し立てをすると主張するが、3姉妹は兄の遺書が公にされスキャンダルになることを恐れ、故ノエルの遺書を作成した弁護士とノエルの直属の部下を同道してウルフを訪ね、ナオミに遺産の半分を放棄するよう説得してほしいと依頼する。やがてノエルの死が殺人である可能性が浮上する…… -
風と共に去りぬ
アメリカ南部の大農園主の父と、フランス貴族の血をひく母のあいだに生まれたスカーレット・オハラは16歳、魅惑的な顔だちで、青年たちの心をとらえていたが、火のように激しい気性の持主でもあった。彼女が秘かに思いを寄せていたのは、うぶでけがれを知らぬ青年アシュレだった。その彼が従妹のメラニーと婚約したと知って驚くが、自分が打ち明けさえすればと、たかをくくっていた。野外パーティの日、彼女はアシュレを図書室につれこんで愛を打ち明ける。だが、アシュレは彼女をうけ入れようとはしなかった。スカーレットは彼を罵倒し、半狂乱になって彼の頬をなぐる。ところがこの一幕をレット・バトラーという男に見られてしまう。誇りを傷つけられた彼女はアシュレヘの面当てと復讐じみた気持ちから、彼の妹の恋人でありメラニーの兄であるチャールズと結婚してしまう。折から南北戦争が勃発、スカーレットの怒涛の人生が幕をあける……。刊行と同時にベストセラーとなり、今もなお熱烈に読みつがれる壮大な愛のドラマ。 -
ドラゴンの歯
エラリー・クイーンは自分と同じ警察官の息子ボー・ランメルの発案で、いっしょに私立探偵社を経営することになった。ボーは金も出し、足回りの仕事はなんでもやるという。ある日、そこへ億万長者カドマスが現われ、将来、事件を依頼するからという怪しげな条件で、多額の契約金を払っていった。その数日後、依頼人は愛用の豪華なヨットの上で謎の死をとげる。巨万の富を相続することになる二人の娘をめぐってまき起こる怪事件に乗り出すクイーン! 謎ときの興味横溢する本格編! ギリシア神話のカドマスはドラゴンの歯を地中に埋めて多大なトラブルを生み出したのだが……。 -
知られざる傑作
一つの作品に打ち込む老画家の十年にわたる執念が狂気にまでいたる経緯を描く「知られざる傑作」。この作品は、世代の異なる画家3人をパリに集めて出会わせ、具象と抽象という造形芸術の永遠の問題をうきぼりにしてもいる。重厚な描写とあわせてバルザック特有の「軽み」にも意をもちいた改訳版である。併録した「ピエール・グラスー」は「知られざる傑作」の幻想的な雰囲気とは異なり、リアルな物欲・名誉欲にかられる人物たちをコメディー・タッチで描く。画家を主人公としたこの2作は、いわば能楽と狂言のような関係にある。後者の主人公は贋作作家であるが、当代注目されている公式肖像画家をモデルにしており、芸術と金銭・権力との関係に興味のある人には必読の書。両作ともに、豊富な参考画像と当代の事情を明らかにする詳しい解説を付した。 -
地名の研究
この本は各地の地名のいわれ、その意味を、民俗学的な独自の立場から明らかにしようとした先駆的名著である。その名の由来を知りたくなるような地名は、われわれの身近に数多くある。著者はそうした身近な小地名を取り上げ、類似のものを全国から広範囲に拾い上げて考究する。山川草木、原野、沼沢などの地勢由来のもの、農業、漁業、海運、特殊な職業、田制、信仰、神事芸能などの土地の利用由来のものなど、多種多様な地名の由来が人の暮らしとの関連で明らかにされる。「久木」「真間」「強羅」「反町」「堀ノ内」「根岸」「八景坂」「新潟」…どれをとっても、興味深く、地名が文化遺産であることが納得される。 -
木綿以前の事
ごわごわした麻と異なり、木綿のふくよかな肌ざわり、多彩な色彩は人々の生活感覚を大きく変化させた。それは身ごなしにまで影響を与えた……この「木綿以前の事」からはじまって、著者は「団子と昔話」あるいは「家の光」「女と煙草」「酒の飲みようの変遷」「遊行女婦のこと」など食住から恋の話題まで、おもに女性が深くたずさわってきた事柄を中心に、民衆生活の歴史をさぐる。その手がかりとなったのは、従来等閑に付されてきた俳諧歌仙であった。ユニークな生活史読本。 -
一つ目小僧その他
日本全土に伝わる伝説を幅広く蒐集・整理して詳しく分析、それぞれの伝説の由来と歴史、そこにからまる人々の信仰や風習を跡づけ、「妖怪とは零落した神である」という大胆な仮説を提唱する柳田国男。「一目小僧」「目一つ五郎考」「鹿の耳」「橋姫」「隠れ里」「流され王」「魚王行乞譚」「物言う魚」「餅白鳥に化する話」「ダイダラ坊の足跡」「熊谷弥惣左衛門の話」の11編を収める。 -
ギリシャ神話
ギリシア神話は内外の多くの人たちの著作があるが、本書はそれらのなかで、おそらく最も読みやすく、全体の構造を理解するのに最も便利なかたちでまとめられた好著であろう。「世界のはじめと神々」「オリンポスの神々」「プロメテウス兄弟とパンドラ」「ゼウスの愛人たち」「デメテルの悲しみ」と読む進むうち、神話の面白さに思わず引き込まれていく。後半には著者が研究を続けてきた「北欧神話」を収め、ヨーロッパの2大源流を垣間見ることができるようになっている。図版多数。 -
セントラル・パーク事件
カメラマンのビンゴと助手ハンサムは、ニューヨークの街頭写真師だ。通行人や旅行者の写真を撮ってカードを渡し、25セントを送ってきた客にできた写真を送るのが商売。ハンサムは背が高く二枚目で、ご婦人方にもて、そのうえ、新聞に出ていることならなんでも憶えているという超人的な記憶の持ち主。その日も、二人は、セントラル・パークで、観光客相手に写真を撮っていた。7年前、公園の名物男ピジョン氏が、五十万ドルの生命保険をかけたまま謎の失踪を遂げたところだ。「ピジョン氏が失踪したその場所で撮ったあなたのお写真、すばらしい記念品になります」そう言ってカードを差し出すと、だれもが受けとった。商売は上々だった。だがその夜、暗室で昼間の写真を引き伸ばしていたハンサムは、笑っている男女を撮った写真の背後に、あのピジョン氏が写っているのを発見した! -
妹の力
かつて女性は固有の神秘の力をもつものとみなされ、祭祀をつかさどり、信仰の対象にもなってきた。柳田国男は民俗学の方法を縦横に駆使して、そうした時代の女性に託されていたさまざまな役割を明らかにする。「妹の力」「玉依彦(たまよりひこ)の問題」「玉依姫(たまよりひめ)考」「雷神信仰の変遷」「日を招く話」「松王健児(まつおうこんでい)の物語」「人柱と松浦佐用媛(まつうらさよひめ)」「老女化石譚」「念仏水由来」「うつぼ舟の話」「小野於通(おつう)」「稗田阿礼(ひえだのあれ)」からなる。 -
カタロニア讃歌
1936年、スペインに成立した左翼系共和政府に対して、右翼勢力はフランコを指導者に反乱を企てた。独・伊のファシズム勢力はこの反乱をバックアップしたが、英・仏は不干渉政策をとった。これがスペイン内乱である。共和政府を支持したのはソ連と、各国から自発的に参加した義勇軍であった。当初記事を書くためスペインを訪れたオーウェルはこの義勇軍に一員として加わり、実際の戦場へ。彼がそこで見たものは……20世紀を代表するルポルタージュの記念碑的作品! -
ファウスト
ファウストは学問と知識に絶望して、悪魔のメフィストフェレスと契約をかわして魂を売りわたし、その見返りにすべての地上の快楽を手に入れ、享受しようとする。ファウストは秘薬を手に入れて若返り、マルガレーテとの恋を成就するが…(第1部)。マルガレーテの処刑からくる自責の念からよみがえったファウストは、皇帝の城、古代ワルプルギスの夜、ヘレナとの家庭生活など、次々に生命の諸相を体験する。やがて人生の〈たそがれ〉を迎えたファウストは盲目のなかで自分の大事業を見とどけようとしながら、思わず「時よ、とどまれ」と口にする(第2部)。ゲーテが60年の歳月をかけて完成した欧米文学の記念碑。ゲーテも賛嘆したドラクロワのリトグラフ挿絵16点入り。 -
十月の旅人
ブラッドベリの習作時代から円熟期にかけての作品のうち、これまで邦訳の短編集には未収録の10編を伊藤典夫氏が選んでまとめた作品集。発表年代は1943年から53年までの10年間にわたる。過去と未来の日々を繊細な感受性と豊穣な幻想のなかに描くファンタジー。 -
時の塔
仲良しの2人の若い科学者はテレビ・セットでの受信実験をおこなっていた。だが予定の放映はおこなわれず、画面には不思議な映像が映し出された。大都市の公園と思われる場所が映し出され、そこに巨大な塔が立っていた。そのバルコニーに1人の少女が現われ、2人の助けを求めたが、塔はそのまま消え去った。少女はタイムマシンの塔に乗って未来から到着し、現在からの救助を求めたのだ! 背後には世界制覇をもくろむ「悪」がうごめいていた……。エジソンの秘書も勤めたことのある異色の履歴で知られるカミングズの代表作。80年前の作にもかかわらず今も読み続けられているSF古典。 -
幻滅
「自分の力をもてあましている青年たちは、これをジャーナリズムや党派争いや文学芸術にうちこんだが、そればかりでなく、もっとも奇怪な放蕩にも乱費していた。若きフランスには、それほどありあまる精力過剰があったのだ。これらの青年はみんな活動的で、権力と快楽をもとめた。芸術家肌の者は富を欲し、無為の者は情欲をもっぱら刺激しようとした。なんとかして地位にありつこうとけんめいだった。が、政治は、どこでもそれをあたえなかった。多くの者がりっぱな才能をもっていたが、ある者は刺激の多い生活でその天賦の才を失い、ある者たちはなんとか生活にたえていた」……。 -
八ケ嶽の魔神
「……私は故郷は信州諏訪です。そこから八ケ嶽がよく見えます。……八ケ嶽と反対の方角に、一連の山脈がございます。……可愛らしい山脈ですが、これを越すと伊那へ行かれます。この二連山に囲まれてみるのが所謂諏訪の平であり、そこにあるのが諏訪湖です。で此三ツを材料にして、作為を構へたのが『八ケ嶽の魔神』で、勿論全然空想の作で、史実など毫もありません」作者はこう語る。1924~26年(大正13~15)に「文芸倶楽部」に発表されたこの作品は発表時、「平安朝時代より明治大正に及ぶ怪奇伝」とうたわれた通り、八ケ嶽の窩人族と諏訪湖の水狐族との、長大な「確執・怨念・復讐」の物語である。 -
茶道太閤記
太閤秀吉の使いの紀伊守は利休にむかい「娘を差し出せ、そなたにも、娘にも、誓って悪いようにはからわぬ」という秀吉の言葉を繰り返した。利休は答えた。「大名衆では、何とお言いなされているか存ぜぬが、町人の世界では、利得を目的として物を人に渡すを売ると申す。娘を殿下に差出すことは、拙者の利得となり申す。されば、これは売るのでござる。売買を本業とする町人の世界でも、娘を売るは恥ずべきことと致しております。平に御辞退……あの人々は、詮(せん)ずるところ、ただの大名衆。百年の後、二百年の後、三百年の後、名前の残る人々ではござらぬが、拙者は芸道に生きる者、自ら申すもおこがましくはござるが、いつの世までも名の残る者でござる」……大坂城を舞台に、秀吉と利休、淀(お茶々)殿と北政所、利休の娘お吟、石田光成、小西行長ら武将たちがくりひろげる虚々実々の人間模様を描く海音寺潮五郎の初期の代表傑作。 -
大はずれ殺人事件
ジェークにとって、それはこよなく愉しい夢見心地の宵だった。以前から恋こがれていたヘレンとやっと結婚できたのだから。ところが、そのパーティの席上、シカゴ社交界のナンバー・ワン、モーナ・マクレーンが`「絶対つかまらない方法で人を殺してみせる」と公言したのである。よせばいいのにジェークはその賭けにのった。なにしろ、彼女が失敗したらナイト・クラブがそっくり手に入るのだ! その翌日、群衆の中で一人の男が殺された……。そもそもはたして、これはモーナ・マクレーンの仕組んだ犯罪なのか? 弁護士マローンとジェーク、ヘレンのトリオが織りなす第一級のユーモア本格ミステリ。 -
蒙古来たる
朝鮮海峡のはるか彼方に不気味な牙をむくフビライの蒙古。フビライは何度も使者をよこし、「友好」と称した臣従を日本に求めてきた。鎌倉幕府はおののき、国論は分裂した。幕府の執権北条時宗は悩みつつも強硬派に組していた。一方、幕府の御家人で伊予の豪族・河野通有はこの指針を危ぶみ、時宗に諫言しようと鎌倉をめざす。その途上の京都で、通有は公卿の中納言実兼に遭い、実兼が和平論者と知るが、疑念もいだく。事実、実兼には蒙古などどうでもよく、幕府の支持する現天皇をしりぞけて、上皇をかつぎだす思惑で動いていたのである。その手足が幕府の六波羅探題(京都)の長官赤橋義宗であり、鎌倉にいる義宗の弟義直であった。実兼はすでに肥後天草の武士・獅子島小一郎を籠絡し、天皇暗殺さえ企てていたが、これは小一郎に見抜かれて失敗していた。これらの人物たちに、日本に逃げてきているペルシャの王女と家来たち、それを援助するクグツの一団が絡む。さらにはおどり念仏を主唱する智真房、声高に救国を説く日蓮などの時代の動きをもまじえて、物語はアジアにまで広がる舞台と複雑な経緯を描きながら、ついに蒙古の襲来というクライマックスへ。 -
ローマ劇場毒殺事件
本格ものミステリーの雄、エラリー・クイーンのデビュー作であり、以後10巻に及んだ有名な「国名シリーズ」の最初の作品。ブロードウェイの新顔「ローマ劇場」には暗黒街ものの新作「拳銃稼業」に多くの観客がつめかけた。ナイトクラブの殴りこみ、ギャング出入りの派手さで受けている芝居だった。第二幕の山場で観客席の後部座席のほうから大きな悲鳴が聞こえた。客たちはこれも芝居の新手だと思い、その方角に首をのばした……だが、それは芝居ではなく真実の殺人だった。被害者は悪徳弁護士! クイーン父子の捜査がはじまる。どうしたわけか被害者の持っていたはずのシルクハットが消えていた…
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