小説作品一覧

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  • 秘匿患者
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    踊り場のない謎。その先にある真実に、あなたは耐えられるか?名前以外、記録のない患者。彼の存在に隠された恐るべき陰謀の正体とは―― その患者には名前以外、過去の記録が一切なかった――。メリーランド州の精神科医療施設メナカー。犯罪をおかした心神喪失者を多く収容するこの病院にジェイソンという謎めいた患者が送られてくる。彼の担当医になったリーサは青年の語る妄想とは思えない過去の断片を繋ぎ合わせるうち、悲劇的な事件に隠された闇に肉薄する。だがその頃から、リーサは何者かにつけ狙われるようになり……。
  • 路傍の花
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    1巻330円 (税込)
    幼馴染の大学生男女が真夏に安達太良山の麓にオートバイ旅行し、暴走族に絡まれて二人は湖に落下して死亡した。警察は事故と事件の両面から捜査したが埒があかなかった。双方の両親は不仲になり、葬儀方法、賠償金、弔慰金、慰霊の花束、供花などを巡り対立した。そんな中で、息子の父はマニラ支店長に単身赴任、独り住まいの妻はドイツへ。娘の父は病死、母は三回忌で帰国した男の父と慰霊の旅で意外な結末となった。
  • X-ファイル 2016 VOL.1
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    伝説の超常現象サスペンス復活! 真実は「まだ」そこにある――。 異星人やUFOは本当に存在するのか――それとも政府の隠謀なのか? 13年の時を経て、モルダー&スカリーの真実の探求が再び始まる! モルダーとスカリーにもたらされた異星人誘拐事件の情報―― ふたりは懐疑的ながらもアブダクトされた女性を訪ね、これまで思いもしなかったある真実に気づかされる。 それは、世界を巻き込む壮大な事件の幕開けであり、二人と里子に出した息子に関わるものだった……。 ◎オリジナル・シリーズの独創的なストーリーをさらに発展させた新たなX-ファイル事件が始動! ◎UFO、エイリアン、拉致、未確認生物、都市伝説、神話など今なお愛されている人気のテーマ! ◎海外TVドラマ、科学捜査もの、男女バディものそしてUFO・宇宙人・超常現象・都市伝説ブームの原点となった人気シリーズの最新作。 ◎2015.7.2 Blu-ray & DVD発売/レンタル配信開始 〈収録エピソード〉 ■序章/第一章「闘争 前編」/第二章「変異」 〈あらすじ〉 THE TRUTH IS STILL OUT THERE モルダーとスカリーがFBIを去って10年以上が経った。しかし、かつての上司スキナー副長官が二人を呼び寄せる。異星人によるアブダクトと政府陰謀の関係を証明する新たな証人が現われたと告げられる。動画ニュースサイトを運営し自らキャスターを務める保守派の陰謀論者、タッド・オマリーがモルダーとスカリーに協力を求めたいというのだ。ふたりは彼の案内で、異星人に誘拐された経験を持つという女性、スヴェタを訪ねる。彼女の話を聴いたモルダーは、これまで思いもしなかったある“真実”に気づかされることになる。モルダーたちは再び真実を追い始める……。
  • 阿呆自転車
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    1巻220円 (税込)
    どこに向かっても壁を感じるようになった僕は、自転車を持って世界の裏側に向かうことにした。 そこで見た景色と、話した人々。 地平線。 旅をすれば何とかなるわけではない、帰国後の現実。
  • マッドサイエンティストの恋人
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    1巻550円 (税込)
    長編サスペンス。誰もが認めるマッドサイエンティストのフォックスは17歳からRWMの技術開発部の部長を務めている。 そんなRWMに例によって任務が舞い込む。そのアイテムを超絶技巧で作成する中、恋人の碓氷に異変が。原因は17年前のあの事件!? フォックスの取った想像の斜め上をいく行動とは?
  • 優しさと哀しさと
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    【渡辺淳一文学賞創設記念電子化!】国立帝国病院長・神野博士が倒れ、兵藤医長を始め倉本医師ら総力を挙げて診察にあたった。結果は「肺癌(ルンゲン・カルチノーム)」。内科学界の重鎮である博士に、真実を告げるべきか否か、兵藤と倉本は激論をたたかわした結果……。生と死の狭間に立つ人間の偽りのない姿と、診断の宣告を強いられて苦悩する医師たちを描く表題作ほか四篇を収録。
  • 罠を跳び越える女
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    1巻110円 (税込)
    【矢田津世子】女性視点から書かれており、まさに女流作家と呼ばれるにふさわしい。川端康成から女優になるように勧められたほどの美貌の持ち主。文章力を兼ね備えた女流作家として人気を集めた。坂口安吾の恋人とされる。「茶粥の記」亭主に先立たれた妻と姑。亡夫は食通で通っていたが、ご馳走はほとんど食べたことがなかった。郷里への途中寄った温泉宿でこれからの姑との暮らしを思いやる。「凍雲」一度は結婚したものの親の反対で引き裂かれた夫婦。しかしお腹には赤ん坊が。何とか親を説得しようとする二人だが……。「反逆」夫に死別したお松は貧困で食うや食わずの生活だった。それを助けたのは教会の神父。しかしそれは単に利用されただけであった。しかしお松は娘の病気が神の奇跡で治ることを信じて……。「罠を跳び越える女」槙子は銀行の事務員。しかしある活動をしていた。それが上司にバレて勤めをエサに説得されるが……。たくましくしたたかに生きていく女性を描いた作品。文壇デビュー作。短編四本を収録。※読みやすくするため現代の言葉に近づけていますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。
  • 旅役者の妻より
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    1巻110円 (税込)
    【矢田津世子】女性視点から書かれており、まさに女流作家と呼ばれるにふさわしい。川端康成から女優になるように勧められたほどの美貌の持ち主。文章力を兼ね備えた女流作家として人気を集めた。坂口安吾の恋人とされる。女中奉公のぎんは42歳。器量が悪いが愛想がよく働き者である。質素に暮らして他人を疑うこともないので金の無心をされても工面してしまう。「鴻ノ巣女房」。旅役者に惚れて一緒になったが、親からは勘当され戻る家も無い。病気や貧乏から親兄弟に無心せざるを得ない女の悲哀「旅役者の妻より」。妻を亡くし、愛人だった女を家に迎え入れた父。家族の複雑な心情をつづった作品「父」。三本を収録。※読みやすくするため現代の言葉に近づけていますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。
  • とむらい機関車
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    1巻110円 (税込)
    論理的な作風の本格探偵小説家、大阪圭吉の短編四本を収録。「とむらい機関車」事故が多い機関車にまつわる話。七日ごとに豚を轢いてしまう機関車。いったい何があるのか。やがて悲しい結末が……。「白妖」箱根でひき逃げした車は有料道路へ。しかしそこでなぜか車は消えてしまう。果たしてどこへ行ったのか。弁護士大月が犯人を推理する。「花束の虫」若い資産家が断崖から突き落とされ殺された。目撃証言によると犯人は男だが……大月弁護士の推理が冴える。「幽霊妻」歳の離れた若い人妻。しかしなぜか離縁され自殺してしまう。それ以来死んだはずの妻が現れ、別れた夫は殺されてしまう。幽霊となった女が復讐に現れたのか。※読みやすくするため現代の言葉に近づけてますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。
  • イケメン坊主は除霊ホスト
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    1巻330円 (税込)
    その坊主はナンバーワンホスト。しかも女専門の「落とし屋」。なぜなら見えてはいけないものが見えてしまうから。今日も女に取り憑いた霊を慰めてやるのが仕事。気持ち良くさせて祓ってしまう。そのテクニックに霊もメロメロ。今回のお客は飛び切りかわいい清純なお嬢様。思わず一目ぼれするがやっかいなご先祖様が憑いていた。
  • 疑惑のラビリンス 異国の少女
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    第二次世界大戦後期、海南島沖で漂流する輸送船。調査に向かう憲兵少尉の雪下胡桃。生き残っていたのはドイツ人の美少女エルナただ一人。そして大量のアヘン。いったい何があったのか。さらに妖艶な美女がエルナの命を狙うのはなぜ。背後に見える巨大な陰謀。そして終戦の混乱に生き残れるのか。胡桃の洞察力が冴える。著者渾身のロマンサスペンスミステリー。
  • 飯野文彦劇場 インターホンに見える
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    周囲の喧噪に耐えきれず、発作的な怒りに身を任せて暴れ回る男。ついに暴れている最中に意識を喪い、病院に担ぎ込まれるに至って、医者に勧められ辺鄙な郊外の一軒家へ転地する。水商売に出かける女を見送った後は、何をするでもなくただ庭をながめる日々。その生活が一変したのは、古屋の中でそれだけが真新しいインターホンの存在に気づいたときだった。その小さなモニターの中に、男はいったい何を見出すのか!?
  • 飯野文彦劇場 どんクリ
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    深夜の子供部屋に響いた壮絶な悲鳴。「傷口は接合しましたから。出血していますが、二、三日もすれば元気になるでしょう。しかし…事情が事情だけに、警察に連絡しなければなりません」「おっしゃってください。花恵は何をされたんですか!?」。ようやく授かった娘を襲った凶事が、母の精神を責め苛む。誰が何のためにこんな酷いことを? 護らなければ、この愛しい我が娘だけは。襲い来る悪意に敢然と立ち向かう母。その先に、血みどろな修羅の地平が広がる!
  • ダイヤモンド・ゴースト
    値引きあり
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    第6回ノベラボグランプリ最優秀賞受賞作品! 注目のミステリーが電子書籍になって登場! 光の中に戯れる二人の女性を写した撮影者不明の写真。街の探偵・中本稔は、それだけを手掛かりに、そこに写った女性を捜す依頼を引き受ける。 ただの人探しから始まった依頼は、やがて国際的犯罪の解明へとつながっていく……。 ライカのボディにマウントされたスーパーアンギュロン21mm/f3.4。わずか4枚の絞り羽根からの光が、まだ見ぬ事件を写し出す。
  • 妄目
    値引きあり
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    1巻176円 (税込)
    第3回ノベラボグランプリ最優秀賞受賞作品! 戦慄のホラー小説が電子書籍になって登場! 成人式を迎えた彩は2年前に自殺した親友・静を忘れられないでいた。 「怖いと思うものが、黒く見える」 成人式後の同窓会でそう言っていた同級生が、ひとりまたひとりと不可解な死を遂げる。 彼らは皆、静の死に関わった者たちだった。 恐怖の果てに彩を待つ驚きの結末とは……。
  • 恐怖の冥路
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    恋におち、ハバナへ逃れた人妻イヴと放浪者ビルの二人には、過酷な運命が待っていた。イヴが場末の酒場で何者かの手で刺殺され、証人がビルが犯人と名指ししたのだ。彼は追手をのがれ、迷路のような貧民窟へと逃亡した。たったひとりで、奪われた恋の復讐を誓いつつ! サスペンスの名手が描く恋と復讐の逃避行。
  • 白夜の一族 上
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    「彼」が追ってくる。老いを知らず、死をも恐れず、姿かたちさえ定かでない、あの男が……傷ついた夫と幼い娘を連れたハナの必死の逃亡。その逃亡は、彼女の両親、そしてその親たちから代々背負わされた、一族の宿命だった。そして不老の追跡者もまた、違った宿命を背負う者だった。19世紀ハンガリーから現代へ、歴史の影で繰り広げられる壮絶な闘いを描くヒストリカル・ホラー巨篇!
  • 蜘蛛の藤兵衛
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    1巻880円 (税込)
    蜘蛛の巣編みの達人である独身中年蜘蛛の藤兵衛の下に、ある日伝助と名乗る若蜘蛛が訪ねてきた。弟子入りを志願する伝助は、実は藤兵衛の奥義である「六角亀甲紋」の編み方を盗みに来たスパイだった。縄張りを移動し生計を立てる二匹は、旅の途中で様々なトラブルに見舞われる。カマキリ、キイロスズメバチ、セアカコケグモと次々と強力な敵達が藤兵衛と伝助の前に立ちふさがるが、二匹は知恵を使い、トラブルを乗り越えていった。旅を続けるにつれ二匹の絆は深まっていった。別れた妻と娘の情報を手に入れた藤兵衛と、スパイであり弟子である立場の狭間で悩む伝助。旅の末に二匹に待ち受ける結末とは?

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  • バーゼン・マターシュ―雨上がり―
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    1巻1,584円 (税込)
    ダグルア星の裕福な家庭に生まれ育ったウンジェールは、治療を重ねるうちに主治医のジャヴァードイルハムに恋心を覚え始めていた。しかし、ジャヴァードイルハムは“マスター”と呼ばれるウンジェール一族の所有者に背くことができない。ウンジェールは泣く泣くマスターが決めた婚約者と結婚することに。しかし星を挙げての結婚パレードの最中、目の前にジャヴァードイルハムが現れる。さらに、マスターが差し向けた追っ手の影が迫り……。ウンジェールとジャヴァードイルハムは二体のロボットの応援のもと、地球を目指してダグルア星を飛び出した!ロボットに追われる二人は、無事に地球にたどり着くことができるのか!?

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  • 和歌文学探偵ファイル 1.恋からはじまるミステリー
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    曽祖父が残した、「開かずの箱」とその箱に記載された「恋の和歌」。 あけるチャンスは一度きり、キーは四桁のロックナンバー。 ただしナンバーを間違えると中身は喪失してしまう!? 私立大学文系に通う美優(みゆ)と、国立大理系に通う怜(れい)。 美優の家に届けられた脅迫状、恋の和歌が手がかりのからくり箱…反発しながらも、二人は協力して謎に迫る。二人は真相にたどり着くことができるのか?そして、箱の中には一体何が隠されているのか---ライト感覚で読めるミステリー

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  • 恋味コロッケ
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    大人の恋はコロッケの味?! ちょっと頼りないマンガ家志望のヒロくんと、しっかり者だけど母親に頭が上がらないフミちゃん。そんな芙美子の将来を心配した母親は強引にお見合いの話を進めるけれども、芙美子はヒロ君地図で、さてどうなるやら……食欲中枢を直撃する新感覚のコロッケラブストーリー!

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  • 恋御籤
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    御家人の次男坊・柳井小治郎は、用心棒をして家計を支えている。幼馴染からの文に走り回り、大店襲撃予告に走り回り、今日も何かと忙しい。その中でふと気づいた己の恋心。その行方は如何に?

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  • 涙が枯れるその時に
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    視覚で詩の雰囲気を楽しめます。詩に馴染みの無い方でも、気軽に手に取って頂きたいという思いを込めました。 新しい環境下で辛い時や気持ちが沈んでいる時、日々の小さなストレスの蓄積で涙も出ないほど疲れた時……そんな時こそ、手に取って頂き癒しを感じて頂けるような一冊にしたいと仕上げました。 いつも頑張っている方にこそ、届けたい。気持ちに寄り添いたい。そんな存在の詩集です。
  • 裏と表と オモテとウラと
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    人は心にふたつの顔を持っている。 心が不安定になると裏の顔になる人も、普段が裏の顔だという人もいるかもしれない。 表の顔も裏の顔も、建前も本音も、表と裏でひとつ。 どんなことも、捉えかた次第なのかもしれない。 そう思えば、すこしは気楽になるかもしれない。 そんな思いを込めた詩集「裏と表と オモテとウラと」。

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  • 夢蜘蛛
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    夢の中に現れた美しい女、彼女は僕のタナトスに巣食う一匹の女郎蜘蛛なのだ。それを知りながら、僕は彼女との愛におぼれてゆく……その愛情まで喰らい尽くされるのだと知りながら……

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  • イマジナリーライン
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    一仕事終えて帰宅すると、すぐに無言電話かかってくる。 それも、毎晩毎晩、一日も休まずだ。 少しはおかしいなと思うが、別に実害はない。 元々呑気な比呂は、あまり気にをしていなかった。 だが、学生時代の先輩で、今は職場の先輩でもある月浦は、異様に心配する。 それはまるで、比呂の知らないなにかを知っているかのような口ぶりだった。 そして突然現れる、比呂の妹と名乗る女性。 謎が謎を呼び、物語は混沌としていく。 お前は、いったい、誰だ?

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  • 背信【HOPPAライブラリー】
    -
    1巻1,760円 (税込)
    もし、あの時手紙が届いていたら…。貧しさゆえに奉公人として働くヨシノと、何不自由なく青春を謳歌する奉公先の家のお嬢さん・廣子。明治の同じ年に生まれた、境遇の違う2人の少女の物語。

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  • 馬酔木と満天星
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    全てはあやという名の少女を、梢の兄夫婦が養女として引き取った事から始まった。子供のない兄夫婦に、彼女は福音となるはずだった。なのに、どこで歯車は狂ったのだろうか? 兄の梓が大切にしていた満天星の茂みの中に、別の木が身を潜めていた事に気が付いた梢は、それまで胸の内でくすぶっていた謎がすべて氷塊した。そして、兄嫁である操を問いただすのだが……

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  • 爪句@北大物語り【HOPPAライブラリー】
    -
    1巻509円 (税込)
    北大構内の様々な場所、人、イベントにスポットをあてて紹介する。四季の移ろい、意外に知られていない秘境的ポイント、歴史の遺構、現代の姿など、多様な角度から北大を描いている。QRコード付きなので、サイトにアクセスして、3次元の世界を垣間見ることができる。構内地図もあり、ガイドブックとしても使える。

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  • 爪句@北海道の駅 道南編 1【HOPPAライブラリー】
    -
    1巻523円 (税込)
    爪句シリーズ第21弾。北海道の駅名と爪句を組み合わせた第9弾の爪句@北海道の駅-道央冬編の続編。 今巻は札幌駅を起点に函館本線、千歳線、日高本線、室蘭本線の道南の各駅を紹介。パノラマ写真のある駅はQRコードをつけてあるので、スマホなどでホームページにアクセスして、360度の景色を楽しむことができる。路線地図付き。

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  • 爪句@日々の情景【HOPPAライブラリー】
    -
    1巻509円 (税込)
    何気ない日常のひとコマや各地で開催されるイベント、社会的な事件など2012年の出来事を爪句に。今度の爪句はQRコード付き。スマホやパソコンに取り込めば、手のひらの写真が動くパノラマの世界を味わえる。

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  • 爪句@日々のパノラマ写真【HOPPAライブラリー】
    -
    1巻509円 (税込)
    爪句シリーズ第22弾。パノラマ写真と爪句で綴る2013年の日々の出来事。QRコードをつけてあるので、スマホなどでホームページにアクセスして、360度の景色を楽しむことができる。

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  • 知里真志保の「アイヌ文学」 【HOPPAライブラリー】
    -
    1巻1,210円 (税込)
    アイヌの言語学者、知里真志保が昭和30年に著した「アイヌ文学」。アイヌ文学をやさしく解説し、当時、研究者や愛好者のみならず、多くの読書人に愛された名著を、内容はそのままに、旧漢字を現代漢字に改め、誤植等を修正して、「知里真志保の『アイヌ文学』」として編集した。より多くの人々を、より親しみやすく、アイヌ文学の世界へいざなう一冊。

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  • 知里真志保 アイヌの言霊に導かれて【HOPPAライブラリー】
    -
    1巻1,540円 (税込)
    知里真志保の生誕から没後までを豊富な写真と資料を使って紹介する本書は、偉大な学者を“人間 知里真志保”の側面から描写する。知里真志保はアイヌ民族の言語学に徹することで、民族を超えて、すべての人びとに語りかけてくる。「『知里真志保を未来に』をテーマにした生誕百年記念フォーラムを成功させたあと、ぼくらはこれが出発点だと確認した。この本はその第一歩である」(専修大学北海道短期大学教授 森山軍治郎)

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  • 創造の道【HOPPAライブラリー】
    -
    1巻2,200円 (税込)
    開学50年を迎えた札幌大谷短大で開催された15名の表現者によるスーパーセッション。戦後史の分水嶺、3・11状況下、全力を傾けて時代に問う“人生と芸術”。

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  • 水に召喚ばれる
    -
    ――ぴちょん、ぴちょん、ぴちょん。 水の滴る音が聞こえる。 雲一つない青空。照り付ける太陽。蝉の声。高校生活最後の夏休み中の葉月は、あまりの暑さに宿題を切り上げて映画館へと涼みに来ていた。学割を使うため、学生証を提示した葉月は『誕生日券』なるチケットをもらったのだが……

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  • 小説 国泰寺物語【HOPPAライブラリー】
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    1巻1,257円 (税込)
    切り株の根元の割れ目の奥に見えた、真新しい白い標縄。だが、標縄と見えたものは…。北海道が蝦夷地と呼ばれていた江戸時代、東蝦夷地・厚岸の国泰寺に起きた奇怪な事象を描く。

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  • 女委
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    鵜飼見習いの太助は偶然立ち寄った村が兵士達に襲われているのを見つけ、村の小作人・おりんを助け小さな洞穴に逃げ込む。おりんは三十路を過ぎても子供ができず、亭主に「石女≪うまずめ≫」と罵られ捨てられたばかりだった。 真っ暗で狭い穴の中、女性に触れたことのなかった太助は、おりんと密着せざるを得ず……

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  • 時代小説で読む!北海道の幕末・維新【HOPPAライブラリー】
    -
    1巻1,760円 (税込)
    自らの足元に目を向けはじめた北海道の読者へ向けた、「時代小説を読みながら、北海道の幕末・維新を知る」ことができるブックガイドが誕生。歴史ファンに人気の高い、北海道の幕末・維新期を舞台にした時代小説を、北海道出身作家の作品を中心に幅広くピックアップ。物語を愉しみながら、歴史的経緯や時代背景を知ることができる、新しいスタイルのブックガイドです。読む、愉しむ、わかる、北海道の歴史!

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  • 魂の歌手【HOPPAライブラリー】
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    1巻1,980円 (税込)
    北海道文学館監修。焼身自殺をはかった息子を巡る家族の思いや、使い古されたマフラーに固執する夫の胸中など、日常の中に潜む出来事からあぶりだされる人間の心理を描く、北海道を舞台にした渾身の小説集。

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  • 壊れゆく夏~identity crisis~
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    ある夏――。 結城奈々をシンガーソングライターとして世に出すために緒方隆利は奔走していた。 だが奈々には人に言えない秘密があった。 緒方は彼女の秘密を確かめるため、彼女の生まれた家に向かう。そこにはこの世の風景だとは思えないほどに美しい紫陽花が群生していた。 そこで緒方を待ち受けていたものは……? 愛する者を救うために、男は血塗られた系譜に立ち向かう!

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  • ラスト・パラダイス
    -
    雨の日に起こる不可解な死亡事故。とはいえ、それはまったく他人事。隆久と幸也は平凡な日常の中で起こっているその事件を口にはするが、ほとんど無関心だった。今日もバイトにいく幸也と、学校にいこうとする隆久。ところが幸也が顔面蒼白で帰ってくる。妙な大男に声をかけられたというのだが──二人の友情は互いを守ることができるのか?

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  • ゆりにとっての99
    -
    決まらない進路と、友人が遠くなっていく不安を抱えたひとりの女子高生。今までは友人と同じでいることが彼女の安心だった。だが、次第に自分の道を見つけていく友人たちに、彼女は焦りを感じる。そんな彼女が、友人のマネをするように興味を持ったのは、アルバイトだった。  今まで、周囲に流され生きてきたひとりの女子高生が、転機を迎える。彼女は、自らの未来を切り開こうと変わっていく。  彼女を変えたものとは?  これは、彼女と彼女を応援する人々を描いた短編小説

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  • まちあい
    -
    31歳、独身女のハルは、自分の現状に迷いを抱いていた。仕事は楽しいがキャリアアップの見込みは無し。三年間不倫交際している間山修との将来は望めず、気持ちは冷めつつある状態。人前で弱音を吐くのを嫌うハルが、素の顔を晒せる相手は、幼なじみの美容師・アキだけ。 ある日、地元雑誌にアキの紹介記事が載っていることを知ったハルは、同じ立ち位置にいたはずのアキに差をつけられたような焦りを覚える。 そんな中、修から「会いたい」という連絡が入る。今の気持ちを確かめるために、ハルは修との待ち合わせ場所に向かう。

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  • タマさん、拾いました。
    -
    三十一歳、結婚に少々焦りの出てきた香澄が目覚めるとベッドに見知らぬ美貌の男性が。酔うと拾い物をする癖のある香澄が拾ってきたのは本名も素性もわからない歳下の男。 タマと名乗って捨て猫や捨て犬達と一緒に香澄の家に住み着く勢い。 普通の人が知っている事を何も知らない「タマさん」はどうやらすごい人らしいけど…… 独身女性と歳下の男性と動物達の普通じゃないのにゆるやかな日常は?

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  • それは一枚の年賀状
    -
    突然届いた一枚の年賀状。それは二年前主人公が去った会社の後輩からだった。 そこから始まる『年一回の文通』及び『メール』でのやりとり。 だが主人公は、東京でバリバリと働く『彼女』と自分は『釣り合わない』と考え、距離を置いていた。 やりとりを続けるうち、とある出来事から、一旦は心が離れる二人だが、かつての先輩からの一言で主人公は再び『彼女』に会う決心をする。 ──想いを伝えるために。

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  • 青春ペネトレイト
    -
    中学時代のいざこざで大好きなバスケ部に入ることを諦めた、高1のうつぎ。だけど、小学生時代のミニバス仲間、聖と高校で再会、バスケ部に誘われる。 昔、聖に淡い恋心を抱いていたうつぎは高校生になった聖にドキドキ。だけど、聖には別に好きな人がいた。しかも、聖の友達の穂高から告白されてしまい――。 微妙な三角関係の行方は?
  • 未来S高校航時部レポート TERA小屋探偵団
    -
    江戸の長屋で密室殺人事件が発生!現場で目撃されたのは、天翔ける巨大な白猫の姿。不可解な事件は続き、現場の状況から町娘・お美濃が疑われてしまう。そこで、彼女の無実を信じる五人の少年少女が捜査を開始!圧倒的美少年・黎、歴女・真琴、小坊主・越人、戦闘少女・凜音、抜群の頭脳を誇る学。この五人は、実は未来から訪れた未来S高校航時部のメンバー!不可能犯罪の真相はやがて彼ら自身の時間旅行の秘密に迫っていき――?
  • みんな見られている
    -
    1巻220円 (税込)
    3つのショートストーリーで構成されるシリーズ短編。 自分が思うほど人は見てなんかいない、わざわざ他人のことを見ていたりしないって思っているでしょう? それがそうではないみたい。案外見ているものみたいなんです。 「こういうのも恋っていうのかな?」 とあるお店でそんなことを考えているボク。 彼はいろんなものを見ています。いろんな人を見ています。 どこででも繰り広げられている、ちょっとへんなこと。一緒にのぞいてみませんか? 収録作品 「女のコの名前を呼ぶときは細心の注意を」 「二人ともお喋り」 「時々会議室」
  • 僕の孤独は水色の冷たさに沈んで
    -
    1巻330円 (税込)
    アルバイトをしながら小説家を目指している僕は、満たされない想いを抱えながら毎日を生きていた。どれだけ一生懸命努力しているつもりでも、まるで手に届きそうにない目標。焦り。徒労感。孤独。そんなとき、ひとりの女が僕のもとへ親しげに近づいてくるのだったが……。『僕の孤独は水色の冷たさに沈んで』
  • いのち短しサブカれ乙女。
    -
    お母さん、サブカルって知ってますか? そうです。わたしの周りにいる寮生みんなが、サブカルな乙女たちでした。場所は世田谷、住まうは女子寮。北海道から出てきたわたしの初めての友達である、隣人のノアちゃんは『サブカル上級者』だった。偏愛と偏見と偏重があるが、サブカルに対する愛は誰にも負けず、広く深い。そして、とっても可愛い。ベレー帽がとくに。リア充さんやサブカル糞野郎さん?を押しのけて、わたしは今日もノアちゃんとヴィレヴァン探検に向かうのだった。ビバ、わたしのシモキタサブカルチャーライフ。
  • 傷口
    値引きあり
    -
    求めても、求めても埋まらない肉体の飢えと心の渇き。切なく、甘く、贅沢に香る書き下ろし恋愛小説。一流のホテル、最高のディナー、貴族の称号……。ハイソサイアティの女たちが極める快楽と、その果ての絶望。ミラノ、パリ、ロンドン、そして東京……。9つの都に彩られた9つの情事の物語。
  • I Love You
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    結婚生活だけでは、渇きはとまらない。愛人に妻の座をゆずった日から始まる色鮮やかな日々――。「I love you」 そう言える相手を求める男と女と全身に憎しみを抱えた少女とのラブサスペンス!
  • 三浦光世 電子選集 歌集 夕風に立つ ~妻・三浦綾子と歩んだ40年~
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    三浦光世が妻・三浦綾子との出会いから結婚、その後の実生活を詠んだ短歌が数多く収められた歌集。 1955年6月に堀田(旧姓)綾子を見舞った光世に綾子はアララギ誌を手渡し入会をすすめた。その直後、光世が詠んだ歌が、 堀田さんが貸してくれたるアララギ誌クレゾールの匂ひが泌みこんでゐる だった。 そして「アララギ」に入会した光世は本格的に創作を開始し、歌人として活躍を始める。妻・綾子との生活以外にも、光世が個人的に好んだ自然を対象とした叙景歌も多く収録されている。
  • アンリ三世とその宮廷
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    一般に日本でのフランス・ロマン主義の研究は手薄だが、なかでもアレクサンドル・デュマについての研究は皆無に等しい。デュマと言えば『三銃士』や『モンテ・クリスト伯』といった大衆娯楽作品の印象が強く、また数知れない代作者を使ったという理由で悪名も高い。また、その作品の全体について正確な総数すらわからないほどのいわば濫作者であったからよけいに始末が悪いのかもしれない。いったいどれだけ作品を出版したのだろうか。 カルマン・レヴィー出版社が1920年に出したアレクサンドル・デュマ作品総カタログによる作品分類は以下の如くであった。 (1)歴史小説および歴史研究128作品218冊 (2)小説、短編、個人伝 41作品、64冊 (3)回想録、閑談九作品、11冊 (4)少年少女物語五作品、6冊 (5)旅行記十八作品、35冊 (6)戯曲66作品25冊。以上合計271作品、359冊 アレクサンドル・デュマ協会のウェブサイトでは325作品がリストされている。また、個人のデュマ愛好家が作っているサイトによれば、すべての作品を取り混ぜて688作品としている。 「誰もが皆デュマの話は聞いたことがあるし、彼の作品の何冊かは読んだことはあるが、彼の才能の大きさを意識している人はごく少ない。『アンリ三世』から一夜明けた日の彼の栄光はたくさんの妬み屋のしつこい中傷をひき起した。彼らの言を信じれば、デュマは先人を剽窃し、代作者たちに自分の作品を書かせた無知無学の人間ということになるだろう」(フェルナンド・バッサン) 「『アンリ3世とその宮廷』を研究した人間はデュマの公式が一挙に分かる。彼はまことに多様な戯曲を書く。ところが本質的なものは最初の戯曲『アンリ三世』にある。つまり、民衆的な登場人物、地方色、変化、アクション、情念があるのだ。」(イポリット・パリゴー)この戯曲は、デュマ最初の本格的な五幕散文ドラマであり、スタンダールの理想の実現でもあり、ヴィクトル・ユゴーの『エルナニ』に先立つこと1年、ロマン主義演劇の最初の勝利を獲得した記念碑的作品でもある。 時は1578年7月20日のことである。フランス国王アンリ3世の母、フィレンツェから亡き国王アンリ2世に嫁いだカトリーヌ・ド・メディシスと占星術師ルッジェリは、アンリ3世の寵臣サン=メグランがギーズ公爵の夫人に恋い焦がれていることを利用して、サン=メグランとギーズ公爵の両方から気弱な国王への影響力をそごうと画策する。カトリックとユグノーの殺し合いの宗教戦争の只中で、後にアンリ4世になるナヴァール王アンリを加えて3アンリの戦いと言われる時代である。ルッジェリは眠り薬で眠らせたギーズ公爵夫人とサン=メグランを引きあわせて二人が両思いであることを悟らせる。 新教徒に対抗するカトリック同盟の盟主に自らなって、次期国王の座も狙おうとするアンリ・ド・ギーズのカトリック同盟に盟主の任命という性急な要求に、ブロワの三部会まで待てと諭すアンリ三世。事態は切迫していると反論するギーズ公。甲冑で登場したギーズ公が弾丸が飛んで来ても正面で受けてみせようと豪語するのを、サン=メグランが吹き矢筒でボンボンを命中させる。怒りに燃える両者の間で決闘が決まる。 怒りに任せたギーズ公爵は鉄の籠手で青癒ができるほど夫人の腕を締め上げ、無理強いにサン=メグラン伯爵をギーズの館におびき出す偽手紙を口述させる。 一方、宮廷ではカトリック同盟の盟主の任命決議に入り、「余の権威において余自身を盟主と宣言する」と自ら盟主になることを宣言したアンリ3世。ギーズ公爵はカトリーヌ・ド・メディシスに何事か訴えようとするが、アンリは早く署名せよとダメ押しをする。第1の企みは失敗に終った、埋合せはつけてやる、憤怒のなかで署名するギーズ公の前で会議の閉会が告げられる。 半信半疑でギーズ公爵夫人の元に忍んできたサン=メグラン伯爵は来ないようにと祈る夫人の声を手がかりに部屋までたどり着く。危機一髪で部屋から逃げ出したサン=メグランは待ち伏せした手のものに暗殺される。公爵が最後の台詞を吐く。「よし!さあ、家来の始末はつけた、今度は主人の番だ!」 劇場が興奮のるつぼであった。臨席していたオルレアン公爵は名前も知らない自分の使用人が詩人として聖別されるのをきいたのである。こうしてアレクサンドル・デュマはフランス演劇史にみずからの名前を深く刻んだのである。
  • 光る海
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    性格はまったく対照的だが、知的で新鮮な魅力を放つ二人の才女と、そんな彼女たちを囲む七人の男たち。彼ら九人の奇抜な人間関係や家庭環境を中心に、現代に生きる若い男女が、これまではただ陰湿なものと考えられてきたセックスを、むしろ明るく大胆に解放し、愛を育ててゆく様子を、おおらかなトーンで描出して熱狂的な反響を呼んだ、まさしく石坂文学の面目躍如たる傑作長編!
  • 麦死なず
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    地方の教師五十嵐の妻アキは、まき起った共産主義運動にかぶれ、夫と三人の子供を残し、愛人の党員作家を追って上京してしまう。生活を破壊されながらも、赤子のような妻に対して毅然たる態度がとれず、思想と愛欲のあいだで翻弄される五十嵐。昭和の初期、知識人たちを捉えた左翼運動がはらんだ問題性を、私生活に密着した姿勢で批判、著者の作家的地位を確立した代表作である。
  • 去年今年
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    1巻440円 (税込)
    飄々として、清廉と一パイの酒を愛し、片隅の人生、ささいな市井事にも慈しみの眼を向けつづけた著者が、胸にせまる実感と鮮やかなユーモアで綴った短編集。著者自らが選んだ珠玉の十編を収録した、最後の自選集。
  • 愛と知と悲しみと
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    作者がパリ留学時代に逗留した、アナーキスト一家として高名なルクリュ家の人々との、三十年にわたる友情を描いた自伝的作品である。ことに、幼時より音楽的才能を嘱望されながら、第一次大戦で指を傷め、ピアニストとしての将来を失った、ジャック・ルクリュの半生が中心に描かれた本編は、戦争、革命、愛と死をめぐる現代人のテーマを掘り下げた、静かなる慟哭の書である。
  • 紫苑物語
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    1巻605円 (税込)
    王朝末期、宗頼は秀れた才能に恵まれながら、歌を捨て、絶対的なものを求めて力の世界に生きるべく弓矢の人となり、国の守として遠国におもむく。その若い領主の尖鋭すぎる理知と、女狐によって象徴される野性の情熱との、宿命的な触れ合いと破局を描き、著者の文学の最高峰をなす『紫苑物語』、思想に裏うちされた幻想的な冒険小説『鷹』、ほかに『善財』を収録。
  • 杜甫ノート
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    詩仙・李白と並んで名声を馳せた詩聖・杜甫の、窮乏と孤独と漂泊の生涯と、その代表的な詩編『九日』『月夜』『鼓角』『勝跡』『桜桃』『春雨』『倦夜』を選び、豊富な古今の文献をあげて、解説し鑑賞した完璧な研究書。ここには、現代人の憂愁をもののみごとに先取りした千年前の詩人の言葉が、昨日の歌のように息づいている。『杜甫小伝』『杜甫と飲酒』『杜甫について』を併録。
  • 愛と死の書
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    これは、三つの親しい者の死にめぐりあった女性の、やり場のない愛情の悲しみを書いたものである。作者は「この長編小説ほど喜びと悲しみをもって書いた小説は私にはない。この小説ほど愛着をもつ小説も、他にない」とこの作に寄せる思いを語っているが、何人にも共通な感情のうちに、深刻な愛情の問題を扱っている点に、本書の高い評価が存在する。日中戦争さ中の昭和14年刊。
  • 陽のあたる坂道
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    外見は、富んで進歩的で明るい田代家。だが、倉本たか子が家庭教師として内側に入ってみると、そこには複雑で欺瞞だらけの家族関係が現前しているのだった。そんななか、妾腹の次男・信次は、やや不良ながら生一本の快男子で、重苦しい家庭の空気を体当りで破った彼は、家族の虚偽の仮面をも引きはがして、ついにはたか子の愛を勝ちとる――。青年層に多大の共感をよんだ名作。
  • 桜島・日の果て
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    米軍上陸に備える桜島への転勤が決った暗号員・村上兵曹は、転勤前夜、妓楼で片耳のない妓を抱く。どうやって死ぬの。おしえてよ――。目前に迫った死の運命、青春のさなかにあって、断ち切られようとしている自らの生に対する諦念と絶望感の相剋を、みずみずしい青春の情感を根底として、記録風に描いた出世作「桜島」。ほかに「日の果て」「崖」「蜆」「黄色い日日」の4編を収める。
  • チェーホフの手帖
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    「手帖」は、チェーホフの円熟期に当る一八九二年から一九〇四年まで、また「日記」は、一八九六年から一九〇三年まで、そして「題材・断想・覚書・断片」も、ほとんど同時期のもの。いずれも幾多の名作を、その背景に持っており、生の小さな出来事や、生のありのままの姿を具体的に捉え、具体的に表現することを信条とする巨匠の、楽屋裏ともいうべき、整然と丹念な私録である。
  • 女体幻想
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    生来の快楽主義者であり、病気のなかにさえ愉しみを見いだすと、友人たちから冷やかされていた作家もいまは70歳。そして、老作家の過去は少しずつ年と共に死んで行き、女体への追憶による彼の魂は、壮年のそれから青年に、少年に、幼児にと時間を遡る。乳房・背中・髪・脣・瞳・茂み・臍・掌・腰・顔……それらは彼に記憶された女体。眩い光と濃い影の性愛の世界へ誘う幻想小説。
  • 透明人間の蒸気[ゆげ]
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    1巻330円 (税込)
    華岡軍医たちは「二十世紀で消えてしまうものを集める」という天皇の勅命を受け、二十世紀を象徴するモノを収集していくうちに“二十世紀の肉体”を探し始める。彼らが目をつけたのは結婚詐欺師のアキラ。アキラを後世に伝える機械に入れると事故が起こり、アキラは透明人間になってしまう。透明になったアキラの姿が見えるのはヘレン・ケラだけだった。鳥取砂丘を舞台に、多種多様な時代・作品をモチーフとしたストーリーが展開する。
  • アラビアン・ナイト 艶笑傑作選
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    原名はアラビア語でアルフ・ライラ・ワ・ライラ、千夜一夜物語と呼ばれる。ペルシアからアラビア回教圏に広まりながら、次第に数を増していった多種多様な民間説話集である。本篇は原典に忠実なマルドリュス版により、本民話集中の花ともいうべきエキゾティックな代表的恋愛物語五篇を選び、天馬空をゆく機知とともにここにあふれる官能的な肉感美を玩味していただきたいと願う。
  • 女学者・気で病む男
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    「女学者」は十七世紀フランス古典劇の代表的作家モリエール後期の傑作。上流サロンで教養を鼻にかける、とりすました女たちの姿を槍玉にあげ、縦横に諷刺したこの作品が上演されると、社交界の男女は色を失ったという。「気で病む男」は巨匠最後の作品。憂鬱症にとらわれた男の独り合点が引起す喜劇のうちに、医学と医者を諷刺しており、巨匠一流の壮健な笑いの総決算ともいえる。
  • ブラック・ジャパン
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    ソウル・オリンピック最終日、メインスタジアムにわきあがる歓声とどよめき。なんと胸に日の丸を付けた黒人が男子マラソンで優勝!?――五輪とナショナリズムの問題を扱った表題作はじめ、日本全土が5日間、全ての経済活動を停止する「無名の日」、住宅展示場のモデルハウスに住む家族の顛末を描く「ホモ・アピアランス」ほか、「日出ずる国のトポフ君」「草の上のボート」の、大胆な設定で常識のイカガワシさを突く短編5作。
  • 雪夫人絵図
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    旧華族の孫娘で、雪のような肌を持つ女が、女狂いでサディストの傾向のある夫に苦しめられながら、肌で夫に惹かれてゆく情感を、恋人役の作家・方哉、同性愛風に憧れる女中・浜子、ツバメ的な役柄の誠太郎少年を布置し、妖しい四角関係の中に物語る華麗な小説。気高く、つつましく、官能的な雪夫人は、ごく古風なる日本女性の理想像と言えよう。
  • 顔

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    1巻1,320円 (税込)
    有名な仏教学者・田能村清州の息子・耕は、親戚の娘・衿子と秘かに好意をいだき合っていたのだが、耕がアメリカ出張から帰ると、あろうことか彼女は父と結ばれていた。絶望した彼は、愛情のない結婚をし、私生活は乱れた。ところが、清州の急死から、もう一度、衿子との接触が始まって……。愛欲のもつれのなかに、罪悪意識を追究して、著者ならではの心理描写が冴えわたる作品。
  • 姿三四郎(上)
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    1~3巻825~935円 (税込)
    明治開化期の浮薄な欧化主義に抗して、伝統的民族精神に根ざす人間の道である“柔道”を興した矢野正五郎。その紘道館道場に入門した姿三四郎は、やがて四天王の一人として、壮絶な“山嵐”をもって旧来の柔術諸流の挑戦を退け、師の理想の体現に励む。試練に耐え死闘を切り抜け、柔道一途に生きる青春の夢と苦悩、反逆と自省。不朽の名作の決定版。
  • 停年退職
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    1巻1,210円 (税込)
    五十五歳の矢沢章太郎は、某化学工業会社の厚生課長、すなわち半年後には停年退職の日が控えている。母親のいない娘と息子のこと、愛人のバーのマダムのこと、新しい就職口のこと――停年後のあれこれを案ずる章太郎は、焦燥の日々を送る。サラリーマンのだれもがいつかは必ず迎えることになる停年退職という大きな問題をめぐって、人生の喜びと哀しみを描きあげた評判の長編。
  • 肉体の門・肉体の悪魔
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    敗戦直後の上野の焼けビルの地下で互いを見張るように共同生活を営む娼婦たち。彼女らは、金を取らずに男と寝た仲間には私刑を加えるというという鉄の掟を守っていた。ある日、警察に追われた男が彼女たちの地下室に逃げ込んできて、生活をともにすることになり、娼婦たちの間には緊張感が走った……。表題2作ほか「女盗記」「霧」「『街の天使』系譜」「男禁制」「鳩の街草話」を収録。
  • 海燕
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    1巻550円 (税込)
    妻子がありながらどこか寂しげな作家・海野に、作家志望の人妻三千代はいつしか心魅かれ始める。世間のモラルに反し家族を裏切る不安に怯えながらも、お互いの足枷を取り除くための懸命の努力を二人は重ねる。文壇が舞台の不倫、女性からの手切れ金など、まだ女性への抑圧が強かった時代に、女性読者の眼を釘付けにした話題の新聞小説。
  • 性に眼覚める頃
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    表題の「性に眼覚める頃」は大正八年作。北陸の古都に芽ぐむ春のいたみを物語って、官能の香り高い初期の自伝的名作である。「チンドン世界」は、場末の映画館に見る世俗の世界を、そして「ヒッポドロム」は、サーカス小屋の少女に寄せる作者の淡い思いを描き、また「ゴリ」には、野性の呼び声が悲しく漂っている。ほかに「音楽時計」「医王山」「生涯の垣根」の、全七篇を収録。
  • 風車小屋便り
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    ドーデのすぐれた知的構成は、自然主義文学にあまり好意を示さなかった鴎外、漱石をして讃嘆せしめた。わけても彼の出世作たる「風車小屋便り」は、舞台を故郷南フランスの丘にとり、明るい太陽と地方色豊かな風物の中にくりひろげられる、純情素朴な人々の哀愁が、詩的風格と軽妙な筆で、慈しみの目をもちながらも鋭く記録された、珠玉のコント(掌篇)集である。1869年刊。
  • 出孤島記
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    南海の孤島にたてこもり、ベニヤ板で作られた“自殺艇”による絶望的な特攻作戦に従事する若い指揮官と180名の部下たち。死の呪縛のなかで出撃命令を待つ彼らの一触即発の極限的な状況を、人間の生と死の本質を見据えつつ、緊迫した文体と重いリアリティで捉えた戦記文学の名作「出孤島記」他、「格子の眼」「砂嘴の丘にて」「朝影」「夜の匂い」「子之吉の舌」「むかで」「冬の宿り」「川にて」。島尾文学の傑作全9編を収録。
  • 天からやって来た猫
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    多忙にかまけて、人生を雑に生きてきた新聞記者の浦野は、ふとしたきっかけで一匹の仔猫を貰いうけた。名前はパイ。煤けたような灰色の毛と短い尻尾をして、外観・動作は心細く、普通の猫のような知恵も阿諛も示さなかったが、その天性の自然な生き方は、バラバラだった一家の心をひとつに結び、多くのかけがえのない真実を教えてくれた。無類の愛猫家が贈る、涙と笑いの長編小説。
  • 自註鹿鳴集
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    歴史、美術への深い造詣を背景に、奈良の古寺、古仏を愛してのびやかに“やまとくにはら”へのつきない憧憬を詠みつづけた自然人、会津八一。万葉調を近代化した新鮮、独自の歌に、自ら平明詳細な註を付したこの歌集は、歌と自身の長く豊かな交流を読む人に語りかけて、会津八一の“詩と真実”ともいうべき最晩年の偉業である。
  • 幻化
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    消え去った記憶を確かめようと南九州を旅する精神病の男を通して、二十数年間の心象風景を文学へと結晶させた、戦後文学屈指の名作「幻化」。ほかに「庭の眺め」「記憶」「仮象」「空の下」「突堤にて」「凡人凡語」の全7編を収録。一貫して戦後の繁栄の仮象の底に生の深淵を見つめ続けた梅崎春生の後期作品集。
  • シェイクスピア物語
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    ラム姉弟の「シェイクスピア物語」は、世に聞こえた名作である。原典は読まなくとも、1807年に刊行のこの本でシェイクスピア劇の筋とおもしろ味を知っている人は、欧米でも日本でも珍しくない。本書は「ハムレット」「真夏の夜の夢」「お気に召すまま」「ベニスの商人」「じゃじゃ馬ならし」「ロミオとジュリエット」「リヤ王」など12篇の、原典のせりふを生かし、シェイクスピアの時代の用語を巧みに駆使した物語を掲げる。年少の読者を考え、翻訳にも十分の考慮が払われている。
  • 出発は遂に訪れず
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    敵艦に体当りする瞬間に向けて生命のすべてを凝縮させながら、終戦の報によって突如その歩みを止められた特攻隊将校の特異な体験を緊迫した言葉で語る表題作。超現実的な夢の世界に人間の本質を探った画期的作品「夢の中での日常」ほか、「島の果て」「単独旅行者」「兆」「帰巣者の憂鬱」「廃址」「帰魂譚」「マヤと一緒に」など、現実と幻想の間を自在に行き交う文体で、痛切な私的体験を普遍へと昇華させた島尾文学の代表作、全9編。
  • 女の警察
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    銀座でクラブやバーを経営する暁興業に勤める篝正秋は、借金を踏み倒して逃げたホステスを、たとえ草の根をわけても探しだしてくることから〈女の警察〉とあだ名されている。彼は友人の死への疑惑から、その行動の跡をたどっていくうちに、意外な事件に遭遇する。夜の歓楽の巷を舞台に、山陽新幹線用地買収にからむ疑獄事件に立向う男の姿を描く、迫真のエロチック・ミステリー。
  • 徳山道助の帰郷
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    1巻440円 (税込)
    大分市の外れに生まれた徳山道助は、立派な軍人となって故郷の誇りであった。彼の母の33回忌を機に、齢74にして久々に帰郷を決心した。だが、精神のバランスを崩した妻との生活は渇いており、経済的にも辛い。落ちぶれた姿を見られたくない道助は、帰郷を渋るが……。明治生まれの気骨ある主人公が戦後の退廃を嘆き、軍人としての矜持を持ったまま、余生を生き抜く姿を丹念に描いた芥川賞受賞作。ほか「殉愛」「クラクフまで」「朗読会」「ピクニック」を収録。
  • あの夕陽
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    1巻385円 (税込)
    少年時代、敗戦によって夢が破れた経験をもち、それが元で人生の総てに投げやりになってしまった私。成人して新聞記者になり、なんでも唯々諾々と言いなりになる妻と坦々とした日々を過ごしている。私はソウル特派員時代に知り合った李という女性のことが忘れられない。虚無感を夕陽が照らすようにくっきりと描き出した秀逸な短編。芥川賞受賞作品。ほかに『野の果て』『無人地帯』『対岸』『遠い陸橋』を収録。
  • ベティさんの庭
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    「樹も草も鳥も風も空も、みんなみんな、わたしのものではない。どこを見廻してもわたしの肌にぴったり寄りそってくるものはない」……。異国に嫁いで二十年、日本の戦争花嫁〈ベティさん〉の切々たる望郷の念を描く芥川賞受賞の表題作をはじめ、『魔法』『わがままな幽霊』など、華麗なイメージと静謐なタッチで、独自の文学空間を築く話題の女流作家の傑作短編、ほかに『魔法』『雨の椅子』『老人の鴨』の3編を収録する。
  • モッキングバードのいる町
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    1巻330円 (税込)
    アメリカ中部の田舎町で、退役軍人の夫と暮らす圭子は、年のせいか猛烈に望郷の念に駆られることが多くなる。彼女をはじめ、若い男との惨めな情事に溺れるスウや、教育熱心なあまり、子殺しの罪を犯したジューンといった日本人妻たちの夢と寂寥、愛と孤独を描き、日本人の心性を問う。芥川賞受賞作。ほかに『離島狂騒曲』『遊園地暮景』『風を捉える』3編を収録。
  • 深い河
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    1巻385円 (税込)
    朝鮮戦争のまっただ中、学生の僕は、夏期休暇の間、雲仙の米軍キャンプで、《馬丁》としてアルバイトしていた。病気の馬の検査をするために街へ下りて行った獣医が帰ってこず、馬と一緒に置き去りにされた僕がとった行動は……? 平和な日本の中に潜む戦争の暗影とその殺戮の強烈な臭気とを、青春の悪夢のような体験を通して描き、注目をあつめて話題となった芥川賞受賞作。ほかに『遠い夏から』『水いらず』『樹蔭』の3編を収録。
  • 片恋・ファウスト
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    純真で、火のような熱情と、男を凌ぐ激しい気性をもちながら、妾腹の子という意識ゆえに歪んだ道をたどらねばならなかった女アーシャの生涯を、陰影ある精緻な筆で描いた『片恋』。完備した形式と安定した人生観照の目で、激しい愛欲とすぐれた知性との矛盾相剋に傷つきたおれたヴェーラの悲劇を追求した『ファウスト』。いずれもツルゲーネフの中期の円熟を示す佳作中篇である。
  • 田舎司祭の日記
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    モーリヤックが、真の信仰を失ってその形骸だけを守る人々の生活を綴ったのに対し、同じくフランス二十世紀前半の作家、ジョルジュ・ベルナノスは、信仰に真に生きようと努力する人々を真正面から描き出す。本篇は一田舎司祭の日記の形式を借りて、従来の小説に全く捕捉されなかった神の姿を司祭の中に見出し得たのである。神と悪魔の闘いに迫った作者の代表作。1936年作。
  • ピエールとジャン
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    医者のピエールと弁護士のジャンは、性格はまるで違うが、いたって仲のよい兄弟である。ある日、ジャンにだけ思いがけない方面から遺産が送られてき、兄ピエールは、弟は果して誰の子なのか、愛する母には何か秘密があったのではないかと、深い疑惑をいだきはじめる……。典型的な心理研究の文学で、漱石もこの作品を讃嘆している。1888年作。ほかに「小説について」を併録する。
  • 捕物帳の系譜
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    1巻385円 (税込)
    岡本綺堂の「半七捕物帳」、佐々木味津三の「右門捕物帖」、野村胡堂の「銭形平次捕物控」といった“捕物帳”の三大シリーズを題材に、“捕物帳”が一大人気ジャンルになるまでを徹底追求。歴史的背景を交えて検証しながら、著者の修士論文のテーマでもある「捕物帳の系譜」を探る。
  • 姦

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    1巻495円 (税込)
    土呂島には古代貴族の血を引くと伝えられる部族が住んでおり、奇妙なならわしが残っている。未婚のまま亡くなった女性は、高天原によみがえりができぬという。彼女らに施す「帰幽の法」とは……? 僻地に脈々と語り継がれて来た独特の因習とエロティシズムを見事に融合させた表題作「姦」をはじめ15篇の掌編小説を収録。
  • ドバラダ門
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    門を作った張本人、その名は山下啓次郎。おーまいごっど、オレのじいさんが建築家だと。ルーツ探しに旅行けば、出るぞ鹿児島、やっぱり西郷。山下清も乱入し、時空を越えた大騒ぎ。官軍、逆賊を叩っ斬れば、洋輔、ピアノを叩っ弾く。門を壊しちゃならねえと、反対門前コンサート。住民一気に盛り上がり、かつぎ出されたピアニスト――日本文壇をしゃばどびと震撼させた奇著を読め。
  • 鼻眼鏡
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    1巻330円 (税込)
    汽車の中で見かけたハーフのような顔立ちの少年を気にかけながら、つまらない日々を学校で過ごす主人公。卒業してから五年も経ったある日、偶然向こうから「彼」が歩いてきて……さわやかな読後感を残す表題作ほか「RちゃんとSの話」「私とその家」「或る小路の話」「セピア色の村」「煌ける城」「WC」の6編を収録。
  • フロイト自伝
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    一八五六年、現在はチェコの東部、当時オーストリア領だったモラヴィアの田舎町フライベルクに生れたジークムント・フロイトは、長くウィーン大学で教鞭をとり、一九三八年にロンドンへ亡命した翌年、八十三年の生涯を閉じた。亡命を除けば、彼の生涯に外的な波瀾はないが、ユダヤ人の血のために苦悩した、その経験は、あの独創的な学説、人生観に、少なからぬ影響を及ぼしている。
  • 秋津温泉
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    この秋津の町へ私は十七の初夏、伯母に連れられはじめてやって来た……。自然豊かな秋津の温泉宿を舞台に繰り広げられる、激しくも切ない愛の日々を描ききった作品。1962年に岡田茉莉子と長門裕之が主演し、吉田喜重監督の手で映画化された永遠の名作。
  • 道徳を否む者
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    1巻330円 (税込)
    吉田健一氏が「きだ・みのる氏の一連の作品に見られる風刺や、教養の深さや、視野の広さがどこから来るかはこの『道徳を否む者』を読めば解るだろう。これは一人の現代の知識人が辿った遍歴の跡を語る、類例がない位美しい魂の告白である」と評した本作品は、著者の自伝的作品として、昭和三十年に発表され、大きな話題を呼んだ。

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