社会学作品一覧

  • 若者の曖昧な進路選択とキャリア形成――とりあえず志向の実証的探究――
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    1巻3,300円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 若者は,自分の進路について,自己分析や業界/企業研究では十分確信できない曖昧さや不安を抱えている.この問題にいかに対処するか,基本的な考え方がここにある.最新のエビデンスに基づく「とりあえず研究」により,若者が自覚的にキャリアを築くための道筋を模索した唯一の書.
  • 人類の原風景を探る
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    1巻3,300円 (税込)
    棚田の復元、自然回帰、ふるさと志向、レトロや伝統、スローライフなどが、なぜ人々の心を捉えているのか。単なる文明の反動やノスタルジアではない何かがあるのではないか。進化の過程で結びついた“内なる自然”を探る。
  • 社会法則/モナド論と社会学
    4.0
    タルドが自身の主著を要約した「社会法則」、いまだに斬新な方法論「モナド論と社会学」を収録。世界的に新たな読解が開始されているタルドの思想の核心をあきらかにする重要書。
  • 売る身体/買う身体 セックスワーク論の射程
    3.0
    1巻3,300円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 売春を性的奴隷としてではなく性労働としてとらえなおしてみること──売買春からセックス・ボランティアまで性労働の歴史とその現場に定位しながら、欲望の物語を不断に再生産する資本制システムからの決定的な切断点をさぐる先駆的な試み。

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  • レギュラシオン・パラダイム 社会理論の変革と展望
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 社会理論のラディカルな変革を掲げた資本主義分析の新しいパラダイム──レギュラシオン理論。幅広い関連領域、新しい社会運動の課題との接触、マルクス主義との関係。その全体像と可能性を徹底討論したシンポジウム2日間の全記録。

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  • 少女少年のポリティクス
    3.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 文学作品・読み物・雑誌・マンガに現れる少女少年の描かれ方を追跡して、メディアが「少年」や「少女」を生成するさまをつぶさに描き出し、少女少年表層の政治性を照らす。

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  • バウマン社会理論の射程 ポストモダニティと倫理
    -
    1巻3,300円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 個人化や私化が加速度的に進み、流動性・不確実性が高まった時代=ポストモダニティ・リキッドモダニティとして現代を把捉するバウマン社会理論の核心とは何か-。バウマンが道徳や倫理などの概念を見つめ直して連帯の新たな可能性を探っており、公共哲学としての社会学を構想していることを、著作をたんねんに読み込んで論証する。

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  • 自我の社会理論
    -
    1巻3,300円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 前著『シンボリック相互作用論』を承けて、この立場からの一貫した自我理論の社会学的研究であるが、哲学、心理学、精神分析、文化人類学の最新の知見を吸収しながら、ミード理論の緻密な分析を通じて自我の問題をあらゆる視角から検討し、社会学理論の中に位置づける。

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  • グローバル政治都市
    -
    世界は「国家」から「都市」の時代へ―― アメリカを代表する知性が国際社会の進展のカギを握る「都市」の可能性に迫る。 人類の生存を脅かす深刻な課題に対し、その解決のカギを握る非国家アクターとしての 新しいタイプの都市―― 「グローバル都市」の出現に光を当てた画期的な作品。歴史、地政学、各種データを 踏まえつつ斬新な視点から斬り込んだ内容は読者に世界を読み解く新たな知見を 与えてくれる。 東京を含めた世界各国の大都市が、国際情勢のなかでどのように振る舞い、せめぎ合い、 あるいは連帯しているのか。その的を射た分析から、国家の制約を超えた世界の都市群が、グローバルな課題に果敢に挑戦している様が浮かび上がってくる。 国際社会に安定をもたらす国家の役割には限界がある―― そうした指摘を目にすることが増えた今こそ読まれるべき一書。
  • 歴史の中の女性
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    1巻3,204円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 婚姻史や家族論で刺激的な論考を展開する独特のアプローチによる女性史論。第1部/母権と父権 第2部/近代市民社会の家父長制とその止揚 第3部/日本女性史に関する二つの問題―古代女性史/沖縄における祭祀継承の慣習と女性。

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  • 都市感覚を鍛える観察学入門
    3.5
    まちを観察すれば、未来のすがたが見えてくる――まち歩きを楽しみ、まちの歴史と現在を知り、まちづくりのヒントを探す多彩な視点を紹介。 都市(まち)には人々が集まり、モノやコトが溢れている。目の前の風景をただ眺めるだけでなく、「観察」という行為に高めると、まち歩きは発見に満ち、ビジネスやまちづくりのヒントまで見えてくる。まちを観察する現代の手法を紹介し、東京各エリアを中心に、歩き、カメラに収め、統計的な観察を行った。目まぐるしく変化し続けるまちの活動の断片を記録した、新世紀の考現学。
  • 現代化する社会
    -
    1巻3,190円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 1989年以降の「ポスト冷戦時代」に特徴的な変化としては、グローバリゼーション、脱伝統化、個人化、リスク社会化、再帰化、IT化(情報化、デジタル化)などが挙げられるが、こうした「現代化」の諸相について言及する。
  • 疫病と人類知 新型コロナウイルスが私たちにもたらした深遠かつ永続的な影響
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    今、もっとも求められる世界的権威による最高の知見、ついに翻訳版刊行! 【ノーベル経済学賞受賞 ウイリアム・ノードハウス激賞】 「新型コロナウイルスの科学的・社会的問題を真っ直ぐに射る一冊。生物学、医学、疫学、社会学のバックグラウンドをもつクリスタキスは、この複雑な問題を解き明かすための高最高の方程式をもっている。神々は、この本を書くために彼を創ったと考えたくなるほど、賢明で鮮明で魅力的だ」 【米ベンチャー投資家・京都大学特任准教授 山本康正絶賛】 「すべてのリーダー必読! 同じ構造の悲劇を繰り返してはいけない。感染症があぶりだした世界レベルでの社会の『不都合な真実』の検証。科学は都合のいいところだけを利用され、伝えられ、メディアの監視は機能していない。自称専門家の意見がメディアの都合によって増幅されてしまう。次の感染症に限らない危機も必ずやってくる。その前に今回の教訓を真摯に受け止め対策につなげなければならない」 新型コロナウイルスの問題は、「科学VS.経済」の対立構造があるとされ、格差、貧困、差別など、秘められた問題を白日の下に晒す。この問題を論じられる人物こそ、著者ニコラス・クリスタキス。医師であり公衆衛生学の研究者であり、社会的つながりを解き明かしたネットワーク科学の先駆者である知の巨人が、ここ100年間の疫病研究と最新の科学的エビデンスをもとに、疫病と”人類知”の攻防を描く。 病原体という「昔なじみの小さな敵」は、どのようにやってきて世界を変えたのか? パンデミック期、パンデミック余波期を科学と社会の両面で丹念に解き明かすとともに、ポスト・パンデミック期に言及。 人類は数々の疫病と戦って歴史を紡いできた。わたしたちは「希望」を必ず見いだせる! 【目次より】 第1章 小さな大敵との出会い ウイルスのゲノムが描く感染地図 第2章 昔なじみの敵が戻って来る 隔離と追跡とプライバシー/ウイルス検査のしくじり 第3章 引き離すこと 感染症にはワクチンより経済発展が効く/政治化するロックダウン 第4章 悲嘆と恐怖と嘘 年収と性別で悲しみの度合いが異なる?/「つながり」の多い人がスーパー・スプレッダーになる? 第5章 わたしたちと「彼ら」の分断 病原体は無差別だが人は差別をする 第6章 一致団結する 利己的な遺伝子をもつ「ヒト」はなぜ助け合うのか? 第7章 深遠かつ永続的な変化 新しい自律と自主の誕生/サウンドバイト時代の科学の役割 第8章 疫病はどのように収束するか 脅威の測定基準は「失われた人生の年数」/疫病と希望は人類の一部
  • 勲章の社会学
    -
    1巻3,190円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 勲章はそれをもらった人にとっては大きな栄誉となり、与えた政治家には権力を発揮できたと実感を持たせ、また君主国では君主の権威を再確認させる。そのような勲章について日本と一部の外国の栄典制度についての分析を施した。
  • 社会学史点描
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    1巻3,190円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 活躍した時代順に社会学者を配列し、彼らがどのような時代的・社会的・文化的背景に生き、そこで研究活動をどのように展開したかを解説する。
  • 「情報社会」とは何か? : 〈メディア〉論への前哨
    -
    1巻3,168円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 万物がネットワークでつながり、他の存在者と感応関係にある情報社会。「あらゆる存在はメディアである」という汎メディア論の立場から、その本質を映画、小説、テレビ、写真、事件などを素材に、多角的なアプローチによって解明する。
  • 予測できた危機をなぜ防げなかったのか?―組織・リーダーが克服すべき3つの障壁
    NEW
    3.8
    問題を放置し続ければいずれ大惨事がやってくる 予見可能な危機とは、その潜在性を認識するのに必要なデータがあるのに、心理的要因、組織的障壁、政治的影響により、効果的な防止策がとられないときに起こるものをいう。 「環境問題」「航空会社のマイレージ」「先進国の年金と医療」「テロ対策」……などの問題は、認識がされていながら、解決していない。「9・11同時多発テロ」「エンロンの破綻」などのように、いずれ大惨事がやってくることが事前に警告・予測されていたにもかかわらず、重大な問題を放置し続けることによって危機が起こったのである。 その責任はリーダーにある。多くの組織では、明らかに措置を講ずべき予見可能な危機が、はっきり目に見える形で、今も迫りつつある。 本書では、多くのカタストロフィーが明らかに予見可能であったことを解明しつつ、危機を「認識」し「優先順位をつける」などの予見可能な危機が暴発するのを予防するための道具を提案する。
  • グローバルな物語の時代と歴史表象 『PACHINKO パチンコ』が紡ぐ植民地主義の記憶
    -
    在米コリアンのミン・ジン・リーの小説『パチンコ』とそれを原作にした「Apple TV+」のオリジナルドラマシリーズ『PACHINKO パチンコ』は、海外で大きな反響を巻き起こし、ドラマは第2シーズンが2024年に公開を予定している。 本書は、『パチンコ』が描く1910年代から80年代までの在日コリアン家族の波乱に満ちた人生を読み解くことで、戦前から戦後までの日本の風景、在日コリアンの苦難や差別、物語に通底する植民地主義の暴力性や記憶を掘り起こす。 また、『パチンコ』の歴史表象や在日表象から、日韓の歴史認識問題、歴史修正主義の台頭、グローバルなメディア市場で歴史が物語として流通するポリティクスを検証する。 表象にとどまらず、生産・消費・規制・アイデンティティという5つの文化の回路からドラマ『パチンコ』を精緻に分析して、東アジアでの歴史対話とコミュニケーションの新たな可能性を指し示す。
  • 知の統合は可能か
    -
    人類の危機を救うために専門知を結集させる〈総合知〉は可能なのか 新型コロナウイルス感染症を総括して、未来に託す! 総合知とは、各人が各々の専門知を持ち寄って、相互流通性を確立することで、目の前に実際にある社会的な問題を具体的に解決してゆこうとする、総合的な知のあり方だということになる。となれば総合知は専門家一人では成しえない。 ──瀬名秀明 深刻な問題ばかりでなく、雲のサイエンスを楽しく語り合うこともまた、サイエンスコミュニケーションの妙味である。今はまだ先が見えないが、いつかきっと霧は晴れると信じたい。 ──渡辺政隆 本書の前半〔第九章まで〕は、瀬名による8名の専門家へのインタビュー(執筆は渡辺が担当)を収載。新型コロナ対策を政府に助言してきた専門家会議・有識者会議のメンバーである押谷仁、国のクラスター対策に携わり自ら感染拡大防止のクラウドファンディングも立ち上げた小坂健(ともに東北大学教授)という感染症のエキスパートに加え、医師や法学者、社会心理学者、科学哲学者、物理学者、宗教人類学者との対話を通して、新型コロナ・パンデミックという「大災害」の実像を、医療の最前線だけでなく、そこに否応なく巻き込まれた社会や個人の側からもあぶり出していきます。また後半では、新型コロナや次なるパンデミックを人類が乗り越えるための鍵として、専門知の限界を打破する「知の統合」に焦点を当てます。専門家たちとの対話から得た知見を基に、瀬名と渡辺の二人は、専門知を超えた「総合的な知」のあるべき姿を模索して、さらに議論を重ねていきます。 日々のニュース報道からだけではうかがい知れない関係者の奮闘や苦悩、新型コロナを巡る社会不安の中で生み出された膨大な量の言説、そして危機にあってこそ光を放つ古典の鍛え抜かれた思想。これらを丹念にすくい上げる長い旅路ののち、作家が見出した〈総合知〉の眺望とは⸺⸺。パンデミックの行く末を照らし、「ポストコロナ」「withコロナ」の社会のありようを探る、現代人必読の一冊です。
  • 境界領域への旅―岬からの社会学的探求
    3.0
    たったひとりで“異郷/異境/異教”の地に降り立つひとへ。20世紀そして21世紀の愚行/愚考がもたらす社会的痛苦の体現者としてわれわれは何をなすべきか?未来の「瓦礫」を予感しつつ、ゆっくり、やわらかく、深く、“境界領域”をキーワードに社会学的探求を試みる。 (本書は2007/7/1に大月書店より刊行された書籍を電子化したものです)
  • 派遣労働は自由な働き方なのか 転換期のなかの課題と展望
    -
    1巻3,080円 (税込)
    労働人口の減少などを背景に、職務を軸にした雇用が広まりつつある現在、派遣労働者はジョブ型雇用の代表格である。「自由な働き方」というイメージもある彼/彼女たちは、どのような思いで働き、自身のキャリアと向き合い、ライフコースを歩んでいるのか。派遣労働を取り巻く困難や課題はどこにあるのか。 大きな転換点になった2015年の労働者派遣法の改正で掲げられた派遣期間の制限見直しやキャリアアップ措置、待遇の改善などの実態を、派遣労働者40人や派遣元事業主などへのインタビュー、1,650人へのウェブ調査を組み合わせて明らかにする。 そして、雇用の安定やキャリアの向上が必ずしも実現しておらず、給与や雇用形態で不安を抱えながら働くことを余儀なくされている現状をあぶり出す。同時に、男女間の格差やハラスメントの実態、コロナ禍での「被害」も浮き彫りにする。 5年に及ぶ調査から派遣労働の実情を照らし出し、それを通して正社員の労働実態や多様な働き方の可能性も検証する。
  • 女性と闘争 雑誌「女人芸術」と一九三〇年前後の文化生産
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 モダニズムと左翼思想が隆盛する一方、恐慌や戦争によって不安定な時代に突入した1930年前後。男性の知識人や表現者の活動がこれまで注目されてきたが、同時代の女性たちもまた、多様な闘いの声を上げていた。    1928年から32年まで発行された雑誌「女人芸術」に集結した女性知識人やプロ・アマを問わない表現者に光を当て、彼女たちの自己表現、階級闘争、フェミニズムとの複雑な関係を浮き彫りにする。 東アジアにおける展開も視野に入れ、文学・批評・論争などの文化実践、また政治運動における表現活動をとおして、女性の闘争主体/文化生産者としての一面を明らかにする。
  • 妾と愛人のフェミニズム 近・現代の一夫一婦の裏面史
    3.8
    1巻3,080円 (税込)
    夫婦関係に不和を生じさせる存在、倫理にもとるものとして現在ではタブー視されている「愛人」や、かつて「妾」と呼ばれた人たちは、どのような女性だったのか。 フェミニズムの分野で「妾」や「愛人」が議論の対象にされてこなかったことに疑問をもった著者が、明治期から2010年代までの「妾」と「愛人」にまつわる「読売新聞」や「週刊文春」の記事分析と文学作品の読解を通して、時代ごとに形作られた社会的イメージの変遷をたどっていく。 森鴎外や尾崎紅葉の小説に描かれる近代男性の妾囲い、有島武郎と波多野秋子などの大正期に新聞紙上をにぎわせた知識人の愛人関係、太宰治「斜陽」で「道徳革命」を成就させる戦後の愛人、「嫉妬する妻」による刃傷沙汰事件、「おいしい生活」を望む女性たちの間で流行した愛人バンク、政治家の「女房役」やハイクラス男性のビジネスパートナーとしての愛人、2000年代以降の政治家のスキャンダルのなかで性的に消費される愛人像などを取り上げ、近・現代日本に現れる「妾」と「愛人」像と、その評価を詳細に検討する。 一夫一婦制度が確立した明治期以降、ときに「純粋な恋愛の遂行者」として近代知識人に称賛され、ときに「眉をひそめられる不道徳な存在」として排除された女性たちの存在に光を当てるフェミニズム研究の裏面史。
  • 東京オリンピック1964の遺産 成功神話と記憶のはざま
    -
    1964年の東京オリンピックは、戦後日本の復興を象徴し、高度経済成長と一体となった「世紀の祭典」として語られてきた。その語りは、日中戦争によって返上された1940年「幻の東京大会」の悲劇性との対比で、国民に感動と誇りと活力を与えた成功譚として記憶されてきた。 東京が三度招致した東京2020オリンピックは、新型コロナウイルスによって延期になり、国民的な批判を浴びながら、史上初、無観客で開催された。悲劇性を抱えた2つの東京大会のはざまで、1964年の東京オリンピックは、唯一、正常に開催されたオリンピックになった。 本書は、1964年の東京オリンピックの遺産の正負両面を具体的な事実にもとづいて掘り下げ、脱神話化を試みる。開催に反対する世論、オリンピックをめぐる政治家の思惑、文学者たちによる批判、地方都市での受け止め方、学校での関連教材の配布や観戦動員、パイロット選手の記憶、音楽や踊りなど身体を通したオリンピックの経験に光を当てる。 そして、1964年の東京オリンピックの遺産を通して、東京2020オリンピックの意義をあらためて検証する。 中京大学スポーツミュージアムとも連携して、当時の資料が閲覧可能に。スマートフォンやパソコンを通して、1964年を追体験できるスポーツ・デジタルアーカイブの新たな試み。
  • 選ぶ就活生、選ばれる企業―就職活動における批判と選択―
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    1巻3,080円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 就職活動のhow-to本が山ほどあるように、就職活動において、学生は企業が求める人材像に自身を合わせていく「評価される弱者」と捉えられがちである。しかし、本当にそうなのだろうか。就職活動において今まで着目されて来なかった、就活生側の評価や批判から就職活動のより良いあり方を考える。
  • 社会科学のための統計学入門 実例からていねいに学ぶ
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 データ集め(社会調査),データの整理,分析,…….社会調査に携わるすべての人が知っておくべき統計学の基礎を,懇切ていねいに解説する.親しみやすい題材に触れながら,調査研究に必要となる知識・手法を身につけよう.一見難しい数式も,その意味を言葉で説明しているので,数式アレルギーを克服できる! 【主な内容】 第0章 イントロダクション 第I部 コア 第1章 データを集める 第2章 データをまとめる 第3章 関連を捉える 第4章 関連を疑う 第5章 データから推測する 第6章 データから確かめる 第II部 理論 第7章 コイントスで社会を見る 第8章 集まったデータを表現する 第9章 推定が満たすべき条件 第III部 手法 第10章 社会の下流化は起こっているか 第11章 継承される格差を検討する 第12章 世界の男性の家事事情 第13章 年収と年齢の関係 第14章 ワイン評論家を出し抜く方法 第IV部 終わりに 第15章 統計学の応用とこれから ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 「ひきこもり当事者」の社会学――当事者研究×生きづらさ×当事者活動――
    5.0
    1巻3,080円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 本書は、「ひきこもり」の当事者活動へのフィールドワークを通して、「ひきこもり」を社会学的に考えると同時に、かつて「ひきこもり」を経験した著者自身の自己をも探求していく試みである。本書において著者は、自身の問題経験を出発点にした自分史と、フィールドワークで出会った人々との対話を通して、読者に対して「ひきこもり」についての新たな視角を提示しようとしている。
  • まちづくりのコーディネーション
    -
    1巻3,080円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「人」に着目し,「まちづくり」を可視化する! 日本の商業は,今後どうあるべきだろうか? これまでの商業が目指したまちづくりを総括しながら,政策実施過程において多様な主体間の連携を分析.まちづくりのコーディネーションは「つなぎ役」となるキーパーソンの裁量と意思によって規定されることを明らかにする.
  • 河内平野中部観光資源調査報告
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    1巻3,080円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 都市開発が進み,観光とは無縁なエリアと考えられがちな大阪府の中河地域において,旧村に集中する観光資源を徹底的に調査し,その成果を視覚的にまとめた報告書である.懐かしい風景を残す旧村がマイクロツーリズムの観光資源になることを明かし,全国的な地域観光振興の発展に寄与する調査法を提示した先駆的な著作である.
  • モビリティと地方創生
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 航空・空港、鉄道などの大規模インフラでは民営化と規制緩和による柔軟で効率的な運用が模索され、人口減少の進む地域では、官民と住民を巻き込んだMaaSなどの新たな取り組みが始まっている。eコマースにより増大する物流や新型コロナに伴う観光の変容、近年の脱炭素化推進、ドローン・電気飛行機など次世代交通にも言及し、交通ネットワークの実態と課題を整理。激変する交通のダイナミズムを地方創生の活力につなげる方策を探る。
  • 日本の男性不妊
    -
    1巻3,080円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 なぜ男性の不妊は語り得ないのか。その背景に何があるのか。男性本人とそのパートナー、さらには泌尿器科医へのインタビューで得た当事者の語りをもとに考察。男性不妊を「妻の問題」として、男性個人にとっての身体の問題としてではなく、「夫婦関係の問題」として捉え直し、いまだ根強い「不妊は女性の問題」というジェンダー・バイアスに楔を打ち込む。
  • 認知症社会の希望はいかにひらかれるのか
    -
    1巻3,080円 (税込)
    2000年代に入り認知症への関心が高まりを見せる中で、認知症の本人たちが声をあげ、様々な新しい試みがなされている。 認知症社会を生きるわれわれは、ここでいったん立ち止まり、これまでなされてきた介護やケアなどの諸実践を振り返り、未来の希望をひらくために今何を考えるべきかを問わなければならない。
  • 自助・共助・公助の経済政策
    -
    現在の日本の経済環境・社会環境のもとでは、自助・共助・公助をどのように組み合わせるのが公正公平であり、なおかつ効率的であるのかを考察し、金融機関、企業、郵政、社会保障のこれからのあり方などを提言する。
  • 原子力支援  「原子力の平和利用」がなぜ世界に核兵器を拡散させたか
    4.0
    日本が原子力技術を輸出する理由とは? 国際社会における原子力技術の輸出の実態と外交目的が、豊富なデータ、資料によって初めて明らかとなる。 「本書が有益な情報や議論を提供していることは間違いない。それらは原子力技術や原発について考えるうえでも、また、原発をめぐる政治的運動を推進していくうえでも有益であろう。とくに、原発をめぐる政治的運動は、政治的立場を異にする側からも貪欲に学ぶべきである。それは運動の基礎を固めていくことに間違いなく貢献する。原子力支援と核兵器の拡散に焦点を絞ったこのファーマンの研究は、したがって、是非とも参照されるべきものである」(國分功一郎「解説」より)
  • 〈支援〉の社会学 現場に向き合う思考
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 犯罪被害者、被災者、介護職、保険制度の利用者、認知症、障害者…。困難を抱える当事者とそれを支える人々の経験を、どのようにすくい取ればいいのか。それぞれの現場に向き合ったうえで、回復や解決を安易に叫ぶのでもなく、現実から目を背けるのでもなく、制度から排除される人々に寄り添うことがいかに重要かを明示する。

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  • 病い論の現在形
    -
    1巻3,080円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 近代的身体像は、医学の近代化によって誕生した──。文学・哲学・音楽から宇宙論まで、病と生命に向けられたまなざしの連鎖を解析し、病を取り巻く言説の現在、病気という文化/文化という病気を臨床する。いま、何が病んでいるのか──。

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  • 幸せな未来は「ゲーム」が創る
    4.2
    近年、世界のオンラインゲーマーのコミュニティは数億人に達し、莫大な時間と労力がヴァーチャルな世界で費やされている。これは現実に不満を持つ人々による「大脱出」にほかならない。 なぜ人々は「ゲーム」に惹かれるのか? それは現実があまりに不完全なせいだ。現実においては、ルールやゴールがわかりづらく、成功への希望は膨らまず、人々のやる気はますますそがれていく。 そんな現実を修復すべく、ゲームデザイナーの著者は、「ゲーム」のポジティブな利用と最先端ゲームデザイン技術の現実への応用を説く。コミュニケーション、教育、政治、環境破壊、資源枯渇などの諸問題は、「ゲーム」の手法で解決できるのだ
  • 関係人口の社会学-人口減少時代の地域再生
    4.3
    1巻2,999円 (税込)
    住む人が減ったら、地域は再生できないのか? 『関係人口をつくる』の著者が、関係人口を社会学の見地から定義し、その役割を論じた本邦初の「関係人口の研究書」!各地の事例と新たな理論の枠組みによって関係人口を位置づけ直し、人口減少時代の地域再生の方向性を示す。 「関係人口」とは、「定住人口」(移住)でもなく、「交流人口」(観光)でもない特定の地域に様々なかたちで関わる人々を指す語で、深刻な人口減少が進む地域社会の課題を解決するための新たな地域外の主体として近年脚光を浴びている。本書では、関係人口という新たな主体の存在と、関係人口が地域の再生に果たす役割を明らかにすることで、これからの人口減少時代における地域再生の在り方と、再生に向けた具体的な方法論を示す。新型コロナウイルスの影響を踏まえて今後の地域と関係人口を検討する補論も付しており、地域行政や地域づくりに関わる人必携の書となっている。
  • タクティカル・アーバニズム・ガイド
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 提唱者による主著、待望の翻訳! 下からの「まちづくり」と上からの「都市計画」をつなぐ、注目の実践論  タクティカル・アーバニズム(戦術的まちづくり)は、硬直したまちを変えるため、低予算、短期間でできる試みのこと。歩く人や自転車にやさしく、活気があり、公共サービスが充実した、市民が使いやすいまちは、どうすれば実現できるのか。 提唱者による本書では、タクティカル・アーバニズムの元ともいえる歴史から最近の事例まで、どうすれば実際にまちを変えることができるのか、その方法・理論を紹介。ひとびとがまちを変えてきた歴史をあきらかにする。この本を手に、小さな行動を起こし、大きくまちを変えよう! 目次 まえがき 序文 マイクのストーリー トニーのストーリー 謝辞 01 型を破る タクティカル・アーバニズムとは何か DIYアーバニズムvs.タクティカル・アーバニズム 戦略vs.戦術 より多くの人に働きかける方法と、より多くの人が応えてくれる方法 タクティカル・アーバニズム:一般的な3つの適用例 変化の必要性を行動で示す市民 市民に参加してもらうためのツール フェーズ0 実施 なぜこの先を読むべきなのか 02 タクティカル・アーバニズムの着想の源と前例 世界最古の通り ボンエルフ カストラ グリッドの発展 北米の平屋住宅 万国博覧会 パブリックスペースで行われる都市の活動 02-1 サンディエゴのバルボアパーク プレイストリート ストリートを開放し、コミュニティを変革する ボニー・オラ・シャークとパークメイキングの誕生 移動図書館 ブキニスト キッチンカー フロリダ州シーサイド:タクティカル(ニュー)アーバニズム 03 次世代のアメリカの都市とタクティカル・アーバニズムの台頭 都心回帰 大不況とニューエコノミー 都市をハッキングする 物事を成し遂げるための課題 04 都市と市民についてタクティカル・アーバニズムの5つのストーリー インターセクション・リペア 04-1 オンタリオ州ハミルトンのインターセクション・リペア ゲリラ的ウェイファインディング ビルド・ア・ベター・ブロック 04-2 テネシー州メンフィス:「ビルド・ア・ベター・ブロック」のきっかけ パークメイキング:ポップアップパーク、パークレット、パークモバイル 04-3 パークレットの始まり ベイフロント・パークウェイとマイアミのパーキングデーの影響 道路空間の広場化(Pavement to Plaza) ニューヨーク市の広場改善の略史 パイロットテストを実施する 04-4 「道路空間の広場化」クイーンズ区ジャクソン・ハイツ 05 タクティカル・アーバニズムのハウツーマニュアル デザイン思考 誘導的な質問 06 まとめ:まちに出て、この本を使おう! 邦訳書に寄せて
  • エシカル白書 2022~2023
    4.0
    これからよりよい社会をつくるため、また2030年に迫るSDGs達成のためにも、エシカルというものさしが必要不可欠です。 本書は、これまでエシカルに全く触れてこなかった生活者・企業人から既に実践を重ねている有識者まで、幅広い読者のニーズに応えることを目指しまとめた日本初の「エシカル白書」。 巻頭対談にはジャーナリストの国谷裕子さんをゲストに迎え、新型コロナウイルスが明らかにした社会課題、気候変動や人権などの問題、メディアのあり方まで様々なテーマを取り上げ、エシカルな世の中の実現に向けた危機感と希望を語り合いました。 本書の前半では、客観的に情報を整理する白書として、サステナビリティが必要とされるようになった社会的背景の解説や国際機関発行のSDGsに係る統計データなどの読み解き、エシカル消費についての認識・意向がわかる調査など幅広い知見を提供しています。 後半にかけては、エシカルを取り巻く日本国内外の動向についてまとめ、海外の先進事例の紹介やサステナビリティ関連の著名な識者の論考を通じ、日本のエシカルな取り組みの未来に対する示唆を提供することを試みました。
  • 『スティグマ』というエニグマ ゴフマン社会学の新たな地平へ
    -
    1巻2,970円 (税込)
    ゴフマンの生誕100年、没後40年が経った現在でも、ゴフマン社会学の理解は十分ではない。 そこで、主著である『スティグマ(Stigma)』を取り上げ、その詳しい解説と部分的な応用を試みたのが本書である。 難解で正体がつかめないと評される『スティグマ』は、「謎めいた文章」を意味するまさに「エニグマ」である。 本書はその難解さを解読する装置の役割を果たし、ゴフマン社会学の本格的な理解と応用への橋渡しとなる。
  • 血のつながりと家族のかたち
    -
    1巻2,970円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 普段の生活の中で“血縁”について考えたことはあるだろうか。 恐らく、多くの人が何らかのライフイベントを迎えるまで、”血縁”というものを意識しないのではないだろうか。 だが、いざ「血縁を考えさせられる出来事(ステップファミリーの形成、不妊治療、養子縁組等)」に遭遇した時に、いきなりこの重要なテーマについて考えようと思っても、自分の抱える問題と距離を取れず、困難なことがある。だからこそ、生殖補助医療、ステップファミリー等、血縁をめぐる様々なアプローチを通して、本書をきっかけに”血縁”について、一度考えてみてはどうだろうか?
  • 女性ホームレスとして生きる〔増補新装版〕――貧困と排除の社会学
    4.5
    1巻2,970円 (税込)
    女性ホームレスの生活史から、女性が貧困に陥る過程を浮き彫りにし、福祉制度や研究が前提にしてきた人間像を問い直す。2013年刊行の第33回山川菊栄賞受賞作に、著者による付録「貧困女性はどこにいるのか」と岸政彦氏による解説「出会わされてしまう、ということ」を収録した増補新装版
  • 国際関係のなかの子どもたち
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 貧困に苦しむ子ども、戦争に苦しむ子ども、搾取される子ども――世界中で脅かされる子どもの権利。子どもたちを苦しめる国際関係とは? 子どもたちを救う取組みとは? 子どもの尊厳を守るために私たちが学ぶべきこと。
  • 逃亡者の社会学――アメリカの都市に生きる黒人たち
    5.0
    刊行以来、賛否両論を巻き起こしたエスノグラフィ、ついに翻訳。 社会学の巨人アーヴィング・ゴッフマンを父にもつ著者・アリスは、フィラデルフィアの黒人居住地区「六番ストリート」に六年間暮らし、さまざまな罪状で追われる若者たちと日々を過ごす。 頻繁に行われる逃走劇や、警察による家宅捜索、刑務所を訪れる恋人や犯罪に加担する家族たち——。 麻薬や殺人とも深く結びついた生々しい営みをつぶさに観察していく中で、アリスは大きな事件に巻き込まれていく。 犯罪が日常化した暮らし、巨大な影響を及ぼす司法システム、それに対する人々の一筋縄ではない関わり……。「これが、アメリカで生きる黒人たちのリアル」 【目次】 ■ プロローグ ■ まえがき 序章 第一章 六番ストリートの少年たちと彼ら彼らの法律上の問題 第二章 逃走術 第三章 警察がドアをガンガン叩くとき 第四章 法律上の問題を個人的に使える手立てに変える 第五章 犯罪者となった若者たちの社会生活 第六章 保護と特典の市場 第七章 クリーンな人々 結論 逃亡者のコミュニティ ■ エピローグ——六番ストリートを離れる ■ 謝辞 ■ 付録——方法論ノート ■ 原注 ■ 訳者解説
  • 存在しない女たち 男性優位の世界にひそむ見せかけのファクトを暴く
    4.2
    衝撃のデータが、世界の見方を変える! 公衆トイレから最新家電、オフィス、医療、税金、災害現場まで……「公平」に見える場所に隠された、思いもよらない男女格差のファクトに迫る。
  • 建築家として生きる
    3.0
    1巻2,970円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ごく一部の有名建築家を除き、建築家として働く人たちの実態は、これまで意外なほど明らかにされていない。建築家という存在そのものがゆらぎはじめている現代、専門的な教育を受け、難関の資格試験をクリアし、建築家を自認するようになる彼・彼女たちは、どのように考え、動き、働いているのか。非意匠系の建築設計者、地方都市で活躍する建築家、さらには建築家を自認しない建築家など、さまざまな建築家の姿を、背景にある時代性とともに考察し、その輪郭を描きだす。
  • 17世紀イングランドの家族と政治思想
    -
    1巻2,970円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 歴史観の再検討を踏まえ、最新の研究成果を取り入れながら、家族の実態をその諸側面において描き、17世紀末J.ロックが描いた新しい市民社会・家族像の歴史的意義を問題とする。
  • 在日朝鮮人社会における祭祀儀礼 : チェーサの社会学的分析
    3.0
    1巻2,970円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 在日朝鮮人社会に顕在化する儒教的祭祀儀礼・チェーサの社会学的分析。異郷において連綿と続いてきたチェーサの価値と意味の考察、その背景にある郷村社会の構造を解明。世代交代とともに変動する在日朝鮮人社会をチェーサの「世俗化」から読み解く。
  • 夢と生きる バンドマンの社会学
    4.0
    1巻2,860円 (税込)
    人生を賭ける夢に出会えたことの幸福と困難――.いつの時代にも少数派ながら「卒業したら就職する」という,普通とされる生き方を選ばない者がいる.夢は諦めに終わるのか,形を変えて続くのか? 数年にわたる二十代から三十代のバンドマンへの貴重なインタビュー調査をもとに現代の「夢追い」のリアルな実態を描き出す.

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  • 人口は未来を語る 「10の数字」で知る経済、少子化、環境問題
    4.0
    40億、121、79000――国家の命運は人口が握る! 気鋭の人口学者による大胆な未来予測 超大国になるか発展途上のままか、経済的に豊かになるか貧困にあえぐか ○少子化は政策より個人の思想が影響する ○高齢化が進むと紛争が減る ○超高齢化社会・日本は未来の象徴 今後の社会を読み解くうえで多くの示唆を与えるユニークな教養書。
  • 功利主義(日経BPクラシックス)
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 日経BPクラシックス28タイトル目は、豚とソクラテスを対比した名言で知られるジョン・スチュアート・ミル『功利主義』の新訳。 以下、中山元さんによる訳者あとがき「ミル『功利主義』の果たした役割」から。 本書に掲載した『功利主義』の論文は、一八六一年に『フレーザーズ・マガジン』誌に分載されて、一八六三年に著作として発表されたものである。この論文はベンサムの思想を功利主義という観点から巧みに要約したものであり、ベンサムの著作では明確に語られていなかったところまで掘り下げて検討し、部分的にはベンサムの功利主義の思想を補足して、その欠点を是正することを試みたものである。  この論文がベンサムの思想に加えた「補足」と修正は、大きく分けて三つに集約することができるだろう。まずベンサムの思想において示された快楽計算の要素を薄めて、快楽よりも幸福に重点を置いたことである。ベンサムは功利の原理について、「人間が苦痛と快という二人の主人によって支配されていること」と説明している。人間のすべての行動は、苦痛を回避し、快楽を求めるという原理によって支配されており、こうした原理によって説明できると考えていた。そしてすべての法は、この原理に適うように定める必要があり、そのためには法によって影響をうけるすべての人々の快の合計と苦痛の合計を計算して、それが差し引きでプラスになるようにすべきだと考えたのである。
  • ホストタウン・アーカイブ スポーツまちづくりとメガイベントの記録
    -
    2020年オリンピック・パラリンピック東京大会の際、海外のアスリートや関係者と地域住民が国際交流を図ったホストタウン事業。1998年の長野オリンピックの際の一校一国運動や、2002年のサッカーワールドカップの際の各国代表チームの事前キャンプ時の住民との交流事業などに着想を得たこのホストタウン・イニシアティヴという計画は、世界に類を見ない日本独自の取り組みとして、全国で展開された。 スポーツを通したまちづくりにも直結するホストタウン事業の基本知識、ホストタウン事業に取り組んだ自治体の活動状況、コロナ禍がホストタウン事業に与えた影響、オリ・パラ後の活動状況、そして、ホストタウン事業の成果の全体像を多様なデータから明らかにする。 スポーツ振興、スポーツ合宿、多文化共生、経済交流などの特徴をもつホストタウン事業のほか、行政が主導したタイプ、民間と協同したタイプなどの事例をレポートして、ホストタウン事業に登録した全自治体の取り組みを一覧表にもまとめた、国際交流の全記録。
  • 災禍の時代の社会学 コロナ・パンデミックと民主主義
    -
    コロナ・パンデミックをはじめとする災禍の時代。露わになる格差の拡大、社会の分断、民主主義の危機などに、私たちはどのように立ち向かうのか。社会学理論の知見やデータをもとに、第一線の社会学者たちが未来へ向けて発信する市民へのメッセージ。 【主要目次】 まえがき I 災禍が拡大した格差と孤立 1.コロナ・パンデミックと雇用格差(有田 伸) 2.コロナ・パンデミックとジェンダー格差(筒井淳也) 3.コロナ・パンデミックと教育政策(中村高康) 4.コロナ・パンデミックと住宅問題(村上あかね) 5.コロナ・パンデミックと日本の自殺(江頭太蔵) Ⅱ 民主主義社会のゆらぎと危機 6.コロナ禍は民主主義国への評価を低下させたか(園田茂人) 7.新しい介入主義に市民社会はどう対峙するか(町村敬志) 8.危機に瀕する民主主義:ヴァイマル共和国の歴史から考える(友枝敏雄) 9.民主主義の二つのかたちと日本の選択:教育から考える価値観と市民像(渡邉雅子) 10.社会のゆらぎと社会理論のゆくえ(山田真茂留) 11.文化戦争と文系学問の危機(盛山和夫) Ⅲ 未来をどのように創るか 12.〈生〉を包摂する社会へ:ケアとジェンダーの視点から(落合恵美子) 13.モビリティーズと〈共〉の社会理論(吉原直樹) 14.持続可能な民主主義へ向けて(今田高俊) 15.ウィズコロナ、ウィズAI時代の民主主義と社会学5.0(佐藤嘉倫) 16.災禍の時代を超えて:孤立から語り合う世界へ(遠藤 薫) あとがき
  • グローバル人材とは誰か 若者の海外経験の意味を問う
    4.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 国際的な産業競争力を向上するために「内向き志向」を改善して海外に目を向け、語学力やコミュニケーション能力、主体性をもつことを期待される若者=グローバル人材。近年では、文科省や経産省がその育成に力を注ぎ、経団連が必要性を訴えている。 留学も含め海外に渡る若者は現在でも多いのにもかかわらず、行政や企業が強く求める「グローバル人材」とはいったい誰なのか。 海外滞在経験をもつ若者ともたない若者へのインターネット調査と、カナダやオーストラリアに実際にやってきた若者へのフィールドワークを組み合わせて、「普通の若者」にとっての海外経験の意味をすくい取り、期待される「グローバル人材」とのズレに、階層やジェンダーという、「若者の意識」だけには還元できない問題があることを明らかにする。そして、「グローバル人材」といった特権的な人材層の育成だけに目を向けるのではなく、若者のキャリア形成の多様性を確保しながら、若者に広い視野を与える環境づくりの必要性を指摘する。
  • リサーチの技法
  • メイクとファッション――美容化粧服飾の戦略と呪縛
    5.0
    1巻2,860円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 美に向かうことは避けがたい規範なのか。強いられた枷なのか、闘いのための剣なのか? 日常生活と切りはなすことができない美容化粧服飾をテーマに、強かな戦略と抵抗からなる社会的ダイナミズムとその現在形を、理論とデータの両面から描く。
  • ダークデータ 隠れたデータこそが最強の武器になる
    3.5
    私たちはデータを思った以上に使えていない。欠けたり見落とされたりした「ダークデータ」をどうしたら活用できるか? 豊富な事例とともに、情報戦略と意思決定の武器を実装する!
  • 定本 災害ユートピア――なぜそのとき特別な共同体が立ち上がるのか
    4.4
    ロングセラー、待望の完全版刊行! 旧版での抄録部分、原注などを完全収録し、 60ページに上る増補でおくる決定版。 解説「レベッカ・ソルニットを読み解く」(渡辺由佳里)も新たに収録。 ブレイディみかこ氏、推薦! 「エリートがビビッて失敗するとき、地べたは生き生きと機能し始める」 大地震、大洪水、巨大なテロ……私たちの日常に裂け目が入るとき、 そこにはいつもユートピアが出現した。 災害時になぜ人々は無償の行為を行うのか?そのとき、なぜエリートはパニックを起こし、人びとは自発的な秩序をつくり上げるのか? 1906年のカリフォルニア大地震から、ニューオーリンズの巨大ハリケーン、9.11テロまで、危機の最中に現れる人々の自発的な相互扶助のメカニズムを追った、珠玉のノンフィクション。 【目次】 プロローグ 地獄へようこそ 第1章 ミレニアムの友情:サンフランシスコ地震 第2章 ハリファックスからハリウッドへ:大論争 第3章 カーニバルと革命:メキシコシティ大地震 第4章 変貌した都市:悲嘆と栄光のニューヨーク 第5章 ニューオリンズ:コモングラウンドと殺人者 エピローグ 廃墟の中の入り口 謝辞 解説「レベッカ・ソルニットを読み解く」 渡辺由佳里 原注
  • 日本人も知らなかった日本の国力(ソフトパワー)
    3.5
    1巻2,860円 (税込)
    デービット・アトキンソン氏、絶賛!日本の潜在能力の高さが見事に論証された。 日本人は自国の「才能の総量(GNT)」の豊かさにもっと自信を持って、これからその潜在力をどう活かすかが課題だ。 本書は、以下の14の専門分野にわたり、才人たちの活躍ぶりについて国籍別に定量分析を行うことにより、日本の「お国柄の可視化」を試みた、まったく新しい日本文化論です。 1.基礎知力(科学~経済学)2.基礎体力(走力)3.操縦能力(モータースポーツ)4.格闘技5.球技と射的6.頭脳ゲーム7.体操やダンス8.ミュージシャン9.弁舌プレゼン能力10.読み物創作力(文学)11.総合芸術(動画制作)12.美術デザイン13.料理人14.リーダーシップ 科学技術の世界から文学やスポーツ、音楽から芸術、ファッションや料理人の世界など、各界で超一流と呼ばれる達人たちのパフォーマンスを数値で捉えることで、ぼんやり感じていた世界各国のお国柄をすっきりと理解できると同時に、日本の得意分野や苦手な分野も一目で納得できるようになっています。その上で、領域を問わず日本ならではの普遍的な9つの勝ちパターンや、負けを最小限に留めるしのぎパターンを抽出し解説していきます。網羅性や定量性をもったデータブックでもあり、また日本人の気質や先人たちが過去積み上げてきたソフトパワーに関しての歴史的解説もふんだんに盛り込まれた、教養書でもあるといえるでしょう。 以下に、その結果をいくつか要約します。 ・全てを合わせたグロスナショナルタレント(GNT)で日本は総合力世界第5位 ・日本は体格や言語がネックとなる分野では苦戦を強いられるものの、あの手この手の工夫を凝らすことで、苦手分野にも活路を見いだしている。 ・今後少子高齢化が進む日本だが、GNT視点で若々しく好奇心を持ち続け、活力を維持することが大事 ・GNTの育成には世代単位の時間を要する、軍事や経済力育成より困難を伴う雅な世界 ・ ライフサイクルが更に短縮する将来を考えると、後続国が追いつくには難度が高まるだろう ・先人たちも頑張ったが、今日の日本の若者たちは更に幅広い分野で第一級の活躍をしている 膨大なデータから世界の各国と日本を比較して見えてきた日本人の姿。それは、穏やかでありながら、粋や雅を解する上品さに満ちている、とてもチャーミングなものでした。この日本の姿とは、霞が関官僚の描く国家戦略や、大企業の思惑といったような壮大な意図のもとに作られたものではありません。恣意的に変えようもない、また変える必要もない、本当の意味でのありのままの日本です。本書の目的は、このような分析結果から、どこを強化すべきだとか、どの弱点を改善すべきかといった提言を導き出すことにはありません。シンプルに日本の形を知ること、私たちの得手不得手を素直に認識することで、クールジャパンと称される姿なきものの正体を知ることができるというのが、本書のメインメッセージです。
  • エドワード・ルトワックの戦略論
    4.0
    “汝、平和を欲するなら、戦いに備えよ” 軍事戦略論の世界的名著ついに完訳! 日本人にとって最高のバイブル ──野中郁次郎氏(『失敗の本質』共著者/富士通総研理事長) 「平和を欲すれば戦争に備えよ」という逆説に込められたメッセージほど、現在の日本で軽んじられているものはない。未来の戦争に備えるには戦略と戦争の研究が欠かせないが、戦略に普遍的に作用する「逆説的論理」を解き明かし、戦争のリアリティーに迫るこの名著は、現代の日本人にとって最高のバイブルとなろう。 戦争に関する卓越した洞察力 ──西原 正氏(平和・安全保障研究所理事長/元・防衛大学校長) 当代最高の戦略思想家ルトワック博士は、戦争に関する卓越した洞察力をもとに戦略の逆説性を説く。国連平和維持部隊は戦争を長引かせるだけだとの主張は、 常識を適用すると望まぬ結果をもたらすという逆説的分析で鋭い。著者はまた、 中国が2008年の世界金融危機を乗り切ったことで自己抑制を怠り、「G2」を目指すが、それは逆説的に幻想だと指弾する。日中対立時代の今日、日本人にとっても貴重な示唆である。 本書は、戦略研究の第一人者であるエドワード・ルトワック博士の代表的著作、 Strategy: The Logic of War and Peace (Belknap Press of Harvard University Press, First edition, 1987. Revised and enlarged edition, 2001.)の全訳である。すでに中国、韓国、フランス、ロシア、トルコ、イタリア、ドイツ、エストニアなどで翻訳され、現代の古典的名著として世界中の読者を魅了してきた本書を、遂に日本の読者にも御披露目できることは、訳者二人にとってこの上ない喜びである。(訳者あとがき)
  • 癩者の生 文明開化の条件としての
    -
    1巻2,860円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 癩者という形象を包囲する政治体の言説配置──。そのうとましくも凡庸な、しかし強大な力の生成を背景にした空間を読み解き、そのなかでの「癩者の生」に向けられた視線のなかに日本の近代化の質を再考する新鋭の論考。

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  • 族の系譜学 ユース・サブカルチャーズの戦後史
    3.5
    1巻2,860円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 太陽族からみゆき族、暴走族、アンノン族、クリスタル族などの「族」の系譜をたどり、オタク、渋谷系、コギャル、裏原系へという「族から系への転換」を見定めて、若者文化の変容を照らし出す戦後史。

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  • 「表現の自由」の社会学 : 差別的表現と管理社会をめぐる分析
    -
    1巻2,860円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 童話『ちびくろさんぼ』絶版問題と筒井康隆著『無人警察』教科書掲載問題に関わる、差別的表現を巡る論争などをとりあげ、「表現の自由」という「概念」がどのように「機能」したのかを問題にする。主に法律学の観点から論じられてきた「表現の自由」の問題を、社会学的な観点からアプローチ。マスメディアの発達した社会にあって、国家/社会/マスメディア/個人、という関連の中でこれらの問題をとらえることは、今日の政治社会そのものを考察することである。序章:「表現の自由」への新たなアプローチを目指して  第1章:「表現の自由」と人権および社会秩序  第2章:差別的表現規制と「表現の自由」の共和主義的理解について  第3章:公的領域としての思想の市場と管理社会論  第4章:知識社会学・イデオロギー研究と言説分析  第5章:アルチュセールの徴候的読解とディスクール分析  第6章:筒井康隆「無人警察」論争―「表現の自由」の空洞化  第7章:『ちびくろさんぼ』の絶版―「表現の自由」の揺らぎ  第8章:人間の複数性と「表現の自由」  第9章:「表現の自由」の保守的価値

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  • 社会変容と民衆暴力 人びとはなぜそれを選び、いかに語られたのか
    -
    1巻2,816円 (税込)
    民衆の矛盾を含んだ多様な姿を描き出す 普通の人びとは、なぜ暴力という手段を選び集団の力を行使したのか。また被害と加害が同居する地域社会で、それはいかに記憶・記録され語られていったのか。時代・地域を超えて、民衆の矛盾を含んだ多様な側面を描き出す。 ※本書は大月書店刊行『社会変容と民衆暴力』の電子書籍版です。 【目次】 総論 今、歴史学の領域から民衆暴力を問うことの意味 第Ⅰ部 宗教・思想を背景とした民衆暴力 第Ⅱ部 地域社会内部で発動される民衆暴力 第Ⅲ部 民衆暴力をめぐる表象・言説 【著者】 須田努 明治大学教授。日本近世史。主な著作:『幕末社会』(岩波新書、2022年)、『幕末の世直し 万人の戦争状態』(吉川弘文館、2010年)ほか
  • DXMO デジタル化を推進する専門組織
    4.0
    DXとは「組織論」である。本書は300社以上の企業とのディスカッションを経験した著者陣が、企業が競争優位に立つためのDX推進をいかに効果的に進めるべきかを解説。さまざまな事例も交え、日本企業が直面する危機と対応方針について解を示す。
  • 築地市場 クロニクル完全版1603-2018
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 2018年10月、いよいよ築地市場が閉場する。日本橋魚河岸、築地開場、市場の建築プロセス、豊洲など、「築地史」の第一人者が新発掘を含めた約400枚の貴重な写真で解説。世界最大級の市場のすべてを網羅した永久保存の完全版。
  • 日本の「第九」:合唱が社会を変える
    -
    1巻2,772円 (税込)
    なぜ市民が参加し、年末に行なわれるのか 「第九」が若き日本にもたらした自由と平等 ベートーヴェンが1824年に完成させた『交響曲第九番』は世界中で演奏され、日本では毎年5万人以上が歌っている。 この『第九』がいかにして日本に受け入れられ、市民参加型の合唱として定着していったのか。そこにはシラーやベートーヴェンの自由や兄弟愛などへの思いに共鳴し、『第九』を演奏しようとする人びとの姿が見出される。またラジオやレコードといったメディアがこのブームを支えていたことにも気づかされる。 市民参加型として、戦後すぐの時期に日本各地で上演され、1954年には東京の勤労者音楽協議会(「労音」)が会員参加による『第九』を実現した。さらに調べを進めると、すでに戦前戦中にその土台が整っていたことがわかる。私立学校の合唱団が、新交響楽団(現NHK交響楽団)と幾度となく『第九』を共演するなど、自由学園、成城学園、玉川学園などの教育において音楽などの芸術が重要視され、盛んに合唱がおこなわれていたのである。 これまであまり知られてこなかった松本や岡山などの『第九』上演関係者の言葉に触れながら、新しいものをみずから生み出そうという希望と熱気に満ちた若々しい日本の姿を描き出す。
  • ジャーナリストの条件―時代を超える10の原則―
    NEW
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    SNS上にデマや誤情報が氾濫し、権力者が都合の悪い情報をフェイクニュースと批判する時代に、いかに真実に迫るか。偽情報や「断言ジャーナリズム」にどう対処するか。匿名情報源をどう扱うべきか。「両論併記」は本当に公正なのか。誤解されがちな客観性の本当の意味とは。メディアの精鋭たちが磨き上げた世界的ロングセラー。
  • 新しい〈地方〉を創る―未来への戦略―
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    1巻2,750円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 高い持ち家率、おいしいご飯、子育てしやすい環境、コミュニティの助け合い―。 地方には暮らしやすい環境があるにもかかわらず、人口減少が続いている。 地方の魅力を高めるにはどうしたらよいか、 弱みを克服するにはどのような方法があるか―。 幸福度日本一の福井を事例に地方の可能性を引き出すための方法を模索する。
  • 社会を変える〈よりそう支援〉――地域福祉実践における省察的実践の構造分析――
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    1巻2,750円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 家族介護者支援、ひきこもり、生活困窮者支援やホームレス支援など「今日的な社会問題」に取り組む福祉実践家に着目。新たなスタイルとしての〈よりそう支援〉の実践と実像を分析し社会の変革を見据える。
  • スーザンのアメリカ――ライフヒストリーによる異国の友人理解の試み――
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    1巻2,750円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 今、「分断」に揺れるアメリカだが、本書の登場人物の語りから、「分断」ということ以前に、アメリカ人であることの基層にアメリカ人が共有している価値が息づいていることが見えてくる。 分断や個人主義に振れるアメリカ社会に失望し、抗議し、憤る人たちもアメリカ人の一つの姿である。彼らの人生の語りの中には、誠実なアメリカ人の精神、すなわちアメリカの良心が、そこここに立ち現れている。本書を読んで、是非このようにアメリカ人を見つけてほしい。 「よく知らないもの」には偏見や差別意識が生まれやすい。対峙するものとつながりが生まれ、そこに理解できる関係の友人や知り合いや親しい人がいて、その人たちの生活の様子を想像することができるようになると、意識は変わっていくだろう。
  • 新型コロナ対応・民間臨時調査会 調査・検証報告書
    3.8
    新型コロナウイルス感染症に対する日本政府の取り組みを中心に検証してきた成果を報告 一般財団法人アジア・パシフィック・イニシアティブ(以下API※)により発足された 「新型コロナ対応・民間臨時調査会」(コロナ民間臨調)は、 新型コロナウイルス感染症に対する日本政府の取り組みを中心に検証してきました。 政府責任者等83名を対象に延べ101回のヒアリングとインタビューをもとに、19名の専門家が執筆 コロナ民間臨調は、高い専門知識と見識を有する各界の指導的立場にある識者4名で構成する委員会のもと、 個別の分野の専門家19名によって構成されるワーキング・グループを設置。 委員会の指導の下、ワーキング・グループメンバーが政府の責任者など83名を対象に 延べ101回のヒアリングとインタビューを実施、原稿を執筆、報告書を作成しました。 武漢邦人救出、ダイヤモンド・プリンセス号対応、水際対策、 大規模イベント中止・一斉休校、緊急事態宣言、経済対策、 緊急事態宣言解除、PCR等検査、医療・介護体制、 政治家と専門家の共同作業、政府と都道府県・自治体の連携、国際社会との協調など、 日本はどのような危機や困難に直面していたのか。 官邸(内閣官房)、厚生労働省、内閣府、経済産業省などの政府、 専門家会議、都道府県、医療関係者は、この難局をどう乗り越え、成果を上げたのか。 ベストプラクティスは何か。あるいは、対応がうまくいかず、課題を残したところはどこか。 教訓は何か。それらを検証した調査・検証報告書です。 「新型コロナ対応・民間臨時調査会」委員 委員長 小林喜光 三菱ケミカルホールディングス取締役会長、前経済同友会代表幹事 委員 大田弘子 政策研究大学院大学特別教授、元内閣府特命担当大臣(経済財政政策担当) 委員 笠貫宏 早稲田大学特命教授、元東京女子医科大学学長 委員 野村修也 中央大学法科大学院教授、森・濱田・松本法律事務所客員弁護士 ※ 一般財団法人アジア・パシフィック・イニシアティブ(API)は、2017年7月に発足した、アジア太平洋の平和と繁栄を追求し、この地域に自由で開かれた国際秩序を構築するビジョンを描くことを目的とするシンクタンクであり、フォーラムです。 【目次】 巻頭カラーページ 新型コロナ対応・民間臨時調査会(委員リスト) コロナ民間臨調委員メッセージ 序文 なぜ、「コロナ民間臨調」をつくったか 第1部 「日本モデル」とはなにか 第2部 新型コロナウイルス感染症に対する日本政府の対応 第3部 ベストプラクティスと課題 第4部 総括と提言 「日本モデル」は成功したのか:学ぶこと特別インタビュー①西村康稔・新型コロナウイルス感染症対策担当相(経済再生担当相) 特別インタビュー②尾身茂・地域医療機能推進機構理事長 資料 ・主要文献一覧 ・クロノロジー ・参考資料
  • 理不尽な国 ニッポン
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    今日の日本は外国からどう見えているのか?20年以上滞日経験のある著者がフランス人に向けて書いたベストセラーだが、日本人が読んだほうがはるかに面白い現代日本社会エッセイ。
  • グローバルな公共倫理とソーシャル・イノベーション
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    グローバル化による構造変化を受けた人類社会において必要とされる公共倫理を追求し、社会変革のための行動モデルを提示する。
  • 心の“ゆらぎ”と社会の変化 心理学と社会学の視点で読み解く現代社会
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    本書では、移りゆく現代社会とその社会に不適応を起こしている人間の問題を、社会学的・心理学的両面からアプローチし、問題を独自の方法で読み解き、分析・考察することを試みる。
  • 帝国の復興と啓蒙の未来
    -
    1巻2,750円 (税込)
    読み終わったとき、もっとも危険な世界史が見えてくる。 イスラームの側からしか見えない歴史を 解き明かし未来を予見する。 19世紀は西欧列強による世界の植民地化の時代、20世紀は2度にわたる世界大戦による西欧の破産とその破産管財人である米ソによる残務処理の時代であった。21世紀は、西欧の覇権の下にあった中国文明、ロシア文明、インド文明、イスラーム文明の再興による文明の再編の時代となる。シルクロード経済圏の覇者を目指す中国の一路一帯構想、ロシアのウクライナ内戦、クリミア危機への介入は、「大陸国家」中国とロシアが文明の再編の主役であることを示しているが、実のところ影の主役はイスラーム世界(ダール・イスラーム)である。イスラームは、西欧の世界支配の枠組「領域国民国家システム」自体を揺るがす可能性を秘めているのである。(「あとがき」より) 最新の中東情勢分析に加え、長年のイスラーム研究と著者の思想を凝縮した他の誰にも書けない生きた世界史!!
  • 働く/働かない/フェミニズム 家事労働と賃労働の呪縛?!
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 家事労働と賃労働とのダブルバインドのなかで、フェミニズムは「働くこと」それ自体がはらむ問題を見据える地平に立った。資本と男たちとによる搾取からの解放の道をめぐっての論争、対論、働く女たちの現場からの発言の集成。

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  • 一万年の旅路
    4.8
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【本電子書籍は固定レイアウトのため7インチ以上の端末での利用を推奨しております】 イロコイ族の系譜をひく女性が未来の世代へ贈る 一万年間語り継がれたモンゴロイドの大いなる旅路 アメリカ大陸に住む、インディアンとも呼ばれるネイティブ・アメリカンの人々は、その昔ベーリング海峡が陸続きたっだころベーリング陸橋をわたり、アジア大陸へ渡ってきたモンゴロイドの子孫だという説が定着しつつある。「一万年の旅路」は、ネイティブアメリカンのイロコイ族に伝わる口承史であり、物語ははるか一万年以上も前、一族が長らく定住していたアジアの地を旅立つ所から始まる。彼らがベーリング陸橋を超え北米大陸にわたり、五大湖のほとりに永住の地を見つけるまでの出来事が緻密に描写され、定説を裏付ける証言となっている。イロコイ族の系譜をひく著者ポーラ・アンダーウッドは、この遺産を継承し、それを次世代に引き継ぐ責任を自ら負い、ネイティブ・アメリカンの知恵を人類共通の財産とするべく英訳出版に踏み切った。 この本をはじめて手にしたときも、それから二年半ほどたって邦訳を終えたいまも、不思議な胸騒ぎがする。ひょっとしたら途方もないものに出会っているのではないかという驚きと、ありうるはずがないという疑い―その二つが入り混じって、なぜか心臓が高鳴るのだ。 ―星川淳「訳者あとがき」より ※本電子書籍は同名出版物を底本とし作成しました。記載内容は印刷出版当時のものです。 ※印刷出版再現のため電子書籍としては不要な情報を含んでいる場合があります。 ※印刷出版とは異なる表記・表現の場合があります。予めご了承ください。 ※プレビューにてお手持ちの電子端末での表示状態をご確認の上、商品をお買い求めください。
  • ライセンス契約のすべて 基礎編 ~ビジネスリスクの法的マネジメント~改訂版(改正民法対応)
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    特許、ソフトウエア契約、物品売買等、ライセンスビジネスの取引類型に応じて、国内・国際両方の契約を分析・解説した、ライセンス契約に関する定番書。改正民法に対応した改訂版。モデル契約書のダウンロードサービス付き。

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  • 野球のメディア論 球場の外でつくられるリアリティー
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    1巻2,640円 (税込)
    野球ファンの多くは、テレビや配信、テキスト速報、SNSでプレーを共有しながら楽しみ、勝敗に一喜一憂する。実際にプレーする人や現地観戦する人もいるが、ほとんどのファンはメディアを通して野球を見ている。では、メディアはどのようにして野球を捉え、描き、野球そのものに迫ってきたのか。 写真やイラストを多用して野球を見る視点を生み出した雑誌、カメラアングルや実況で野球の見せ方に大きく影響したテレビ中継、選手を操作するゲーム、実在の選手をも物語に登場させる漫画……。 選手のキャラクター化、スローモーションなどの技術による「動き」への着目、メディア間の相互関係などの論点を整理しながら、メディアを通してしか見られない野球の魅力や豊かさを描き出す。スポーツを捉えようとするメディアの試行錯誤や多様性、ダイナミズムに迫る野球視覚文化論。
  • 新訳 平和の経済的帰結
    5.0
    今こそ読みたい、平和のための経済論 「過剰な制裁が、新たな戦争を生み出す」 100年前、憎悪へ突き進む世界に警鐘を鳴らした 20世紀最高の経済学者・ケインズの傑作が復活! 山形浩生氏「ずいぶんきな臭い時代になってきた現在、本書をきっかけに少しでも戦争/平和と経済についてまじめに考えてくださる方が増えてくれることを祈りたい」ーー「訳者解説」より 〈本書の背景〉 1919年、経済学者にして官僚でもあるジョン・メイナード・ケインズは、 第一次世界大戦後のパリ講和会議にイギリス代表団の一員として参加した。 しかし、ドイツへの過剰な制裁を課す議論の方向性とヴェルサイユ条約の、 あまりのひどさに絶望し、辞表をたたきつけて、即座に本書を書き上げた。 〈なぜ今、読むべきなのか〉 世界的なベストセラーとなり、ケインズの名を一躍押し上げた本作は、 「ナチスの台頭」「第二次世界大戦開戦」を予言した書としても知られる。 戦後処理と世界経済の枠組み構築を考える際のバイブルとも言える本書は、 戦争の時代に足を踏み入れている現代においても、主張が色あせない一冊である。 【主な内容】 序文 第1章 序論 第2章 戦争前のヨーロッパ 第3章 会議 第4章 条約 第5章 賠償 第6章 条約後のヨーロッパ 第7章 修正案 訳者解説
  • 分断されないフェミニズム ほどほどに、誰かとつながり、生き延びる
    -
    1巻2,640円 (税込)
    非婚/未婚/既婚、正規労働/非正規労働、性差別的な売春か/セックスワークか、女性の保護か/男女平等か――。フェミニズムは分断と連帯にどう向き合えばいいのか。 フェミニズムの議論を骨格に、現場の声にふれた経験に基づき、女性たちが簡単にはつながれない現実を見据えたうえで、シスターフッドとは何かを問いかける。 女性たちが差別に抗い、不満に共感しあいながらも、ともに声を上げられない現実を、ジェンダーに基づく権力構造による分断だけではなく、考え方や生き方、事情や立場が異なる個人の関係性などの視点から読み解く。 「分断」を乗り越えることを模索し、「ほどほどに、誰かとつながり、生き延びる」ための女性のこれからを提案して、長年のフェミニズムの場での活動と思索に基づいて女性のつながりのあり方の再考を求める評論。
  • ジャーナリズムのココロとワザ
    -
    1巻2,640円 (税込)
    ジャーナリズムを再考する誰もが情報発信をしていける時代、プロフェッショナルなジャーナリズムとは何か。記者として、大学教授としてジャーナリズムに携ってきた著者が、2003年のイラク戦争から2022年までのニュース取材を解剖し、編集現場の問題・課題に焦点を当てながら、ジャーナリズムの真髄を問う!中日・東京新聞の社内報〈紙面審査報〉での連載コラムを書籍化。 ジャーナリストを志す人、ニュース提供に携わっている人はもちろん、溢れる情報のなかから読み解く力をつけたい人にも役立つ一冊!
  • 社会的養護の社会学 家庭と施設の間にたたずむ子どもたち
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    1巻2,640円 (税込)
    近年、児童虐待が社会問題化している一方で、社会的養護のもとで暮らす子どもへの支援も注目を集めている。これまで援助の「あるべき姿」などを中心に議論されてきたが、現場ではどのような困難が経験され、施設のありようをめぐって何が問題とされているのか。 本書では、児童養護施設や母子生活支援施設、里親などを対象に、各施設のフィールドワークを積み重ね、関連する政策文書や史料を丹念に読み込む。それらをとおして、児童養護施設で求められる「家庭」のあり方、施設で過ごす子どもや職員が抱える葛藤、愛着概念の変容、発達障害と施設の関係性、母親という規範などを浮き彫りにする。 医療、教育、ジェンダーなどの多角的な視点から、子どもを養護する現場や制度が抱える規範や規律を照射して、「家族・家庭」と「施設の専門性」の間に生じるジレンマを明らかにする。
  • 炭鉱と「日本の奇跡」 石炭の多面性を掘り直す
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 現在も世界のエネルギー源の約30%を占め、東日本大震災後の電力供給の30%を火力発電が支えるように、石炭はいまなお重要な資源であり続けている。 日本では高度経済成長という「日本の奇跡」と対比させて、「危険な重労働」「忘れ去るべき暗闇」「古いエネルギー」「ノスタルジー」とイメージされることが多い炭鉱は、しかし、労働・経営のあり方、技術革新、地域社会への貢献など、日本の産業全体に多大な影響を及ぼした。 戦後日本を作り出した炭鉱の歴史と現在を、企業・自治・家族・女性・産業遺産などの視点から浮き彫りにし、グローバルに展開する世界の炭鉱とも比較して、炭鉱とそこに生きた人々の歴史的意義や炭鉱が秘める現在の可能性を明らかにする。
  • 99パーセントのための社会契約 会社、国家、市民の未来
    3.0
    企業・政府・市民。かつてその均衡は保たれていたが、近年、企業は株価を上げることに苦心し、損失を税金による救済で賄うようになった。なぜこのような資本主義の負の側面が露呈したのか。そして新たな経済を構想することは可能か。理想的な社会契約論を描く
  • はじめての社会調査
    -
    質的調査と量的調査をバランスよく学べる究極の入門書!――人々の思いや暮らしのリアリティを知ることをとおして、他者と社会の多様な姿を発見していく社会調査。この一冊から調査の一歩を踏みだそう。社会調査士カリキュラムのA・B科目に対応。
  • 女子はなぜネットを介して出会うのか 青年期女子へのインタビュー調査から
    5.0
    1巻2,640円 (税込)
    「学校裏サイト」「ネットいじめ」「援助交際」「出会い系サイト」など、青少年とインターネットの関係は、様々な側面で社会問題化され、そのリスクや問題性、事件・犯罪に巻き込まれる危険性が、主に保護者や教育現場の立場から議論されてきた。 一方で、スマートフォンをはじめとしたネット端末が青少年に普及したいま、またコロナ禍という社会状況もあり、ネットを介した出会いやコミュニケーションは青少年にきわめて身近なものになっている。 本書では、青少年、特に青年期女子が「Twitter」などのSNSや「LINE」などのインスタント・メッセンジャーといった各種サイト・サービスを介して出会いを実現することのリスクを確認する。そのうえで、多くのインタビュー調査(質的調査)から、出会い経験者と非経験者との差異を浮き彫りにして、青年期女子をはじめとした青少年はネットを介した出会いをどのように考えているのか、出会い経験者はどのような過程を経て出会いを実現するのか、その実態を様々な事例とともに明らかにする。 ネットを介した出会いで一時的であれ人間関係を築くことができる有用性とそのリスクの両面を分析して、保護者や教員が考えるべきポイントも指摘する。
  • ダイビングのエスノグラフィー 沖縄の観光開発と自然保護
    -
    1巻2,640円 (税込)
    青い空、白い砂浜、古き良きシマンチュたちによる暖かなコミュニティー。沖縄の慶良間海域は、世界中のダイバーにとって一生に一度は行きたい「楽園」であり、2014年には31番目の国立公園に認定された。 しかしその背後では、島の住民「シマンチュ」による本土からの移住者である「ナイチャー」の排除や過疎化、海水温上昇やオニヒトデの食害によるサンゴ礁の減少など、問題が山積している。そして、それらの問題が交錯する地点に、スクーバ・ダイビングという営みがある。 座間味村の海に魅せられてダイビングショップの出店に乗り出すナイチャーに対して、よそ者を排除して既得権益を守りたいシマンチュ。国内に国立公園を増やして自らの手柄にしたい環境省。彼らが出会うことで、次第に環境保全という言葉はよそ者を排除するために利用されるようになる。一方で、「ダイビングで飯が食えたらいい」と個人的な動機で移住してきたナイチャーは本土の文化を持ち込み、島民と結婚して家族を作り、意図せず旧来の島の文化を変容させていく。いまや過疎化が進む島の年中行事にはナイチャーの協力が欠かせない。 自らが沖縄に住むダイバーであり座間味村の海に取り憑かれた著者が、スクーバ・ダイビングをめぐるフィールドワークを積み重ねて、沖縄と本土の間の複雑な経済・文化的諸関係の様相を浮き彫りにし、その本質に迫る。
  • 「コミックス」のメディア史 モノとしての戦後マンガとその行方
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    1巻2,640円 (税込)
    雑誌と並ぶ日本のマンガの代表的形態であるコミックス。 マンガをめぐる紙から電子への流れが加速する一方で、コミックスでマンガを楽しむ読者は現在も多い。そもそもマンガはコミックスという出版メディアとどう出合い、コミックスはいかにして私たちの日常生活に溶け込んでいったのだろうか。 原型になった新書判の登場、雑誌の再録媒体という位置づけの獲得、書籍扱いである文庫とA5判の展開など、1960年代以降のコミックスの歩みをたどり、書店のコーナーができあがりマンガ専門店が登場する風景も掘り起こす。また、コミックス派を自任したり、美本を求めてコレクションしたり、古書店で売買したりするなど、読者がモノとしてコミックスをどう扱ってきたのかも描き出す。 生産・流通・消費の視点から、コミックスの「モノとしての認識枠組み」が成立し変容するプロセスを解き明かし、現在のデジタル環境を踏まえた「メディアとしてのマンガ」への新たなアプローチを提示する。
  • 「戦争孤児」を生きる ライフストーリー/沈黙/語りの歴史社会学
    -
    1巻2,640円 (税込)
    第2次世界大戦で親を失った戦災孤児・戦争孤児は、戦後70年にあたる2015年まで多くを語らず、「沈黙の半世紀」「沈黙の70年」を生きてきた。彼・彼女たちはなぜ沈黙してきたのか。これまでの人生で何を経験してきたのか。なぜいま、自らの足跡を語れるようになったのか。 これまで沈黙してきた戦争孤児の当事者たちにロングインタビューをおこない、浮浪生活、自殺を考えるほどの親戚宅での冷酷な処遇、教育にアクセスできない困難、就職の難しさ、家族をつくることの願いと拒否感など、これまで歩んだ生活実態を明らかにする。 戦争孤児が自らを語り、社会的な承認を求める契機になった東京大空襲集団訴訟などについての思いも聞き書きして、「戦争で親を失った子どもたち」が、抱え続けてきたスティグマとどう向き合い、自らの来歴をどのように語るのかを検証する。
  • 就職と体育会系神話 大学・スポーツ・企業の社会学
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    1巻2,640円 (税込)
    大学新卒就職市場で、まことしやかに語られる「体育会系は就活で有利」という神話。それはいつから成立し、どう変容して現在にいたるのか。そもそも、大学新卒就職市場で体育会系が本当に有利なのか。 まず、現在の体育会系学生のなかで、神話どおりの恩恵に浴しているのは誰なのかを明らかにする。体育会系学生への就職支援を展開する企業の協力のもとに調査をおこない、所属大学やスポーツによる差異、ジェンダー格差について統計的に検証する。 そのうえで、戦前・戦間期に最も売れたビジネス雑誌「実業之日本」の記事をたどりながら、明治末期から昭和初期までの間に大学スポーツへの社会的な評価が高まり、就職に有利にはたらくようになった起源と変容を掘り起こす。 さらに、1990年代に情報系躍進企業に就職し、営業として活躍した元企業アスリートの語りをもとに、揺るがない新卒採用の日本の特殊的慣行と凋落する企業スポーツとの関係のなかで現象していた体育会系就活や採用のリアルを克明に描写する。 企業の雇用実態、企業スポーツの盛衰、大学数の増加とスポーツ推薦枠、社会的・経済的な動向――。「体育会系神話」の実態とそれを成立させる構造のダイナミズムを明らかにして、大学スポーツのゆくえを提示する。
  • 〈ヤンチャな子ら〉のエスノグラフィー ヤンキーの生活世界を描き出す
    3.5
    1巻2,640円 (税込)
    ヤンキーという言葉から、どのようなイメージをもつだろうか。時代遅れというイメージがある一方で、近年では「マイルドヤンキー」のようにマーケティングの対象として注目されたりもしている。しかし、ヤンキーと呼ばれる若者が何を考え、どのように生活をしているのか、十分な調査に基づいた書物は少ない。 大阪府の高校で3年間、〈ヤンチャな子ら〉と過ごしフィールドワークして、対立だけではない教師との関係、〈インキャラ〉とみずからの集団の線引き、家族との距離感を丁寧にすくい上げる。そして、高校を中退/卒業したあとの生活も調査し、大人への移行期に社会関係を駆使して生き抜く実際の姿を活写する。 集団の内部の亀裂、地域・学校・家族との軋轢、貧困や孤立――折り重なる社会的亀裂を抱える若者の「現場」から、分断や排除に傾かない社会関係の重要性を指し示す。
  • テレビが見世物だったころ 初期テレビジョンの考古学
    -
    1巻2,640円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 テレビ離れが叫ばれる一方で、スマホやパソコンから屋外に遍在するスクリーンまで、多様な形式で映像コンテンツは受容されている。ニコニコ生放送やパブリック・ビューイングなどの集団的な映像視聴は「戦後の街頭テレビ」の熱狂に例えられ、新しい映像文化はテレビ放送の原点に回帰しているとも言われる。 しかし、都市でテレビにふれるという経験は、戦前からテレビジョンの公開実験というかたちで人々の日常にあった――。 戦前のテレビジョン技術に対するアマチュアの熱狂、博覧会や展覧会での展示とその人気、逓信省のテレビジョン電話への欲望、幻の東京オリンピックと国策宣伝も含んだ実験放送……。「ラジオの時代」「映画の時代」とイメージされがちな戦前・戦中の日本で、アマチュア・興行師・技術者・政治家などの多様なアクターがテレビジョンという技術に魅了され、社会的な承認を獲得しようとしながら技術革新を目指していた事実を掘り起こす。 「戦後・街頭テレビ・力道山」という放送史の神話によって忘却されたテレビジョンの近代を丹念に跡づける技術社会史。
  • まちづくり仕組み図鑑 ビジネスを生む「地元ぐらし」のススメ
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 地元ぐらしのポイントを解説するとともに「地元ぐらし型まちづくり」のモデルとも言える具体事例を通して、ノウハウを図解で伝える 自分が住む・働くまちで、すてきな出会いの場を生みながら、主体的に暮らしを楽しむ――。より自由にまちづくりに関わっていくこうしたスタイルを「地元ぐらし」と定義。地元ぐらしのポイントを解説するとともに、「地元ぐらし型まちづくり」のモデルとも言える具体事例を通して、ノウハウを図解で伝える。事例は、建築設計者やグラフィックデザイナーなどが、副業や複業として手掛けた12ケース。事業関係者の相関図、初期投資や事業収支などを収録するなど、これまでのまちづくり関連の書籍とは一線を画す。
  • 第4版 子ども家庭福祉論
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 子どもたちの幸せは、子ども家庭福祉の充実の基盤の上に成り立つものである。好評の第3版をもとに、法改正・制度改革を踏まえて内容を刷新し、新たに「子どもと非行」の章も追加。子どもたちの尊厳や生活を守り、そして未来を育てる専門職を目指す人たちへの1冊。
  • 旧皇族の宗家・伏見宮家に生まれて 伏見博明オーラル・ヒストリー
    4.0
    皇族から一民間人へ。それは「二重の人生」だった――。 祖父で軍令部総長を務めた伏見宮博恭王の家庭での姿、広い邸と家族一人ずつの別荘、親と離ればなれの教育、幼い頃からの公務、皇太子(現上皇)との日光疎開、皇籍離脱、米ケンタッキーへの留学、外資系企業の営業、菊栄親睦会、そして「皇族」への思い……。 90歳を前になお鮮明な記憶が紡ぎ出す数奇な物語。 貴重な写真も多数収載。
  • 集まる場所が必要だ――孤立を防ぎ、暮らしを守る「開かれた場」の社会学
    4.0
    ここでは、誰にも居場所がある。 高齢者がゲームに熱狂する図書館、 親どうしのつながりを育む学校、 子どもがスポーツを楽しむ警察署… あらゆる人が受け入れられる「社会的インフラ」では 何が行われ、何が生まれているのか。 1995年のシカゴ熱波で生死を分けた要因に社会的孤立があることを突き止めた著者。 つながりを育み、私たちの暮らしと命を守るには何が必要なのか? 研究を通して見えてきたのは、当たり前にあるものとして見過ごされがちな場、 「社会的インフラ」の絶大な影響力だったーー。 コロナ禍を経験した今こそ、私たちには集まる場所が必要だ。
  • SDGsとCSRがひらく未来――石田梅岩の心学でフェアな成長を――
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 SDGs(持続可能な開発目標)を達成するにはどうすればよいのか。CSR(企業の社会的責任)とSDGsはどう組み合わせて運用すべきなのか。本書では、石田梅岩の心学に見られる経営哲学(商人道)を日本型CSRに取り入れた、持続可能な経営理念に基づく成長モデルを提案。優れた実績をもつ企業の事例を紹介し、SDGs—CSRの一体的運用が事業を成功に導き、日本のフェアな成長を可能にすることを示す。

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