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ルシア・ベルリン作品集
2020年本屋大賞〔翻訳小説部門〕第2位。 第10回Twitter文学賞〔海外編〕第1位。 「アメリカ文学界最後の秘密」と呼ばれたルシア・ベルリン、初の邦訳作品集! メディア、SNSで大反響! 朝日、日経、読売、毎日、東京、中日、北陸中日、北海道、河北新報、信濃毎日、京都、共同、週刊文春、週刊新潮、週刊朝日、文藝春秋、GINZA、MORE、FIGAR JAPON、VOGUE JAPAN、ELLE JAPON、クロワッサン、婦人公論、ミセス、本の雑誌、POPEYE、本の雑誌、mi-mollet、現代ビジネス、クーリエ・ジャポン、本の雑誌、図書新聞、週刊読書人、文藝、すばる、小説すばる、波、本、RKBラジオ、NHKラジオ深夜便、TOKYO FM。 J-WAVE……。「ダ・ヴィンチ」の「ひとめ惚れ大賞」受賞! 2013年にノーベル文学賞を受賞したアリス・マンローや、短篇の名手レイモンド・カーヴァー、日本で近年人気が高まっているリディア・デイヴィスなどの名だたる作家たちに影響を与えながら、寡作ゆえに一部のディープな文学ファンにのみその名を知られてきた作家、ルシア・ベルリン。 2004年の逝去から10年を経て、2015年、短篇集A Manual for Cleaning Womenが出版されると同書はたちまちベストセラーとなり、The New York Times Book Reviewはじめ、その年の多くのメディアのベスト本リストに選ばれました。 本書は、同書から岸本佐知子がよりすぐった24篇を収録。 この一冊を読めば、世界が「再発見」した、この注目の作家の世界がわかります! このむきだしの言葉、魂から直接つかみとってきたような言葉を、 とにかく読んで、揺さぶられてください ――岸本佐知子「訳者あとがき」より 彼女の小説を読んでいると、自分がそれまで何をしていたかも、 どこにいるかも、自分が誰かさえ忘れてしまう。 ――リディア・デイヴィスによる原書序文「物語こそがすべて」(本書収録)より 毎日バスに揺られて他人の家に通いながら、ひたすら死ぬことを思う掃除婦(「掃除婦のための手引き書」)。 夜明けにふるえる足で酒を買いに行くアルコール依存症のシングルマザー(「どうにもならない」)。 刑務所で囚人たちに創作を教える女性教師(「さあ土曜日だ」)。…… 自身の人生に根ざして紡ぎ出された奇跡の文学。 -
ルネ・ヴィヴィアン詩集 菫の花の片隅で
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 同性愛者として知られ、フランス象徴派詩人のマドンナともいうべきルネ・ヴィヴィアン(1877-1909)の遺稿詩集本邦初訳!「ボードレールの娘」の異名を持ち、32歳の若さで夭折した、「菫の詩女神」の死と孤独を見つめた格調高く、耽美的な世界。 【目次】 緒言 はじめに 菫の加護のもとに 恋 霊感 マリアの七つの百合 わが楽園 追憶 月への祈り 妖精たちの約束 存在 よみがえり 夜の中の鳥 私たちの時間 陽の光に驚いて 慰めの月 不在 愛すべき敵に 本質的なこと 嘘の恐ろしさ アジアの神殿 折れた翼 病める額におかれた手 わが心のために かの百合のために 驚嘆 とるに足らぬ恋 恋よ、お前は盗人 幸せな宵のまどい 菫への祈り 訳者あとがき ルネ・ヴィヴィアン年譜 -
ルバーイヤート
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 盃に酒をみたし、この世を天国にするがよい、あの世で天国に行けるかどうか分からないのだから。十一・十二世紀のペルシアに生きた科学者にして、虚無と享楽の詩人ハイヤーム。原語からの正確で平易かつ香り高い新訳に加えて、「人間は土から創られ土になる」など、私たちと同じようでしかし違うその世界観を解説、名高い四行詩を細かいところまで味わう一冊。 -
ルーミーとオリーブの特別な10か月
子犬ルーミーは愛と笑いを連れてやってきた。 幼くして母と死に別れ、半年前に最愛の父も亡くした12歳の少女オリーブ。 会ってまもない異母姉のモーディと新しい生活を始めることになる。 「大きく暮らす」を合言葉に、幸せに暮らせる方法を姉と一緒に模索する新生活は、とまどうことも多いけれども、発見も多い。 そんなとき、犬好きが高じて盲導犬の子犬を育てることになる。 「うわあああああああああ」 子犬を見たとき思わず叫んでしまった。 そのかわいさったら、もうたまらない。 犬は、奇跡のようにすばらしいフワフワの毛の生きもの。 パピーウォーカーとしての10か月は、 めちゃくちゃ幸せな時間になるだろうか? 子犬ルミーの10か月の成長をオリーブの視点で追いながら、彼女自身の成長も描きだす。 -
ルーム・オブ・ワンダー
テルマはアラフォーのシングルマザー。 息子のルイは12歳。 テルマの生きがいは、このひとり息子と大手化粧品メーカーのマーケティング・ディレクターという仕事。 ある冬の土曜日の朝、テルマのこれまでの人生をふいにするような事件が起こった。 ルイが彼女の目の前で交通事故に遭ったのだ。 昏睡状態に陥ったルイに残された時間はわずかだった。 そんなある日、テルマがルイの部屋で見つけたあるものが、彼女の生き方を変えていく。 疎遠だった母親が、テルマの生活に再び影響を与え始める。 心を許せる友人がいなかったテルマに、看護師という新たな仲間が生まれる。 はたして、テルマはルイを取り戻すことができるのか? 刊行前に世界20か国以上で出版が決定、 デビュー作にしてベストセラーに躍り出た、世界が注目するフランス現代小説! -
レイトショー
主人公レネイ・バラードは、ハワイ出身(ポリネシアとコーカソイドの混血)の三十代のロス市警女性刑事、独身、ボクサー犬ミックスの大型雌犬をコンパニオン・アニマルにしているなど、従来のコナリー作品には登場してこなかったキャラクター。ただし、警察官としての有能さと使命感は、ボッシュ刑事と共通している。 レネイは、ロス市警のエリート部門である本部強盗殺人課の殺人事件特捜班で殺人事件担当刑事として五年余り勤めていたが、二年まえ、班長に着任したロバート・オリヴァスにセクハラをされ、それを告発したものの、セクハラ現場に居合わせたパートナーのケン・チャステイン(『エンジェルズ・フライト』の最後に暴徒に襲われて死亡したロス市警内務監査課刑事ジョン・チャステインの息子)が保身のため、レネイの告発を裏付ける証言をしなかったせいで、告発は不問に終わり、レネイはハリウッド分署に飛ばされ、分署長がオリヴァスと警察学校の同期だったことから、“深夜番組(レイトショー)”と呼ばれる夜勤担当にさせられた。以来二年、深夜番組をパートナーのジョン・ジェンキンズとともに粛々と勤めているが、事件の本格的捜査は、昼勤担当刑事がおこなうため、やりがいを覚えずにいた。 -
レシタティフ
彼女が「レシタティフ」を「実験」だと言うなら、本気でそれを意図しているのだ。その実験の被験者は読者である―― 施設で同室になったトワイラとロバータは、白人と黒人の二人組で「塩と胡椒」と呼ばれていた。 月日が経ち、二人はダイナー、スーパー、デモ集会、レストランで四度再会する。 二人が共有する記憶と彼女たちについて、何が正しいのだろうか? ノーベル文学賞作家、トニ・モリスンが唯一書き残した実験小説。 大好評「I am I am I am」シリーズ第五弾。解説:ゼイディー・スミス 二人の少女はこの世の誰も知らないことを知ってた――質問をしないこと。信じなきゃいけないことは信じること。 ずけずけと訊かずに広い心で接するのは、気遣いでもあった。 あなたのお母さんも病気? ううん、一晩中踊ってるの。 ふうん――そして、わかった、といううなずき。(本文より) -
レジナルド
第一短篇集、待望の本邦初訳!皮肉屋で少しばかり傲慢。批判精神あふれる痛快キャラクター、われらがレジナルド!“サキ・コレクション”第一弾! (※本書は2015/4/15に発売し、2022/2/28に電子化をいたしました) -
レッケ&バルガスシリーズ
ストックホルムで起きた、サッカー審判員撲殺事件。地域警官のミカエラは捜査に参加、尋問のスペシャリストで心理学者のハンス・レッケと出会う。彼は鎮痛剤の依存症だった。独特の心理分析で捜査陣をかく乱するレッケだったが、ある日ミカエラが地下鉄に飛びこもうとした彼を救ったことをきっかけに、二人は被害者の裏の顔と、事件の奥に潜む外交機密に突き当たる。元ピアニストの経歴を持つレッケは、アフガニスタン移民である被害者の中に音楽の痕跡を見つけるが、そこには凄惨な過去が待ち構えていた。上流階級のレッケと移民のミカエラ。奇妙なコンビは時と国境を越え、真実に迫る――。 -
レベッカの青春
「少女レベッカ」の続編と言ってもよく、「少女レベッカ」の場合とおなじように、女性としての自覚にめざめてゆく一人の少女の心理過程が現実的なさまざまなエピソードとともに語られていく。ただ前作とちがい、それらの出来事は、レベッカ自身の手記や回想という形で描かれ、記述がいっそう内面的になっている。後半には、青春期を迎えた十八歳のレベッカが登場して、繊細な感受性をたたえた、静けさと内省を愛する一人の女性に生長していく。作者は、米国フィラデルフィアで生まれの作家で、英米の若い世代から熱狂的に迎えられ、やがてその名はひろく世界に知られるようになった。 -
レ・ミゼラブル
若い時分にやむをえぬ事情で盗みを働いたジャン・ヴァルジャンは牢獄で長年の刑期を務める。 40歳を過ぎて出所した彼は、とある司教との出会いを境に心を改め、まったく新しい人生を歩み始める。 薄幸の美女ファンテーヌを救えなかった彼は、ファンテーヌの娘コゼットと出会い――。 フランス近代文学の最高傑作と名高いヴィクトル・ユゴーの長編小説を美しいイラストで電子書籍化。 ●表紙イラストについて● 2015年 夏の代々木アニメーション学院 学内イラストコンクール 携帯小説表紙イラスト部門で 最優秀賞を受賞した応募作品を、ゴマブックスがタイアップし表紙に採用しました。 【著者プロフィール】 ヴィクトル・ユーゴー 1802年 フランス東部のブザンソン生まれ。ロマン派の詩人・作家として成功し、政治家としても活躍。 1885年パリにて死去。 -
レ・ミゼラブル
日雇い労働者ジャン・ヴァルジャンは、貧しさのどん底で、ある日一片のパンを盗もうとして捕えられ、重刑を科せられる。彼は不当な刑に怒りをおぼえ2回も脱獄を企てたため19年も刑に服すことになった。ようやく釈放された彼は片田舎の町ディーニュに現われたが、宿屋は前科者と知ると泊めてもくれない。あてどなくさまよった彼は、アルプスのふもとにあるミリエル老司教の家にたどりつく。司教は、暖い部屋に招き入れ銀の食器でもてなしてくれた。だが、恩を仇で返すように、彼は司教館の銀の食器を盗んで逃げる。すぐにつかまり、彼は司教館に連れもどされたが、「それはわたしがこの人にあげたのです」と司教は言う。ジャン・ヴァルジャンは奇跡を目にしたような衝撃をうけ、寒風の吹きすさぶ野を泣きながら駆け去る……ジャン・ヴァルジャンの改心と苦闘の人生がはじまる。この主人公をめぐって、売春婦ファンテーヌ、その子コゼット、その恋人マリユスらの人生がからみあい、おりからの激動する時代とともに数多くの人々が嵐のように渦巻き過ぎる。ユゴーの世界観を集大成した代表作。 -
レ・ミゼラブル【完全版】
<内容紹介> ◇◆◇アカデミー賞3冠達成! 映画『レ・ミゼラブル』◇◆◇ ◇『助演女優賞』アン・ハサウェイ ◇『録音賞』 ◇『メイクアップ&ヘアスタイリング賞』 『作品賞』『主演男優賞』『助演女優賞』『歌曲賞』『衣装デザイン賞』『メイクアップ&ヘアスタイリング賞』『美術賞』『録音賞』の8部門ノミネート!! フランスの激動期を背景とした、ジャン・ヴァルジャンの波乱の生涯。 たった1本のパンを盗んだがために19年もの間、監獄生活を送り、出獄した彼はエミリエル司教の館から銀の食器を盗み出す。 しかし慈悲深い司教の温情に触れ、人間不信に陥っていたジャン・ヴァルジャンは徐々に生まれ変わっていく。 そして善良な市民として事業の成功を収め、市長になった彼は、以前、あるいざこざから救った娼婦ファンティーヌの窮状を知り、彼女の娘コゼットを預け先の悪辣なテナルディエ夫婦のもとから救い出すことを約束する。 映画で大人気の「レ・ミゼラブル」。 映画では描かれきれなかった登場人物たちの心情や状況を鮮やかに描く、ヴィクトル・ユゴーの不朽の名作。 劇場へ足を運んだ方も、まだ見ていない方も楽しめる、必読の内容です! <目次> ◇序 ◇第一部 ファンティーヌ ●第一編 正しき人 ●第二編 墜落 ●第三編 一八一七年のこと ●第四編 委託は時に放棄となる ●第五編 下降 ●第六編 ジャヴェル ●第七編 シャンマティユー事件 ●第八編 反撃 ◇第二部 コゼット ●第一編 ワーテルロー ●第二編 軍艦オリオン ●第三編 死者への約束の履行 ●第四編 ゴルボー屋敷 ●第五編 暗がりの追跡に無言の一組 ●第六編 プティー・ピクプュス ●第七編 余談 ●第八編 墓地は与えらるるものを受納す ◇第三部 マリユス ●第一編 パリの微粒子の研究 ●第二編 大ブルジョワ ●第三編 お祖父さんと孫 ●第四編 「ABCの友」 ●第五編 不幸にあがる軍配 ●第六編 ふたつの星の会合 ●第七編 パトロン=ミネット ●第八編 心がけの悪い貧乏人 ◇第四部 プリュメ通りの牧歌とサン・ドゥニ通りの叙事詩 ●第一編 歴史の数ページ ●第二編 エポニーヌ ●第三編 プリュメ通りの家 ●第四編 低いところからの救いは高いところからの救いとなりうる ●第五編 その結末がはじまりとは似ても似つかぬこと ●第六編 プティ・ガヴローシュ ●第七編 隠語 ●第八編 歓喜と悲嘆 ●第九編 彼らはどこへ行く? ●第十編 一八三二年六月五日 ●第十一編 原子は大旋風に協力する ●第十二編 コラント ●第十三編 マリユス闇のなかへはいる ●第十四編 絶望のけだかさ ●第十五編 ロマルメ通り ◇第五部 ジャン・ヴァルジャン ●第一編 壁にかこまれたなかの戦争 ●第二編 巨獣のはらわた ●第三編 泥であるとともに魂 ●第四編 脱線したジャヴェール ●第五編 孫と祖父 ●第六編 眠られぬ夜 ●第七編 苦杯の最後の一口 ●第八編 たそがれの微光 ●第九編 最後の闇、最後のあけぼの -
「レ・ミゼラブル」百六景 増補新版
『レ・ミゼラブル(惨めな人々)』という題名それ自体の意味が、 黒々とした写実的な木口木版のおかげで初めて理解できたように思えた。 すなわち、ユゴーは単に貧困によって虐げられた弱者ばかりでなく、 貧困が生み出すあらゆる悪を、被害者も加害者もひっくるめた形で 描き出すつもりだったのではなかろうか――――(「はじめに」より) 19世紀フランスで大ヒットしていた「レ・ミゼラブル」。 話題作を《絵》で読みたいと欲する民衆のため、 膨大な木版挿絵360葉をつけた廉価版全巻233冊が刊行された。 それをパリの古書店で偶然発見した著者が、 挿絵230葉を選りすぐり、物語の要約を添え、 さらに当時の社会情勢や民衆の生活をわかりやすく解説。 時代を超えて人々の心に響く、愛と苦悩の物語を繙く。 作品にまつわる講演録、エッセイを収録。 ・「なぜ『レ・ミゼラブル』は人の心をうつのか?」 ・「19世紀初頭、フランスに生きた人びと」 -
レモンケーキの独特なさびしさ
「種明かしをするわけにはいかないので、ここではただ、この本を書いているあいだ、感じやすい(sensitiveである)とはどういうことかについてたくさん考えていた、とだけいっておきましょう」――エイミー・ベンダー 9歳の誕生日、母がはりきって作ってくれたレモンケーキを一切れ食べた瞬間、ローズは説明のつかない奇妙な味を感じた。不在、飢え、渦、空しさ。それは認めたくない母の感情、母の内側にあるもの。 以来、食べるとそれを作った人の感情がたちまち分かる能力を得たローズ。魔法のような、けれど恐ろしくもあるその才能を誰にも言うことなく――中学生の兄ジョゼフとそのただ一人の友人、ジョージを除いて――ローズは成長してゆく。母の秘密に気づき、父の無関心さを知り、兄が世界から遠ざかってゆくような危うさを感じながら。 やがて兄の失踪をきっかけに、ローズは自分の忌々しい才能の秘密を知ることになる。家族を結び付ける、予想外の、世界が揺らいでしまうような秘密を。 生のひりつくような痛みと美しさを描く、愛と喪失と希望の物語。 -
レヴィンソン&リンク劇場
『刑事コロンボ』『ジェシカおばさんの事件簿』等の推理ドラマで世界を魅了した名コンビが、ミステリー黄金時代に発表した短編小説の数々! 郵便配達人が知った大事件の秘密を描くデビュー作「口笛吹いて働こう」を筆頭に、コロンボの原型となった殺人劇「愛しの死体」など、田舎町からショウビズ界まで、さまざまな舞台で展開される、多彩な犯罪物語や怪談といった、謎と興趣に富んだバラエティあふれる作品を収録。 ※本電子版は、著者との契約により、「幽霊の物語」の1作品が収録されておりません。ご了承ください。 -
レーモン・クノー 〈与太郎〉的叡智
与太郎は、ほんとうに馬鹿なのか? 馬鹿げた話やデタラメな話を「与太話(噺)」というが、これは古典落語にしばしば登場する〈与太郎〉から来ている。与太郎とは、定職にもつかずブラブラしていつも失敗ばかりの粗忽者、なのになぜかのんきで楽天的なお調子者といったところか。 フランスにも、この与太郎キャラを描くのが抜群に巧い作家がいる。レーモン・クノー(1903-76)である。代表作は映画化もされたスラップスティック・コメディ『地下鉄のザジ』や、たった一つの出来事を99通りの文体で書き分けた『文体練習』など。実験的文学集団「ウリポ」の中心的メンバーとしても知られ、ガリマールの『プレイヤード百科事典』の監修責任も務めた。 深刻ぶったり難解ぶったりするのが大好きなフランス現代小説において、しかも第二次世界大戦前後という切実な時代に、知の巨人のようなクノーは『わが友ピエロ』、『ルイユから遠くはなれて』、『人生の日曜日』といった作品で、「世の中ついでに生きている」ようなのんきな男たちを次々に創り出した。それはいったいなぜか──。クノー小説における愛すべき〈与太郎〉たちを通し、我々の通念を揺さぶる「知」や「真実」を問う。 -
老人と海
巨匠の遺した永遠の名作――画期的新訳 ※本コンテンツは文春文庫『老人と海/殺し屋』(2025年1月4日刊行)のために訳し下ろされたもののうち、「老人と海」のみを収録しています。 老漁師はひとり、海に漕ぎ出した。やがて一匹の大魚が針にかかり、大海原での孤独な戦いがはじまる――。ノーベル文学賞受賞作家の不朽の名作の画期的新訳。 あの魚を殺したのは自分が生きるためだとか、売りつけて儲けるためだとか、そんな話じゃないんだ。俺があいつを殺ったのは矜持からであり、俺が漁師だからだ。俺はあいつが好きだった、奴が生きていた時も、そのあとも。(本文より) -
老人と海
老漁師サンティアーゴには、もう84日間も釣果がなかった。幼い頃から老人の見習いをしていたマノーリンは、一人前の漁師となったいまも老人を慕い、生活を気づかう。老人はそんなマノーリンをたのもしく思いながら、まだ自身のプライドも捨ててはいなかった。 翌朝、ひとりで漁に出た老人の釣縄に、巨大なカジキがかかる。そこから、老人とカジキの命を賭けた闘いが始まった。不眠不休の極限を超える死闘のなかで、老人は次第にカジキへの畏敬の念と、強い絆を感じるようになっていく。やがて運命の瞬間が訪れ、満身創痍となった老人に、しかし海は、さらなる試練を課すのだった――。 簡潔な文体と研ぎ澄まされた表現で、大いなる自然と自らの人生に対峙する男の姿を力強く描きだす、ヘミングウェイの最高傑作。 -
老人ホーム 一夜の出来事
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ※この商品は、作品の内容を鑑み、固定レイアウト型で制作した電子書籍です。文字だけを拡大することができませんので、タブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できませんので、ご注意ください。また、お読みになる端末で無料サンプルをお試しいただいた上でのご購入をお願いいたします。※ある老人ホームの一夜。八人の老人と一人の寮母。食事と作業とお楽しみ会……。体力も知力も異なる八人の老人たちと寮母に、時は等しく流れる。登場人物九人の同時進行小説。同じ場面のそれぞれの行動、意識(があれば、だが)が、各人に割り当てられた章の同じページ、同じ行に浮かび上がる。傑作実験小説!/解説=若島正 -
老令嬢探偵の事件簿
【1910年、ハレー彗星の降る夜。誰が子爵を殺したか?】 面白すぎて発売前に14ヵ国が版権取得!! 79歳の老令嬢と少年院帰りの召使いが挑む。 フーダニット×孤島×密室×貴族の館=どんでん返しの連続殺人!? 解説・若林踏 【誰が子爵を殺したか? 容疑者リスト】 No.1 エドウィン ケチな下院議員。 No.2 ミスター・ストークス 優秀な執事。 No.3 レティス 子爵の従姉(いとこ)。 No.4 ジョリオン 大酒飲みの海軍少将。 No.5 ミュラー教授 ドイツ人科学者。 《探偵チーム》 ミス・デシマ 79歳の毒舌老令嬢。 スティーブン 少年院帰りの召使い。 テンペランス 泣き虫メイド。 《ロンドン警視庁》 ジャーヴィス警部 【あらすじ】 1910年の英国。少年院帰りのスティーブンは謎の手紙に導かれ、孤島の館で従僕(じゅうぼく)として仕えることに。 その日は奇(く)しくもハレー彗星が地球に到達する日で「毒ガスが広まり、世界が終わる」と騒動が起きていた。主の子爵は館中の窓や扉を板で密閉させ、スティーブンに嫌われ者の老令嬢デシマの世話を任せる。 その夜、事件が起きる。子爵が書斎で殺されたのだ。犯人は誰(フーダニット)? 面白すぎて発売前に14ヵ国が版権取得した超期待作! The Murder at World's End by Ross Montgomery カバーイラスト/原田俊二 カバーデザイン/鈴木成一デザイン室 -
ロシア中世物語集
ロシア史の最も古い時期を扱い「過ぎし年月の物語」という名でも知られる『原初年代記』、ロシア的キリスト教精神を築いた12世紀の『フェオドーシイ聖人伝』、『ニーベルンゲンの歌』などと並び称される傑作『イーゴリ軍記』など、名高いロシアの中世物語を集成。11世紀からピョートル1世登場前夜の17世紀末までの作品を、文学的な見地から幅広く編纂したものとして類がない。各作品解説に加え、ロシア中世文学の表現上の特徴やその史的展開についての概説も収録。世界文学の中に特異な位置を占めるロシア中世文学を知るための、色褪せない物語集。 -
ロシア文学の怪物たち
『青い脂』(ソローキン)や『穴持たずども』(マムレーエフ)など“怪作”を翻訳してきた著者による「悪」のロシア文学入門。 虚無的な現実を覆う皮膜の下で蠢く怪物たちの饗宴。間違いない、本書は毒にも劇薬にもなりうる。━━━━━木澤佐登志 ロシア文学は現実の不確かさを読者に突きつけ、世界の裂け目に開いた深淵を露わにする。 『青い脂』(ソローキン)や『穴持たずども』(マムレーエフ)など“怪作”を翻訳してきた著者による「悪」のロシア文学入門。 誤解を恐れずに書くが、ロシア文学は危険だ。ロシアによるウクライナへの軍事侵攻によって現実に世界秩序が大きく揺れ動いている今日、それは劇薬ですらあるかもしれない。(「はじめに」より) 【目次】 はじめに プロローグ 悪との遭遇 第1章 ペテルブルグの幽霊 ゴーゴリ『外套』 第2章 怠惰と実存 ゴンチャロフ『オブローモフ』 第3章 病める地下室男の独白 ドストエフスキー『地下室の手記』 第4章 もはや死はない トルストイ『イワン・イリイチの死』 第5章 世界がひずむ音 チェーホフ『六号室』 第6章 「われら」と「彼ら」のはざまで ザミャーチン『われら』 第7章 不可能性の怪物 マムレーエフ『穴持たずども』 第8章 空虚への解脱 ソローキン『マリーナの三十番目の恋』 第9章 もう一つの九〇年代 ペレーヴィン『ジェネレーション〈P〉』 第10章 回帰する亡霊 エリザーロフ『図書館大戦争』 第11章 可能性としての女性文学 ナールビコワ『ざわめきのささやき』/トルスタヤ『クィシ』/スタロビネツ『むずかしい年ごろ』 おわりに あとがき ブックガイド 【著者】 松下隆志 1984年、大阪府生まれ。専門は現代ロシア文学・文化。北海道大学大学院文学研究科博士課程修了。現在、岩手大学准教授。著書に『ナショナルな欲望のゆくえ ソ連後のロシア文学を読み解く』(日本ロシア文学会賞受賞)、訳書にソローキン『吹雪』『親衛隊士の日』、『青い脂』(共訳)、ザミャーチン『われら』、マムレーエフ『穴持たずども』など。 -
ロミオ&ジュリエット
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 シェイクスピアの作品には種本がある。『ロミウスとジュリエットの悲劇の物語』として1562年に詩の形式で英語に翻訳されていたもので、オリジナルはイタリアの作品である。シェイクスピアの偉大さは、その原作品をはるかに超えた不朽の名作に仕上げたことである。シェイクスピアの劇には「四大悲劇」と呼ばれる主要作品があるが、最も知名度が高く若者に絶大な人気を誇るのは『ロミオ&ジュリエット』である。主人公はイタリアのヴェローナの10代の男女である。ジュリエットはまだ14歳になっていない。彼女の家で開かれた仮面舞踏会に、宿敵の家のロミオがやって来て、お互いに「一目ぼれ」をして、その直後のバルコニーの場面で、庭に忍び込んだロミオとジュリエットは愛の誓いを交わし、翌日に二人だけで神父に結婚式を挙げてもらう。先導するのはジュリエットである。衝動的だし、衝撃的である。 この作品には、早々と死んでしまうマキューショというロミオの親友がいる。家同士の反目がそもそも悲劇の下地にあるのだが、このマキューショの死が発端となって、不幸な出来事が次々に起こり、死の連鎖が生じる。二人の「愛」の芽生えから「死」に至るプロセスがスピーディーで、その究極が、プロローグで予知されていた“star-crossed lovers” [幸な星の下に生まれた恋人達]の「運命」による行き違いが起こり、ロミオとジュリエットの死で悲劇が完結する。 -
論語に親しむ
古より、日本人の人生観に大きな影響を与え、生き方の規範として親しまれてきた、中国古典随一の書「論語」。豊かな世の中になっても、そのメッセージは、廃れることなく、常に新しい。特に、現代のような、モラル・ハザードの状況下においては、この「論語」が伝え続けて来た人間学を、見つめなおしてみる必要が大いにあるのではないだろうか。本書では、そのエッセンスを、やさしく説き明かす。 内容は、[序章]まず、はじめに『論語』の予備知識を![第一章]良い友を選べ[第二章]言葉は人なり[第三章]生涯「学ぶ心」を持て[第四章]志した道は貫け[第五章]どうしたら人は動くか[第六章]相手への思いやりの心を持つ[第七章]筋違いなことは許すな[第八章]親しき仲にも礼儀あり[第九章]知に働けば角が立つ[第十章]人間、信用を失ったら終わり[附章]その他・『論語』の名言……と、論語の魅力ある言葉を現代風に解釈しながら人生のコツをやさしく学ぶことができる。 -
ローエングリン
ドイツ西部のブラバント公爵領では、先代の公爵が、娘エルザと息子ゴットフリートを残して死んでまもなく騒動が。エルザと散歩に出たゴットフリートが森の中で行方不明になる。これは魔法使いオルトルートが彼を白鳥に変えてしまったためである。が、オルトルートの夫で、公爵領を手に入れる野望を抱いていたフリードリヒ伯爵は、これを好機とばかり、エルザを訴える。エルザが弟を殺して領主の地位を手に入れ、秘密の恋人を宮廷に引き入れようとたくらんだのだ、というのである。たまたま来訪したドイツ国王ハインリヒが決闘でその決着をつけることになった。フリードリヒの相手はエルザの祈りに白鳥に曳かれた小舟に乗って現われた騎士「ローエングリン」だった……。 -
ロード・ジム
コンラッドはこの作品によって、海洋冒険物語を、名誉と勇気、忠節と裏切りの深い意味をもつ物語に変えた。理想主義肌の商船の一等航海士ジムは、沈没の運命にあった「パトナ号」と船客たち八百人を見捨てることで、若き日の栄光への夢を見捨てた。法廷で「臆病」の烙印を押されたとき、ジムは極東での放浪の暮らしに活を見出そうとする。スマトラのパトサンで原住民から伝説的な名声を得たジムは理想的な統治者としてふるまうが、悪漢ブラウンの出現で…。コンラッドの『闇の奥』と同じ語り手マーロウは、社会に拒否されながら、なお償いへの欲求につかれた男の、不可思議な心のうちに探りをいれていく。ポーランド生まれの英国の作家コンラッドの「密偵」「闇の奥」と並ぶ代表作。 -
若草物語 1&2
メグ、ジョー、ベス、エイミーの仲良し四姉妹の毎日をえがいて、世界中で150年以上ものあいだ愛されている『若草物語』。 オルコットは、四姉妹の子どもたちの代が活躍する『第四若草物語』まで、全部で4つの「若草物語」を残しています。 今回、子どもも大人も楽しめる愛蔵版として、 四姉妹がそれぞれのパートナーを見つけ、自立していくまでを描いた2巻までの内容を1冊におさめました。 読みやすさで人気のある谷口由美子の美しい訳、 気鋭のイラストレーター北澤平祐と人気の装丁家・中嶋香織とによる、 クラシカルかつ可愛い装丁で、名作がよみがえります。 プレゼントにも、自分で持っているにも、ぴったりの一冊です。 【収録作品】 『若草物語1』 「プレゼントなしのクリスマス」にため息をつくのは、メグ、ジョー、ベス、エイミーの仲よし4姉妹。 大好きなお父さまも、南北戦争へ。そんなちょっぴりさびしいクリスマスで幕をあける、涙と笑いと愛に満ちた1年間の物語。 おとなりに住む小さな紳士、ローリーといっしょに、あなたもゆかいなマーチ家の姉妹と、どうぞお近づきになってください。 『若草物語2』 『若草物語』の物語に幕がおりてから3年後。あのマーチ家の四姉妹、メグ、ジョー、ベス、エイミーのつづきの物語がはじまります。仲よし姉妹の小さな事件や意外な結婚、そして、悲しい別れ……。 ごくふつうの毎日につまった幸せの見つけ方がここにあります。 <中学生以上の漢字にルビつき> -
別れを告げない
ノーベル文学賞受賞作家の最新長篇! 作家のキョンハは、虐殺に関する小説を執筆中に、何かを暗示するような悪夢を見るようになる。ドキュメンタリー映画作家だった友人のインソンに相談し、短編映画の制作を約束した。 済州島出身のインソンは10代の頃、毎晩悪夢にうなされる母の姿に憎しみを募らせたが、済州島4・3事件を生き延びた事実を母から聞き、憎しみは消えていった。後にインソンは島を出て働くが、認知症が進む母の介護のため島に戻り、看病の末に看取った。キョンハと映画制作の約束をしたのは葬儀の時だ。それから4年が過ぎても制作は進まず、私生活では家族や職を失い、遺書も書いていたキョンハのもとへ、インソンから「すぐ来て」とメールが届く。病院で激痛に耐えて治療を受けていたインソンはキョンハに、済州島の家に行って鳥を助けてと頼む。大雪の中、辿りついた家に幻のように現れたインソン。キョンハは彼女が4年間ここで何をしていたかを知る。インソンの母が命ある限り追い求めた真実への情熱も…… いま生きる力を取り戻そうとする女性同士が、歴史に埋もれた人々の激烈な記憶と痛みを受け止め、未来へつなぐ再生の物語。フランスのメディシス賞、エミール・ギメ アジア文学賞受賞作。 -
わが闘争
世の趨勢につれ、亡霊のように消えては現れるヒトラー・ブーム。この無気味な現象は、いったい何を意味し、何を志向しているのか。その謎を解く鍵を秘めた本書、『わが闘争』。それは、独裁者ヒトラーの出現を許した混迷の政治風土と酷似する現代において、予想外の意味をもってわれわれに迫ってくる。ヒトラーが本書で語るその恐るべき政治哲学、魔術に近い巧妙な政治技術は、現代政治の虚構を見抜く有力な手掛かりとして、今なお多くの示唆を放っている。戦争体験のない世代が増えている現代において、若者はもちろんのこと、全国民にとって、批判的必読の書といえよう。ヒトラーが、世界制覇の戦略と思想とを自ら語った、世界史上稀有の政治的遺書を電子書籍で。 -
わが闘争(上下・続 3冊合本版)
世の趨勢につれ、亡霊のように消えては現れるヒトラー・ブーム。この無気味な現象は、いったい何を意味し、何を志向しているのか。その謎を解く鍵を秘めた本書、『わが闘争』。それは、独裁者ヒトラーの出現を許した混迷の政治風土と酷似する現代において、予想外の意味をもってわれわれに迫ってくる。ヒトラーが本書で語るその恐るべき政治哲学、魔術に近い巧妙な政治技術は、現代政治の虚構を見抜く有力な手掛かりとして、今なお多くの示唆を放っている。戦争体験のない世代が増えている現代において、若者はもちろんのこと、全国民にとって、批判的必読の書といえよう。本書は『わが闘争』上・下巻と『続・わが闘争』の3冊をあわせた合本版です。 -
私、幸いなことに死にませんでした
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ※この電子書籍は紙版書籍のページデザインで制作した固定レイアウトです。 生きることも、死ぬことも難しい。それでも生きることにした。 不安とさよならして「幸せ」と感じられるまで、治療と生活のありのままを描く不安障害克服記コミックエッセイ。 想像のなかでは、何でもできるような気がしていた。でも実際は、人前に出ると固まってしまい、うまく話せない。あえて明るく振る舞おうとしてみても、ひとりになると反動で落ち込んでしまう。 長い間「社交不安障害」を抱えていた著者は、初めは不安障害と知らず、みんなと同じように振る舞えない自分を憎み、責めてばかりいた。ひとりでいるときでさえ思いっきり泣けない。死にたくないけど、生きたくもない。その理由を見つけようと始めたカウンセリングや治療の過程で、「あなただけじゃない」と語りかけてくるさまざまな作品に出会えたことで力づけられ、回復へ向かっていく。 すこしずつ不安から離れて幸せにとどまる方法をつかみかけてきた今、他の誰かの力になれればと、ためらいながらも著者は自身の過去を語る。不安に押しつぶされ、悲しみに暮れて憂鬱に過ごすのではなく、自らを幸せにするために努力する、心の成長の記録である。 -
私、清掃の仕事してますけど?
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ※この電子書籍は紙版書籍のページデザインで制作した固定レイアウトです。 20代、女性、ビル清掃員。かつ、イラストレーター。 自他の偏見に悩みながらも夢と生計の二兎を追う、「幸せ」について考えつづけるコミックエッセイ。 イラストレーターを夢みていた著者は、20代半ばにして会社を辞めた。といっても、大人だもの、夢だけを追い求めるわけにもいかない。それで夢と生計を両方成り立たせてくれる職業として、比較的時間の制約が少ない「清掃員」を選んだ。職業というかたちで夢を追いつづけると生計を立てられないと考えた末の決断だった。 清掃員という職業は、著者本人にとってもなじみのないもので、他者が作り上げた偏見だけでなく、自らが作り上げた偏見とも闘わなければならなかった。初めつらいばかりの仕事だったが、経験を重ねてていくうちに成長し、今ではちょっとした話のネタにもできるようになった。また、清掃員として働くと同時に、夢みていたイラストレーターとしての活動も始めた。もちろんすぐにイラストの依頼が舞い込むとはいかないけれど、収入は清掃員として安定していたので、自分のペースで進められた。 この本には過去4年間、清掃員とイラストレーターの二兎を追いながら、著者が経験した人生のいくつもの瞬間が描かれている。他者からのむき出しの偏見に、いやな思いをする場面もたくさんあったことと思う。でも、著者はその時々を思い返しながらこう言うのだった。 「すこし変わった生き方をしてみると、思っていたよりも幸せでした」 「違い」は「間違い」ではないということ、みんなそれぞれ違っていることでいろいろな幸せが生まれるということを、著者は経験を通して語りかける。他の人とすこし違う生き方をしてみて、思っていたよりも幸せだというそのことばのように。 -
私たちが刈り取った男たち
全米批評家協会賞最終候補作! 最愛の弟をはじめとする、五人の親しい男たちの相次ぐ早世。自身と家族たち、仲間たちの苦悩と苦闘。そして、アメリカ南部で黒人として生きていくことの困難。全米図書賞を二度受賞した、現代アメリカ文学最重要の作家による、痛切なメモワール。 私はターシャとブランドンの言葉を思い出し、ログを殺したのは何者なのか、私たちを間引いていくのは何者なのか、考えた。ログの死は自らの行為、彼自身の心臓がもたらした結果だ。ならば私たちを殺す〈何者か〉とは、私たち自身なのだろうか? それともこうして死が累々と重なっていくそばで、愛する者たちが死んでいくそばで、私はなにか、もっと大きな物語を見落としているのだろうか? そもそも相手は人間なのか? ヘッドライトの明かりが闇のなかに銀色の筋となって浮かびあがり、ふいに、その〈何者か〉が闇のようにとほうもなく広大で、底なしで、すぐそこに迫っているような気がしてきた。私は音楽を止め、歌の語りを消して、甲高い虫の鳴き声と窓のそばをひゅうと過ぎていく熱風だけに耳を傾け、家路をたどった。それらのなかに物語を聞き取り、私たちの筋書きを書いている〈何者か〉の正体を突き止めてやろうと試みた。(本書より) 【内容目次】 プロローグ ここは狼の町 遠い過去~一九七七年 ロジャー・エリック・ダニエルズ三世 一九八一年三月五日生まれ 二〇〇四年六月三日没 私たちが生まれる 一九七七年~一九八四年 デモンド・クック 一九七二年五月十五日生まれ 二〇〇四年二月二十六日没 私たちは傷つく 一九八四年~一九八七年 チャールズ・ジョセフ・マーティン 一九八三年五月五日生まれ 二〇〇四年一月五日没 私たちは見ている 一九八七年~一九九一年 ロナルド・ウェイン・リザナ 一九八三年九月二十日生まれ 二〇〇二年十二月十六日没 私たちは学んでいる 一九九一年~一九九五年 ジョシュア・アダム・デドー 一九八〇年十月二十七日生まれ 二〇〇〇年十月二日没 私たちはここにいる 謝辞 訳者あとがき 【著・訳者プロフィール】 ジェスミン・ウォード (Jesmyn Ward)(著) ミシガン大学ファインアーツ修士課程修了。マッカーサー天才賞、ステグナー・フェローシップ、ジョン・アンド・レネイ・グリシャム・ライターズ・レジデンシー、ストラウス・リヴィング・プライズ、の各奨学金を獲得、および2022年米国議会図書館アメリカ・フィクション賞を受賞。『骨を引き上げろ(Salvage the Bones)』(2011年)と『歌え、葬られぬ者たちよ、歌え(Sing, Unburied, Sing)』(2017年)の全米図書賞受賞により、同賞を2度にわたり受賞した初の女性作家となる。そのほかの著書に小説『線が血を流すところ(Where the Line Bleeds)』、『降りていこう(Let Us Descend)』およびメモワール『わたしたちが刈り取った男たち(Men We Reaped)』(本書)などが、編書にアンソロジー『今度は火だ(The Fire This Time)』がある。『わたしたちが刈り取った男たち』は全米批評家協会賞の最終候補に選ばれたほか、シカゴ・トリビューン・ハートランド賞および公正な社会のためのメディア賞を受賞。現在はルイジアナ州テュレーン大学創作科にて教鞭を執る。ミシシッピ州在住。 石川 由美子(いしかわ・ゆみこ)(訳) 琉球大学文学科英文学専攻課程修了。通信会社に入社後、フェロー・アカデミーにて翻訳を学び、フリーランス翻訳者として独立。ロマンス小説をはじめ、「ヴォーグニッポン」、「ナショナルジオグラフィック」、学術論文、実務文書など、多方面の翻訳を手掛ける。訳書に、『歌え、葬られぬ者たちよ、歌え』、『骨を引き上げろ』、『線が血を流すところ』、『降りていこう』(以上作品社)など。 -
わたしたちの担うもの
全米100万部の若き桂冠詩人、初の詩集が待望の邦訳 2021年、アメリカ大統領就任式で世界を驚かせた若き桂冠詩人。パンデミックと分断の日々を尖りまくった表現で描き出す、驚愕の作品集が登場。 大統領就任式での『わたしたちの登る丘』の朗読で一躍、現代アメリカ最重要詩人となったアマンダ・ゴーマンの第一作品集。 彼女の詩は苦難の瞬間をとらえ、希望と癒しのリリックに変える。 歴史、言語、アイデンティティをかけめぐり、想像力豊かい、そして親密に、ことばをコラージュし、ときに消去する。 パンデミックの悲嘆をうけとめ、悲痛のときに光をあてる。 彼女はわたしたちの過去からのメッセンジャー、未来への声だ。 -
わたしに無害なひと
2018年〈小説家50人が選ぶ“今年の小説”〉に選出、第51回韓国日報文学賞受賞作! 十六の夏に出会ったイギョンとスイ。 はじまりは小さなアクシデントからだった。 ふたりで過ごす時間のすべてが幸せだった。 でも、そう言葉にすると上辺だけ取り繕った噓のように……。 (「あの夏」) 二度と会えなくなった友人、傷つき傷つけた恋人との別れ、 弱きものにむけられた暴力……。 誰も傷つけたりしないと信じていた。 苦痛を与える人になりたくなかった。 ……だけど、あの頃の私は、まだ何も分かっていなかった。 あのとき言葉にできなかった想いがさまざまにあふれ出る。 もし時間を戻せるなら、あの瞬間に……。 韓国文学の〈新しい魅力〉チェ・ウニョン、待望の最新短編集。 第8回若い作家賞受賞作「あの夏」を含む、珠玉の7作品を収録。 【目次】 ・日本の読者のみなさんへ ・あの夏 ・六〇一、六〇二 ・過ぎゆく夜 ・砂の家 ・告白 ・差しのべる手 ・アーチディにて ・あとがき ・訳者あとがき -
私のおばあちゃんへ
6人の女性作家が描く“おばあちゃん”アンソロジー 年老いた女になるつもりはなかった。 その日その日を生きているうちに、いまにたどり着いただけ。 いまという日は、自分とはまったく関係のない他人のものでなければならなかった。 【目次】 きのう見た夢 ユン・ソンヒ 黒糖キャンディー ペク・スリン サンベッド カン・ファギル 偉大なる遺産 ソン・ボミ 十一月旅行 チェ・ウンミ アリアドネーの庭園 ソン・ウォンピョン 訳者あとがき 【著者】 ユン・ソンヒ 1973年生まれ。短編小説「レゴでつくった家」(1999年東亜日報新春文藝)でデビュー。短編集に『レゴでつくった家』『そこに、あなた?』『風邪』『笑うあいだ』『枕をする』『日々、エイプリルフール』、中編小説に『やさしい人』、長編小説に『見物人たち』などがある。 ペク・スリン 1982年生まれ。短編小説「嘘の練習」(2011年京郷新聞新春文藝)でデビュー。短編集に『ポール・イン・ポール』『惨憺たる光』『夏のヴィラ』、中編小説に『親愛なる、親愛なる』などがある。 カン・ファギル 1986年生まれ。 2012年に京郷新聞新春文藝に短編小説「部屋」が当選する。短編集に『大丈夫な人』『ホワイト・ホース』、長編小説に『別の人』などがある。 ソン・ボミ 1980年生まれ。2011年、東亜日報新春文藝に短編小説「毛布」が当選する。短編集に『彼らにリンディ・ホップを』『優雅な夜と猫たち』『マンハッタンの蛍』、長編小説に『ディア・ラルフ・ローレン』『小さな町』などがある。 チェ・ウンミ 1978年生まれ。2008年『現代文学』の新人推薦に短編小説「泣いて行く」が当選する。短編集に『あまりに美しい夢』『目連正伝』『雪で作った人』、中編小説に『昨日は春』、長編小説に『第九の波』などがある。 ソン・ウォンピョン 1979年生まれ。2016年、長編小説『アーモンド』で第十回チャンビ青少年文学賞を受賞。短編集に『他人の家』、長編小説に『三十の反撃』『プリズム』がある。現在、映画監督、シナリオ作家としても活躍している。 橋本智保 1972年生まれ。東京外国語大学朝鮮語科を経て、ソウル大学国語国文学科修士課程修了。訳書に、鄭智我『歳月』、千雲寧『生姜』、李炳注『関釜連絡船(上・下)』、朴婉緒『あの山は、本当にそこにあったのだろうか』、ウン・ヒギョン『鳥のおくりもの』、クォン・ヨソン『春の宵』『レモン』、キム・ヨンス『夜は歌う』『ぼくは幽霊作家です』、チョン・イヒョン『きみは知らない』、チェ・ウンミ『第九の波』など。 -
私の彼女と女友達
どこにいても、必ず自分を守って。 それが私たちを守ることになるから。 クィア・労働・女性問題など、今を生きる女性たちをときにリアルに、ときにさわやかな余韻で描き出すチョ・ウリ初の短編集。 表題作「私の彼女と女友達」など八編を収録。初邦訳。 <あらすじ> 「私の彼女と女友達」 五年間同棲している私の彼女、ジョンユンには四人の大親友がいる。ミンジ、ジヘ、ジヨン、スジン。「ジョンユンの彼女なら、私たちの友達も同然でしょ」彼女たちはみんな私に会いたがるけど、私はその誰にも会ったことがない。ジョンユンに誘われても、誰の結婚式にも行かない。 ついにジョンユンの親友たちに会ってみることを決めた日、かつて私が憧れを抱くも苦い決別を迎えたひとりの女性から手紙が届く。 「非婚式にご招待します」 【目次】 【もくじ】 私たちがハンドルをつかむとき 11番出口 ミッション 私の彼女と女友達 ねじ 物々交換 ブラック・ゼロ 犬五匹の夜 著者あとがき 訳者あとがき 【著者】 チョ・ウリ 2011年、短編小説「犬五匹の夜」で大山大学文学賞を受賞し作家デビュー。 女性、クィア、労働に関心を寄せて執筆している。 著書に短編集『リレー』『チームプレイ』、 長編『ラスト・ラブ』などがある。 カン・バンファ 岡山県倉敷市生まれ。岡山商科大学法律学科、梨花女子大学通訳翻訳大学院卒、高麗大学文芸創作科博士課程修了。梨花女子大学通訳翻訳大学院、漢陽女子大学日本語通翻訳科、韓国文学翻訳院翻訳アカデミー日本語科、同院アトリエ日本語科などで教える。韓国文学翻訳院翻訳新人賞受賞。訳書にペク・スリン『夏のヴィラ』、チョン・ユジョン『七年の夜』、ピョン・ヘヨン『ホール』、ハ・ジウン『氷の木の森』など。韓訳書に柳美里『JR上野駅公園口』、児童書多数。著書に『일본어 번역 스킬(日本語翻訳スキル)』がある。 -
私の最高の彼氏とその彼女
『僕の狂ったフェミ彼女』著者がおくる、前人未踏の“共有”恋愛小説! 30代の女性・ミレは、彼女にとって最善の恋愛をずっと探している。 したいことを望み、嫌なことを拒みたい。 誰のものにもならず、自分のままでいたい。 結婚をゴールとしなくても、対等な関係を築きたい。 ミレのウィッシュリストはずっと満たされなかった。 ある時出会った“完璧な男性”シウォンは 「非独占恋愛(オープンリレーションシップ)」を実行していた。 ミレは戸惑いながら、最善のために一歩を踏み出す。 ◆推薦――宇垣美里(フリーアナウンサー/俳優) 最初に共感、次に反感と少しの羨望。 垣間見た新しい世界を受け入れられるのか、 受け入れられないならその理由は何か。 こびりついていた固定概念の奥にあるはずの 本当に自分の求めている恋愛の形について、 誰かと夜通し語り合いたくなった。 ◆推薦――アルテイシア(作家) 私自身はオープン・リレーションシップをするのは無理だと思うけど、主人公ミレの気持ちはよくわかる。 「君は俺のものだよ」と言われて喜べない。 誰の所有物にもなりたくない。誰にも支配されたくない。 パートナーと対等に尊重し合う関係を築きたい。 それだけのことが、なぜこんなに難しいのか? 【目次】 プロローグ 0.ロマンスこそ必要 1. いろいろな幻想、の中の君 2.なぜ私はあなたを共有するのか 3.大丈夫? 愛か?? 4.私が恋愛をやめられない(約)十の理由 5.優雅で計画的な共有恋愛 6.食べて、期待して、恋をして 7. あなたがデートしている間に 8.愛してるの言葉でも理解はできない 9. 君たちは感動だった 10.それは絶対私たちのせいじゃない 11. 最も普通の記念日 12. 嘘、みたいな時間 13. 一人で一緒にいる人たち 著者あとがき -
私ひとりの部屋
「論文というより、エッセーに近く、エッセー小説風の描写スタイルで、それまで暖めてきたテーマが一気に噴出した、といった強い情熱がひしひしと伝わってくる作品ではあるけれども、そこは熟達した小説家らしく、具象的で、実際的であり、ふんだんに散りばめられた辛辣なジョークに思わず笑いも誘われる。従来の男性優位思考に対する、手厳しい皮肉と嘲笑と諷刺をからめた論詰が、とぼけた表現の随所に潜んでいるので、聞き手の若い女性たちはさぞ胸のすく思いをし、会場に笑いの渦を巻き起こしたに違いない」(エッセイスト高沢英子氏のことば)…講演をもとにしたウルフの女性論。 -
わたしを忘れないで アンネが日記を書く前の物語
没後80年を経たいま、アンネ・フランクの生を静かに見つめ直す 没後80年を経てもなお世界中の人々の心に生き続けるアンネ・フランク。本書は、10歳のアンネが13歳で隠れ家に入り、日記を書き始めるまでの年月に光をあて、その内面と日常を丹念に描き出す。物語は史実に基づくパートと創作パートが交差しながら進み、アンネの成長と揺れる心を立体的に浮かび上がらせる。 舞台は第二次世界大戦下の1940年代、オランダ・アムステルダム。ナチスの迫害を逃れてドイツのフランクフルトから移り住んだフランク一家は、新天地での生活を始めるが、戦火は次第に彼らの身近にも迫り、日常は静かに、しかし確実に奪われていく。やがて一家は隠れ家へと身を寄せる決断を迫られ、その後アンネは日記と出合うことになる。 綿密な取材と研究を重ねて描かれた本書は、これまで『アンネの日記』からしか知ることのできなかったアンネの姿や思いを描き上げる。そこにいるのは歴史の象徴ではなく、夢をもちながら明るく生きようとしたひとりの生身の少女である。 21世紀にあってなお戦争が続くいま、自分に引き寄せて読みたい一冊。 【内容】 第一部 妹 第二部 オオカミ 第三部 言葉にされないもの 第四部 世界と地下世界 第五部 闇の時間と光の時間
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