小説作品一覧
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-理由があろうがなかろうが、泣く時はいくらでも泣くといい 二人の中年女性。46歳。学生時代からの親友だ。一人はピアノ弾きをしており、彼女がカクテル・ラウンジで弾いている所へもう一人が不意に、予告もなく現れたりする。46歳。過去も未来もある年齢だ。そして若い頃には感じなかったであろう、不思議な現象も訪れる。例えば涙。夕陽を見るだけでわけのわからない衝動にかられたり、どうにも不可解な涙が流れたりすることがある。そんな二人が再会して、世間的な親友概念を逸脱した時間もまた、やってくる。二人は今また、いくら泣いてもいい場所を手に入れたのだ。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-「逢いたい」と「逢いたかった」は同じか、違うのか ふとしたことで、流れが変わってしまうことはある。「逢いたいな」と思って何度か電話をした女性に逢うことができず、ふと一人になった時に、バッタリ別の女性に逢ってしまう。その日はずっとそのまま二人で……ということになったりする。問題はそれ以降だ。最初に逢いたいと思った女性と連絡が取れ、そして2度目の偶然が訪れるとなると事態はやや複雑になる。その時、この男はいったいどうしたのか? 答えはこの短篇を読んでみてください。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-寅さんを導入として日本を語る 小説による日本論と言っていいかもしれない。片岡義男の小説で「日本」が問題になる時、そこには必ず「日本語」の問題がある。今回はなんと、素材は「寅さん」、つまり、映画『男はつらいよ』だ。寅さんの映画を、金髪の外国人女性、今は女性だが大工として男でもある人、その人の連れ合いの女性、そしてその連れ合いの兄である小説家の4人で見て、その感想を延々と楽しく語らいながらいつしかそれが前後の日本批判になっている、という構えの作品だ。自由な「寅さん」のように、ここでは「性」もまた自由になる。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-彼女たちが先に進む時、そこにステーション・ワゴンがある ステーション・ワゴンは、片岡義男の小説では特別な存在だ。なにしろ「ステーション」なのだからその居住性は抜群であり、移動もできればそこで快適にすごすこともできる愛すべき友である。不眠の男性を乗せて走り、ようやく彼に眠りを与えてやれるのも、仕事のために別々の町で暮らす夫と会う時に乗っていくのも、バカな男性に別れを突きつけたあと、自由になるために乗る相棒もすべてステーション・ワゴンである。彼女たちがステーション・ワゴンを停める場所に妥協はない。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-嫉妬<落胆<短篇小説 ミステリー作家の女性がいる。20代で選考委員全員から絶賛されてデビューしたものの外国生活を経て結婚し、今は書いてない、という設定だ。彼女はアタマの中だけで作り上げたフィクションに関心がなく、体験から発想したミステリを得意とするタイプ。結婚生活も時が経ち、そろそろ書きたくなってきた彼女は夫が持っている複数の鍵に注目する。どうやらその鍵の中に、夫の嘘があるようだ。そこから彼女が取った行動と感情には妻としてのダメージよりも、短篇を一つ仕上げることの欲求が大きなウェイトを占めている。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-その間、彼女が話したのは一言だけ 午後4時から4時40分くらいまでの時間帯、この小説の舞台となる店は、一日中で最も暇になるらしい。暇だから、数少ない客には目が届きやすい。そこに常連の、一人の大人の女性がいる。年齢のいくらか違う二人のウェイターが、その彼女について、あれこれ想像をめぐらせた会話を交わす。勤務中の私語ではあるけれど、声のトーンはごく控えめで、失礼にはあたらない。しかも噂話などではなく、賞賛に近い、願望のような会話だ。その間、客としての彼女の発した言葉はただ一言。そんな優雅な午後のひととき。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-存在しないボールは、いつまでも到達しない いま37歳の人間にとって、ちょうど20年前の17歳は、はるかな過去だろう。しかしそれは同時に、もうそんなに経ってしまったのかと、唖然とするような事態でもあるはずだ。実家の建て直しの前に家族全員が集まることになり、久々に故郷の町に帰ってみると、実家よりいち早く街は大いに市街化し、通っていた高校の建物は跡形もなく消え去っていた。かつて野球部員として上がったマウンドも、今は記憶の中にしかない。そして再会した女性との2ショットも、どんどん遠ざかる過去になる。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-似たもの同士、とは言わないが…… かつて音楽活動のグループを組んでいた5人が、久々に再会する。5人の内訳は女3、男が2。カップルが二つあり、一人だけ残された女性のバックアップ・コーラスを、二組が務める、というなかなか不思議な成り行きだ。人が集まればうまくいかないこともあり、互いの弱さがあり、しかしそうした弱さにはどうやらパターンがあるようだ、という認識がこの小説では「フラクタル」の概念を使って説明されている。海岸線の卓抜な比喩が、5人の存在にどことなく重なり合うはずだ。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-二つの過去は、やがて一つの現在になる 外から自分の部屋に一人で帰って来た時、何を感じるか。その感じ方の移ろいが、いわばこの短篇小説の主題かもしれない。37歳。夏休みはむなしく徒労に終わり、ビールも食事もうまくない。40歳。ある1枚の写真と、自分の誕生日をきっかけに、変化が生まれる。男はいささかの興奮と精彩を取り戻す。43歳。3年前のアクションのおかげで、彼は新たな時間を手に入れた。1枚の写真が引き金になってもう1枚の写真が生まれ、そして今、部屋はまったく違う部屋に変わったのだ。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-料理に始まり、そこに戻り、何事かに気づく、ということ 親密になるきっかけが料理だったとすれば、再びよりを戻すきっかけもまた料理だった、ということがどうやらここで起きている出来事のようだ。あなたは現実の私を見ているのではない、イメージを投影してそれを好んでいるだけだ、と女は男に言う。そして男から離れようとする。しかし約半年後、女が再び引力のような力で引っ張られていくのはやはり男の作る料理のあるほうへ、だった。そして料理に加えて写真が介在することでまわり道をした女は、ある種の「素敵」に気がつくのだ。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-更新すること、所有できないということ 33歳。それなりの過去があり、それ以上に未来のある年齢だ。一人の女性が久々に日本に帰国することになり、かつて親しかった男女6人が再会しようとしている。帰国する女性は6人のうちの一人の男性と結婚をしたいという気持ちをかつて持ったことがあり、今もそうかもしれない、ということをみんなは知っている。しかし彼らはいまや、かつてのような男が3、女が3という対称にはならない。時間の経過と共に、性をも越境した更新が行なわれ、それは常に新鮮である。誰も、誰かを所有したりすることはできない。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-抑えること、でも忘れないこと。それがメロディー 後輩に対する先輩の好意から、あるお見合いの機会が訪れる。男性側にも女性側にも、相手がどんな人物か一切教えないというかなり変わった、ミステリアスなお見合いだ。あるのは取り持ってくれる先輩への信頼だけ。そして当日。引き合わされたのは、互いに唖然とする相手だった。そこには長い時間と、ひたすら抑制してきた意志とそれでも抑えきれない気持ちが、手と手を取り合って奏でているメロディーがある。この小説こそがそのメロディラインだ。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-おにぎりに泣き、焼き鳥にあこがれる 離婚してしまった相手なのに、無性に会いたくなる。いや、そもそも嫌いで別れたわけじゃないのだ。そういうことはたぶん、あるのだろう。結婚してしまったから離婚してしまった、「しない」ことがいちばん良かったのに、というような関係。離れてみて、話さなかったこと、確かめてみなかったことが、見えてくる。おにぎりを作らせてもらえなかった。焼き鳥を食べに連れて行ってもらったこともなかった。でも再会した今なら、さあどうだろう。まずは焼き鳥。そして、おにぎりは…… 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-愛になろうがなるまいが、継続を選べ シンプルだが厄介な短篇。男女がいて、付き合いは5年ほどになり、いつも女が男の部屋を訪ねる。ところがある時、女は別の男と結婚すると言い出す。それはしかし、あてつけでも心変わりでもない。そして、二人の関係はこの度の結婚よりも長い継続なのだから今後も続ける、などと女は言う。しかし世間はそれでは許さない。新しい男=旦那も許さない。しかし、「許さない」からそれが何だというのか、というのがこの小説である。無茶と言われようと、継続はかくも図太いものなのだ。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-この怒涛の電話の中に真実はあるか? 14歳。自分で自分をもてあまし、世間からは「多感な時期」などと言われたりもする年齢だ。そんな年齢で、両親が離婚した。友人に向かって彼女は、そのことについて好きになれない父親について、めんどくさい新しい母について、そして誰よりも「かっこいい」と思っている離婚した母について電話口で怒涛のようにしゃべりまくる。対面ではなく、すべて電話でのおしゃべり、しかも相手の友人の応答は一切書かれずひたすらこちらがしゃべるだけ、という構えがこの短篇のキモで、そこにはうっすらと孤独が見えるようだ。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-男のこでなくておあいにくさま さりげない遭遇の冒頭から女と男、二人の高校生がするすると川原でキャッチ・ボールをする場面にたどりついてしまう。気持ちと気持ちの交換を比喩で表現する際に人は「キャッチ・ボール」という言葉をしばしば使うがここにあるのは本物のキャッチ・ボールでありボールを投げることと受けること、その人が投げるボールに対するさわやかな驚きこそが主役である。二人には、両親の離婚、という共通点があり、そしてそれぞれの片親(男子の母、女子の父)もまたキャッチ・ボールの場面に現れるのがユニークだ。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-すぐに終る、夏も、18歳も 18歳。高校を卒業して5ヶ月。やらなければならないことは特になく、それどころかこの歳にして早くもステーション・ワゴンを手に入れ、日本全国どこへでも気ままに旅する時間が流れていく。その途中、同級生の女性と待ち合わせをして会話を交わすと彼の気ままさ、寄る辺なさ、自由がますます際立つようだ。彼は、この女性の友人ばかりでなく、母にも、姉にも会いにいくはずだが、そこにもとどまることはないはずだ。18歳は、その夏は、ひたすら流れ流れ、すぐに終ってしまうはずなのだから。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-初めて好きになった女性は、スクリーンを経由して…… 季節は夏であり、登場人物はまだ幼さの残るハイティーン。そして両親は離婚もしくは死別している、という共通点を持つ短篇を集めた『夏と少年の短篇』に収録された一篇。この作品の鍵は、異母姉だ。ある男の前の妻と二番目の妻、それぞれの娘と息子という関係の4人は極めて仲が良いが、しかしこの息子と娘は兄弟でありながら他人でもある。そのことに対する隠れた意識に、17歳の男子は母親の故郷の映画館の、スクリーンに映った一人の女優の姿を経由してようやく気づくことになるのだが…… 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-写真は時間であり、小説は時間を生き直すことである 不思議な長篇小説である。一人は写真家、一人は小説家になっている二人の男性がいて、二人は親しい友人同士である。写真家には、少なくとも年に一度はその姿を撮影し、それが何年にも及んでいる女性がいて、小説家には、彼の書くすべての小説のインスピレーションの源になっている女性がいる。しかし彼たち、彼女たちは恋愛関係にはならず、いや、恋愛のもっと向こう側にある、何かもっと痛切なものの中に没入してしまったかのようだ。片岡義男による、異例ともいえる長い「あとがき」にも注目したい。 【目次】 第一部「私は一曲のバラッドです」 第二部 最後の一行を書くために 第三部 八月の午後の一瞬から 第四部 写真についての一通ずつの手紙 あとがき 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-結婚したくなった夏は、さてどうなった? 人はなぜ結婚するのか? この問いに整然と回答するのは思いのほか難しかろうが、この小説の主人公は、一人で生きていては何もかもするりと過ぎてしまいもっと生活に抵抗がほしくなったからだ、と答える。彼は大真面目だ。そして複数の候補者の中から自分が結婚したい相手と、そうでない相手を区別していく。それらの女性の写真を横に並べながら。その行為はグロテスクなようでいて、彼なりの真剣な検討の流儀なのだ。そしてついに決めた相手に彼は結婚を申し込む。さあ、その返事はどうなった? 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-胸のふくらみのエンサイクロペディア 男性にはなく、女性だけが備えているもの。それが、胸のふくらみだ。この中篇小説は、一組の男女を中心にすえつつ、男性による胸の礼賛と、屈託なく胸を開放してみせる女性のふるまいによって、読者をこれでもかと胸のふくらみの世界へと引きずりこむ。やがて二人の対話や実践だけでなく、様々なシーンで見かけた胸のふくらみの魅力、胸の写真コレクション、そして絵葉書など、魅惑的な胸のエピソード集の様相を呈し、あらゆる角度から胸のふくらみについて語る百科全書的な領域へと近づいていく。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-最も「日本的」と言われた作品を通じての「日本」批判 聡明なアメリカ人ジャーナリストの女性と日本人の男性。ほぼ全篇、二人によるディスカッションで成立している中篇小説。内容は、小津安二郎監督の『晩春』『麦秋』『東京物語』、原節子演じる「紀子三部作」についてだ。極めて日本的な映画であり、エディプスコンプレックスがそこにはあると一般的に解釈されているその見解を退け、彼らは核心に「性」をもってくる。限定されようとしている「性」の大きな可能性こそが原節子という類い稀な女優によって提示された映画だと。そしてそれは痛烈な「日本」批判でもある。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-キャッチボールが力を与えてくれた インタヴューされるのは舞台女優。するのはライター。二人は共に、35歳の独身の女性だ。二人は、インタヴューの際に初めて会うのではなく、その前に、あるあざやかな偶然のシーンによって会う機会があった。インタヴューの中で、「キャッチ・ボール」が重要な行為であることが明らかになってくる。会話の比喩としての言葉のキャッチ・ボールではなく、文字通り、身体を使ったキャッチ・ボールだ。やがて二人は親密な間柄になり、キャッチ・ボールを実際にしながらそれぞれの過去と未来を確かめることになるだろう。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-どんなふうに幸せか、わからないことは謎である 極めて端正な、見たところ破綻もないような女性が無味乾燥な、装飾の無いホテルの一室に落ち着いたかと思うとやおら電話をかけ、あるサーヴィスを依頼する。一人の女性が部屋まで派遣されてくる。迎えたほうも、やってきたほうも、相手の魅力を素直に認め二人だけのひとときを過ごす。それは世間的に見ればやや通常から逸脱した行為かもしれないが、そんなことはどうでもいい。大切なのは、二人が幸福であること。そして、それがどんな種類の幸福かわからず、謎のままであることだ。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-暗い場所なら、脱出がよく見える 地上21階。ホテルではない。私的な寝室だが、生活感はまるでない。外は雨。そしてここは、かなり暗い空間である。ほぼ初対面の男女が、お互いに裸で、会話を交わす。趣味について話し出すと、女の語る趣味は嘘か本当かわからないような(たぶん本当なのだ)荒唐無稽なものだ。いつかはやってみたいこと、として彼女が語る「夢」はいささか常軌を逸しているようでもあり、同時になにかしら人間という生き物の根源に触れるようなものでもある。この暗がりの中で、二人は生活から、日常から「脱出」している。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-彼であり、彼女である存在が至近距離で学んだこと 男でありながら、美しい女性としての外見を備えている。しかし声は、あきらかに男性のそれだ。というような一人の存在が、恋人である男性を深く愛している。ところが突然、その恋人を奪われる日が訪れる。それは二人のいさかいではなく、時間の経過とともに、人の一生にはこのようなこともありうる、という事態での別れだった。「彼」を失った後の日々、その母親とのやり取りなど遺された人間としてのふるまいの、その美しさ。悲しさ。片岡義男らしい、同情を排しながらも深く優しい傑作短篇である。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-「見つけたい」「なりたい」と彼は言った 今日的な用語を持ち出せば、性同一性障害、となるだろうか。男性として生まれながら、女性になりたがっている彼。そこには彼自身の意志だけでなく、彼の生き方に理解があり、それどころかあまりの美しさに半ば女の子として育てた母親と姉の存在があり、さらに父親の不在まで付いてくるのだから念が入っている。ただしかし、うまくいかないことが一つある。口紅だ。男性であることを捨てて女性になるのではなく、男性であるままで女性にもなる、というその存在のジャンプに見合う口紅は果たして見つかるのか。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-あなたの過去は、私の未来である 娘は身長179cm。母は170cm。共にたいへんな高身長の二人が、おもいがけず久々に横浜の町を楽しむ機会に恵まれる。娘は小説を書こうと試みている身であり、母には離婚歴がある。日中、娘が偶然体験したある幸福なエピソードを契機に二人はいつしか小説論を語り合うことになる。そしてその語らいの中から、一つの短篇小説が生まれようとしている。娘は母から生まれたのであり、母、というカタチの過去が娘の未来をもたらしてくれる。そのような母娘の時間が港のある場所で描き出されたうつくしい一篇である。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-1年後、少女たちは再び夜に集合する 激しい雨の降りしきる台風の夜。14歳の少女の家に、親友たちが集まってくる。全部で4人。全員が14歳だ。4人は一夜を共に過ごすために悪天候にも係わらず集まったがその一夜の目的は、ある現場を追体験することにあった。1年前の同じ日、同じように台風の夜に起きたある悲劇の現場を彼女たちは訪ねる。その出来事を彼女たちは見ていない。知らされただけだ。しかし彼女たちは今年、わざわざ集まった。そこへ行った。そしてそこでどんなことが起きたか、端的な事実だけを告げてこの小説は幕を閉じる。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-いつか必ず、自分はいなくなる ここでは、おそらく誰もが人生の中で多少なりとも感じていながら突き詰めて考えたり苦しんだりしたことの無いことについて、あまりの純粋さゆえにのめりこんでいく少女の姿が描かれている。それは、自分とは何か、存在とは、時間とは何か、という問いだ。かつての自分と今の自分は別の人間であり、しかしながら記憶、というものがあるからその過去には今の自分として戻ることができるけれど今、その場所にかつての私はいない。私とはそう、いつだって「いなくなる」ことが確実な何か、のことなのだ。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-メドレーのような長篇小説を トリュフォーの映画『ジュールとジム』(邦題は『突然炎のごとく』)のように仲の良い男女3人がいた。男が二人、女が一人だ。男のうちの一人と女が結婚し、もう一人の男は心から祝福する。そして時を経て、その二人が離婚したという。本当の仲良しであった3人には、三角関係は存在しなかったから、結婚の時に嫉妬はなかったし、離婚の時に憎悪はなかった。結婚しなかった男は今も独身、そして小説家だ。離婚した彼女には瓜二つの娘がいて、その娘もまた作家志望だという。あたらしい何かが今から始まりそうだ。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-今日はすべてがうまくいく日 片岡作品には、世間でマジョリティを形成しているヘテロセクシュアルばかりでなく様々なセクシュアリティの形が登場するが、今回はレズビアンだ。二人は今、40歳という節目の歳を迎えた。40歳。思い出も未来もたっぷりある年齢だ。二人が最初に出会った時のこと、それぞれ異性との結婚の経験がありながら、二人が互いにとってどんなに大切な存在なのかを思い知らされた日のことなどを二人は語り合う。今日は、インストラクターをしているほうの彼女の誕生日。二人の40台のスタートラインは上々だ。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-彼女が部屋の花に気づく時 登場人物は二人だけ。片岡作品にはめずらしく、中年の男女だ。彼らの様子はあられもない。セックスの後にセックスを語り、語りが一呼吸すると、またセックス。そのあいだに、なぜだろう、仕事のことや、母親(女性のほうの)のこと、その母親の葬儀のことなどが話題にのぼってくる。どうやら二人は女優と映画監督であるらしい。行為の前と後、ふと思い出したように彼女はしきりに「部屋が暗い」という。高層階のホテルの部屋だ。やがて彼女は、青いガーディニアが活けてあるのを見る。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-メイキング・イン・新幹線 一人の小説家がいる。44歳。女性。彼女には離婚歴がある。しかしそれは言ってみれば、幸福な離婚だった。なぜなら、小説を書くために生活から離れる、という自由を夫から与えられたのだから。その彼女は今、書くことについても自由に、ストレートに行為に移していく。編集者が新たな短編集を依頼したいと言えば、その日のうちに編集者の出張先まで同行して、新幹線の中でストーリーを作り上げてしまう。そのストーリーはジェンダーの枠をやすやすと超える自由なものだ。彼女は今、怖いほどに幸福である。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-部屋は一つ、ベッドは二つ、女性が3人 久々に女性4人で会おう、ということになった。しかし、うち一人は若き旅館の女将であり、残りの3人の小旅行を受け入れる立場にある。彼女はこの短篇には登場しない。小旅行の目的地である旅館に行く前にホテルに1泊することになっている。4人ではなく3人という奇数であり、泊まる部屋は一つ。そしてベッドが二つ。つまり、一つのベッドに一人、もう一つのベッドに二人が眠ることになる。そしてその晩、部屋で起きたこと。見たもの。聞いた声。それは「一人」だった側にも、新しい歓びをもたらすものとなった。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-パリであんパン、手紙を書きながら 一人の作家が、取材をかねてパリへ旅立つ。そしてパリで、高校の同級生だった女性と偶然に遭う。作家は、実は彼女の姉を慕い続けておりその気持ちは、階段の下から、上にいる存在を見上げるだけで満足、というような言い方で表れたりする。彼はかつて、その姉への手紙で、致命的なミスをしでかしたことがあった。しかしそのミスは皮肉なことに、彼がその姉に手紙を書き続ける力にもなった。そして今、偶然にも妹とパリで遭うとは! やはり何かがつながっている。木村屋で買って、パリまで持ってきたあんパンのように。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-それでもやはりそれは筋道であり、小説になる 結婚してもおかしくはない男女がいて、しかし結婚したいか、まだためらう気持ちがあるか、二人の温度差がある、ということも、しばしば起きることである。男は、故郷の町に女を連れて行って、この女でいいかどうか、確かめたい。女は、彼の故郷に行くのだから、きっと結婚は間近だ、と思う。このあやうい落差を解消するために呼び出されるのが、男の友人である小説家。彼はいったい、どんな役割を期待されているのか? 相当に身勝手な男の計画に、彼は従ってやることにする。なぜならそれはそれで、筋の通ったことだから。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-今まで知らなかった何事かを、小説に書くことについて ベーゴマ、というものがある。ある日突然、朝食を食べている時に、ベーゴマ、という一語が何の脈絡もなく小説家の頭に点滅する。現実にそんなことがありうるだろうか? といえば、おそらくはそういうこともありうるのが現実だろう。そもそも、ベーゴマのベーとは何かも知らない彼は何事も万能の姉を呼び出し、ベーゴマの回し方を伝授してもらう。そしてさっそく、短篇小説のプロットを作成する。まったく知らなかったものに少しだけ触れてそれを小説という、普段から付き合っている器に入れる瞬間の物語だ。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-きみはグッド・デザイン 好きだし、一緒にいたいが、ずっとは困る。なぜか。「良すぎるからだ」というのが彼の答えだ。彼女は良すぎるから、彼女といることだけで人生の全部になってしまう。他人が聞いたら鼻白むもいいところだが、これは小説であり、二人しか出てこない。「良い」とはすなわち、彼女がグッド・デザインだということでありこれ以上、彼にとって明白な事実は他にない。一組の男女が、互いになぜ好きなのか? を突き詰め、半ば議論のような会話を交わす。片岡義男以外の作家にはなかなか書けない短篇である。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-彼女はそこにいる、いない、いる…… 静かで、淡々と進んでいくが、いささか狂いが見えるような小説。雑誌の仕事で広島を訪れた作家がきまぐれに街を散策し、古びた映画館を見つけ、入ってみる。ある意味では荒廃した、そして別の意味では非常に貴重な昔日の映画館で、まずはそのことに心を奪われるが徐々に、そこで観た映画へ、そして映画に出ていた女優へと関心が移っていく。やがて、その映画は作家としての決定的な方向転換を促し、そこから突き詰めた方向に向かって動いていく。まさに「限界」まで向かう奇妙な作品である。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-十年が過ぎ、そして彼女は今も魅力的だ 波乗りを愛する二人の男は、大学が同じ、入社した会社も同じで1年後には同じ文面で辞表を提出し、南島の住人になる。会社を捨て、一人は写真、一人は小説へ進んでいく。そこに一人の女性が現れる。二人は強く、彼女に惹かれていく。しかし、均衡は崩れない。それは彼女の願いであり、男たち二人の願いでもある。がしかし……。崩れないことで大切にされたままのこととついになしえなかったこと、その両方がある。10年の時が経過し、男たちにはそれぞれ伴侶がいる。そして彼女は、今でも変わらず、あまりに魅力的だ。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-次々と起こる恐怖の事件。公開された作品の画面には映っていないが、これはホラー映画の撮影中に本当にあった出来事だ。富士の樹海で、映画の撮影所で、ラジオの収録中に、あなたの背筋を凍らせる本当にあった出来事っ!!! <収録エピソード>「映画であった本当に怖い話1」 ・『リング2』撮影中に起こった怪奇現象とは・『学校の幽霊』シリーズで起こった怖い話・特別コラム─恐怖の映像と怪奇現象音 他 <収録エピソード>「映画であった本当に怖い話2」 ・富士樹海取材フィルムに写った怪異なもの・あるラジオ放送で起こった怖い話 他 <電子特別版 追加収録エピソード> ・『リング』恐怖の始まり─画面に写りこむ白い顔・『リング2』洞窟、病院─スタッフに囁きかける謎の声・『リング0~バースデイ~』現場の高揚感が霊を集める!?・『呪怨』ハウス・スタジオにまつわる怪異譚・『ISOLA 多重人格少女』カメラを揺らすのは被災者の霊か!? 原因不明の死を遂げた2頭の犬、ブレるカメラ ※本電子書籍は「映画であった本当に怖い話1【追加写真収録電子特別版】」「映画であった本当に怖い話2【追加写真収録電子特別版】」の2冊を合わせた合本版です。
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-次々と起こる恐怖の事件。公開された作品の画面には映っていないが、これはホラー映画の撮影中に本当にあった出来事だ。ロケ現場や撮影中で、映画の撮影所で、ラジオの収録中に、あなたの背筋を凍らせる本当にあった出来事っ!!!【電子特別版には写真&『リング』シリーズなどのエピソードを追加収録!】 <収録エピソード> ・『リング2』撮影中に起こった怪奇現象とは ・映画監督 鶴田法男×脚本家 高橋洋 ・『死国』で起こった怖い話 ・『学校の怪談』シリーズ起こった怖い話 ・『学校の幽霊』シリーズで起こった怖い話 ・『真霊ビデオ』シリーズで起こった怖い話 ・『帝都物語』『孔雀王』の現場で起こった怖い話 ・ある映画で起きた怖い話 ・映画ロケ隊が遭遇した怖い話 ・特別コラム─恐怖の映像と怪奇現象音 <電子特別版 追加収録エピソード> ・『リング』恐怖の始まり─画面に写りこむ白い顔 ・『リング2』洞窟、病院─スタッフに囁きかける謎の声 ・『リング0~バースデイ~』現場の高揚感が霊を集める!?
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-小春は、由緒正しきお寺の眉目秀麗な副住職、翡翠様に片思い中。何度もアタックをするが、翡翠様はあくまでも穏やかに、微笑みをたたえて毒を吐く。 「先ずはもう少し、女性磨きをされた方が良いでしょうね」 九十七回目の玉砕を迎えた時、どうしても翡翠さまの特別になりたい小春は「百回告白してダメだったら諦めよう」と覚悟を決め、残りの三回を成功させる為に奮闘する。 でも、現実はなかなか上手くいかなくて――。 毒舌お坊様×キャリアウーマンの恋はどうなる!? 電子特別版には、魔法のiらんど公式サイトに掲載された書きおろし短編『お坊様×オネエ系 ~ Let's Go Zazen ~』を追加収録! 『お坊様と恋愛のススメ』と『オネエ系男子攻略法』のコラボは必見です♪♪
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-2016年に発表された本格ミステリの短編と評論から、本格ミステリのプロフェッショナルが選びぬいたベスト作品集!新本格30周年――今読むべき、最先端の本格ミステリがこの一冊に!
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-『さあ今度は母様の番だよ。母様、何かお噺!』 大正浪漫を代表する人気画家が描く童心の世界 竹久夢二は明治~昭和期にかけて活躍した画家・詩人で、大きな瞳の憂いをおびた「夢二式美人」と呼ばれる美人画や詩歌「宵待草」で一世を風靡しました。 時代の寵児だった彼の作品は、雑誌の挿絵や日常雑貨のデザイン、商業広告など大衆文化の中に洒落たエッセンスとして取り込まれていました。 そして、それは子どもの世界にも表れていたのです。 夢二はこども向け書籍に本格的に取り組んだ最初の画家でもあり、自著六十冊のうち童謡、童話、絵本などこども向けの文筆作品は三分の一にものぼります。 本書はその中から、童話『草の実』と『春』を収録しました。 合計52編あるおはなしには、全て夢二自身による可愛い挿絵が挿入されています。また文章は現代仮名づかいに改めルビを付し、読みやすくしました。 詩人になりたかったという夢二の紡ぐお話には、いつの時代でも誰の中にもある寂しい心にそっと寄り添うような、優しくて、温かいまなざしに溢れています。華やかな女性遍歴や美人画だけではない、夢二の知られざる純粋な一面にきっとあなたは夢二をずっと好きになることでしょう。 ・初版収録時のカラー口絵と挿絵を全点収録
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-待望の上・下巻合本版!! 中上健次、もう一つの遺作も初の電子化! 「路地」の解体時期に父親(浜村瀧造の朋輩・ヨシ兄)殺しに手を染め、「路地」から逃れた鉄男は、やはり夫・セキグチジュンを殺した女・セキグチマリと出会う。女は鉄男にそれまでと異なった衣装を着せ、ジュンと名付け、ジュンという<物語>を背負わせる。 マリが精神病院の患者同士として知り合った友人で、富豪の“太った女”水島エリは、鉄男を教祖とあがめる新興宗教に加わろうとし、道すがら出会った暴走族の首領の若者も、これまた鉄男の教祖としての雰囲気に惹かれていく。 そして、鉄男、マリ、エリ、暴走族の若者とその妹は、南の地・シンガポールへと向かうのだった……。 中上作品の中でも最もエンターテイメント色の濃い作品で、雑誌「SPA!」に連載中に未完のまま絶筆した。
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-待望の上・下巻合本版!! 現実と幻想の間を彷徨する若き小説家の懊悩。 「僕が故郷に漠然と期待したのは避難港だった。ところが、それどころではなかった」――。 東京から郷里の静岡県藤枝市に居を移した三十手前の小説家・及川晃一の日常的思索を描いた著者の自伝的小説の前編。 1994年、発刊時の単行本の帯には[自分はすでに難破船か、骸骨か。それでもなお試練の故郷で文学者が探し求める自我の新しい船出。現実と想像のあわいに明晰な幻視者・小川国夫が眼をそそぐ]とある。 日本人とは、市民とは、そして小説家とは何かを考え続けた、「内向の世代」の作家・小川国夫の深い懊悩が滲む秀作。朝日新聞に連載され、第5回伊藤整文学賞を受賞。
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-待望の上・下巻合本版!! 名人・古今亭志ん生の若き日の彷徨を描く。 15歳で家出し、20歳で三遊亭小円朝に弟子入りし、朝太の名をもらう。 「一人前の噺家になるまでは家にはかえらねぇ……」。 落語への情熱は本物だったが、10代から覚えた「飲む、打つ、買う」の3道楽は止められない。師匠を怒らせ、仕事をしくじり、借金を重ねていく……。後の名人・古今亭志ん生の若き日の彷徨だった。 上巻では不世出の天才落語家・志ん生の若き日が、生き生きと描かれる。 「ハードボイルド小説の先駆者」といわれた結城昌治の、また別の顔が垣間見られる力作長編。
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-1916年、厳冬のルーマニアから数十億ドルの財宝を積んだ列車がロシアへと出発した。ドイツ軍の侵攻を恐れた政府がロシアと協定を結び、国中の財産の移送を決定したためだった。しかし、その列車は二度とルーマニアへ還ってくることはなかった――。 そして、現代。謎の多い富豪パピノーによって5人の男女が集められた。元特殊部隊の指揮官コッブをはじめ、武器、潜入、コンピューター、言語と歴史の各分野のエキスパートたちだ。彼らに下されたミッションは、歴史の闇に消えた財宝列車を手に入れること。だがロシアに渡ったコッブたちの周辺に不穏な影がちらつきだす……。 映画化決定!プロたちがチーム<ハンターズ>を結成し歴史的な財宝を追う、謎とアクション満載のシリーズ!
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-「や」「かな」「けり」の使い分けから、補助動詞の使いこなし、様々な副助詞の意識した使い方など――文語文法は覚えただけでは上達しない! より実作者の視点に立って紐解く、文語文法の極意が満載。
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-SF、ミステリー、時代小説、捕物帳など12のジャンルを書き分けた若き日の栗本薫の才気に満ちた短編集。 未曾有の超大作グイン・サーガで知られる栗本薫が、12ヶ月にわたって小説新潮誌に連載した、12のジャンルを書き分けた作品集。 疑惑が疑惑を呼び狂気へとひとりの男を駆り立てる心理ミステリー「犬の眼」。手練れの時代小説作家もかくやと思わせる佳品「おせん」。軽妙な文体をあやつりつつ、圧倒的な筆力でラストの哀切へと雪崩れこむ青春小説「公園通り探偵団」。そして巻末を飾るグイン・サーガ外伝など、若き栗本薫の才気が爆発する。 【目次】 まえがき 一月/犬の眼〈心理ミステリー〉 二月/おせん〈時代小説〉 三月/保証人〈社会ミステリー〉 四月/紅〈芸道小説〉 五月/夜が明けたら〈青春小説〉 六月/忘れないで〈SF小説〉 七月/公園通り探偵団〈風俗小説〉 八月/離魂病の女〈捕物帳〉 九月/嘘は罪〈都会派恋愛小説〉 十月/ガンクラブ・チェックを着た男〈本格推理〉 十一月/五来さんのこと〈私小説〉 十二月/時の封土〈ヒロイック・ファンタジイ〉 十三月/あとがき 【著者】 栗本薫 1953年東京生まれ、2009年に病没。1977年に群像新人文学賞評論部門を、1978年に江戸川乱歩賞を受賞して文壇デビュー。1981年には吉川英治文学新人賞を受賞。小説は栗本薫名義で、評論などその他の活動は中島梓名義で発表する。正伝130巻、外伝21巻のグイン・サーガ・シリーズ始め、SF、ミステリー、時代小説、耽美小説などさまざまなジャンルに渡る400点を越える著作が刊行された。
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-「優れた著作である、というより怖ろしい力を秘めた本である」――三浦雅士(新版解説) あるものを発生させる力というのは、その発生自体が目的で終息するわけではない。発生した後もその力は一つの傾向を保ち、発生させたものの変化を促し続けるのである――。古代人が諺や枕詞、呪詞に顕した神意と神への信頼を、折口は「生命の指標(らいふ・いんできす)」と名づけ、詩歌や物語の変遷を辿りながら、古代より脈打つ日本文学の精神を追究する。生涯にわたり書き改め続けた貴重な論考。 解説・井口樹生/三浦雅士 (目次) 詞章の伝承 文学様式の発生 律文学の根柢 声楽と文学と 小説戯曲文学における物語要素 文学と饗宴と 異人と文学と 翁舞・翁歌 日本文学の内容 日本文学発想法の一面――誹階文学と隠者文学と 笑う民族文学 追い書き 解説「日本文学の発生 序説」の課題 井口樹生 新版解説 凝視と方針 三浦雅士 著者略年譜
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-感性革命。確実に推理力が磨かれIQが上がる笑いと恐怖の必殺話法。 「E≠MC^2」とは、「特殊相対性理論の様な科学的論理ではない」と云う事です。論理に非ず…、詰まりは、考え方の前提を取り去る「禅」の放下思想に由来しています。この思考方式を身に付けると、推理力が磨かれ確実にIQが上がります。スクリューボール・ジョークの基本的な非論理構造を理解すると、緊張から緩和に次元を変える笑いのエッセンスだけでなく、油断から危機に陥る恐怖話法も体得出来ます。 【目次】 プロローグ 第一章 予期せぬ落とし技 第二章 宙吊り 第三章 背後から撃つ 第四章 分母=ゼロの思考方法 エピローグ 逆落とし E≠MC^2 【著者】 名邑十寸雄 小説家。詩人。俳人。楽天市場四百万書籍中、注目ランクで首位(金)二位(銀)三位(銅)を独占し、推理文学の金字塔と絶賛された「血文字の遺言(全三巻)」他、ミステリー、サスペンス、本格時代劇、禅物語、SF、怪談奇談、詩、エッセイなど創作範囲は広い。文学史上に類の無い完成度を誇る名邑文学の可笑し味が凝縮された文学ファン必読の喜劇小噺集「E≠MC^2 スクリューボール・ジョーク」。「名邑十寸雄の手帖」で人気沸騰の非論理痛快ジョーク集を、著者独特の文体論に基き入念に仕上げた「特別校閲版」遂に登場。
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-いずれも作者ならではの独特な味わいを持つ短編集です。 ・エロティックでちょっと不気味で美しい不思議なサスペンス短編『光を纏う女』 (『月刊群雛』に掲載され、好評を博した作品です) 金糸銀糸を纏う女が、俺を誘惑していた。ダブルオーセブンのゴールド・フィンガーで見たような金箔まみれではない、有機的ななまめかしさを感じさせる不思議な光りかただった。まさに、肉体に直接刺繍を施したように、女の肢体はキラキラとしなやかに煌めき、揺らめいていた。 そうだ、間違いがなかった。女は俺を、誘惑しているのだ。俺は…… 続きは本編にて! ・シュールレアリスム的な掌編『波』 砂浜を歩く私の足下には白く泡立った波が渦巻いて、私の角張ったかかとをさらおうとしていました。私は沖へ向かって、少しずつ歩いていたのです。黒っぽい重い砂に少しだけつま先をめり込ませながら、私は歩いていました。 数歩進んだとき、私は感じました。ゆるゆると動く水の屈折を通して見える私のゆがんだ足先が、波のその下へと抜けていたことを。 その下? その下は…… 続きは本編にて! ・SFミステリー風味の短編『瞳』 飛べ! 無理だ! 曲がれ! 滑るな! 転ぶなアアッ! 真っ暗だ、真っ暗じゃないが、真っ暗だ! 目が合っただけだろう、いや、目すら合ってないだろう、なんなんだ、この男、いや、男かどうかも分からない。サングラスをしてた、帽子を被ってた、俺を見てた、そうだ、俺を見てた! なんとも、スリリングな始まり方ではありませんか! 続きは、本編にて!
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-小学生の女子児童を狙った連続殺人事件が、東京の八王子市内で発生した。 容疑者すら浮かび上がらないまま、3人の幼い命が奪われる結果となった。 ある日、警察庁科学警察研究所に勤める風祭栞は、義理の妹のかおるから、「姉の行方がわからない」と相談を受ける。 栞のアドバイスにより、夫が警察に行方不明届を出した直後、切断された彼女の〈左腕〉が、八王子市内を流れる南浅川から発見された。 警察が遺体の発見を急ぐ中、新たな女性の〈左腕〉が、別な川に流れ着く……。 〈左腕〉を切断する犯人の目的はなんなのか? 八王子市を舞台に2つの連続殺人事件が交差する。 風祭栞&忍シリーズ最新作!
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-生霊から想い出まで、つかめます。 昆明館(こんめいかん)大学の名物サークル「心霊現象研究ゼミナール」、略して「心研ゼミ」に所属する大学生・岬健吾(みさきけんご)の右手にはある特殊能力があった。 それは、過去に手を伸ばしたり、霊など実体のないものをつかんで具現化させてしまう力だった。 顧問の後藤田(ごとうだ)教授は健吾の特殊能力を見込み、同じく霊と話せる力を持つ女子学生・西脇由香(にしわきゆか)とコンビを組ませ、怪奇事件の解決にあたらせる。 触ると家族の記憶を失くしてしまう桜の木、飛び降り自殺を繰り返す霊、病棟に現れる少女の死神……事件の裏に隠された切なすぎる真相を追いながら、健吾はその右手で彷徨える魂を救おうとする。 だいじょうぶ、この手をつかんで――涙ホロリとくるハートフルホラーミステリ!
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-〔英国推理作家協会賞最優秀新人賞〕妻娘と別居したことで、ピートの家庭は崩壊寸前だ。そのうえ彼は他の家族の面倒まで見なければならない。なぜなら彼は家庭福祉局でソーシャル・ワーカーの仕事をしているからだ――。八〇年代の激動のアメリカにおける様々な家庭、親子、そして犯罪。翻弄されるピートが目にしたものは……。CWA賞新人賞受賞の大作
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-◆句集『誕生』から『十七恩』に、番外句集を加えた作品1167句を収録。 明晰な把握と独自の表現技法によって、有季定型俳句の新たな地平を開いた鷹羽狩行。初期の清新な作風から円熟の境地に至るまで、俳句人生の成果がここに収められている。 栞:水原秋櫻子・山本健吉・井本農一・西東三鬼 解題・年譜・初句索引・季語索引 ◆収録内容 誕生 誕生(定本)抄 遠岸 遠岸(定本)抄 平遠 平遠(普及版)抄 月歩抄 五行 六花 七草 八景 第九 十友 十一面 十二紅 十三星 十四事 十五峯 十五峯(補遺) 十六夜 十七恩 長城長江抄 翼灯集 翼灯集 以後 俳日記 啓上 啓上 以後 著書解題 片山由美子 年譜 片山由美子・鶴岡加苗 あとがき 片山由美子 初句索引 季語索引
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-自分はダメだという想いを抱え、縮こまって生きていたララぼう。自分の内側にいるもう一人の自分ルルぼうと出会い、ララぼうの心の風景は少しずつ変わっていきました。 今回のお話は、宝の山にある青光クリスタルを取りに行くことになったララぼう。 キーワードとふたつの歌を頼りに、道を自分で見つけなければいけません。 頭ではなく、感覚を使うのがコツ。 はたして、ララぼうは、青光クリスタルを見つけることができるのでしょうか? 今回のテーマは「直感を働かせる」です。 ララぼうとルルぼうシリーズ第4作目。
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-抽象と具象の狭間から読みとる、確かな人間臭。昭和一桁生まれの著者は江田島海軍兵学校教官の父をもち、戦時中から戦後の激動の時代を生き抜いてきた。自らの目で見た現実をありのままに忠実に川柳に表現する姿勢は多くの読者の胸に感動を呼ぶ。 「えふえい」「せみのこえ」「おおはなび」「ゆめをくう」「ねたふり」の5章に、4編の詩が若き日の著者のほとばしる思いが伝わる詩が加わり、本書を重層的に彩っている。 《輪郭が見えぬリンゴの向きを変え》 《UFOが咳をしながら飛んで来る》 《とうがらし熟れて静かな退職日》 《体温をなくして生きる影法師》 《地図になる道を残して僕の自負》 《波飛沫本音は海の底にある》 《八月を無口に過ごす生き残り》 《太陽と水と少しの塩で生き》 《ずり落ちた老眼鏡で見る政治》 《自分史の終りに未完と書いておく》
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-川上大輪・富湖夫妻による30年余りの川柳人生の記録を一冊にした川柳句集。夫・大輪は川柳塔社副主幹、川柳塔わかやま吟社主幹などの要職につき、第5回オール川柳賞大賞など全国の大舞台で数々のタイトルを手中にしてきた誰もが認める実力作家として活躍中。 一方、川柳作家・大矢十郎を父に持ち、彗星のごとく現われて川柳界期待の星、大型新人と呼ばれた富湖は、第3回オール川柳賞大賞を受賞し、まさにこれからという時に病に倒れ、その才能を惜しまれつつ他界。人気句集の電子書籍化。 【川上大輪作品】 いい日だな机の上に何もない 家中の明かりを点けて一人きり 生まれても死んでも時刻告げられる 鉛筆の長さよ人の一生よ 大声を出すなよ空が落ちてくる 【川上富湖作品】 甘えたら低温火傷してしまう 赤い糸結び直した跡がある 親という皿が浅くて子が荒れる 思いやりだろう鏡が曇るのも 手が届きそうで過去にはまだ出来ぬ
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-電子書籍投稿サイト〈upppi〉にて、2016年8月から開催された第3回ぷちほらーコンテスト。応募総数82作品の中から、受賞作品を集めた新時代のホラーアンソロジーがついに登場! 大賞作品 『夏休み』著:前田哲 佳作 『守り神』著:三塚章 『猫と人魚』著:ナマケモノ 『故殺』著:江田吏来 審査員特別賞 『オウモノ・オワレルモノ』著:松明 『World of Rebirth~終末のイヴ~』著:乃之鹿裡 『先割れスプーン』著:比良坂 『彼女と失くしたハッピーエンド』著:Hiro 『鈴の音』著:二階堂リトル
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-「疑惑のラビリンス 異国の少女」第二次世界大戦後期、海南島沖で漂流する輸送船。調査に向かう憲兵少尉の雪下胡桃。生き残っていたのはドイツ人の美少女エルナただ一人。そして大量のアヘン。いったい何があったのか。さらに妖艶な美女がエルナの命を狙うのはなぜ。背後に見える巨大な陰謀。そして終戦の混乱に生き残れるのか。胡桃の洞察力が冴える。「疑惑のラビリンス 雛人形の悪夢」終戦直後の日本。元憲兵隊の雪下胡桃の洞察力と抜群の戦闘能力が冴える。お色気満載で魅惑的な陽子。天才美少女エルナ。ドジな安藤政季をもり立て探偵事務所を開設した四人。ある富豪から雛人形の捜索という変わった依頼。都内では若い女性らしき切断された腕や足が見つかる。また近くには雛人形の同じ部位も発見される。数百年の呪いと巨大な陰謀。果たして胡桃は謎が解けるのか。「疑惑のラビリンス 亡国の少女」終戦直後の日本。元憲兵隊の雪下胡桃の洞察力と抜群の戦闘能力が冴える。お色気満載で魅惑的な陽子。天才美少女エルナが製造した原爆が2発。果たして本物はどちら?旧帝国軍人たちが武装蜂起してGHQと交渉。果たしてテロリストたちの要求は?胡桃は爆発を阻止できるのか。息詰まる戦いの中、アメリカからは更に3発目の原爆を搭載したB29が……。著者渾身のアクションサスペンスミステリー。価格もお得な三部作合本版。
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-その墓に近づく者に禍あれ―― 火星に行くほうがまだ簡単! ? 今回の財宝探しは最高難易度! ! 地下遺跡で未知なる敵が待ち受ける ! 映画化進行中の歴史ミステリ×アクション! ! 歴史に埋もれた財宝の謎を追うチーム〈ハンターズ〉――最強の指揮官コッブと4人のプロフェッショナルたちの新たなミッションは、アレクサンダー大王の墓を発掘すること。世界の歴史上、もっとも偉大な征服者と評されるアレクサンダー大王の墓の在り処は考古学史上最大の謎のひとつとされている。エジプトに乗り込んだコッブたちは、手がかりを追ってアレクサンドリアの地下に広がる貯水施設の調査を行ない、西暦365年に起きた津波が関係しているらしいことをつかむ。だが、地元の裏社会のボスとのトラブルに巻き込まれたばかりか、謎の暗殺集団からも襲撃され、仲間を拉致されてしまう。コッブたちは仲間を取り戻し、墓を発見できるのか! ? 最強のチームが歴史上最大の謎に挑む!
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-我が句は我が子。17音に人生を投影させて輝き出す、さまざまな想い。岸和田市在住。 地元の健老大学から始まった川柳は良き師や仲間に支えられ楽しいものとなった著者。これまでに詠んだ一句一句が我が子のようにいとおしく、作品を残したいという思いから編まれた作品集。 そのうちにきっといいことありますよ 狙ってた席にライバル座ってる 心配事ないのか君はよく笑う 飾らない人柄なのに華がある 子育てが終わり女を取り戻す 種牛のプライドもなく殺される お茶ですとペットボトルが並べられ 野良猫に餌をやる人にらむ人 まな板は家の盛衰知っている ひらがなのやさしさほしい私です
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-どこまでもあなたに追いすがる怪異! ひたすら震える20の実話 死んだ祖母の話、送られ続けるFAXの話、ため池にまつわる話、雨男の話、人形の話、帰ってきたものの話、天井に何かが、のぞくもの、黒いやつらの話、つけてくるもの、引っ張るものの話、体育館のなかにいるもの……etc。本当の話だから特別に恐ろしい20の怪談。人に聞かせて怖がらせるもよし、自分が凍りつくもまたよし……。恐怖実話の決定版。 ●さたなきあ 雑誌『幻想文学』他にて作家・レビュアーとして活動し、アマゾンのレビュウコーナーにも出没。作品集『怪異譚輯・墓地物語』やアンソロジー『幻獣小説集・夢見る妖虫たち』を手がけ、『あなたの隣の怪談集』『魑魅の館』(KKベストセラーズ)など怪談本を多数発表。呪いや祟りなど従来の怪談に必須だった要素をあえて避けた、いわば「純粋怪談」を全国各地で収集する一方、都市に潜み棲む虚無性と人に潜み棲む暗部を怪異譚として表現する手法を模索する。
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-夜中に読むと眠れなくなる……怖くてトイレに行けなくなる…… キャンプの夜、肝試しの最中に小学生が消えた――帰ってきたその少年が見たものは……。閉店間際に喫茶店に飛び込んできた女性の信じられない告白とは? 取り違えたショッピングバッグをのぞいた主婦を襲った薄気味悪い出来事とは? 不慣れな寮生活を始めた新入社員が体験した不思議な儀式とは? ふつうの人々の身の上に起こる異様な出来事。明日はあなたに何かが……。 ●さたなきあ 雑誌『幻想文学』他にて作家・レビュアーとして活動し、アマゾンのレビュウコーナーにも出没。作品集『怪異譚輯・墓地物語』やアンソロジー『幻獣小説集・夢見る妖虫たち』を手がけ、『あなたの隣の怪談集』『魑魅の館』(KKベストセラーズ)など怪談本を多数発表。呪いや祟りなど従来の怪談に必須だった要素をあえて避けた、いわば「純粋怪談」を全国各地で収集する一方、都市に潜み棲む虚無性と人に潜み棲む暗部を怪異譚として表現する手法を模索する。
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