ノンフィクション - NHK出版作品一覧

  • 原発事故 最悪のシナリオ
    5.0
    福島第一原発事故発生後、東日本壊滅を想定した複数の極秘シナリオが書かれていた! 官邸、米軍、自衛隊、東電がそれぞれに準備していた「最悪のシナリオ」。未曽有の危機を前に、危機管理を担う当事者たちは何を考え、どう動いたのか? 関係者100余名への独自取材をもとに、日本危機管理の実像に迫る! 第64回JCJ賞受賞のNHK・ETV特集が書籍化! 〈目次〉 プロローグ 「最悪のシナリオ」の謎 第1章 沈黙 Too Late――遅すぎたシナリオ / 3月12日、1号機水素爆発の衝撃 / パニックへの恐怖 / 動き出したアメリカ 第2章 責任と判断 怖れていた連鎖――3月14日、3号機水素爆発 / 東電本店の危機感 / 巻き込まれた自衛隊 / アメリカの焦り / 「撤退か否か」――判断を迫られた、官邸の政治家たち / 15日早朝、やってきた〝そのとき〞 第3章 反転攻勢 関東圏に到達した放射能 / それは〝誤認〞だった / 「使用済み燃料プール」という名のモンスター / ヘリ放水作戦開始 / 英雄的行為 /分水嶺 第4章 終結 吉田所長の〝遺言〞 / 東電―自衛隊、非公式会談 / アメリカの大規模退避計画 / 自衛隊の覚悟 / 日本政府版「最悪のシナリオ」とは何だったのか / 最後の謎 エピローグ 「最悪のシナリオ」が残したもの
  • 下町ボブスレー 世界へ、終わりなき挑戦
    5.0
    さまざまなメディアで取り上げられている「下町ボブスレー」について、 その「プロジェクト」誕生から「ソチ五輪」不採用という無情の通告、 そして、2013年末に行われた「全日本選手権」の結果 (ソチ五輪不採用となった「下町ボブスレー」が、じつは大会最速のそりだった!!)まで……。 80人を超える関係者へのインタビューをもとに、 プロジェクトの誕生から最新の動向までが、一冊の「物語」になった。 プロジェクトおよびその周辺の動きを丹念に追い、最新情報までを網羅した「下町ボブスレー」ドキュメントの決定版!! 第1章 模索―なぜ日本選手は外車に乗っているのか? 第2章 始動―勝つための設計図 第3章 製作―いい仕事をして、勝利をつかもうぜ 第4章 滑走―氷上のボブピース 第5章 選手―速いそりをつくるだけでは勝てない 第6章 結束―広がる応援の輪 第7章 悲願―終わりなき挑戦

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  • プロジェクトX 挑戦者たち 黒四ダム 1千万人の激闘
    5.0
    昭和33年、黒部の絶境に2億トンの水をせき止め、高さ186mのダム本体工事が始まった。当時関西の電力需要はひっ迫、工期の遅れは許されなかった。工事責任者は、間組の大マムシこと中村精。作業員は全国から集められた若者2000人。工期短縮のため、作業の遅れは許されない緊迫した現場だった。しかし、過酷な自然は襲いかかる。伊勢湾台風の直撃、大雪崩。それでも、電力を生み出すため作業員たちはあきらめなかった。

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  • プロジェクトX 挑戦者たち 東洋一の巨大ホテル 不夜城作戦に挑む
    5.0
    約2000棟もの超高層ビルが乱立する日本。40階建ての建物を2年余りで完ぺきに造り上げる世界屈指の技術力を誇る。その原点となったのは、昭和38年に始められた東洋一のホテル「ホテルニューオータニ」の建設だった。翌年に控えた東京五輪に向けた建設。許された期限はわずか17か月。地上17階の巨大ホテル造りに、さまざまな新工法がさく裂。途中、世界最大の回転ラウンジの追加注文が来るも、何とか完成させる。

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  • プロジェクトX 挑戦者たち 鉄道分断 突貫作戦 奇跡の74日間
    5.0
    1995年の阪神・淡路大震災。壊滅的な被害を受けた鉄道網。町の復興には1日も早い復旧が必要だった。JRと共に挑んだのは、地元建設会社の技術者たち。工期短縮のため考えた、落ちた高架橋をジャッキアップし再利用する前代未聞の工法。しかし、難航を極めた。度重なる余震に2次災害の危機。真冬の深夜に及ぶ工事。技術者たちの疲労は限界に達していたそのとき、思いもかけぬ横断幕が技術者たちを励ました。

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  • プロジェクトX 挑戦者たち 日本技術陣 一億の地雷に挑む
    5.0
    世界各地に残る地雷は1億個、そのすべてを除去するには、およそ1000年かかると言われる。そこに、蒲田の町工場の技術者たちが立ち上がった。最新のレーダー技術を使って、安全で確実な地雷探知装置開発に挑んだのだ。その取り組みは大きなうねりとなり、日本を代表する企業も協力を名乗り出た。試作機を手に、向かったのはカンボジア・タイ国境。かつてポルポト派が拠点を置いた最悪の地雷地帯だった。

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  • プロジェクトX 挑戦者たち 成功へ 退路なき決断 大阪万博 史上最大の警備作戦
    5.0
    昭和45年に大阪で開かれた「日本万国博覧会」。高度成長期を象徴する史上最大のイベントを支え、その後のイベント警備の原点を形づくった人々の知られざる奮闘を描く。

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  • プロジェクトX 挑戦者たち 未踏の地平をめざせ 桂離宮 職人魂ここにあり~空前の修復作戦~
    5.0
    情熱に満ちた人々の挑戦を描くドキュメンタリー番組「プロジェクトX」第7期シリーズ。昭和51年に行われた京都・桂離宮の空前の大修理に挑んだ大工の棟梁・川上英男。今作は、日本が誇る建築物の復活に賭け、困難な仕事に立ち向かった男たちの姿を描く。

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  • プロジェクトX 挑戦者たち 未踏の地平をめざせ 醤油 アメリカ市場を開拓せよ
    5.0
    戦後まもなく、敗戦の混乱から醤油メーカーは存亡の危機に。そんな中、醤油を世界に広めるという挑戦を始めた野田醤油(現キッコーマン)の茂木啓三郎らの苦闘を描く。

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  • プロジェクトX 挑戦者たち 熱き心、炎のごとく  男たちのH-IIロケット 天空へ
    5.0
    日本が誇る純国産ロケット、H-II。 それは、日本の先端技術の粋を尽くした、技術者たちの意地の結晶だった。 昭和30年代の開発黎明期から、平成6年のH-IIロケット打ち上げ成功まで、40年にわたる男たちの熱き戦いを、2週に渡って、放送する。  「ロケット開発の父」と言われる東大教授糸川英夫が、日本初のロケット発射実験を 行ったは、昭和30年。使われたロケット「ペンシルロケット」は、大きさ23センチの小さなものだったが、その影響は計り知れなかった。この実験を知り、多くの若者がロケット開発を志していく。  しかし、その後のロケット開発は苦難の連続だった。計画は難航し、ついにアメリ カの技術を導入することを余儀なくされる。技術の一部は、日本の技術者は全く見ることのできない「ブラックボックス」になっていた。  国産ロケット計画実現に向けての技術者たちの執念の戦いを描く。

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  • プロジェクトX 挑戦者たち 熱き心、炎のごとく  霞が関ビル 超高層への果てなき闘い地震列島 日本の革命技術
    5.0
    地上36階、高さ147メートル。昭和43年に完成した「霞が関ビル」は、日本初の超高層ビルである。  それまでは、関東大震災後に作られた建築基準法により、ビルの高さは31メートルに制限されていた。地震と台風の国・日本では、高いビルの建設は不可能とされていた。   建設のリーダーは、鹿島建設の二階盛(50)。自ら関東大震災を経験し、多くの友人を亡くした二階は、日本初の難工事に果 敢に挑んだ。二階は、「初めての試みには、新たな発想が必要」と、35歳以下の技術者しか加えなかった。後に“二階学校”と呼ばれる150名のプロジェクトの誕生だった。  地震に強い柔構造ビルのヒントは、関東大震災でもビクともしなかった寛永寺の五重塔にあった。一本の柱で支えられている五重塔は揺れに強い。147メートルに達する柱をいかにまっすぐに立てるか。これが霞が関ビル建設の鍵だった。  しかし、肝心の鉄骨は、建設中に、すぐに微妙に曲がってしまった。計り直して修正しても、翌日にはまた曲がった。  一体なぜなのか?その原因が全く分からず、担当の角田勝馬(19)は、焦りを募らす。早く解決しなければ、台風シーズンを迎え、工期に間に合わなない。二階と若手技術者は、この危機をどう乗り越え、完成に導いていったのか・・・。  二階学校での技術者の奮闘を軸に、日本初の摩天楼が完成するまでの1000日の熱いドラマを描く。

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  • プロジェクトX 挑戦者たち ジャパンパワー、飛翔 エベレストへ 熱き一四〇〇日日本女子登山隊の闘い
    5.0
    標高8848M、世界最高峰エベレスト。昭和50年5月16日、女性だけの登山隊がエベレスト登頂に成功した。世界初の快挙を成し遂げたのは、主婦やOL、教師など15人の日本人女性チームだった。 登山隊のメンバーたちがエベレストに夢を抱き始めたのは昭和45年。植村直己がエベレスト登頂に成功した年だった。 しかし女性だけの海外遠征に社会の目は厳しかった。「女性だけでは絶対に無理」「主婦は家庭を守るべき」と言われ続けた。組織作りから資金集めに至るまで、3年に及ぶ準備期間は苦難の連続だった。 更にエベレストでは過酷な自然が待っていた。厳しい寒さ。高山病。突然の雪崩。命の危険に脅かされながらも、女性たちは夢を諦めず登山続行を決断する。メンバーの情熱を支えていたのは、故郷で成功を祈る家族や仲間達の存在だった。 家庭や仕事を抱え、母として女性として様々な問題に直面しながらも、自分たちの夢を叶えようとしたエベレスト隊の1400日のドラマを描く。

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  • プロジェクトX 挑戦者たち そして、風が吹いた ツッパリ生徒と泣き虫先生伏見工業ラグビー部・日本一への挑戦
    5.0
    全国で「校内暴力」の嵐が吹き荒れていた昭和49年春。京都一「荒れた」高校、伏見工業に一人の新任教師が着任した。山口良治、31歳。かつてラクビーの日本代表キッカーとして活躍した山口は、ラグビー部の指導に情熱を燃やしていた。しかし、伏見工業の荒廃ぶりは想像を超えていた。校舎の中をバイクが走り回り、授業中はみなトランプや麻雀をしていた。教師たちも見て見ぬふりをしていた。  最初の職員会議で山口はなきながら訴えた。「それでも、あなた達は教師ですか」  会議の後、校長と二人の若手教師が山口を追ってきて言った。「山口君。一緒に学校をたて直してくれ」。こうして熱血教師たちの取り組みが始まった。  子供たちを立ち直させるためには、母校に「誇り」を持たせることが必要だった。そのためには不良の巣窟、ラグビー部を鍛え直し、全国大会に出ることを目標とする。  初の公式戦は、強豪・花園高校を相手に「112対0」で歴史的大敗。その屈辱をバネに、プロジェクトの闘いは始まった。泣きながら、身体ごと不良たちにぶつかっていく山口は「泣き虫先生」と呼ばれるようになっていった。そして、子供たちも次第に心を開き、全国優勝への夢に向かって突き進んでいく・・・。  今も教育界に語り継がれる、伝説の物語を描く。

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  • プロジェクトX 挑戦者たち 男たちの飽くなき闘い 海底3000メートルの大捜索HIIロケットエンジンを探し出せ
    5.0
    昨年11月15日、日本中に衝撃を与えた国産H2ロケットの打ち上げ失敗。 なぜ、突然、メインエンジンが止まったのか。ただちに始まった原因究明は困難を極めた。謎を究明するために必要なエンジン本体が太平洋のどこかに墜落してしまったためである。  「エンジンを見つけるしかない」。日本の宇宙開発の命運は、ある男たちに託された。海洋科学技術センターで深海の学術調査を行っていた門馬大和(ひろやす)研究員のグループである。門馬はかつてナホトカ号重油流出事故の際、沈没した船を発見した深海探査のプロ。音波装置を使った深海探査技術は世界でも並ぶものがいなかった。  与えられた期間は2週間。しかし、最新の音波探査装置「かいこう」を使っても、見つかったのはエンジンの配管と外側の覆い部分のみ。捜索打ち切りが決まったが、門馬は進退を賭けて、再調査を進言する。最新探査機「かいこう」は先約があって使えないため、20年前、自らが造った手作りの探査装置「ディープ・トウ」を使って、2度目の調査を開始する。  日程がないため、24時間体制で敢行された再調査。4日目、ついに門馬たちは、太平洋の海底に沈んでいたH2ロケットのエンジンを発見する。  日本の宇宙開発の命運を託された「深海のプロ」たちの知られざる格闘のドラマを描く。

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  • プロジェクトX 挑戦者たち 新たなる伝説、世界へ 白鷺舞え 空前の解体工事姫路城・定年前の大仕事
    5.0
    世界でも有数の巨大木造建築、国宝・姫路城。終戦後、倒壊寸前にまで荒廃していたこの城を救ったのは、昭和31年から8年間にわたって行われた解体修理である。高さ50メートルの天守閣をいったんバラバラに解体して、一から組み直す前代未聞の難工事となった。リーダーに指名されたのは、まじめ一途な文部技官・加藤得二。奈良で寺院の修復を手がけていた加藤にとって、姫路城は経験したこともない巨大建築物だった。ふるさとの城を救えと、地元の大工など100人が参加し、「播州一の宮大工」と謳われた和田通 夫が、棟梁を務めた。最大の問題は、城の要となる長さ25メートルの心柱(しんばしら)。大きく傾き、内部が腐っていた。代わりとなる、巨大なヒノキを求めて、加藤は日本中を歩き回る。巨木探しのさなかを襲った、思いがけない事故。プロジェクト最大の危機に、和田が発した起死回生の一言とは・・・誇りと技をかけて、天下の名城をよみがえらせるために闘った男達の壮絶なドラマを描く。

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  • プロジェクトX 挑戦者たち 勝者たちの羅針盤 海賊襲撃 マラッカ海峡の闘い
    5.0
    マレーシアとインドネシアを隔てる、マラッカ海峡。日本の貿易を支える海の大動脈である。全長1000キロの海峡は、大型船にとって、浅瀬が続く航行の難所。突然のスコールが視界を奪う。さらに、もう一つ恐ろしい敵が潜んでいる。海賊である。海賊は、漁船を装ってターゲットの船に近づき、隙をついて襲撃。時には、船をまるごと奪い、乗組員を殺害、貨物を転売する。マラッカ海峡は、世界一の海賊出没水域。魔の海峡と呼ばれる。1999(平成11)年10月。日本の貨物船アロンドラ・レインボー号が、インドネシア・スマトラ島で時価13億円のアルミ塊を積みこみ、マラッカ海峡にさしかかった時だった。海賊が、長刀と銃を振りかざし、乗り込んできた。船長の池野功とフィリピン人乗組員、計17人を縛り上げ、救命ボートに乗せて、大海に放り出した。「貨物船が消息を絶った」船会社からの通報を受け、海上保安庁と外務省が捜索に乗り出した。海上保安庁・救難課長の坂本茂宏は、巡視船「はやと」と哨戒機「ファルコン」を緊急出動させた。しかし、手がかりはつかめなかった。「海賊の仕業か。」皆、最悪の事態を思い、震撼した。マレーシアの日本大使館に出向中の、海上保安庁の技術者・楠勝浩が情報収集にかかった。楠はクアラルンプールにあるNGO「海賊情報センター」に協力を仰ぐ。沿岸諸国の港や漁業関係者に片っ端から網をかけた。しかし、舞い込む情報は、どれも偽物。海賊が捜索の攪乱を狙って流したものだった。捜索は、国境を越えた情報戦となった。日本人が巻き込まれた、初めての海賊事件。必死で捜索にあたった人々の、17日間のドラマを描く。

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  • プロジェクトX 挑戦者たち 技術者魂よ、永遠なれ  男たちの復活戦 デジタルカメラに賭ける
    5.0
    不況の中、猛烈な勢いで売り上げを伸ばしている商品がある。デジタルカメラ。通称デジカメ。フイルムも現像も必要なし。撮ったその場ですぐに見られ、インターネットで瞬時に遠く離れた場所に送ることができる夢のカメラである。 1995年、世界で初めてデジカメを大ヒットさせたのは、カシオ計算機の末高弘之率いる若き技術者たち。1987年、最初の製品を発売。しかし、動画の撮れるカメラが流行し始めたため、全く売れなかった。残された大量の在庫と赤字。プロジェクトは解散となり、末高たちも商品に直結しない基礎研究部門に異動となった。 当時はバブルの絶頂期。楽に一攫千金できる財テクがブームとなり、地道な物作りは時代遅れと言われた。理工系の学生が給料の高い金融機関に流れるメーカー離れ現象が発生。製造業は取り残された。 そんななか末高たちは会社トップに秘密のプロジェクトを結成し、ひたむきにデジタルカメラ開発を続ける。しかし、できた試作品は重さ3キロ、特大の弁当箱並み。商品化にはほど遠かった。 苦境を乗り越えるバネになったのは、戦後の日本を支えてきた物作りへの熱い思いだった。地道な開発努力はやがて小型化に結実。パソコン時代到来を見事に読み、大ヒットへとつなげていく。 バブルに翻弄されながら、物作りの夢をあきらめず、デジカメ開発を続けた若者たちの10年におよぶ執念のドラマを描く。

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  • プロジェクトX 挑戦者たち 起死回生の突破口 アンコールワットに誓う 師弟の絆
    5.0
    10年に及ぶ内戦が続いたカンボジア。世界遺産アンコールワットは、無残に破壊、放置された。35人いた遺跡保存官はポルポト派によって虐殺され、生き残ったのはわずか3人だった。アジアの宝は崩壊を待つばかりだった。 「亡くなった友のために、そして民族の誇りを取り戻すために、アンコールワットを修復したい。」生き残った保存官の一人、ピッ・ケオさんは、助けを日本の友に求めた。その男は戦前、カンボジアの技術者と共に、アンコールで修復に汗を流した鹿児島大学の教授(現上智大)・石澤良昭だった。 「金だけの支援はしない。一から修復技術者を育て、彼らの手でアンコールワットを蘇らせる。」石澤は、アンコール遺跡国際調査団を組織し、「石の心を読む」といわれたベテラン石職人、小杉孝行の協力を得てカンボジアへ渡った。 集まった現地の若者は20人。しかし修復への道のりは、困難を極めた。「伝統的な石職人の技を全て伝えたい。」小杉は、日本と同様、厳しい修行を始めた。しかし、生活のためと割り切って働くカンボジアの若者達に、職人の心は伝わらなかった。重い石に負けない体力を付けさせようと米や肉を持たせても、家族に食べさせてしまう貧しさが立ちはだかった。「一人前の石職人になって欲しい。」時には、手が出るほどの厳しさに耐えられず、辞めていく者が相次いだ。「アンコールワットを作り上げた君たちの祖先の仕事はいかにすごいか。」団長の石澤は、歴史を知らない若者達に必死に説き、懸命に皆をまとめた。 7年に及ぶ修行期間が終わり、今年ようやく本格的な修復作業に入ったアンコールワットの西参道。日本人とカンボジア人が、激しくぶつかり合う中で心を通わせ、一人前の石職人が誕生するまでのドラマを描く。

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  • プロジェクトX 挑戦者たち 開拓者精神、市場を制す 料理人たち 炎の東京オリンピック
    5.0
    昭和34年、東京オリンピックの開催決定に日本中が沸いていた。しかし、大きな問題が起きていた。選手村の食事作りである。世界90カ国以上の国々から集まる選手たち。その数、実に7000人。世界中の料理、2千種類、延べ60万食という、空前の規模の食事を作らなくてはならなかった。しかし、当時、日本の料理界の力は世界に未知数。世界各国から不安の声が挙がった。 料理作りに挑んだのが、帝国ホテルの料理人、村上信夫をリーダーとする一流ホテルのシェフたちだった。戦前から厳しい料理修行を積み、パリにも留学、最高のフランス料理を極めようとしていた村上。このプロジェクトに、料理人の誇りをかけて挑むことになった。 村上らは、世界各国の料理メニューを作るべく奮闘する。問題は、知識の全くない、アジア・アフリカ・中南米などの料理。村上は、在日大使館に赴き、大使の妻などに、料理法を学び続けた。更に大きな問題が立ちはだかった。膨大な量となる食材の確保である。唯一の対策方法は冷凍食材を使うこと。しかし、当時の料理界の常識は「冷凍食材は味が落ちる」。村上たちは、冷凍食材をものにしようと、懸命な努力を続ける。 そしてオリンピックの開幕。膨大な食事を作るため、村上の元に、300人の若手料理人が全国から集められる。街の大衆食堂からやってきた者もいた。北海道からは23人の若者が集まった。札幌、釧路、稚内などからやってきた彼らは、「ふるさとの代表として恥ずかしくない仕事をしよう」と誓い合う。 しかし、その時、各国選手団が連れてきた自国のエリートシェフたちが厨房に登場。更に、オリンピック開催中、料理人たちの身に、事件が襲いかかる。果たして、日本人料理人の食事を世界の選手は満足してくれるのか。東京オリンピックを支えた料理人たちの、知られざる料理作りを描く。

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  • 雪ぐ人 えん罪弁護士 今村 核
    4.8
    感動を呼んだドキュメンタリー番組、NHK『ブレイブ 勇敢なる者「えん罪弁護士」』(2016年11月放送)の出版化。大きな身体に、白髪交じりのボサボサ頭。ドラマなどで観る敏腕弁護士とはかけ離れた風貌をしたその男は、「罪を負わされた被告人のえん罪」と、「自身の中に積った心のおり」の両者を雪ぐために司法の壁に立ち向かう──。
  • わたしは「セロ弾きのゴーシュ」 中村哲が本当に伝えたかったこと
    4.6
    25キロの用水路を拓き、65万人の命をつないだ医師は、何を語ったのか 2019年12月4日、アフガニスタンで銃撃され亡くなられた医師・中村哲さん。本書は、中村さんが出演したNHK「ラジオ深夜便」の6番組より、インタビューに答えるその肉声を忠実に再現するものです。ハンセン病根絶計画から、空爆下の診療所開設と水源確保事業、そして用水路開通まで。「長年の活動の原動力は何でしょうか?」という問いに対して、中村さんは自らを、宮沢賢治の童話の主人公「セロ弾きのゴーシュ」にたとえました。本書には、本人が執筆したらおそらく触れなかったと思われる感慨や本音が随所に表れています。自身について多くを語らなかった医師・中村哲の心の内を知ることのできる貴重な証言の記録です。 【目次】第一章 ハンセン病根絶を目指して (1996年2月22日 中村哲49歳)/第二章 もの言わぬ民の命を (2002年2月16日 中村哲55歳)/第三章 アリの這う如く (2004年6月5日 中村哲57歳)/第四章 命の水 (2005年8月20日 中村哲58歳)/第五章 難民と真珠の水 (2006年9月16日 中村哲60歳)/第六章 開通した命の用水路 (2009年12月5日 中村哲63歳)
  • ラジオと戦争 放送人たちの「報国」
    4.5
    1925 年に登場し、瞬く間に時代の寵児となったラジオ。そのラジオ放送に携わった人々は、ラジオの成長と軌を一にするかのように拡大した「戦争」をどう捉え、どう報じたのか、あるいは報じなかったのか。また、どう自らを鼓舞し、あるいは納得させてきたのか。そして敗戦後はどう変わり、あるいは変わらなかったのか――。 上記をテーマに、NHK放送文化研究所の月刊誌「放送研究と調査」は、2017 年8 月号~21 年12 月号で、5 年にわたり「戦争とラジオ」を掲載した。その連載を単行本化したものが本書である。筆者の大森淳郎はNHKのドキュメンタリー番組のディレクターとして、戦争中のラジオについても長年取材を続けたのち、2016年~22年12月まで同研究所の特任研究員を務めた。 本書では、記者・ディレクター・アナウンサー…といった「放送人」たちが遺した証言と記録、NHKにある稀少な音源・資料などを渉猟し、丁寧にたどり、検証しながら、自省と内省の視点を欠くことなく多面的に「戦争とラジオ」の関係を追う。 ひいては、非常時において、メディアに携わる者がどのように思考・模索し、振る舞うべきなのかをも照射したノンフィクション。
  • 天、共に在り アフガニスタン三十年の闘い
    4.5
    困っている人がいたら手を差し伸べる ――それは普通のことです。 1984年よりパキスタン、アフガニスタンで支援活動を続ける医師・中村哲。治療のために現地へ赴いた日本人の医者が、なぜ1600本もの井戸を掘り、25.5キロにもおよぶ用水路を拓くに至ったのか?「天」(自然)と「縁」(人間)をキーワードに、その数奇な半生をつづった著者初の自伝。 〈目次〉 はじめに――「縁」という共通の恵み 序章 アフガニスタン2009年 ◆第1部 出会いの記憶1946~1985 第1章 天、共に在り 第2章 ペシャワールへの道 ◆第2部 命の水を求めて1986~2001 第3章 内戦下の診療所開設 第4章 大旱魃と空爆のはざまで ◆第3部 緑の大地をつくる2002~2008 第5章 農村の復活を目指して 第6章 真珠の水―用水路の建設 第7章 基地病院撤収と邦人引き揚げ 第8章 ガンベリ沙漠を目指せ ◆第4部 沙漠に訪れた奇跡2009~ 第9章 大地の恵み――用水路の開通 第10章 天、一切を流す――大洪水の教訓 終章 日本の人々へ アフガニスタン・中村哲 関連年表
  • ナワリヌイ プーチンがもっとも恐れる男の真実
    4.5
    国際情勢を揺るがす反体制派指導者と国家権力の攻防! ロシア当局が命じたとされる毒殺未遂事件、療養先から帰国直後の拘束――その安否が国際的な注目を集めるロシアの反体制派指導者ナワリヌイ。何度も拘束されながらも強権的なプーチン政権を揺さぶってきた活動家は、いかにしてクレムリン最大の脅威となったのか? 英雄視される一方で煽動家、差別主義者とも呼ばれるその実像とは? プーチンがいまなお恐れつづける男の反汚職および抗議活動家・政治家としての姿を通してロシアの奥深い闇と複雑な社会構造を抉り出す迫真のノンフィクション。 〈内容〉 第1章 アレクセイ・ナワリヌイとは何者か? 第2章 反汚職活動家として 第3章 政治家の誕生 第4章 抗議者として 第5章 クレムリンVSナワリヌイ 第6章 ナワリヌイとロシアの未来
  • 薩摩の密偵 桐野利秋 「人斬り半次郎」の真実
    4.5
    幕末維新期きっての剣客「人斬り半次郎」として知られる桐野利秋とは、果たして何者だったのか。司馬遼太郎が描いた人物像の検証から、幕府と雄藩の間で繰り広げられた情報戦の内実、維新後に陸軍少将に大出世できた本当の理由、西南戦争での壮絶な最期まで。激動の時代に暗躍した西郷隆盛の懐刀の実像に迫る、初の本格評伝。
  • アンを抱きしめて 村岡花子物語
    4.5
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「曲がり角のさきにも必ず素晴らしい出会いがあり、 美しい景色が広がっています」 女学校に給費生として入学し、関東大震災や戦争を乗り越え、戦後、日本で初めて『赤毛のアン』を翻訳した村岡花子。アンの数々のエピソードと不思議な縁でつながる彼女の生涯を、NHK連続テレビ小説『花子とアン』の原案・村岡恵理の文章と、人気イラストレーター・わたせせいぞうの絵で贈る、勇気と希望に満ちた珠玉の絵本。
  • ヤノマミ
    4.5
    ヤノマミはアマゾン最深部で独自の文化と風習を1万年以上守り続ける民族。シャーマンの祈祷、放埒な性、狩りへの帯同、衝撃的な出産シーン。150日に及んだ同居生活は、正に打ちのめされる体験の連続。「人間」とは何か、「文明」とは何か。我々の価値観を揺るがす剥き出しの生と死を綴ったルポルタージュ。 第42回大宅壮一ノンフィクション賞受賞作。

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  • プロジェクトX 挑戦者たち ラストファイト 名車よ永遠なれ
    4.5
    国内の自動車レースの最高峰・日本グランプリ。昭和41年、世界のポルシェに果敢に挑んだ日本の技術者たちがいた。会社の名は、プリンス。規模は小さいが、技術は抜群。あの名車・スカイラインを擁していた。だが、会社は、大手・日産への吸収合併が決まっていた。男たちは、意地と誇りを賭けた最後の闘いに打ってでる。国際競争の荒波の中、自らの技術力で乗り越えた技術者たちの伝説のラストファイトを描く。

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  • プロジェクトX 挑戦者たち 命輝け ゼロからの出発 運命のZ計画/世界一売れたスポーツカー伝説
    4.5
    昭和45年、一台の日本製スポーツカーが登場した。  フェアレディーZ。発売後たちまちアメリカ市場を席巻し、スポーツカーとしては世界一、140万台の売り上げを記録した伝説の名車である。開発の陰には、日の当たらない部署で仕事に打ち込んでいた自動車マンたちの執念があった。  昭和35年、一人の男がアメリカに渡った。片山豊、50歳。日産自動車で宣伝畑を歩いていたが、突然渡米を命じられた。当時、日本車の輸出は始まったばかり。片山は売り込みに走るが「二流の車」と言われ、全く売れなかった。  ある時、片山はスポーツカーに目をつける。ポルシェやジャガーなど人気のスポーツカーは、庶民には高嶺の花。「手頃な値段で高性能のスポーツカーを作れば、きっと売れる。二流のイメージも払拭(ふっしょく)できる。」  しかし、当時は大衆車が主流。スポーツカーなど売れないと猛反発にあう。  開発は、デザインとハードの激しいせめぎ合いとなった。デザイナーが思い描いたのは、斬新な低い流線型のシルエット。しかし、新型6気筒エンジンを積み込むと、ボンネットに収まらず出っ張った。特徴的な短い後部のため、ガソリンタンクとギアがぶつかり、故障した。メンバーは試行錯誤を重ね、東名高速でテスト走行を繰り返す。  全くの手探りで開発に挑んだ日本製スポーツカーが、世界的評価を獲得するまでの知られざる自動車マンたちのドラマを描く。

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  • プロジェクトX 挑戦者たち 翼よ、よみがえれ 厳寒 黒四ダムに挑む断崖絶壁の輸送作戦
    4.5
    のべ1千万人が働き、巨大プロジェクトの代名詞といわれた「黒四ダム」。その難工事の最大の焦点は、断崖絶壁がそそり立つ秘境・黒部に、60万トンにおよぶ資材をいかに運び上げるかだった。 資材輸送の大動脈としては、長野県から山をくり抜き黒部に達する「大町トンネル(現・関電トンネル)」が計画された。しかし、最低1年かかるトンネルの完成を待っていては、7年の工期に間に合わない恐れがあった。ダムの本体工事を受注した間組は、壮大な輸送作戦を計画する。400人に及ぶ強力で人力輸送を始める一方、標高2700メートルの立山の尾根をブルドーザーで越える前代未聞の挑戦に乗り出した。更に、トンネルをダムの建設地点から迎え堀りをするために、零下20度の黒部に5ヶ月間留まる越冬隊を組織した。 指揮に当たったのは、「大まむし」の異名をとった筋金入りのダム屋・中村精(くわし)。若者たちは、中村の号令の元に、全身全霊を込めて秘境・黒部に立ち向かっていった。 電力が経済復興の鍵だった昭和30年代、黒四ダムの建設に挑んだ男たちのドラマを追う。

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  • 猿神のロスト・シティ 地上最後の秘境に眠る謎の文明を探せ
    4.4
    襲いかかる毒蛇、ジャガー、不治の熱帯病…… NASAの最新テクノロジー×考古学調査 『ナショナル ジオグラフィック』の発表に世界中が騒然! 中米ホンジュラスに500年前から伝わる「猿神王国」伝説。熱帯雨林の奥地に、謎の古代都市群が存在していたという。過去、数々の探検家が都市の場所を突き止めようとしてきた。だが、ジャングルの脅威と殺人発生率世界一という政情不安に阻まれ、21世紀に至るまで、その一帯は人跡未踏のままだった…… 最新テクノロジーを駆使した空中からの探索と、命を賭した密林での探検。はたして、そこにはマヤ文明に匹敵する一大都市が栄えていたのか?なぜ、彼らは忽然と姿を消したのか? 世界中が固唾をのんで見守った一大発見をスリリングに描き出す、考古学アドベンチャー・ノンフィクション。
  • 命のビザを繋いだ男 小辻節三とユダヤ難民
    4.4
    日本のシンドラー・杉原千畝の「命のビザ」で日本に逃れたユダヤ難民6000人。しかし許された滞在期間はわずか10日あまり。ビザが延長できない場合、彼らを待っているのはホロコーストの地獄だった。そんなユダヤ人たちに命を賭して救いの手を差し延べたのが、ヘブライ語学者・小辻節三であった。なぜ、どのようにして、小辻はユダヤ人たちを安全な地へと導いたのか? 小辻の生きざまに惹かれた俳優の山田純大が、イスラエル等を取材し、昭和史に埋もれた真実を明らかにする。

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  • モリー先生との火曜日
    4.4
    スポーツコラムニストのミッチ・アルボムは、テレビで偶然、恩師を見かける。モリー先生は、体が動かなくなる難病に侵されていた。見舞いに訪れたミッチにモリーは言う。「憐れむより君の問題を話してくれないか」。毎週火曜日、二人だけの最後の授業が始まった。テーマは「人生の意味」について。

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  • 別冊NHK100分de名著 「わが道」の達人 水木しげる
    4.3
    生と死の「境界」に魅せられた、唯一無二の鬼才 「100分de水木しげる」(2022年8月27日放送)が待望の書籍化! 「鬼太郎」「悪魔くん」から「のんのんばあ」「ラバウル戦記」まで。各界を代表するファンが集い、多彩な作品の魅力を熱く語りながら、「わが道」を極めた水木流の人生哲学を読み解く。図版も多数収載した決定版!
  • 明智光秀 牢人医師はなぜ謀反人となったか
    4.3
    文武兼ね備えたエリート武将は、いかに本能寺の変へと追い詰められていったのか。牢人医師としての出発点から、延暦寺焼き討ちで見せる冷酷さ、織田家中における異例のスピード出世、武官としての比類なき実力まで。近年急速に進む光秀研究の成果を踏まえ、謎多き素顔に英雄史観・陰謀論を排し、実証的に迫る。気鋭の中世史家による、渾身の一作! 序章 新時代の子供たち 第一部 明智光秀の原点 第一章 足利義昭の足軽衆となる 第二章 称念寺門前の牢人医師 第三章 行政官として頭角を現す 第四章 延暦寺焼き討ちと坂本城 第二部 文官から武官へ 第五章 織田家中における活躍 第六章 信長の推挙で惟任日向守へ 第七章 丹波攻めでの挫折 第八章 興福寺僧が見た光秀 第三部 謀反人への道 第十章 領国統治レースの実態 第十一章 本能寺の変へ 終章 明智光秀と豊臣秀吉
  • NHK「100分de名著」ブックス 石牟礼道子 苦海浄土 悲しみのなかの真実
    4.3
    工場排水の水銀が引き起こした“文明の病”「水俣病」について、患者とその家族の苦しみを、同じ土地に生きる著者が記録した『苦海浄土』。「水俣病」という固有名にとどまらず、人間の尊厳について普遍的な問いを発し続ける一冊として、ジャンルに縛られない新たな「文学」として読み解いていく。
  • ささやかながら信じる心があれば
    4.3
    「私が死んだら、きみが葬式で弔辞を読んでくれ」ユダヤ教のラビからの突然の依頼に、とまどうミッチ。断ることもできず、いつ来るとも知れぬその日のために取材を開始する。長い間、宗教とは距離をおいてきた彼は、「なぜ宗教を理由に人々は殺し合うのか」「神が人をつくったのなら、なぜ人は悪事を働くのか」など、ラビに日頃の疑問を投げかける。 取材が八年におよぶなか、ミッチはひとりのキリスト教の牧師と出会う。人種も宗教も異なるふたりの宗教家との交流は、かたくなだったミッチの心に新たな価値観をもたらすことに…。

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  • NHK「100分de名著」ブックス フランクル 夜と霧
    4.2
    “何か”があなたを待っている。 “誰か”があなたを待っている。 ナチスによるホロコーストを経験した心理学者フランクル。彼は強制収容所という過酷な状況に置かれた人間の様子を克明に記録し、「人間とは何か」という普遍の問いにひとつの答えを見出そうとした。人は、何に絶望し希望するか。時として容赦なく突きつけられる“運命”との向き合い方を探る。姜尚中氏の特別寄稿も新たに収載!
  • BORN TO RUN 走るために生まれた ウルトラランナーVS人類最強の“走る民族”
    4.2
    ノー・ランニング、ノー・ライフ!この冒険は、ランナー誰もが抱くひとつの疑問から始まった──なぜ僕の脚は走ると痛むのか? 真実のランを目指すウルトラランナーたちは、やがて、メキシコの秘境をサンダルだけで一昼夜走り続けるタラウマラ族と邂逅する! 人類は、走るために生きている──いや、生きるために走っている!

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  • 標高8000メートルを生き抜く 登山の哲学
    4.1
    歩いて宇宙に近い場所へ―― 極限に挑むプロ登山家、初の著作! 二度も死にかけた男が、それでも挑戦を続けられるのは何故か? 超高所で生死を分ける「想像」の力とは? 地球上に存在する8000m峰全14座に登頂し、日本人初の“14サミッター”となった著者が、病弱だった少年時代からの歩みを辿りながら、難局を乗り越えるための哲学を明かす。読むだけで息が苦しくなるような迫真のドキュメント!

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  • NHKスペシャル 100年の難問はなぜ解けたのか―天才数学者の光と影
    4.1
    2007年1月、“宇宙の形を知る手がかり”といわれ、幾多の数学者が挑み、挫折し続けた難問「ポアンカレ予想」が解かれた。「数学界の残酷物語」とも「変人数学者たちの大いなる浪費」ともいわれたこの難問への挑戦。その苦難と敗北の歴史を軸に、天才数学者たちの生き方と数学の魔力を描く。

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  • わたしを宇宙に連れてって―無重力生活への挑戦
    4.1
    宇宙には人間が生きるために必要なものが何もない。「空気、重力、生鮮食品、あったかいシャワー、プライバシー、ビール…」人間は何にどれだけ耐えられるのか? 無重力空間で健康は保てるのか? 一般人が宇宙に行くことは実現可能か? 口の堅い宇宙開発研究ラボの扉をこじ開けた、渾身の体あたりルポルタージュ。

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  • 母、アンナ ロシアの真実を暴いたジャーナリストの情熱と人生
    4.0
    いまプーチンが、最も世界に読まれてほしくない本!  アンナ・ポリトコフスカヤ。彼女が殺されたのはプーチンの誕生日だった。  娘は語る。「わたしの母は、ロシア当局にとってのみならず、一般の人たちにとっても、つねに居心地の悪さを感じさせる人だった。兵士や犯罪組織、そして戦争という『肉挽き機』に巻きこまれた一般市民について、残酷な真実をありのままに報じ、苦悩や流血、死、ばらばらになった肉体、打ち砕かれた希望を文字にした」  ロシアを代表するリベラル紙「ノーヴァヤ・ガゼータ」の記者アンナ・ポリトコフスカヤは、死の間際まで、第二次チェチェン戦争や、プーチン政権下のロシアにおける汚職や犯罪、「沈黙の掟」についてペンを執りつづけた。2006年10月7日、アンナがモスクワの中心部にある自宅アパートで殺害されると、その姿はたちまち言論の自由の象徴となった。  当時二十六歳だった娘のヴェーラは、その日以降、兄のイリヤーとともに、正義のために戦ってきた。そして、ロシアの司法機関の緩慢や杜撰、矛盾する情報やあまりに理不尽な憶測といった問題を、身をもって経験してきた。それでも彼女は、母アンナの遺した教訓を人々の記憶にとどめるために戦いつづけてきた。「勇敢でありなさい。そしてすべての物事を然るべき名前で呼ぶのです。独裁者は独裁者と」  ロシアによるウクライナ侵攻が始まると、ポリトコフスカヤという名字はふたたび殺害の脅迫の対象となり、ヴェーラは家族とともに、行先を伏せて国外へ移り住むことを余儀なくされた。彼女が本書の執筆を決意したのは、母アンナがその腕に抱くことの叶わなかった孫である自身の娘、そして全世界の人びとの記憶に、母の物語を刻みたかったからだ。ウラジーミル・プーチンの政治を歯に衣着せずに批判し、人々を脅かす「大ロシア帝国」構想の立役者となった元KGB将校によってロシアでおこなわれてきた人権侵害を怯むことなく告発した、ひとりの女性の唯一無二の物語を。 【内容】 プロローグ 哀惜の響き 第一章 「眠らない目」  第二章 父  第三章 クーデター 第四章 プーチンの王国 第五章 報道と検閲 第六章 母なら「戦争」と呼んだだろう 第七章 貧しき者たちの戦争 第八章 脱出 第九章 約束 第十章 「こんなこと二度とごめんだわ」 第十一章 モスクワの錯乱者 第十二章 わたしだったかもしれない 第十三章 兄妹、記憶をたぐりよせて 第十四章 プーチンの毒薬 第十五章 幸せはココナッツチョコレート 第十六章 マーティンとファン・ゴッホ 第十七章 襲撃 第十八章 徒労 第十九章 最後の取材 第二十章 自由の国の亡霊 第二十一章 家が燃え、橋が焼け落ちる
  • カムカムエヴリバディ 平川唯一と「ラジオ英語会話」の時代
    4.0
    朝ドラ「カムカムエヴリバディ」、その出発点の英語講座の誕生ヒストリー 終戦直後1946年2月から始まった「ラジオ英語会話」、通称「カムカム英語」は、瞬く間に人々の心をつかみ、困難な時代に生きる人々の希望の光となった――。 「カム、カム、エヴリバディ♪」、証城寺の狸囃子のメロディーに乗せて流れるオープニング曲は子供たちの間で大人気となり、新しい時代の到来を感じる多くの人々が「ラジオ英語会話」の放送とテキストで英語を学んだ。 講師をつとめた平川唯一は、岡山の貧しい農家に生まれ、少年時代にアメリカに渡る。帰国後「ラジオ英語会話」の講師となり、英語を学ぶには「赤ちゃんのように口まねすること」を信条に、家庭での日常英会話を紹介。この講座で生きた英語に触れたことで、多くの人々が巣立っていった。 朝ドラ「カムカムエヴリバディ」ではこの時代のラジオ英語講座で学んだヒロインが登場。当時の人々がどのように英語を学んでいたのか、また平川唯一の激動の半生を、子息である平川洌がその時代背景とともに紹介。 序文では、朝ドラ「カムカムエヴリバディ」で平川唯一役を演じる、シンガーソングライターのさだまさし氏が寄稿。 「洌さんから『あなたは父の役にぴったりです』と言っていただき、本当にうれしかった」 そして現在の「ラジオ英会話」につながる番組ということで、「ラジオ英会話」講師の大杉正明氏、遠山顕氏、大西泰斗氏からも本書の推薦をいただいている。 ●本書は、一九九五年当社発行の『カムカムエヴリバディ~平川唯一と「カムカム英語」の時代~』を復刻し、新たに巻末に年譜・年表を加えたものです。文中に出てくる経歴・所属等は執筆当時のものです。
  • [現代語訳]ベスト・オブ・渋沢栄一
    4.0
    渋沢栄一の言葉を『論語と算盤』をはじめとした著作より厳選し、平易に現代語訳。挫折を乗り越え続けた彼の人生と思想を学ぶ! 2021年大河ドラマ「青天を衝け」主人公・渋沢栄一。彼は、幕末から明治期の激動の中で青春時代を過ごし、多くの事業を起こして「日本資本主義の父」と称されます。新1万円札の肖像となる渋沢は、日本経済そのものを作り上げた人物なのです。本書は、『論語と算盤』をはじめとする多数の彼の著作から、その人生と思想に触れるエッセンスをベスト・セレクト。 挫折を乗り越え続けた青春時代を経て、利益と公益を追い求めた壮年から晩年までの駆け抜けた【人生】。「正しく生きてこそ成功を掴むことができる」という彼の【思想】。同時代を生きた明治の偉人たちとの【交友録】。これらを、読みやすく現代語訳された渋沢本人の言葉から学ぼう!
  • いのちの終いかた 「在宅看取り」一年の記録
    4.0
    国民の半数以上が「住み慣れた家で逝きたい」と望んでいる。それを実践した人びとは、どのように最期を迎えたのか──。2人の訪問診療医が向き合った患者たちの最期の日々。大反響を呼んだNHK BS1スペシャル『在宅死“死に際の医療”200日の記録』(2018年6月放送)のディレクターが綴る、「葛藤」と「納得」の死を見つめた渾身のノンフィクション。
  • さまよう遺骨 日本の「弔い」が消えていく
    4.0
    超少子高齢化、核家族化、晩婚化に未婚化、熟年結婚・離婚率の上昇……。日本社会が大きく変化するなかで、さまよう遺骨が急増している。このことは決して他人事ではない。大切な人の遺骨や自分の遺骨が死後、行き場を失わないようにするために、わたしたちは誰にどう死後を託したらいいのか。変容する弔いのかたちを見つめ直し、「真の終活」とは何かを考える。 “遺骨・墓”問題を追ったNHKクローズアップ現代+待望の書籍化! もう“個”の単位では死者を弔えない。 〈内容〉 第一章 遺骨が捨てられる?! 第二章 遺骨を手放したい人々 第三章 急増する「墓じまい」と新たな弔いのかたち 第四章 誰に死後を託すか
  • 亜由未が教えてくれたこと “障害を生きる”妹と家族の8800日
    4.0
    著者は重い障害をもつ自らの妹にカメラを向けて番組を作ったディレクター。本書は、その妹と家族の24年間にわたる苦悩と喜びを、包み隠さずリアルに綴っていく。障害をもつ彼女が社会と多様な関わりをもてるように奮闘してきた、家族の悪戦苦闘の物語。『NHKスペシャル 亜由未が教えてくれたこと~障害者の妹を撮る~』(2017年9月放送)など3つの番組を元に出版化。
  • 西郷どんとよばれた男
    4.0
    薩摩藩の下級武士の家に生まれた西郷隆盛が、江戸城無血開城を成し遂げ、幕末維新の中心的役割を果たすに至った経緯を、大河ドラマの時代考証者がわかりやすく解説。農本主義と人材教育により、西郷が目指そうとしていたもう一つの近代日本の姿に迫る。
  • ゲノム編集の衝撃 「神の領域」に迫るテクノロジー
    4.0
    生物の設計図、遺伝子。そこに書き込まれたすべての遺伝情報が、ゲノムだ。 この驚異のテクノロジーは、ゲノムを“編集”することで、遺伝子を、そして生物そのものを変える。 食料・エネルギー問題を解決する品種改良。根治できないとされてきた難病の治療。デザイナーベイビーという新たな課題。 遺伝子を自由に操作する――。ゲノム編集は、SFの世界を現実のものとした。 本書は、次のノーベル賞候補と目される、この技術のメカニズムと最新成果を、国内外の研究者への取材を基に明らかにする。 これは複雑な生命現象に、進化を続ける科学技術が対峙する瞬間を目撃したジャーナリストによるレポートである。 ◆『NHKクローズアップ現代』の書籍化。 山中伸弥氏による序文と、ゲノム編集の国内における第一人者・山本卓氏(広島大学教授)へのインタビューも収載。
  • ウイスキーと私
    4.0
    ユーモアとダンディズムあふれる 伝説的自伝 日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。復刊にあたり、歌手・谷村新司の特別寄稿“琥珀色の「時」を飲む”を収載。

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  • プロジェクトX 挑戦者たち 町工場 復活のヘリコプター
    4.0
    農薬散布や空中撮影、さらに、災害現場や危険地帯の監視。そこで活躍するモノがある。「無人小型ヘリコプター」で35年前、この小型ヘリの世界に果敢にも挑んだ町工場があった。当時、倒産寸前だった紡績工場「ヒロボー」。若社長は家屋敷をすべて売り払い、開発に着手。当初は、ホビー用の小型ヘリだったが、「もっと世の中に役立ちたい」と、プロジェクトは、農薬散布用や自動飛行ヘリへと突き進んでいく。

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  • プロジェクトX 挑戦者たち 魔法の糸に懸ける
    4.0
    日本が世界に誇る魔法の糸「超極細繊維」。髪の毛の1600分の1という細さ。生地にすると、鹿革のような光沢とシルクのような手触りを生む。パーティードレスなど、高級服の服地として、世界で飛ぶように売れている。昭和45年、開発に挑んだのは、繊維メーカーで新規事業に失敗し、「敗残兵」と名指しされた瀬戸際の社員たちだった。あまりに細い糸がゆえの、製品開発の難しさ。一発逆転をかけた壮絶なドラマを描く。

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  • プロジェクトX 挑戦者たち 新羽田空港 底なし沼に建設せよ
    4.0
    日本の空の要「羽田空港」。かつて、その場所は「底なし沼」と呼ばれた魔のヘドロの海だった。足を踏み入れると抜け出せない超軟弱地盤。悪臭もひどかった。「羽田地獄だ」現場の作業員たちは、口々に言った。その難局に立ち上がったのは、日本の空港建設一筋に生きてきた技術者たち。あのスエズ運河の現場で腕を鳴らした男もいた。「絶対に日本の空を築いてみせる」。前代未聞、ヘドロとの格闘に挑んだ人々の壮絶な物語。

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  • プロジェクトX 挑戦者たち 100万座席への苦闘 みどりの窓口・世界初鉄道システム
    4.0
    鉄道大国・日本を支える巨大なシステムがある。「みどりの窓口」。全国8千の端末から列車の座席を予約。わずか3秒で発券する。かつて、指定券の受付は全て手作業。客は半日も待たされた。昭和33年、国鉄とメーカーの技術者が、当時計算機として出始めたコンピューターを使い、座席を割り当てるシステムの開発に乗り出した。二重発券やコンピューターのパンク。数々の困難を乗り越え、巨大システムを作った人々のドラマを描く。

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  • プロジェクトX 挑戦者たち 命輝け ゼロからの出発 国産コンピューター ゼロからの大逆転/日本技術界 伝説のドラマ
    4.0
    昭和49年、一台のコンピューターが世界中を驚愕(がく)させた。富士通が開発した大型コンピューター「M190(アメリカでの型式「470V/6」)」。世界最速の演算速度を実現し、巨大企業IBMの性能を凌駕(りょうが)し、NASAやベル研究所など、世界最高の頭脳集団へ輸出された、初の国産コンピューターである。  開発が始まったのは昭和20年代、リーダーは当時弱小の電話機製造メーカー富士通の技術者、池田敏雄。後にミスターコンピューターと呼ばれる男である。 立ちはだかったのは世界シェア7割を占める巨人IBM。池田達が何度、コンピューターを開発しても、 更に性能の高いIBMのコンピューターが市場を席巻していった。  昭和39年、IBMは新世代コンピューター「360」を開発。これまで使用目的に合わせ一台一台製造するのが常識だったのに対し、ソフトさえ入れ替えれば、一台で様々な機能を果たすことができる革命的なコンピューターの登場だった。  しかし池田は諦めなかった。当時不可能といわれた大規模集積回路「LSI」の搭載に挑んだ。4ミリ四方に数千本もの配線。チップの温度は瞬く間に200度を超え、焼き切れた。LSI同士をつなぐ配線は複雑に絡み合い、まるで「もりそば」。設計は困難を極めた。3年後いよいよIBMを凌駕する演算速度を持ったコンピューターが完成する目前、信じられない悲劇が襲った。  ゼロから出発し、世界最高の「頭脳」を作り上げた日本の技術者達の、伝説のドラマを描く。

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  • 周五郎流 生活人新書セレクション
    4.0
    戦争とリストラの時代に抗う、豊饒なる物語世界へ強く激しい感情体験を通して、新しい豊かな人間が生成されてゆく珠玉の物語。作品に託されたメッセージを読み解き、山本周五郎のまなざしを逆照射する。

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  • プロジェクトX 挑戦者たち ジャパンパワー、飛翔 町工場 世界へ翔ぶトランジスタラジオ・営業マンの闘い
    4.0
    世界中にその品質の高さを知られる日本の工業製品。しかし、かつて、「メイドインジャパン」といえば、「悪かろう、安かろう」の代名詞だった。その偏見を打ち破った革命商品がある。昭和30年、ソニーが開発した「トランジスタ・ラジオ」。世界各国で、爆発的に売れた陰には、命がけで海を渡った営業マンたちの壮絶な格闘のドラマがあった。異国の地では、想像を絶する『偏見』との闘いが待っていた。ドイツでは1年間1台のラジオも売れず、担当者は過労で倒れ、強制送還。アメリカでは、故障で返品が相次ぎ、撤退の危機に瀕した。 苦境を乗り越えるバネとなったのは、「輸出で外貨を稼ぎ、日本を再建したい」という思いだった。営業マンの多くが「敗戦」を背負っていた。広島で被爆した者、空襲で家を焼かれた者。営業マンたちの奮闘は、次第に「メイドインジャパン」を欧米に認めさせていく。番組は、トランジスタラジオを売るために、世界各地で奮闘した営業マンたちの熱い闘いを描く。

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  • プロジェクトX 挑戦者たち 夢 遥か、決戦への秘策 鉄の男たち 逆境からの日本一伝説の釜石ラグビー部
    4.0
    日本ラグビー史上、前人未到の7連覇を達成した伝説のチーム、新日鐵釜石ラグビー部。彼らは大卒中心の社会人ラグビー界にあって、地元出身の高卒選手を中心とした「雑草集団」だった。 チームが生まれたのは昭和35年。部員は、ずぶの素人の鉄鋼マンばかりだった。しかし、仕事をこなしながらトレーニングを続け、やがて、全国大会に出るまでになった。 そんな鉄の男たちを、突然の不況が襲う。部員がリストラされ、部は存続の危機を迎えた。その時、一人の男が立ち上がった。市口順亮(よしあき)。本社から赴任したエリート技術者だった。 市口は、釜石の町の暗い雰囲気に驚いていた。沈みきった繁華街、士気の下がった社員。熱血漢、市口は監督に就任、ラグビーで町を盛り上げようと動き出す。 市口はイギリスの本を自ら翻訳し、部員に最先端のラグビー理論を教え始めた。しかし、市口の指導に高卒の部員達は反発した。過酷な現場での仕事を終えた後の厳しい練習、退部するものも相次いだ。「所詮監督はエリート。俺たちの気持ちはわからない。」市口はそんな部員達をグランドで殴り合いをしながら議論、家に呼んで「釜石から日本一のチームを作ろう」と語りあう。 そんな折り、「釜石の製鉄所が合併される」という衝撃的なニュースが飛び込んでくる。市口は会社の上層部から告げられた。「ラグビー部は同じ会社に2つもいらない」ラグビー部は、勝たなければ廃部という瀬戸際に追い込まれる。 背水の陣で臨んだ社会人選手権。釜石ラグビーは快進撃を続けた。そして、日本一をかけ、名門・早稲田大学ラグビー部との試合を迎える。会場に駆けつけた大勢の市民。「廃部か存続か」。運命の試合は、劇的な結末を迎える。 故郷を愛し、共に生きた鉄鋼マンたちの不屈のドラマを描く。

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  • プロジェクトX 挑戦者たち 壁を崩せ 不屈の闘志 突破せよ 最強特許網 新コピー機誕生
    4.0
    強大なアメリカ経済。強さを支えてきたのが特許である。巨大企業は巧みな特許戦略でライバルを抑え、世界市場を制覇した。32年前、その特許戦略に真正面から挑み、突破した男たちがいた。キヤノンの技術者たちである。男たちに立ちはだかったのは、世界で初めて普通紙複写機(コピー機)を発売し、シェア100%を誇っていたゼロックスの特許網。「この特許を使わずしてコピー機を作ることは不可能」と世界中の技術者が諦めるなか、男たちが作り上げたのが、新方式の国産普通紙複写機・NP-1100だった。開発は困難の連続だった。独自方式開発のためには、ゼロックスの特許を全て把握しなくてはならない。数百件・数千ページに及ぶ英文特許の山が特許マンに立ちはだかった。またコピー機は、物理・化学・電子・機械の最先端技術の結晶。複写プロセスは多岐にわたり、全ての過程において技術者たちは一から独自技術を創造しなくてはならなかった。苦境を乗り越えるバネとなったのは、日本のオリジナリティーを世界に示したいという思い。それまで日本は、莫大な特許使用料を払って欧米から技術をもらうばかりで、製品は「優秀な模造品」と皮肉られていた。レッテル返上に燃える技術者と特許マンの執念が不可能と言われた開発を成功に導いていく。鉄壁の特許網に挑み、見事に独自のコピー機を作り上げた伝説の技術者と特許マンの逆転の物語を描く。

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  • プロジェクトX 挑戦者たち 復活への舞台裏 海底ロマン! 深海6500mへの挑戦潜水調査船・世界記録までの25年
    4.0
    世界で唯一、6500mもの深海底を人間の目で見ることの出来る、潜水調査船「しんかい6500」。深海には、一体どんな鉱物資源があり、生物たちが息づいているのか…。 ”海の本当の姿を知りたい”。そのプロジェクトは、昭和39年、潜水艦の建造に長年携わってきた神戸の造船所の片隅から始まった。水温およそ1℃。光は全く届かず、地上の650倍もの気圧がかかる暗黒の世界、深海。人が乗り込むキャビンの厚さが0.5mm狂っても、安全は保証できない。

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  • プロジェクトX 挑戦者たち 男たちの飽くなき闘い 東京タワー 恋人たちの戦い世界一のテレビ塔建設・333メートルの難工事
    4.0
    地上333M。わずか15ヶ月という驚異的な突貫工事の末に完成した世界でもっとも高い自立鉄塔、東京タワー。地震、台風の脅威にさらされる東京に造られた世界一の鉄塔は、当時、アメリカのテレビが特集で取り上げるなど、世界各国に衝撃を与えた。  東京タワー完成の陰には、愛する恋人のために命を賭けた一途な若者たちの物語があった。 現場監督として危険な現場を取り仕切った竹山正明、31歳。遠距離恋愛の京都の女性に日々の仕事を克明につづった恋文を送った。鳶の若頭として、強風のなか地上300Mで作業を続けた桐生五郎、27歳。一目惚れした見合い相手に、「鉄塔完成の翌日、結婚しよう」と求婚した。  昭和33年秋、日本中が注目する中、地上330Mへの巨大アンテナの吊り上げが敢行される。1センチの誤差も許されない最後の仕上げ。難工事には、若頭、桐生五郎の「結婚」がかかっていた。 番組は世界一の塔作りに挑んだ技術者と職人の意地と心意気の物語を描いていく。

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  • プロジェクトX 挑戦者たち 男たちの飽くなき闘い 悪から金を取り戻せ豊田商事事件・中坊公平チームの闘い
    4.0
    3万人の老人から1200億円をだまし取った史上最悪の詐欺商法、豊田商事事件。 1985年、巨悪から奪われた金を取り返す史上例のない司法プロジェクトが結成された。  弁護士・中坊公平を中心に、千人の弁護士と司法関係者が関わったこのプロジェクトは、「詐欺事件の被害回復は不可能に近い」という常識を覆し、100億円を超える金の奪回に成功した。 番組は、関係者の詳細な証言をもとに、「日本の司法の奇跡」と呼ばれた豊田商事破産管財プロジェクトの知られざるドラマを2回シリーズで克明に描いていく。 前編はプロジェクトの誕生から挫折までの物語。  被害者からの訴えに立ち上がった若手弁護士たちは、「司法の良心」中坊公平を口説き落とし、プロジェクトを結成。金を取りもどすために、豊田商事を破産させ、その財産を徹底的に売却するという大胆な手に出る。しかし、集めた金の大半はすでに消え、回収は困難を極めた。  中坊は、豊田商事の向こう側に、さらに甘い汁を吸っていた「巨悪」がいたことに気づく。

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  • プロジェクトX 挑戦者たち 新たなる伝説、世界へ 絶体絶命650人 決死の脱出劇土石流と戦った8時間
    4.0
    平成5年8月6日。鹿児島で未曾有の大災害が起きた。100年に一度といわれる集中豪雨で、48人が死亡した「8.6水害」である。この時、国道10号線と、JR日豊本線が崖崩れで寸断。渋滞中のドライバーと、列車の乗客あわせて650人が竜ヶ水駅前に取り残された。前は海、後ろは崖。逃げ場はなかった。 その中に、たまたま検問をしていた警察官がいた。有村新市(44)。4年前くも膜下出血で倒れて以来、交番勤務に移動となっていた。豪雨の中、立ちつくしていた人々は、制服姿の有村をみつけると、すがるように次々と集まってきた。有村は決死の避難誘導を決意する。同僚の前田とともにパニック寸前の人々と向き合った。しかし、再び土石流が襲いかかり、有村は海へ投げ出される。陸上に残された人々は土砂によって完全に逃げ場を失い絶体絶命の窮地に陥った。その時、思いがけない助っ人が現れた。 8時間に及ぶ奇跡の脱出作戦。その感動のドラマを描く。

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  • プロジェクトX 挑戦者たち 執念の逆転劇 友の死を越えて青函トンネル・24年の大工事
    4.0
    24年におよぶ歴史的難工事の末、完成した「青函トンネル」。最初のパイロット坑である「先進導坑」を堀り抜いたのは、鉄建公団の若き技術者と、トンネル工事のプロ職人74人を中心としたプロジェクトだった。 複雑な地層を掘り進む海底掘削工事は、出水との戦いであった。プロジェクトは、試行錯誤の末、岩盤に細かな注入穴を空け、高圧で特殊なセメントを流し込み地層を固めて掘り進むという新技術を開発する。 しかし難工事のなかで死亡事故が続発。昭和44年には大規模な出水事故に見舞われもした。この事故を全員で乗りきったことが、その後の出水対策を飛躍的に進歩させる原動力となる。 昭和58年、仲間の遺影が見守るなか、先進導坑貫通の瞬間を迎えた。青函トンネルに人生を賭けたトンネルマン達の苦闘と情熱を描く。

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  • プロジェクトX 挑戦者たち 執念の逆転劇 世界を驚かせた一台の車名社長と闘った若手社員たち
    4.0
    アメリカの「マスキー法」に定められた厳しい排ガス規制を初めてクリアし、世界をアッといわせたホンダの「CVCCエンジン」。驚異的な低公害エンジン誕生の陰には、社長・本田宗一郎氏と若き技術者たちの激しい格闘の物語があった。昭和44年、人気車種に欠陥が見つかったことから、会社存亡の危機に立たされたホンダは、20代の技術者を中心に”低公害エンジンプロジェクト”を立ち上げる。先発大企業の技術の「改良」を試みる若手に対し、独自技術の開発にこだわる社長・本田宗一郎氏。4年後、プロジェクトは、F1レースで培ってきた「ガソリンを徹底的に燃焼させる」技術を一般 エンジンに持ち込み、全く新しい方法で低公害化を実現する。「これで世界一の自動車会社になる」と喜ぶ社長に、若手は「私たちは社会のためにやっているのだ」と反発した。この言葉を聞いた本田宗一郎氏は「自分の時代は終わった」と、まもなく社長の座を降りる。試行錯誤のエンジン開発の陰で繰り広げられた、名社長と若手技術者たちの世代を越えた心の交流を描く。

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  • プロジェクトX 挑戦者たち 開拓者精神、市場を制す 勝負の警備システム 作動せよ
    4.0
    安全神話が崩壊しつつある日本で、なくてはならない警備産業。市場規模は年間2兆4千億円。約1万社が参入し、40万人の雇用を生んでいる。初めて警備会社が産声を上げたのは、今から40年前。「水と安全はタダ」といわれる中で新たな市場を築くには、若者達の知られざる格闘があった。 昭和36年。酒屋の倉庫で在庫整理に追われる若者がいた。飯田亮、28歳。東京・日本橋の酒屋の五男坊。大学卒業後、老舗を手伝っていたが、仕事は全て兄たちに指図された。大学時代の親友の戸田寿一と酒をくすねては我が身を憂いていた。当時、商店や企業を狙った窃盗が横行。「プロの警備員を養成すればビジネスになる」飯田は、戸田と2人で日本初の警備会社「日本警備保障(現セコム)」を立ち上げる。 しかし、拳銃も逮捕権も無い。許されたのは警棒だけ。「お前達に何が出来る」仕事は取れなかった。転機が訪れたのは、昭和39年の東京オリンピック。選手村の建設現場の警備を依頼された。会社がモデルとなった「ザ・ガードマン」というドラマが大人気。仕事の依頼が殺到し、会社は急成長した。その時、とんでもない事件が起きた。なんとガードマンがデパートを巡回中、600万円の宝石を盗んだ。 会社の信用は地に落ちた。飯田と戸田はガードマンの行動マニュアルを作り、徹底的に研修を実施。更に警備の信頼度を上げようと、社運をかけ日本初の機械警備システムを作り上げた。契約先のドアや窓に取りつけたセンサーが異常を感知すると、管制センターに通報。ガードマンが急行する仕組みだった。しかし、誤報が相次ぎ、ほとんど普及しなかった。 昭和43年10月、衝撃的なニュースが伝わった。東京のホテルで、他社のガードマンがピストルで射殺された。更に、京都でも警備中のガードマンが殺された。そして翌年4月深夜、機械警備システムを導入していた新宿の専門学校からの警報が発せられた。駆けつけたのは新人ガードマンの中谷利美。そこに、あの連続殺人犯がいた・・・ 新しいビジネスを切り開き、命がけで犯罪に立ち向かった男達の熱きドラマ。

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  • グレートトラバース 日本百名山ひと筆書き
    3.9
    前人未到の冒険! 列島縦断7800キロを人力踏破する 鹿児島県屋久島の宮ノ浦岳をスタートし、北海道利尻島の利尻岳まで累積標高差10万メートルを大縦走。一切の交通機関を使わずに、4つの海峡をシーカヤックで漕ぎ渡り、深田久弥『日本百名山』のすべての頂を制覇した。208日と11時間に渡る、途方もない挑戦の記録。 [内容] 第一章 気の向くままに風の吹くままに [九州編] 第二章 一座のために一つの目的のために、走れ! 歩み続けろ! [中国・四国編] 第三章 緊張が高まる毎日 [近畿・東海編] 第四章 不安と緊張、そして感動と涙 [日本アルプス編] 第五章 反響の変化 [関東・甲信越編] 第六章 旅という名の挑戦 みんなの思いを背負って [東北編] 第七章 ラストスパート1700キロ [北海道編]
  • 渋沢栄一 「論語と算盤」の思想入門
    3.8
    2021年大河ドラマの主人公・渋沢栄一の生涯と思想が分かる! 挫折と変転を繰り返し、一見矛盾に満ちた渋沢の生涯。その奥にある一貫した行動原理とは何か。「論語」の独自解釈から生み出された思想を、大ベストセラー『現代語訳 論語と算盤』の守屋淳が、わかりやすく解説する。「論語」と「算盤」という対極の意味から、答えのない時代に生きるヒントが見えてくる。
  • バイオパンク ―DIY科学者たちのDNAハック!
    3.7
    コンピュータハッカーの第一世代が自宅のガレージで革新的な技術やソフトウェアを生み出したように、21世紀のバイオハッカーたちも自宅のガレージやキッチンで、オープンソースのDNAデータを使って生命言語の操作に乗り出している。MITを卒業後、遺伝疾患の原因遺伝子の有無を調べる検査法を自宅のクローゼットで開発した才媛。会社勤めの傍らオープンソースのサーマルサイクラーを製作する青年たち。独学で身につけた遺伝子組み換え技術で、粉ミルクに混入した有毒物質を検出できる乳酸菌を開発した女性。シリコンバレーの住宅街のキッチンで、癌治療薬の研究に乗り出した二人組――。本書は、大学や企業といった組織に属さないアウトサイダー科学者たちがくり広げる、生命科学の最前線レポートである。

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  • プロジェクトX 挑戦者たち 毛利飛行士 衝撃の危機脱出 技術者たちの総力戦
    3.7
    日本人初の宇宙飛行士・毛利衛が乗り組んだスペースシャトル・エンデバーで発生した実験器具の故障とシャトル炎上の危機。毛利と地上の日本人技術者の運命の大勝負を描く。

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  • 西郷隆盛 維新150年目の真実
    3.5
    最新の研究成果を盛り込んだ決定版 都会的、エレガント、手先が器用、涙もろい……。 無数の証言から浮かび上がる、史上最大のカリスマの素顔。 物腰が優雅でスマート、この上なく男前。計算が得意で経済に明るく実務能力も高い。人目をはばからず涙を流し、人の好き嫌いが激しく、神経がこまやかでストレスに悩まされる……。徳川将軍から園の芸妓まであらゆる人々の証言を読み込み、西郷をめぐる七つの謎を解きながら“大西郷”の実態を活写。数々の新視角を世に問うてきたトップランナーによる、誰にも書けなかった西郷論!
  • プロジェクトX 挑戦者たち アジアハイウェー ジャングルの死闘
    3.5
    タイ北部に広がる東南アジア最大のジャングル。「密林の殺し屋」キングコブラが多く生息する。昭和40年、そこに乗り込んだ日本人土木技術者たちがいた。戦後、日本各地の巨大ダムを建設してきた男たち。戦後最大の道路工事・アジアハイウエーに挑んだ。しかし、乗り込んだジャングルは、重機が入らない。コンクリートも摂氏50度の気温で、いびつに固まった。そのとき、大混乱の現場に衝撃の過去を持つ日本人が登場する。

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  • プロジェクトX 挑戦者たち 創意は無限なり 超音波診断機エコー
    3.5
    超音波診断装置、「エコー」開発の物語。時代は戦後間もない昭和25年。きっかけを作ったのは、順天堂医院、脳外科で働く新米医師・和賀井敏夫だった。和賀井は、造船所では超音波を使い船体内部の傷を検査していることを知り、超音波で脳腫瘍を発見できないか、と考える。そこに戦中、兵器を作っていた日本無線の技術者たちが参集。プロジェクトは始まった。体内の診断に革命をもたらした「エコー」の開発物語をつぶさに取材。医師と技術者の飽くなき挑戦の姿を描く。

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  • 1964 東京ブラックホール
    3.3
    なぜ、これほどまでに、<いま>と似ているのか。 貧困は拡大し、人命は軽視される…。すべての源は五輪イヤーにあった! 東京五輪が開催され、高度成長の象徴としてノスタルジックに語られる1964年。しかし、その実態はどうだったのか。膨大な記録映像と史資料を読み解き、見えてきたのは、首都の「闇」。すなわち、いまも残る、この国の欠陥だった――。 労働者搾取、格差社会、性差別、猟奇犯罪、東京一極集中、一党支配、対米依存、汚職・隠蔽、そして疫病の蔓延――。 日本中を震撼させたNHKスペシャル「東京ブラックホールⅡ 破壊と創造の1964年」が、待望の書籍化! 1964年、膨張を続ける首都・東京。その実相がこの本であらわになる。 ■都民1000万の糞尿は東京湾沖合に流される ■赤痢、チフス、コレラが流行する疫病都市だった ■生活苦にあえぐ労働者は、みずからの血を売った ■五輪マネーをめぐって汚職が激増。都庁は「腐敗の巣窟」だった ■ヤクザの襲名披露で、自民党副総裁が祝辞を述べた ■少年犯罪は戦後のピークに。中流家庭の子弟が凶悪事件を起こす ■米軍機墜落事故が続発。ベトナム戦争は東京ではじまった ■六本木・赤坂ではスパイが暗躍し、カネと情報が交換された ■五輪閉幕後、戦後最悪の不況が訪れた
  • 牧野富太郎の植物学
    3.0
    「天才植物学者」の真の業績とは? 牧野富太郎は、「日本の植物学の父」と呼ばれ、貧窮の中にあって独学で植物分類学を修め、アカデミズムと対峙しつつも、偉大な業績を残し、植物知識の普及に尽力したとされる。しかし、そうした人物像や人間ドラマばかりが脚光を浴び、研究者としての業績はこれまで十分に顧みられてこなかった。命名した植物数や集めた標本の数が定まらないのはなぜか? 研究、普及活動の真価とは? 2023年度前期の連続テレビ小説「らんまん」の植物監修者が、「天才植物学者」の足跡を追いながら明らかにしていく。
  • プロジェクトX 挑戦者たち 地上最強のマシーン F1への激闘
    3.0
    「地上の戦闘機」と言われる究極マシーン・F1。40年前、日本から初めて参戦、みごと優勝を果たしたメーカーがあった。本田技研工業である。当時、ホンダはいまだ四輪市販車を一台も販売していない単なるバイクメーカー。F1は、社長・宗一郎氏の夢を賭けた奇跡の挑戦だった。しかし、道のりは険しかった。バイク技術で作るエンジンは、巨大でトラブル続き。エンジンと車体チームの確執。そのとき、起死回生の作戦が…。

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  • プロジェクトX 挑戦者たち 海の革命エンジン 嵐の出漁
    3.0
    取り付け1分で手こぎの小舟をモーターボートに変身させる”船外機”。漁獲量を飛躍的に伸ばすことを実現し、世界中の沿岸漁業などで使われている。アメリカで開発された船外機は、連続して使うとすぐに壊れてしまうものだった。そこで日本のバイクメーカーが、耐久性に優れたバイクのエンジンを転用し生産に乗り出した。数々の困難を乗り越え、船外機の世界市場を拓いた人々の知られざるドラマを描く。

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  • プロジェクトX 挑戦者たち 願いよ届け 運命の大勝負 あさま山荘/衝撃の鉄球作戦
    3.0
    日本屈指の避暑地・軽井沢。30年前、閑静な別荘地は、突然の大事件に見舞われた。「あさま山荘事件」。連合赤軍が、山荘の管理人夫人を人質にたてこもった。 動員された警察官は、延べ3万5千人。犯人から激しい銃弾が撃ち込まれた。 10日間・218時間に及ぶ攻防は、日本の犯罪史上、最長の人質救出劇となった。  しかし、「あさま山荘事件」を解決したのは、警察官たちの力だけではなかった。「俺たちが築いてきた別荘地を守りたい…」 多くの地元住民が、突入作戦を陰で支え続けた。

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  • 鉄棒する漱石、ハイジャンプの安吾 生活人新書セレクション
    3.0
    文士とスポーツの幸福な関係器械体操の名人と評された夏目漱石、ハイジャンプの全国大会で優勝した坂口安吾、射撃の名手で、自称オリンピック候補の横光利一…。一見、気難し屋の文士たちが、いかにスポーツを愛したか。書斎や酒場の姿からは想像できない、文士25人の意外な素顔を紹介し、スポーツと作品世界との関係に迫る。

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  • プロジェクトX 挑戦者たち 熱き心、炎のごとく  腕と度胸のトラック便翌日宅配・物流革命が始まった
    3.0
    昭和51年に誕生した宅急便。「電話一本で翌日配達」を売り物にドア・トゥ・ドアで荷物を届ける画期的なシステムである。戦後最大のサービス革命と言われ、日本人の暮らしを一変させた。  宅急便を始めたのは、深刻な経営危機に直面していたヤマト運輸。二代目社長・小倉昌男(50)が社運を賭けて決断した。成功の鍵は全国津々浦々に拠点を作るネットワークだった。  コストがかかる個人相手の輸送はリスクが高く不可能というのが業界の常識だった。しかし、長年の取引先から撤退して宅急便に賭ける小倉の気迫にドライバー達は奮い立つ。  最も営業が難しいと見られた北海道を任されたのは、トラック運転手・加藤房男(27)。広大な北海道で、どうしたら不特定多数の家庭から効率よく荷物を集められるのか。行き詰まる加藤を支えたのは、自分の町にも来て欲しいという住民達の声だった。「待っている人達がいる限り絶対に諦めない」。加藤は全道に営業所の「のぼり」を立てることを夢見て奔走する。  更に、国が立ちはだかった。運輸省は、それまでの常識を次々と覆すヤマト運輸に対し、免許を認めなかった。  ヤマトは運輸省を相手にどう闘いぬくのか? 戦後から続いた規制行政にいかに風穴を開けるのか? 北海道全域にのぼりを立てるという加藤の夢は叶うのか・・・?   物流を劇的に変える新サービス・宅急便を全国に普及させた男達の15年のドラマを描く。

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  • プロジェクトX 挑戦者たち 熱き心、炎のごとく  史上最大の集金作戦 広島カープ市民とナインの熱い日々
    3.0
    広島カープ。県や市が出資する日本で唯一の“市民球団”として、昭和25年に誕生した。原爆で深い傷を受けた広島にとっては、復興への大きな希望の星だった。  初代監督を引き受けたのは、石本秀一(52)。広島商業を3度の全国制覇に導き、その後タイガースの監督も務めた、野球の鬼だった。両親と兄弟を原爆で失った石本は、故郷復興へに役立ちたいと、広島に駆けつけた。  しかし大企業の後ろ盾がない球団は深刻な資金不足だった。有名選手を集められなかった。石本は、高卒の新人や、喫茶店のマスターをしていた元プロ野球選手までかき集めた。合宿所の窓は閉まらず、雨が吹き込んだ。遠征の時は3等列車の床で寝た。シーズンが終了してみれば圧倒的な最下位 だった。  そして、結成翌年の3月、資金難から、カープの解散が発表された。石本と選手たちは唖然とした。  その時、立ち上がったのが広島の市民たちだった。路面電車の運転手、坂田政利(23)は私設応援団を結成。球場の前で一人一人に募金を呼びかけた。  「復興への希望の灯を消すな!」。それを合い言葉に、全市民を巻き込んだ募金作戦が展開されていく。それは想像を超えた壮絶なものとなっていった・・・。 “市民球団”広島カープが、存続の危機を乗り越えていく感動のドラマを描く。

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  • プロジェクトX 挑戦者たち 壁を崩せ 不屈の闘志 衝撃のペルー 男たちは生き抜いた人質127日間のドラマ
    3.0
    平成8年12月17日、世界を震撼させる大事件が南米・ペルーで起きた。日本大使公邸人質事件である。襲撃したのは、MRTA・ツパクアマル革命運動と名乗る武装グループ。天皇誕生日の祝賀パーティーに招かれていた招待客600人余りを人質に取り、刑務所に収監されている仲間の釈放をペルー政府に要求した。最後まで人質に残されていたのは72名、その中に「13人の日本人サラリーマン」がいた。平均年齢は53歳。南米各地で働いてきた企業戦士たちだった。人質たちは、およそ十畳一間の空間に閉じ込められ、建物の各所に爆弾が仕掛けられた。トイレは、人質達が身元を隠そうと捨てた身分証で詰まり、悪臭を放った。皆、蒸し風呂と化した部屋の中で、靴を枕に眠った。ペルー政府と武装グループの交渉は難航し、監禁生活は長期化。人質たちは、身体に変調をきたし、危機が迫った。その時、人質たちの健康を守るため、立ち上がった特命チームがあった。日本赤十字の医師と看護士たち、総勢6名、中立の立場を掲げ、防弾チョッキも付けずに銃口にらみ合う公邸へと向かった。医師の鈴木隆雄(当時46歳)は、懸命に人質達を治療し、励まし続けた。そして事件発生から127日目、ペルー政府が強行突入した。激しい銃撃戦が繰り広げられ、人質達がいた部屋は、紅い炎で包まれた。絶体絶命の人質達、その運命は・・・。

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  • プロジェクトX 挑戦者たち 勝者たちの羅針盤 家電革命 トロンの衝撃
    3.0
    携帯電話、デジタルカメラ、カーナビゲーション。日本が世界をリードする多くの製品を動かす基本ソフトがある。トロン。世界で最も使われている基本ソフトの一つである。昭和59年、トロンを考案したのは一人の日本人学者だった。東京大学の坂村健。パソコンから家電まであらゆるもの動かせるよう設計した。「基本ソフトは情報化社会の基盤。空気や水と同じ」と考えた坂村は、トロンの仕様書をなんと全世界のメーカーに無料で公開。たちまち内外140社が集まりプロジェクトが結成された。大手メーカーは次々とトロンで動くパソコンを試作。誰でも簡単に使える分かり易さと軽快な動きで評判となった。しかし、平成元年、そこに超大国アメリカが立ちはだかった。日本に対し、小中学校で使うパソコンの規格をトロンに決めるなと迫ってきたのである。自動車やVTRで日本に圧倒され巨額の貿易赤字を抱えたアメリカは、輸入制限や報復関税の制裁措置をちらつかせていた。メーカーは次々とトロン・パソコンから撤退を余儀なくされた。まもなく世界市場を制したのはウィンドウズだった。パソコンの心臓部を握られた日本メーカーの利益率は低下し、基本ソフトを持たない弱さを痛感させられる。窮地に追い込まれたトロン・プロジェクト。しかし、坂村と技術者たちは諦めなかった。「もの作りには自由に改良できる自前の基本ソフトが欠かせない」と各地で技術者たちに訴え、トロンのバージョン・アップを重ねた。逆境の中で技術立国のもの作りの将来のために闘い続けるメンバーの情熱は、革命的な新商品との運命的な出会いを呼び込んでいく。日本発信の世界的基本ソフト・トロン。育て上げた男たちの執念の逆転劇を描く。

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  • プロジェクトX 挑戦者たち 熱き心、炎のごとく  日本初のマイカー てんとう虫 町をゆく家族たちの自動車革命
    2.5
    日本人の自動車に対する意識を根底から覆した革命的な車がある。スバル360。  昭和30年代、一軒家と同じほど高価だった「自動車」をサラリーマンでも買えるほど安価にし、「マイカー」という言葉を誕生させた画期的な車である。わずか360ccながら4人乗り。高級外車にも負けない驚異的な走りとサスペンションを誇り、その風貌から「てんとう虫」と呼ばれた。  スバル360を生み出したのは、戦後、細々とバスを作っていた富士重工業の技術者たち。戦時中は、戦闘機を手掛けるほどの腕を持ちながら、戦後、くすぶっていた男達である。 安くても高性能の車を作るために要求されたのは、極限の軽量 化と、軽くて柔らかいサスペンションの開発である。次々と立ちはだかる壁を前に、技術者たちを奮い立たせたのは、家族への想いだった。  自動車を金持ちの道具から、自分達の家族でも乗れる「庶民の足」にしたい。技術者たちの執念が、不可能といわれた4人乗り軽自動車を世に送り出す。  革新的な車作りに打ち込んだ男達と家族の物語を描いていく。

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  • プロジェクトX 挑戦者たち さぬきうどん 至高のうまさとは
    1.0
    ふくいくたる小麦の香りともちもちした歯ごたえ。なめらかなのどごしのさぬきうどんはうどん生産量日本一の香川が全国に誇る、ふるさとの味である。だが昭和38年、天候不順で地元の小麦は壊滅。やがてオーストラリアの、色が白く製麺しやすい小麦にとって代わられる。しかしその小麦は香りに物足りなさがあった。地元農家、農業試験場の職員、うどん職人たちがふるさとの味復活を賭け、独自の小麦の開発に挑んだドラマを描く。

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  • プロジェクトX 挑戦者たち そして、風が吹いた 幻の金堂 ゼロからの挑戦薬師寺・鬼の名工と若武者たち
    1.0
    日本を代表する名刹・薬師寺。その中心にそびえる金堂は、400年前に消失したものを復元した、昭和最大の木造建築物である。実に5年の歳月をかけ、昭和51年に完成した。  僅かな資料をもとに、400年前の姿を復元するというこの難工事。その総指揮を執ったのが、「鬼」と恐れられた日本一の宮大工、西岡常一である。  この西岡のもとで工事に当たったのが、青森から九州まで、全国から集まった37人の大工たち。しかし、その多くが民家の仕事しか経験がなかった若い大工たちだった。 西岡には宮大工の仕事を通じて培ったある哲学があった。 「木には強い木と弱い木がある。しかし、強い木だけではいい建物は建たない。大工も同じだ。腕のいい大工も出来ない大工も必要なのだ。それをまとめていくのが棟梁の仕事だ。」    西岡は経験のない若手たちに、一つ一つ役割を与え、黄金の堂をよみがえらせていく。そして、最後の難関、大屋根の建造では、もっとも重要な「隅木」の製作を、若手の中でもっとも不器用だった一人の若手に任せた。若手は、見事な仕事で西岡に答えた。   日本古来の伝統技術の復活を目指し、金堂再建に挑んだ男たちのドラマを描く。

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  • 掠奪されたメソポタミア
    -
    世界が見守る中、サダム・フセインの像がバグダードの中心で破壊された2003年4月。掠奪者の一群がイラク国立博物館を襲う。近くにアメリカ軍の戦車隊が配備されていたにもかかわらず、掠奪は阻まれることなく、人類の文化のもっとも古い遺物を含む約1万5000点の「メソポタミア」の宝がブラックマーケットの陰へ消えていった。さらに、大規模で組織だった盗掘が始まり、大量の文化財が掘り出され、闇に消える。その数はおよそ50万点。人類共有の遺産の損失は計り知れない。 本書は、軍人・官僚・戦争立案者・考古学者・収集家といったさまざまな「当事者たち」へのインタビューと、彼らが残した記録によって、掠奪者からイラクの文化遺産を保護することができなかった圧倒的な準備不足――アメリカ合衆国政府の失態――を詳らかにする。悲劇が生まれ、それが長く続いたのは、文化遺産保護を支援する人たちの努力が残念なまでに脆弱であったこと、また、危機に対する軍の組織的な無関心さによって倍加されてしまった事実――ペンタゴンの機能不全と誤った情報伝達にもあったこと――を暴き出す。 著者のロスフィールドは、事実を現在にまで引き寄せながら、国際社会がいまこそイラクから学ばなければならない教訓を論じ、同様の悲劇が繰り返されることに警鐘を鳴らす。軍事進攻と文化遺産の消失という破滅的な組み合わせによって紡がれる「現代のクロニクル」――これは、私たちの過去と未来を読み解くための必読書だ。
  • 城主になった女 井伊直虎
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    東に東海の雄・駿河の今川義元!北に信濃から侵攻してきた武田信玄!西は三河の徳川家康と織田信長の連合軍!たえず三方から狙われ、脅かされてきた遠江の小国・井伊家。次々と当主が殺され、出家した姫が、地頭職を継いで、井伊谷の平和のために立ち上がった。後の徳川四天王・井伊直政を育て上げた、知られざる戦国の女領主・次郎法師直虎の生涯。直虎を扱った歴史小説の作者であり、その生涯をいま、いちばんよく知る著者による徹底解説本。史蹟ガイド・年表も収載。
  • ルポ 過激派組織IS(Islamic State) ジハーディストを追う
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    現場取材を重ねた二人が明らかにする 「イスラミックステート」の“肉声” アジトの地下室の証言、イラクの難民の肉声、シリアに渡ったフランスの少年の言葉……。長期にわたって「イスラミックステート」に迫ったNHKの二人の著者が、中東・アフリカ・ヨーロッパの各地で取材した風景と、この出来事の中にいる当事者のリアルをあぶり出す、渾身のルポルタージュ。 ※底本と異なり書籍内写真はカラーで収載しています。 [内容] 【中東・アフリカ レポート】 第1章 新たな「国」が現れた 第2章 戦闘員たち 第3章 アメリカの誤算 第4章 拡散するテロ 【ヨーロッパ レポート】 第5章 外国人のジハーディスト 第6章 勧誘ネットワーク 第7章 移民社会とイスラム過激派 あとがきにかえて 本書関連年表
  • わが母 最後のたたかい 介護3000日の真実
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    貴重な在宅介護の記録、 そして“母と息子の戦後史”を描く あるテレビ・ディレクターが認知症の母親の介護をしながら、その様子を撮影し続けた。本書は、その膨大な映像記録を、ディレクター自ら紐解きながら綴る、壮絶なノンフィクション。著者の筆致は、母の晩年の時間のみならず、戦争体験へと遡り、知られざる一つの戦後史を紡ぎ出していく……。大きな反響を呼んだNHKスペシャルの全貌が明らかに! [内容] プロローグ 第1章 遺されたメモ帳 第2章 母の戦争~満州での日々 第3章 遠隔介護 第4章 踏み切った同居 第5章 ゴールデン・フェスティバル 第6章 半歩前進一歩後退 第7章 別れの時 あとがき 母の年表
  • いのちを選ぶ社会 出生前診断のいま
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    「新型出生前検査」が日本に上陸 おなかの赤ちゃんの病気や障害を調べる出生前診断の技術が激しく進展している。2013年4月から「臨床研究」として始まった「母体血による出生前遺伝学的検査」は開始から半年で3500人以上が受けた。新しい検査技術をめぐって、いま日本では何が起き、どのような議論をしているのか?海外では何が起きているのか?技術がさらに進んでゆくと、どんなことが起きるのか? 様々な現場を訪ね、葛藤する声を記録した。 私たち女性にとって、子どもを産むことが幸せな経験であり続けるためには―― 誰もが差別されず、祝福されて生まれてくる社会をつくるには―― 急速に進化する技術と向き合い、深く考え続けるための、渾身のリポート。

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  • 名軍師ありて、名将あり
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    2014年大河ドラマの主人公 黒田官兵衛に代表される、 名軍師たちの実像に迫る! 戦国時代を動かしていたのは、織田信長、武田信玄といった武将だけではない。兵法の知識を生かして彼らを補佐し、心理面でのバックアップも行った軍師・参謀的な存在を忘れてはならない。本書では、名軍師たちの活躍や信念に光を当て、現代の組織運営やリーダーシップにつながるエッセンスを取り出す。 第1章 黒田官兵衛―秀吉に天下を取らせた男 第2章 太原雪斎―今川義元を「海道一の弓取」に育てた名僧 第3章 山本勘助―“義”を貫いた策士 第4章 立花道雪―手輿に乗った猛将 第5章 竹中半兵衛―“情”あつき知将 第6章 山中鹿介―尼子氏再興にかけた一生 第7章 片倉小十郎―政宗の右眼として生きた名参謀 第8章 直江兼続―“愛”を掲げた忠臣

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  • プロジェクトX 挑戦者たち 北のワイン 故郷再生への大勝負 十勝・池田町
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    昭和50年、北海道で日本最北の国産ワインが生まれた。味は、さわやかな酸味と深いコクがある本格派。作り上げたのは、町役場に勤める行政マンたちだった。十勝平野・池田町。じつはこの町、度重なる冷害で税収が激減、戦後2番目の「財政再建団体」に指定され自治体失格のらく印を押された。そのとき、新町長をリーダーに、役場職員が奮起。日本にまだ、ワインブームが到来していない時代、本格ワインへの挑戦に打って出る。

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  • プロジェクトX 挑戦者たち 海のダイヤ 世界初クロマグロ完全養殖
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    日本人が最も消費する魚・マグロ。昭和40年代、その漁獲量が頭打ちとなり、安定供給の危機が迫った。そのとき、立ち上がったのは近畿大学水産研究所の男たち。戦後、ハマチやタイ、ヒラメなど、海魚の養殖技術一筋に生きてきた研究者。「海のダイヤ」の異名を持つマグロの王様・クロマグロの完全養殖に乗り出した。世界初の挑戦。魚は共食いや謎の衝突死で全滅するばかり。それでも、30年の苦闘の末、見事、初出荷に成功する。

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  • プロジェクトX 挑戦者たち 回避せよ 東京湾炎上 初の海上交通システムに挑む
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    イギリスで発生した大型タンカーの座礁事故を教訓として、東京湾に於ける「海上交通ルールの策定」と「船の動きを監視するレーダー網の整備」が急務の課題となっていた。その最中、昭和49年に東京湾で大型タンカーが貨物船と衝突炎上、20日間も燃え続ける大惨事が発生。「航空機のように、船舶全てを管理下におさめる」という世界初の海上交通システム開発への挑戦が始まった。

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  • プロジェクトX 挑戦者たち 名古屋城再建 金のシャチホコに託す
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    戦争中の爆撃で石垣だけになっていた名古屋城。市民にとって城再建は悲願となった。立ち上がったのは地元商店主たち。街頭での募金活動、戦国武将のパレードなどで盛り上げた。昭和30年、ようやく再建決定に漕ぎつけるも、その後も問題が続出する。

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  • プロジェクトX 挑戦者たち 炎なき台所革命―IHに懸けた30年
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    いま、年間70万戸の住宅に採用され、主婦たちが熱い視線を注ぐ「IHクッキングヒーター」。火がなくても、強い火力で調理ができる革命的な調理器である。このIH実用化に乗り出したのは、今から34年前、入社1年目の若き技術者だった。たった1人で始めた開発。だが、度重なる部品のショートや、鍋が宙に浮く謎の現象に悩まされ、苦戦の連続。大ヒット商品として世に送り出されたのは、実に32年後だった。

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  • プロジェクトX 挑戦者たち 命の離島へ 母たちの果てなき戦い
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    戦中、すさまじい地上戦が行われ、市民10万人が犠牲となった沖縄。戦後、多くの感染症が蔓(まん)延、生まれたばかりの赤ん坊が死んだ。その訳は、沖縄の医師の多くが軍医に駆り出されたためだ。その窮状に立ち上がったのは100人の女性たち。沖縄独自の「公衆衛生看護婦」となり、各離島に駐在、島人の病を予防する活動に打ってでた。自らの家庭の犠牲も顧みず、活動に邁(まい)進。戦後沖縄を支えた女たちの壮絶なドラマ。

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  • プロジェクトX 挑戦者たち 千年の秘技 たたら製鉄 復活への炎
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    三日三晩、寝ずに炎と闘い世界最強の鋼を生み出す「たたら製鉄」は、日本が独自に育(はぐく)んだ鉄造りの技。敗戦を機に、日本全国から姿を消した「たたら」。昭和52年、刀剣保存協会の依頼を受けた弱小鉄鋼メーカーの技術者たちが、かつての「たたら」を知る伝説の職人と共に復活に挑んだ。だが、そこに立ちはだかったのは、日本古来の技に潜む数々の謎。伝説の職人と鉄鋼マンのニ人三脚が始まる。

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