グーテンベルク21作品一覧
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-エッセイスト、ジャーナリスト、批評家として幅広く活躍し、「ペンで暮らしをたてた最初のアメリカ人」とも評されるこの作家の代表作。原書は34編の短編小説と随想、紀行文からなるが、ここには最も有名な作品「リップ・ヴァン・ウィンクル」「スリーピー・ホローの伝説」の2編をふくめて13編の短編を収録した。
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5.0「ふたりは細い雨の降っている、人影ひとつない灰色の街を歩いていった。街の端までくると、ふたりのまえにまた広場がひろびろと果てしもなくひろがった。流れる白銀の糸の中から、凱旋門のどっしりした灰色の姿が、震えながら空高くそそりたっていた」……強制収容所を脱走して、フランスに不法入国、幽霊外科医として、もぐりの宿オテル・アンテルナショナールに不安な生活をおくっているラヴィック、天涯孤独の歌い手で、端役の女優マヅー、二人はふとしたきっかけで知り合うようになる。第二次世界大戦前夜の凶暴な嵐が吹き荒れつつあるパリを舞台に、避難民たちの不安と絶望、愛と復讐をみごとに描ききった名作。ラヴィックとマヅーの飲むカルヴァドスは当時、世界的流行にまでなった。
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-いまも脈々と生きつづけるアメリカン・ハードボイルドの真骨頂チャンドラーの中編3作。表題作「ベイシティ・ブルース」のほか、「赤い風」「密告(さ)した男」をおさめる。活躍するのはもちろん「いやしい街をゆかねばならぬ」フィリップ・マーロウである。
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-フィリップ・マーロウは、行方不明になったアメリカ古金貨の捜索を頼まれる。依頼人のマードック夫人は、歌手あがりの息子の嫁を疑っていた。だがマーロウは、この一家に、はるかに複雑で不吉なものがうごめいているのを感知する…探索をすすめうちに、マーロウは事件の鍵をにぎると思われる3人の人物の死をもたらしてしまう…ハードボイルド・ミステリーの雄、チャンドラーの初期代表作。
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-『われらの時代に』で描かれたひとりの男の成長の過程。『女のいない男たち』における男の絶望。そして本作『勝者には何もやるな』では、あきらめの境地に達した男のいっそう深い絶望が語られる。人生の激しい嵐をとおりぬけ、静かに虚無の世界を眺めるかのように綴られるヘミングウェーの第三傑作短編集!名作 「キリマンジャロの雪」収録
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-「失われた世代」の代弁者として、黙々と生きる男の虚無と絶望と救いをうたいあげた、ヘミングウェー28歳のときの第二短編集。長編『日はまた昇る』と『武器よさらば』のあいだの時期に書かれ、熱狂的な支持をえた作品集。
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5.0死と暴力と恐怖にとりまかれた生を、装飾を排したかぎりなく簡潔な文体とみごとな構成で浮き彫りにした、ヘミングウェー26歳のときの処女短編集。それぞれ登場人物を異にする短編連作を通じて、ひとりの人間の生涯が浮かびあがる。ヘミングウェーを愛する高村氏による全面改訳版。
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-ナンナは十六になった娘の身の振り方を決めてやるのに迷い、友達のアントニアに相談する。「修道女にするのがいいか」「さっさと結婚させるのがいいか」「娼婦にするのがいいか」というのだ。それというのも、ナンナ自身、この三つの暮らしをすべて経験してきたからで…ルネサンス期ローマの町のけた外れの淫乱ぶりを暴露するポルノの元祖。
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-午前3時すぎのヴァンティミル広場は静かな小島のようだった。死体は湿った歩道に頬をつけて横たわっていた。片方の足には靴がなかった。身につけたイヴニング・ドレスは傷んでおり、肌寒い3月というのにコートは着ていなかった。メグレはなぜか、これが複雑な事件になるような気がした。
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3.0シムノンのメグレ・シリーズ第1作!「狡猾《こうかつ》かつ危険きわまりない人物、国籍不明、おそらくはリトアニアかエストニアの生まれ、英仏独露の四か国語を流暢に話し、詐欺をもっぱらとする国際犯罪団の首領」と目される怪盗レトン。その到着をパリの北駅に待ち受けるメグレ。だが、それらしい男が下車すると同時に、まったく瓜二つとしか言いようのない男の死体が、列車の洗面所に発見される。パリとノルマンジーのフェカンをむすぶ謎はなにか? 雨にけぶる巷に、霧深い地方の港町に、パイプをくわえてのっそりとたたずむメグレ、「犯罪心理の洞察者」「人生の捜査官」メグレの全貌はこの一作でわかる。
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-深夜メグレの自宅に若い娘から電話が。地方からパリに出てきて、当てにしていた友人とはぐれ、お金もなく、困り果てているという。メグレはホテルを紹介してやる。ところが翌朝、彼は警視総監から、若い娘を誘惑して酒を飲ませ、ホテルに連れこんだと叱責を受ける。何者かがメグレの失脚をねらってしくんだ罠だった。メグレは背後で糸をひいている人物を探ろうするが……
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-繁華街に近い袋小路のような路地で中年の男が背後からナイフで刺されて死んでいた。残っていた財布から身元はすぐに割れた。近郊の町からパリに通う倉庫係だった。だが死体置き場まで確認にやってきた妻は、遺体のつけている「茶色い靴も赤いネクタイも」覚えがなかった。男は勤め先がとっくに倒産したのに、妻には何も言わず、以前と同じようにして毎日パリへ通勤していたのだ。しかも、男が昼日中、所在なげにベンチに腰掛けていた姿も目撃されていた。いったいこの男は何をして暮らしていたのか。
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-メグレはボルドーで開かれた国際警察会議に出席した。帰りがてら、彼はむかしナントの大学で医学の勉強をしていたときに同じ下宿にいて仲良くなったシャボを訪ねてみようという気になった。シャボはヴァンデ県の小さな町フォントネイで判事をしていた。町はつい最近起きた二件の殺人事件で不安に包まれていた。旧家のあるじの義兄が殺され、ついで一人暮らしのばあさんが殺されたのだ。それは単にそれだけのことでメグレには何の関係もなかった。だが彼が町に着くとすぐに第三の殺人が発生した…メグレは否応なく小さな地方の町の特異な事件に巻き込まれていく。
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-その男は二人の女性を殺害した容疑で死刑を宣告され、刑務所に収容された。状況証拠は圧倒的に不利だったが、メグレの勘では「白」だった。やがて死刑囚のもとに脱獄を手引きする手紙が届けられる。男は疑いつつも誘いに乗る。メグレは司法当局を説き、みずからの名誉と職とを賭けて、「泳がせてみる」という大ばくちを打ったのだ。だが、まったく凡庸としかみえなかった男は、まんまとその裏をかいて行方をくらました。しかも、翌日の新聞には、「警察と司法とがぐるになって仕組んだ芝居だった」という暴露記事まで掲載された。メグレはあせった。もち時間は少なかった……
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-メグレ物のなかでも、ずばぬけておもしろい中長編集『メグレ、最新の事件簿』から秀作9編を選んでおくる。「メグレ夫人の恋人」では、メグレ夫人が事件の発覚を予測し、いざ事件が起こると家庭から飛び出してメグレ顔負けの名探偵ぶりを発揮する。「殺し屋スタン」は数あるメグレ物中編のなかでも、おもしろさが光る作品。
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-保険代理人ミショネの自宅車庫から自慢の新車が消え、かわりに隣人アナセンのおんぼろ車が放置されていた。アナセンの車庫で発見された新車の運転席には、至近距離から胸を撃たれた宝石商ゴードバーグの死体があった。パリ近郊の《三寡婦(かふ)の十字路》を舞台に、重厚で、異様な雰囲気と、強烈なサスペンスが盛り上がるメグレもの初期の傑作。
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-七十八歳の元外交官サン=ティレール伯爵が自宅書斎で数発の銃弾を浴びて即死した。至近距離からの一発が脳頭蓋を吹っ飛ばす致命傷であった。外交上の政治的事件か、恋愛問題か、遺産相続問題か? ミステリーのタブーに挑戦したシムノンの力作は意外な結末をとげる。
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-ロワール河畔の別荘で、夫人とともに定年退職後の静かな生活を送っていたメグレ。そこへ突然、アメリカの大富豪の息子が訪れ、極秘の調査を依頼した。この青年の懇願で、ニューヨークへ旅立ったメグレは……
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-宝石泥棒の陰の黒幕とメグレが目星をつけていたマニュエルが自室で銃殺された。車椅子のマニュエルは、若い情婦アリーヌを使って組織を操っていた。密室殺人と連続宝石泥棒の謎に挑むメグレ……
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-サン・マルタン運河からあがった男のばらばら死体。首だけが発見できない死体の身元確認に奔走するメグレの前に、パリの片隅でひっそりと暮らす居酒屋夫婦の意外な過去が浮かびあがる。メグレもののなかでも一、二を争う傑作!
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-ガール河岸の今は傾きかけている老舗(しにせ)のビスケット会社。その当主が深夜、自室で胸を撃たれて死んだ。荒れすさんだ広壮な屋敷・事務所に細々と暮らす一族は、だれひとり、銃声を聞かなかったという。メグレは執拗にそのことにこだわった。
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-ひっきりなしに電話でメグレに救助と保護を求めた正体不明の男は、コンコルド広場で無惨な他殺体で発見された。死者の妻の名はニーヌ、胃の中には鱈(たら)料理……数少ない手がかりを懸命に追うメグレ。トーマ・ナルスジャックがメグレシリーズの最高作と激賞した傑作。
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-「親愛なるリルケよ、私が彼のなかに見、そして愛したのは、この世の最も繊細で、最も精神にみちあふれた人、あらゆる精神の神秘に最も多く見舞われていた人であった」これはポール・ヴァレリーの哀悼の辞である。透徹する孤独のなかに安らぎをもとめたゲルマン的、スカンディナビア的な詩魂の精華。
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-パリ郊外のドーブレック代議士の別荘に押し入ったルパン。高価な美術品を奪う計画は成功したかにみえた。だが、事態は急変、ルパンは手下を置き去りにして命からがら逃走するはめに。この手下どもはその屋敷で、何やら別の品物を物色し、それをめぐって取っ組み合いの喧嘩まで繰り広げた。ルパンはそれを奪って逃走したが、家に帰り着いてから見てみると、それは水晶でできた水差しの栓にすぎなかった。だが一夜あけたとき、マントルピースの上に置いた栓は跡形もなく消えていた!……水晶の栓をめぐって複雑にからみあう謎また謎、ルパンは政治陰謀と裏切りの渦中にいやおうなく巻き込まれ、最大の強敵に立ち向かう。危うしルパン! 「水晶の栓」はルパン長編ものの最高傑作のひとつ。
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-新婚のポールとエリザベートは、独仏国境ちかくに建つ、エリザベートの父の館(オルヌカン城)へと旅する。だが、館の中の閉ざされた一室で見せられたエリザベートの母の肖像は、忘れもしないポールの父親を殺した女の肖像ではないか! 苦悩にさいなまれるポールはエリザベートと別れ、おりしも勃発した第一次大戦の戦場へ。だが運命は再びポールを謎を秘めたオルヌカン城へと導く。謎のHERMの文字、ヘルマン参謀なる奇怪な人物、囚われのエリザベート、戦場を舞台にくりひろげられる冒険活劇。作者ルブランはルパンも登場させて、読者サービスも忘れない。
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-ヘディンの探検旅行は、1890~91年のペルシアと中央アジアの旅行に始まる。この時には、ペルシアから西トルキスタンのブハラ、サマルカンド、タシュケントなどを経て、東トルキスタンに入り、その西端のカシュガルに達した。93年には第2回の探検を試み、この時にはパミール高原、タリム盆地、北チベット、新疆省北東部を踏査した。このときの記録が98年にまとめられたThrough Asiaである。本訳書はこの書のカシュガル以降の分を訳出したもので、タクラマカン砂漠の横断で九死に一生をえた有名なエピソードが一つのクライマックスになっている。「さまよえる湖」ロプ・ノール地方に最初に足を踏みいれたのも、この時のことであった。
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-ヘディンは1933年、南京中央政府から西域の新疆(シンキアン)と中国本土のあいだに、2本の自動車道路を設計するための予備調査を委託される。このときの探検旅行の報告書は、戦争と政治、交通機関、進行しつつある地理および水路の変化の3つの観点からまとめられた。『馬仲英(マチュンイン)の逃亡』『シルクロード』『さまよえる湖』の三部作がこれで、本書はこの『シルクロード』の全訳である。足かけ3年にわたったこのヘディンの第五次アジア内陸探検の、北京からハミ、アンシー(安西)を経て、シーアン(西安)にいたる横断路は、かつてシナ絹を西域欧州方面へ運んだ、あの「シルクロード」と呼ばれた道であった。ヘディン独自の感性が息づく本書は、探検記の古典といってよい。「中央アジア探検記」「シルクロード」「さまよえる湖」はヘディンの探検記を代表する3部作となっている。
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-スウェーデン生まれのスウェン・ヘディンは1890年代から回数にして5度の中央アジア探検を試み、40年以上にわたって中央アジアの地理学的疑問の解明に取り組んだ。なかでも、インダス、ブラマプトラ両大河の源流をつきとめ、ヒマラヤ山脈とコンロン山脈の間に横たわるトランス・ヒマラヤ山脈を発見したこと、シルクロードに横たわる楼蘭の遺跡を見つけたことは最も重要な業績に数えられる。だが同時に、タクラマカン砂漠東方に位置するロプ湖の地理学上の謎を解くことは彼の長年の夢であった。「さまよえる湖」は幸運にも自らの目でそれを確認することができたときの、稀有の探検の記録である。
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-「悲しみをたたえた華麗さ、グレーのセーターのような、メランコリックな優しさ、ワイン色のアンニュイ。フイッツジェラルドの作品の中には、現代の女性の心をひきつける、何ものかがひそんでいるのかも知れません」(訳者)。この短編集には表題作のほか「冬の夢」「金持ちの青年」というフィッツジェラルドの代表的な三つの作品が収められている。
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-自分の発明した薬品によって「善良な市民」ジーキルから「悪の権化」ハイドに変身、闇にまぎれて悪逆非道をはたらき、ふたたび薬品によって元に復帰する……人の心の二面性を象徴的に描出した怪奇ものの古典。他に二つの短編「水車小屋のウイル」「一夜の宿」を収めた。
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-アメリカの探検家スタンレーの第二回アフリカ探検の手記。1874年、アングロ・アメリカン探検隊の隊長としてザンジバルからアフリカ大陸に入り、ヴィクトリア湖、タンガニーカ湖をきわめ、コンゴ川をくだって、1877年、出発以来999日めに、ついに大陸を横断してボマに到着。さらにコンゴ川を下って大西洋岸に達した。この苦渋にみちた、はじめてのアフリカ大陸横断ドキュメントによって、「未知の大陸」アフリカの真相は初めて世界に伝えられた。
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-ジューディは結婚して、孤児院の有力な後援者に。かわって大学時代の親友、赤毛のサリーは孤児院の院長さんになって大活躍、がんこ者のお医者さんと力をあわせて、孤児院を大改革。前作とおなじ手紙の形で話が進められ、前作とおなじように、ユーモアにあふれ、強い正義感をうたった傑作。
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-孤児院に育った少女ジューディに幸運が。月に一度手紙を書くという約束で大学に入れてくれるという紳士があらわれたのである。「あしながおじさん」は、快活で機知にとむジューディがこの約束にそって書いた手紙形式の物語。90年も前の作品にもかかわらず今なお世界中の人たちに愛され親しまれている名作。
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-フランスのリシュリュー時代を舞台に、アトス、ポルトス、アラミスの三銃士と堅い友情で結ばれたダルタニャンとが、陰謀と権謀術数の渦巻くなかを泳ぎ渡ってゆく痛快、汗握るデュマならではの冒険活劇。スリルと波乱、雄大なスケールで、決して読者をあきさせない最高級のエンターテイメント!
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-「女護(にょうご)が島」「おさがり」「赤貝猫」「金箔屋」「建礼門院」「茶漬け間男」「からくり医者」「揚子江」「松茸」「張形(はりがた)」など24編の上方艶笑落語の傑作が勢ぞろい。
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-製粉工場ができて利用されなくなった風車小屋のなかで、粉ひきじいさんが壁土をひいていたという「コルニーユ親方の秘密」、あばずれ女と結婚した青年が、女をもとの情夫に連れていかれて、女を思い切れずに自殺するという「アルルの女」など、プロバンスを舞台にした情趣あふれる24の短編からなるドーデの代表作。
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-舞台はフランス・ルネサンスの一見はなやかな時代。だが新旧の宗教の対立はきわだち、聖バルテルミーの大虐殺で対立はクライマックスを迎える。シャルル9世は君主ではあったが、母親のカトリーヌ・ド・メディシスは隠然たる力をもち、シャルルの弟たちもそれぞれが次期の王位を狙っていた。こうしたなかでシャルルの妹マルゴはプロテスタント勢力の旗頭ナヴァール王アンリと政略結婚をさせられる。だがマルゴは披露宴の席で元恋人のギーズ公からなにごとかささやかれると「今夜、いつものように」という言葉をラテン語であたえるのだった。
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-紀元前5世紀のヘロドトスの「歴史」に出てくる作者イソップ。だがその生涯はよくわからない。しかし、イソップ作とされる寓話の数々は、いつしかまとめられて多くの国の言葉に訳されて普及した。日本でも1593年に『天草本伊曾保《いそぽ》物語』が出版された。おもに動物や植物を材料に書かれたその寓話は、末尾の警句とともに、大人が改めて読んでも非常におもしろい。本寓話集には、(1)に148編の寓話を、(2)には120編の寓話と、同じく寓話作家として有名なラ・フォンテーヌの手になる、これも非常におもしろいイソップの伝記寓話15編が収めてある。
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5.0第一次世界大戦の一進一退がつづく北イタリア戦線に志願し、傷病兵運搬の任務にあたるアメリカの青年フレデリックは、戦場で働く看護婦キャサリンと恋におちる。二人はスイスへの逃避行を試みるが…。死と生の世界を「乾いた」文体で描いて発表と同時に各国でベストセラーとなった20世紀文学の記念碑的作品。
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-一商船の船長が、インドネシア方面の海中で、山椒魚に似た奇妙な動物を発見する。彼は、この動物が人になれるうえに利口なことを知って、真珠採取に利用することを思いつく。そして、この仕事の企業化を、ある実業家にもちかける。山椒魚は、まず単純な海中作業に利用されるが、やがて、人間はさまざまな技術を教え、言葉までさずけて、彼らを高度な仕事につけはじめる。知識と技術を獲得した山椒魚はいろいろな権利を主張しはじめる。そして……。痛烈なSF的諷刺によって、政治的・経済的・技術的・文化的な激動の時代を皮肉ってみせたチェコの奇才チャペックの代表作。
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-ルイ14世によって引き起こされたオランダ戦争の渦中、オランダ国内は政治的党派の争いも過熱していた。その一方で、ハルレムの町は「黒いチューリップ」を作り上げた者に10万フロリンの巨額の懸賞金を出すというイベントを企画する。資産家の息子で根っからの園芸好きのコルネリウスは、全力をあげて品種改良に取り組む。だが隣家には、コルネリウスに対抗心と嫉妬の炎を燃やす園芸家ボクステルの目があった。彼はコルネリウスが当時の政治リーダーの叔父から重要書類を託されたらしいのを目撃する。
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-「芝浜」「火事息子」「唐茄子(とうなす)屋政談」「景清(かげきよ)」「子別れ(上中下)」「梅若礼三郎(れいざぶろう)」「お若伊之助」「淀五郎」「紺屋高尾」「文七元結(ぶんしちもっとい)」「ちきり伊勢屋」の13編を収録した「人情ばなし」の傑作選。
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-「柴錬立川文庫」は、時代小説の第一人者が、数々の伝説上あるいは歴史上の有名人物を「あっと驚くような視点から」面白く再現した約50編からなる大好評シリーズ。一読、やめられなくなる痛快読み物! 「猿飛佐助」はその最初のシリーズ「真田十勇士」の巻頭の一編。佐助は武田勝頼の落し子で、戸沢白雲斎に育てられた忍者で、のちに真田幸村の家臣となって活躍したという、奇想天外・荒唐無稽の人物。織田信長、豊臣秀吉、徳川家康らが戦国の覇を競った時代が、虚実とりまぜて生き生きとよみがえる。本巻には他に「霧隠才蔵」「三好清海入道」」「柳生新三郎」「百々地三太夫」「豊臣小太郎」「淀君」「岩見重太郎」の7編を収めた。
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-ラルフは良家の令嬢マグダと婚約したばかりだが、気がかりなことがあった。恋仲になり別荘まで買ってやった娼婦ローズの存在だ。ローズが結婚の障害になることを心配した彼は、関係を穏便に清算するため、弁護士カーチスに頼んでブーローニュの別荘に出かけた。だが、ローズはベッドの上で、動脈に達するほどの傷を負って死んでいた。しかも部屋には4種類の凶器になりうるものが存在していた! いったいどういうことが起こったのか。奇怪な事件の謎にいどむ探偵バンコランが、持ち前のウィットとユーモアを見せて活躍する最後の長編。
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-「四十歳になって、突然私は女たちを理解したいという欲求に駆られた。そのときまで、私は小説のなかで女を、男の登場人物の単なる相手役にすぎないような扱い方をしていた。しかし、実のところ、私は一種類の女しか知らなかったのだ。急に、他の女たちとも出会いたいと思った……デニーズと出会ってから、私は以前とおなじ目線で女と愛をもはや見られなくなった」これはシムノンの告白で、デニーズとは彼がニューヨークで出会った女であり、本作はその時を綴った自伝的小説と見られている。
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-『マギル卿最後の旅』は、推理小説に旅行をとりいれた作家、アリバイくずしの作家、鉄道人であった経歴を持つ作家クロフツの面目が充分に発揮されている小説だと言えよう。その意味では、この小説は有名な『樽』にもまして、クロフツの代表的な作品だと言っていいのではないかと思う。…これは訳者の言葉だが、ロンドンの富豪マギル卿は、息子の経営するベルファストの紡績工場へ行くと称して消息を絶つ。北アイルランド警察の捜査では、血痕のついた卿の帽子が見つかっただけで死体は見つからない。だがロンドン警視庁のフレンチ警部がのり出すと、果然、事件はその様相を一変した。息子の私邸の庭から、卿の無惨な死体が発見されたのだ!
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-ハガードの秘境冒険小説『洞窟の女王』の続編。前作で猿のミイラのような醜怪な姿となってコールの洞窟で息絶えた不死の女王アッシャの、なんと18年後の復活! 『洞窟の女王』の最後で、ホレース・ホリーはつぎのように、はっきりとアッシャの復活を予言していた。「科学と現実の世界に関するかぎり、これでこの物語は終る。レオと私に関しては、この物語がいつになったら終るのか、私には推測もつかない。二千年以上も前にはじまった物語なのだ。漠とした遠い未来まで、はるかにつづくかもしれない」…そして復活は、輪廻の思想の国チベットを舞台にして始まる。
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-「八犬伝」は馬琴が48歳から書き始め、76歳に完成した全106巻からなる大長編だ。再話者杉浦明平は発端と最後の梗概をのぞき、中心をなす八犬士の列伝から入る。八犬士のそれぞれの生いたちや活躍、善悪邪正入り乱れてのエピソードがくりひろげられ、因果の糸にあやつられた多様な人生が展開される。犬士達は、それぞれが所有する「仁義礼智忠信孝悌」の霊玉と牡丹あざとによって、自分らが義兄弟であることを知り、みずからの使命を悟って集結してゆく。そして、出生した年から足かけ25年の艱難ののち、結城に集結する。グリンプスとは「ちょっと見」という意味で、著名な作家が古典を再話した古典入門であるが、巻末には詳細な解説が付いている。
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-「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響(ひびき)あり、沙羅双樹の花の色。盛者(じょうしゃ)必衰の理(ことわり)をあらはす」に始まる平家物諳は、一大叙事詩として、また国民文学の白眉として古くから親しまれてきた。一貫して流れる仏教的無常感は音楽性ゆたかな名文によって、永く読む人の心を打ちつづけている。本書はみずから仏門に入った瀬戸内寂聴が「祇園精舎」から「大原御幸」まで全編を「栄華」「暗雲」「寂光」の3部に分け簡潔流麗な現代語訳として提供する。グリンプスとは「ちょっと見」という意味で、著名な作家が古典を再話した古典入門であるが、巻末には詳細な解説が付いている。
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-「お伽草子」とは、ほぼ江戸時代以前に成立していた物語類を、江戸時代に冊子として出版し、おもに家庭の子女の読み物としたものである。内容は、立身出世もの、神仏の加護や霊験譚、異界の土地をめぐる遍歴もの、古くからの伝説や昔話、神社や寺の縁起を編集したもの、仏教や経典からの翻案など、多彩でとりどりである。本書には、円地文子が選んで再話した「浦島太郎」「俵藤太」「一寸法師」「ものくさ太郎」「百合若大臣」などよく知られた9編を収めてある。グリンプスとは「ちょっと見」という意味で、著名な作家が古典を再話した古典入門であるが、巻末には詳細な解説が付いている。
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-この短編集にはガブリエル・ゲイルという詩人で画家が解決にあたる8編の探偵譚が収められている。各編では奇矯ともいってよい風変わりな人物が登場し、奇怪な殺人や、神秘的な出来事が起こる。それらの解決はみな、常識的な推論や犯罪捜査を受け付けず、ゲイルのような「普通でない」考えがひらめく人物でないかぎり解明の役に立たない。怪奇と幻想と狂気、それらがない交ぜになったチェスタートン独自の世界を感じることができる。
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-ミステリのなかで密室ものと言われる作品群がある。locked room murder がその原語で、入ることも出ることもできない密閉された空間あるいは状況において発生した殺人を扱ったものだ。ディクスン・カーは手を換え品を換えて生涯、この種の作品の提供を追求したが、他にも多くの作家がこのアイディアを試みた。本書はこうした「密室もの」短編の一端を紹介するもので、多彩な作家の手になる14編を収録している。カーはもちろんだが、クイーン、クレイグ・ライス、マクロイ、チェスタートン、ポースト、シムノンなどの「不可能犯罪」を一瞥できる。
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-ローズの青春は今、華やかに幕を開けた。魅惑的な社交生活、次々と現れる求婚者たち。しかし聡明な彼女は、華美な生活に惑わされることなく、堅実に自らの道を歩み、生涯の伴侶を見出してゆく。本書は『八人のいとこ』の続編で、ヒロイン、ローズの誠実な人生観、清らかな恋愛は、現代の若者にも限りない魅力と感動を与えると思われる。この作品には、ローズばかりでなく、幾つもの恋愛が描写されているが、それぞれの青年男女の心理や情感がきめこまかく生き生きと描かれていて、時代を超えた感動を与える。
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-13才になる虚弱な女の子ローズは早くに両親を亡くして、アレック叔父に引き取られる。だが、8人のいとこ(全部男の子)や召使のフェーブと元気に仲良く暮らすうちに、溌剌とした女の子に成長してゆく。ローズは孤児だったが、父の残した財産と誠実で知性の高い叔父の献身的な配慮、さらには自身の素直な性質のおかげで、すこやかに成長し、いとこたちの心の支えにまでなってゆく。「若草物語」の作者が描く少女の成長物語。
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