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Posted by ブクログ
美人画で高名な上村松園が、画業に一生をかけた自らの修行人生について、折節に語った文章をまとめたもの。
女性が画をやるというのが珍しかったころ、新たな道を切り拓いていった苦労や、その道を支えてくれた母親への愛情などが沁み沁みと感じられる。
あらゆる艱難と闘い通し、それを克服して、絵筆三昧、芸術三昧の境地に徹することができるようになった、との文章があるが、そこに至るまでにいかほどの努力があったのか。声を大にして主張するような文章こそないものの、一つの作品を仕上げるまでの精進がしのばれる。
《序の舞》、《母子》がとても好きだ。
本書にはまた、清方や長谷川時雨、井上靖、円地文子など