妾と愛人のフェミニズム 近・現代の一夫一婦の裏面史

妾と愛人のフェミニズム 近・現代の一夫一婦の裏面史

3,080円 (税込)

15pt

3.8

夫婦関係に不和を生じさせる存在、倫理にもとるものとして現在ではタブー視されている「愛人」や、かつて「妾」と呼ばれた人たちは、どのような女性だったのか。

フェミニズムの分野で「妾」や「愛人」が議論の対象にされてこなかったことに疑問をもった著者が、明治期から2010年代までの「妾」と「愛人」にまつわる「読売新聞」や「週刊文春」の記事分析と文学作品の読解を通して、時代ごとに形作られた社会的イメージの変遷をたどっていく。

森鴎外や尾崎紅葉の小説に描かれる近代男性の妾囲い、有島武郎と波多野秋子などの大正期に新聞紙上をにぎわせた知識人の愛人関係、太宰治「斜陽」で「道徳革命」を成就させる戦後の愛人、「嫉妬する妻」による刃傷沙汰事件、「おいしい生活」を望む女性たちの間で流行した愛人バンク、政治家の「女房役」やハイクラス男性のビジネスパートナーとしての愛人、2000年代以降の政治家のスキャンダルのなかで性的に消費される愛人像などを取り上げ、近・現代日本に現れる「妾」と「愛人」像と、その評価を詳細に検討する。

一夫一婦制度が確立した明治期以降、ときに「純粋な恋愛の遂行者」として近代知識人に称賛され、ときに「眉をひそめられる不道徳な存在」として排除された女性たちの存在に光を当てるフェミニズム研究の裏面史。

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妾と愛人のフェミニズム 近・現代の一夫一婦の裏面史 のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ

    フェミニズムの分野で「妾」や「愛人」が議論の対象にされてこなかったことに疑問をもった著者が、明治期から2010年代までの「妾」と「愛人」にまつわる「読売新聞」や「週刊文春」の記事分析と文学作品の読解を通して、時代ごとに形作られた社会的イメージの変遷をたどっていく本
    まず「妾」と「愛人」は明らかに違う

    0
    2024年05月01日

    Posted by ブクログ

    明治から大正、昭和へと移り変わる中で一夫多妻制の許容から一夫一妻制へのシフト。妾の文字がなくなり愛人の意味も変わっていく。時代ごとに文献を当られた丁寧に調べられている。そして、またこれからも変わっていくに違いない愛人の意味についてフェミニズムにとっても好ましいものになっていって欲しい。

    0
    2023年07月02日

    Posted by ブクログ

    まずは調査と視点に感服する。

    明治時代の妾の(妻も)置かれた都合よいポジションにプンプン怒りながら読み、大正の頃の”恋愛”の発生にそれもまた一種のファンタジーだよなあと思う。戦後からここまで”働く女性”となってきたわけだけれど、そこでは男女の格差やその他も解決されたとは言えず、また女性同志の格差も

    0
    2023年06月12日

    Posted by ブクログ

    「玉木宏の100番目の妻とかでも全然良いのだが…」と書かれたTwitterが少し前に話題になった。非モテより、イケメン俳優の妻になりたい。毎日じゃなくても良いから、定期的に構って貰えれば満足だと。ポリガミー的な視点であり、ポリアモリーとは異なる。つまり、複数女性によるハーレムが希望だが、別に、複数男

    0
    2023年08月05日

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