ブロンズ
レビュアー
  • 覇王の轍
    購入済み

    よくぞここまで書き抜いたと

    感じた。
    旅することが多く整備新幹線は幾度も経験したが、乗車率の低さ、駅周辺の活性度をつぶさに見ると費用対効果に疑問を持ってはいた。それだけに読み出したらほぼ一気飲みだった。今、物価対策としておこめ券が急浮上しているが、この不自然さに政府とJAの関係性を連想してしまった。

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    2025年12月05日
  • 川中島の敵を討て
    購入済み

    著者の丹念な調査をもとにした

    本書の内容は謙信と信玄という英傑を克明に描き出していて、私も独自の想像をさらにかき立てることが出来る。これまで何度も著者の作品を参考にして私は城めぐりを重ねていて大変感謝している。

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    2025年11月22日
  • 戦神
    購入済み

    また一気読みでした

    史実の合間を埋めていくストーリー、登場人物に無駄がなくやがて史実と著者が紡ぐドラマが混然一体となり感動を呼ぶ。また涙しながら読み終えた。著者には早く立花道雪の一代記を世にだして頂きたいと切に願っている。

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    2025年11月11日
  • 南部は沈まず(下)
    購入済み

    馴染みのなかった東北の歴史に興味深く触れることができた。作者の綿密で丁寧な調査に基づく物語は分かりやすい。物語でよく語られる伊達政宗もこの本で主役の南部氏がどう受け止めていたのか双方の立場を知ることで歴史の表裏も実に面白く感じた。

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    2025年09月07日
  • 乱紋(下)
    購入済み

    信長の血をひく三姉妹が

    信長、秀吉、家康の時代を大きく動かしたことは大まかには知っていた。女性である作者が三姉妹からの視点で描いたこの小説は三者三様の生き様をあきらかにしていて実に興味深かった。加えて武将が主役の歴史小説ばかり読んできた自分は、女性たちの建前と本音を洞察することでより歴史を深く楽しめると感じた。

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    2025年08月07日
  • 我、演ず
    購入済み

    うかつにも

    唐沢山城へは何度か訪れ、その素晴らしい縄張に目を奪われてばかりいた。この本に書かれた、民衆から大英傑まで登場させてさもありなんと思わせる重厚なストーリーは相変わらず見事。赤神諒ワールドだ。感動を胸に改めて唐沢山城を登城しようと決めた。

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    2025年07月27日
  • 天皇になろうとした将軍 それからの太平記 足利義満のミステリー
    購入済み

    歴史の教科書の危うさ

    若き頃学んだ歴史は自分のなかではいろいろと書き変えられている。もともと歴史に興味がありその類の情報を集め空想をめぐらせてきた。井沢氏の作品は例えようもない光を頂いている。もっと若いうちに出会いたかった。

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    2025年06月30日
  • 北条は退かず(下) 小田原合戦
    購入済み

    北条氏邦という北条家の脇役的存在の人生を通して北条家の終末を描く。作者の綿密な調査に基づいた天下人から地方の一家臣までを描きだした群像劇は不条理で切ない。そして、北条家滅亡の核心にせまる実に興味深く説得力のある物語だ。

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    2025年06月15日
  • 生きて候 本多正信の次男・政重の武辺 下
    購入済み

    本多正信、正純は歴史の表舞台に立った有名な親子。正信には養子に出した息子、政重がいて、この本の主人公だ。私は正信、正純を相似形として認識していたが、政重を知ることで正信をより深く理解出来たように感じた。正純、政重いずれも父、正信の一面と思えば、正信は陰湿な策謀家という私の評価も不屈の信念の人と変更すべきかもしれない。
    それにしても親子三人の絡み合いはなかなか興味深い物語だ。

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    2025年04月13日
  • 琉球建国記 尚円伝
    ネタバレ 購入済み

    沖縄にも豊臣秀吉がいた。血脈、後楯もない底辺の民が自らの力と強運で頂点を極めた物語だ。概ね史実に基づいているようで驚くばかりだ。金丸の表裏を描きだしているが、民のために自ら王を目指すあたりはいささか理解がついていかない。今一度読み返してみたい。
    いずれにせよ彼の王朝は明治維新まで続く。金丸は弟を大事にしたのに対し、秀吉は病で弟を失い後継の甥を殺し結果豊臣家は短命に終わった。境遇が同じでも金丸の方が一枚上手ということか。

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    2025年02月21日
  • 控えよ小十郎
    購入済み

    小十郎とはかの片倉小十郎

    言わずと知れた伊達政宗の懐刀だ。節目となる出来事について政宗、小十郎それぞれ心の奥底まで深く描き出していて実に興味深い。当時の為政者、豊臣秀吉そして徳川家康の思惑も絡ませて臨場感も半端ない。物語の始まりと終わり、そして登場人物にも無駄がなく読み応え充分の歴史小説だ。

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    2025年02月18日
  • 前田利家(下)
    購入済み

    利家を深く知るきっかけ

    前々から賤ヶ岳合戦の裏切り、秀吉死後に起こる家康との確執の内幕など腑に落ちないところが多々あって本書を手にした。前半は信長、秀吉の動きを詳細に語られるばかりでややストレスを感じた。しかし、ただの傾奇者、武辺者ではなく、主、それらを取り巻く武将たちに利家は学んでいたことが明らかになる後半には引き込まれてしまった。当時の資料も多々引用されているためやや時間はかかったが、逆に説得力もあり存分に楽しめた。

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    2025年01月15日
  • 最低の軍師
    購入済み

    臼井城に実際に訪れたが

    どうしても謙信がこのような城を落とせなかったのか、納得できなかった。
    その答えを期待してほぼ一気読みして、なるほどと思わせられた内容で歴史小説としてかなり面白かった。事実は小説よりも奇なりというが、果たして筆者が描いたストーリーと真実がどこまで重なりあうのか自分なりに考えるのも楽しみ始めている。

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    2024年11月27日
  • 海を破る者
    購入済み

    国際紛争のおろかさ

    結果は誰もが知っている元寇。実在の人物に作者が創造した外国人を織り交ぜて、没落した名門の若き主が元寇に立ち向かいながら成長していく物語だ。現在も世界で頻発している国際紛争に重ねあわた作者の思いを感じた。

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    2024年10月19日
  • レジェンド歴史時代小説 琉球の風 上下合本版
    購入済み

    琉球の人々のしたたかさ

    欧州、大国明、強国島津、将軍家徳川の狭間にあって生き抜く道を模索していく琉球の人々を克明に描いている。一言で言えば貿易立国のDNAの物語だ。戦国時代の終わりを迎えていた当時の日本は勝つか負けるか、生か死かの精神にまみれておりまったく違う国家だった。多様化の時代、学ぶべきことの多い読書だった。

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    2024年10月11日
  • 北条氏康 関東争乱篇
    購入済み

    歴史的事実の背景をよりリアルに

    北条氏康が主人公だが、彼に関わる戦国の英傑、今川義元、武田信玄、上杉謙信らの思いも作者が丁寧に明快に書き込まれている。英傑が火花を散らした複雑な時代を北条氏康がどう戦ったのかより深く理解できた。ここまで来ると氏政、氏直まで作者に書き尽くしてもらいたい。

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    2024年08月20日
  • 黄砂の籠城(下)
    購入済み

    史実に基づく小説

    と冒頭に書かれている。現代史に詳しくない私にはどこまで史実なのかわからない。それでもストーリーは実話とは思えないくらい興味深かった。ただ、読書中あまりにも日本人が見事に描かれていることに違和感を感じていた。作者も後記に書かれているようにこの後世界大戦に突き進んだのも日本だ。単なる日本礼賛ではなく日本人の良きDNAをいかにこれからの世界で活かしていくべきかを考えさせられた。

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    2024年08月05日
  • 真田合戦記7 義信謀叛
    購入済み

    真田一族のルーツ

    突然歴史の表舞台に登場し徳川家康を死の一手前まで追い込んだ真田信繁のファミリーヒストリー。武田信虎以降の時代に活躍した武将などが次々と出てくるので面白くないはずがない。ここまでは幸綱(信繁の祖父)が主人公。本巻は若き昌幸(信繁の父)の箕輪城調略で終わっていて、続編にも期待。当時の時代背景がわかりやすく書き綴られていて、他の真田三代記とは違う味わいにこの時代への理解が深まった。信繁はやはり一族のDNAが凝縮された必然と納得。

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    2024年07月02日
  • 真田の具足師
    購入済み

    具足というユニークな視点から

    語られる歴史物語。そして、我々がよく知る歴史に巧みに織り込まれていて実に興味深く、面白かった。。私が初めて読んだ武川氏の小説で、他の作品も是非読んでみたい。

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    2024年04月22日
  • 武田勢 京をめざして
    購入済み

    武田三代の歩みを淡々と

    書き連ねられた武田家最後の顛末記。個人を特定して主人公にした小説はいくつか読んだが、三代に渡るストーリーとして読めたことで見えてきたことがあったのは収穫。ただ、もっと深掘りして欲しかった箇所もいくつかあった。いずれにせよ大きな時代のうねりの中で武田家がいかに動いたのか、一つの解釈として参考になった。 

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    2024年03月16日
  • 織田一~丹羽五郎左長秀の記~
    購入済み

    幾度となく歴史小説で読んだ場面

    丹羽長秀を主人公として太田牛一に語らせた物語は実に面白かった。どこまでが史実でどこからが作者の創作かわからないほどだ。丹羽長秀という信長の最も重要な家臣と言われながらもあまり知られていない人物。その人に光を当てることで日本史をより深く味わうことができた。

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    2023年11月24日
  • 乱世を看取った男 山名豊国
    購入済み

    鳥取城の干殺し関連で知っていた

    名前で、凋落の山名には関心がなくスルーしていたが、この本に目がとまり読んでみた。読んでみると掘り出しもので大変面白かった。主人公豊国を秀吉、あるいは家康とも絡ませた興味深いやりとりが綴られている。この辺りは作者の創作であろうが、豊国の人生は概ね史実に基づいているようでドラマティックだ。

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    2023年11月02日
  • 城郭考古学の冒険
    購入済み

    城めぐりファン必読

    テレビ出演が多い筆者のため、すでに知り得た情報は少なくない。それでも体系的に整理されているのでより理解が深まった。山城ファンとしては共感できるところが多く、今後ますます存在感を高めて頂き遺構発掘、保全に貢献されることを期待したい。

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    2023年10月05日
  • 毛利は残った
    購入済み

    輝元の評価が一変

    関ヶ原合戦後改易を免れるまでの輝元しか知らなかった私には大変興味深く読めた。大幅減封で輝元が感情をたぎらせながらも成長していく様はまさに毛利家の存続を賭けた戦い。相手は一枚上手の家康と本多正信。手に汗を握る展開に目が離せない。

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    2023年08月26日
  • 極楽征夷大将軍
    購入済み

    「涅槃」に続き読み応えたっぷり

    の歴史大作。

    登場人物が多彩でしかも刻々と局面が転換していく時代を、作者の切り口で克明に語る物語に圧倒された。これまでモヤモヤしていた場面も納得出来たところがか多く作者の洞察力にただただ敬服。直木賞受賞も納得。

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    2023年08月08日
  • 左近(下)
    購入済み

    完成作を最後まで読みたかった

    島左近は私にとって関ヶ原合戦で突然登場する武将でしかなかった。左近の生き様を知り、彼の視点から当時の戦国武将たちを見ることができ、当時をより深く理解が進んだように思う。
     数週間前、ブラタモリで黒田長政の鉄砲隊が左近を狙撃するために迂回した路をたどっていた。そこへ至るまで故火坂氏はどのような物語を構想していたのだろう。

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    2023年07月14日
  • 伊達の企て
    購入済み

    なかなかの読み応え

    今まで歴史の記述として断片的に理解していた伊達政宗。筆者の読みやすい語り口で彼の心のひだまで書き出してあり彼の生き様への理解がかなり深まった。豊臣秀吉とのかけ引きはいろいろなところで書かれているが、家康とのかけ引き、自然災害への取り組みなど私は初めて目にし、興味深く読んだ。また、やはり片倉景綱の存在は多大と改めて再認識。筆者の物語を基軸にさらに新たな事実、解釈にも触れてさらに政宗の人生に近づいてみたい。

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    2023年06月29日
  • もっこすの城 熊本築城始末【電子特典付】
    購入済み

    城に込められた熱き想い

    作者の城に対する深い想いが安土城から名護屋城、倭城、そして名城、熊本城を生み出した感動の物語を紡いでいる。それをひきだしたのは兎角武闘派と言われる加藤清正が実は大局観、行動力に満ちたバランス感覚のある武将という作者の解釈によるもの。清正の語る対局に従い城づくりの人々が築城技術、工期に死力を尽くす姿はリアルだ。
    これまで何度も足を運んでいる熊本城。傷も癒えてはいないが改めて訪れてみたい思っている。

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    2023年04月21日
  • 謀聖 尼子経久伝 雷雲の章
    ネタバレ 購入済み

    地方の戦国武将でありながら月山富田城という名山城を持っていることに違和感を感じ続いていた。しかし、この大作を読み切って合点した。しかも、中国地方での領土争いだけでなく、室町幕府内の確執にまで関与していたとは。
     波瀾万丈の人生を不屈の精神で生き抜き、世の中を改革し、多くの人材を育成しながらも、次世代への橋渡しは思うようにいかない。非常な戦国時代にあってカリスマが率いる組織はなおさらで、切なく歯がゆい。

    数多くの人物は登場するが、分かりやすい文章で続巻が出るたびにほぼ一気読み。最終巻は物語の内容が濃すぎて事実の羅列に傾くように感じるのは私のわがままか。それでも経久の死後についてまで筆を進

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    2023年03月27日
  • 茶聖(下)
    購入済み

    一気読みの傑作

    登場人物は歴史ファンにとって良く知る人ばかり。行末、結末も知ってはいるが、作者が精緻に書き綴る会話に思わず手に汗を握ってしまう。まるでその場に立ち会っていたかのような臨場感だ。なんどか同じ素材の小説を読んだが、ようやくスッキリした感じを得ている。

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    2023年03月19日
  • 御家の大事
    購入済み

    ひたむきな生き様は感動

    歴史の大きなうねりに翻弄されながらもひたむきに生き抜こうとする生き様。感動の一言では言い尽くせないほどだ。綿密な考証に基づき語られる物語は説得力があり学ぶことも多々ある。これからの城めぐりの合間に舞台となった場所へ足を運んでみるつもりだ。

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    2023年02月28日
  • 大いなる謎 関ヶ原合戦 家康暗殺計画から小早川裏切りの真相まで
    購入済み

    体系的に理解できる効書

    書状など出典を明確にして意訳が書かれていて安心して読める。これまでいろいろなかたちで知り得た関ヶ原合戦の情報を整理出来たのが一番ありがたかった。また、戦後処理についても丁寧に書かれていて興味深い。

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    2023年01月04日
  • 家康が最も恐れた男たち
    購入済み

    家康の実像にせまるために

    いろいろなヒントをもらった。
    ともすれば江戸時代に神格化された徳川家康にやや嫌悪感を感じた若き日の記憶がある。この書を読んで家康の心のヒダまで書き出して人間、家康に大きく近づけたように思う。近年家康への親近感が高まってきた。奇しくも来年のNHK大河ドラマも家康だ。楽しみたい。

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    2022年12月26日
  • 冬の狩人
    購入済み

    相変わらず安定の大沢節

    ほぼ一気読みでした。
    登場人物を絡み合わせながら物語りをぐんぐん展開させていくあたりは相変わらず。主人公の相棒が成長していく様も読みどころか。

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    2022年12月17日
  • 謀聖 尼子経久伝 瑞雲の章
    購入済み

    尼子氏を知る入門書

    播磨、備前あたりの山城跡を訪れると何度も尼子氏の足跡を見て、かっての偉大な影響力を感じていた。また、月山富田城を見てものすごい城だと実感した。しかし、なかなか尼子氏の体系的な情報を得られずにいたところで本書にめぐり合った。
     簡潔な文章で関連する史実も丁寧に書き込まれているようで尼子氏を知る入門書として最適ではなかろうか。また、時に登場人物の心のひだまで迫っていて、まるで大河ドラマを見ているような感すらある。続編が楽しみ。
     なお、引用した当時の資料を随所に書きはさんでいるのは、作者の創作と史実をにおわせているようでありがたい。

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    2022年09月27日
  • 古田織部(おりべ)~戦国数奇大名の生涯~
    ネタバレ 購入済み

    時の権力に翻弄されながら

    信長、秀吉、そして家康につかえながら決して肩に力を入れることなく我が道を歩き抜く、そんな武将がこの時代にいたと初めて知った。そして武士の茶道を作りあげたという。わび、さびばかりに目が向いていたが、本書を読んで織部の世界にも踏みこんでみようと思い至る。

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    2022年08月19日
  • 琉球建国記
    ネタバレ 購入済み

    熱き漢たちの闘い

    いささか後味が悪いのは史実に基づいたストーリーだからか。
    かって、沖縄の城の美しさに惹かれ、中城、勝連城などを訪れたことがある。再訪も計画しており熱き漢たちの魂をかの地で思い起こしてみたい。

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    2022年07月27日
  • 謀聖 尼子経久伝 風雲の章
    購入済み

    なかなか興味深い尼子経久

    一時は中国山地を越えて播磨まで侵略、あるいは毛利元就ともしのぎをけずった尼子氏だが、私自身よく知らなかった。この本を知り尼子氏を理解するきっかけにしようと思った。
     経久自身劇的な人生を送ったようだ。ただ、経久だけでなく、地域の勢力、経済に加え彼を取り巻く人々も筆を惜しまず描きだしているため当時の時代をより深く理解出来た。
    続編が待ち遠しい。

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    2022年07月24日
  • 覇道の槍
    購入済み

    人間が持つ暗部の連鎖は今も

    続いている。しかし、作者は人間の持つ善なるものに期待されていると私は読んだ。その視点から続編として三好長慶の物語を出して頂けたら思う。

    それにしても応仁の乱から織豊期へと至る時代はなかなか頭に入ってこない。幕府、管領家、そして家臣群それぞれの階層で個々の利害、思惑で動いていくため、結果的に当事者自身も振り回されているからだ。この小説は作者の語り口で三好元長の人生を淡々と描き出している。この時代の一部ではあるが、前後の時代もあわせて私自身の頭の整理に大いに役立った。

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    2022年07月09日
  • 回天の剣 島津義弘伝(下)
    購入済み

    島津四兄弟の物語

    破天の剣、衝天の剣、回天の剣と通して読んだ。
    島津四兄弟が生きた時代の史実を踏まえ、作者が紡ぐ物語に凄まじいものを感じた。歴史は勝者が作るとよく言われるが、その過程で数多の人生が交錯し人間の本質が曝け出されていることも改めて突きつけられた。この時代の沸々たる思いが数百年の時を超えて明治「維新」へとつながっていったのだろうか。
    読み応え充分の作品だった。

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    2022年07月03日
  • 家康謀殺
    購入済み

    事実は小説よりも奇なり、と言う

    が、伊東氏の小説家は通説と言われているものよりさらに深く丁寧に掘り下げられ、まさに事実に迫っているのではと思わせる臨場感が私は好きだ。その観点から、この短編集のなかでは特に吉川広家、豊臣秀次の物語が非常に興味深い。

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    2022年06月05日
  • 破天の剣
    ネタバレ 購入済み

    島津四兄弟の物語

    島津氏に関してはとかく義弘に興味が集まる。私もそう思い込み義弘ゆかりの城々を巡った。
    しかし、本書を読み、家久の出自、行状、やがて明らかとなる軍才係る葛藤を乗り越えて如何に四兄弟が結束したかを見せつけられていたく感動した。
    家久なくして秀吉の荒波は乗り切れなかったであろうし、後の家康の荒波も家久の息子、豊久が命をかけて義弘を生還させた結果乗り切れたと思えば家久、豊久父子の島津家に尽くした貢献は計り知れない。

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    2022年04月21日
  • 涅槃 下
    購入済み

    渾身の一作

    歴史上悪役とされる人物は数多い。宇喜多直家もその一人。彼に興味を持ち、関係する城跡をめぐったりして情報を手に入れようとしても人物像を明確にできていなかった。情報量が少なすぎる。
     本書で彼の人間形成、業績の過程をここまで綿密に書き上げられたことに敬意を表するとともに、描き出された直家の人生に感動した。最後のページで彼の継室に語らせる言葉は重く、ゆえに歴史への興味は尽きない。

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    2022年03月11日
  • 戦百景 関ヶ原の戦い
    購入済み

    一気読みでした

    個性豊かな英傑たちのしがらみにふれながら関ヶ原へ至る状況を克明に描き、最後は囚われの身となった三成と家康を対峙させて戦いの意味あいを明らかにしている。より重層的に関ヶ原の戦いを知ることが出来た。

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    2022年03月02日
  • 戦百景 桶狭間の戦い
    ネタバレ 購入済み

    真実はこんなところかもしれない

    のちに天下を睥睨するところまで昇りつめた信長だけに後世の人々が多々講釈しているが、真実は案外こんなところかもと納得させられた。ここぞという瞬間に義元の現在地が知らされるのはあまりにもという向きもあろうが、世の中信じられないような偶然は結構あるのては。

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    2021年11月28日
  • 信長の二十四時間
    購入済み

    奇想天外

    本能寺の変の謎に挑む意欲作で、小説として大変面白く読み切れた。諸説を重ね合わせ実在の人物を登場させ荒唐無稽と断じられそうだが、事実は小説よりも奇なりともいう。

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    2021年11月22日
  • 戀童夢幻
    購入済み

    歴史の見方を深めさせてくれた

    宇喜多の捨て嫁で衝撃的に出会った作者だが、本作はさらに衝撃的な作品。
    史実を巧みに織り交ぜ、登場人物の深層心理まで描き説得力ある物語に仕立て上げている。

    読後改めて気づく。ともすれば今まで、現代に生きる価値観、人生感で歴史を見てきた自分の軽薄さに。歴史上の英雄、勇者も生身の人間性は間違いなくあるはずだ。

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    2021年10月08日
  • 蝮の孫
    ネタバレ 購入済み

    骨肉の争いに塗れた斎藤家の末路

    祖父が下克上で簒奪した国主の座を世襲した斎藤龍興。人間の獣性に満ちた時代に翻弄された彼が最後は一個の人間として生きていこうとするストーリーには救われる。
    本書は織田信長への敵視を基軸にストーリーが展開していくが、斎藤家から正室として嫁いだ帰蝶の視点で信長の人生を是非描いてみてほしい。斎藤道三から明智光秀、豊臣秀吉、徳川家康など豪華絢爛なメンバーで、記録のほとんど残されていない帰蝶が縦横に生きる様を常日頃想像している。

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    2021年08月26日
  • 信長、天を堕とす
    購入済み

    信長の一生を読み解く新たな切り

    木下先生には「宇喜多の捨て嫁」以来常に斬新な切り口で唸らされてきた。そして、信長の人生という歴史上最大のミステリーについて今回もまた新たな読み解き口を提示頂いた。本書を読了後、、早速改めて読み直そうと信長公記を手にしている。

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    2021年08月22日
  • 戦百景 長篠の戦い
    ネタバレ 購入済み

    歴史の醍醐味

    歴史を語る時人は自分の視点で見てしまうが、多くの登場人物がめいめいに、あるいは阿吽の呼吸で動き、そして歴史が紡ぎ出されていく。
     長篠城址、鳶ケ巣山砦なと何度か足を運び現地の空気を呼吸した我が身には、短編集の形をとったがゆえにこの本の臨場感はすごいと感じた。特に織田、徳川連合軍が籠城戦だという評価には思わずうなった。納得! 
     長篠の戦い以前の出来事があって、この長篠の戦いあり、そして長篠の戦い以降の出来事へと続く。引き続き登場する人、去る人、そして新たに登場する人、その人々の深層心理まで思うと歴史は例えようもなく面白い。

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    2021年07月23日