ブロンズ
レビュアー
  • 蝮の孫
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    骨肉の争いに塗れた斎藤家の末路

    祖父が下克上で簒奪した国主の座を世襲した斎藤龍興。人間の獣性に満ちた時代に翻弄された彼が最後は一個の人間として生きていこうとするストーリーには救われる。
    本書は織田信長への敵視を基軸にストーリーが展開していくが、斎藤家から正室として嫁いだ帰蝶の視点で信長の人生を是非描いてみてほしい。斎藤道三から明智光秀、豊臣秀吉、徳川家康など豪華絢爛なメンバーで、記録のほとんど残されていない帰蝶が縦横に生きる様を常日頃想像している。

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    2021年08月26日
  • 信長、天を堕とす
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    信長の一生を読み解く新たな切り

    木下先生には「宇喜多の捨て嫁」以来常に斬新な切り口で唸らされてきた。そして、信長の人生という歴史上最大のミステリーについて今回もまた新たな読み解き口を提示頂いた。本書を読了後、、早速改めて読み直そうと信長公記を手にしている。

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    2021年08月22日
  • 戦百景 長篠の戦い
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    歴史の醍醐味

    歴史を語る時人は自分の視点で見てしまうが、多くの登場人物がめいめいに、あるいは阿吽の呼吸で動き、そして歴史が紡ぎ出されていく。
     長篠城址、鳶ケ巣山砦なと何度か足を運び現地の空気を呼吸した我が身には、短編集の形をとったがゆえにこの本の臨場感はすごいと感じた。特に織田、徳川連合軍が籠城戦だという評価には思わずうなった。納得! 
     長篠の戦い以前の出来事があって、この長篠の戦いあり、そして長篠の戦い以降の出来事へと続く。引き続き登場する人、去る人、そして新たに登場する人、その人々の深層心理まで思うと歴史は例えようもなく面白い。

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    2021年07月23日
  • 家康の遺言
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    啓示に富む素晴らしい作

    史実を名君、家康の視点で描かれている。深掘りして、さもありなんと思わせ、家康を冷ややかに見てきた私もいささか評価を上げざるを得なくなる。

    信長、秀吉とのくだりは見事に集約されているが、そこに至るまでの経緯をもう少し展開させてもらいたかった。家康には多くの思いがあったはずだ。

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    2021年06月15日
  • 豊臣秀次 抹殺された秀吉の後継者
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    評価の分かれている秀次について

    今まで目にした説のなかでは一番説得力があった。
    推理小説で意外な真犯人が浮かび上がり、その動機もあっと思わせるという醍醐味もある。歴史を愉しむ良いひとときをもらった。

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    2021年06月13日
  • 私本太平記 全巻セット
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    時代を超えて

    10代に初めて読んだ時はただただ物語の展開に心奪われ多いに胸躍らせた記憶がある。70歳に近づき改めて読むと、人間の性、業に目が向き、自分の人生に重ね合わせてしまい、深く考えさせられた。
     尊氏、それを取り巻く人々か織りなす様は現在と本質的には何ら変わってはいない。自分の人生のなかで10年ごとに読んでみたかった本だ。

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    2021年05月25日
  • 傀儡に非ず
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    ひとつの可能性を提示

    荒木村重のミステリアスな生き様は長く私の知的好奇心をかき立て続けている。
     それに応えてひとつの可能性を提示頂いた小説だ。相変わらず上田先生のユニークな切り口は興味深く読め、かなりの説得力も感じた。ただ、信長の動きにやや違和感かあり他の要因、背景が絡んでいるのではと新たな思考を拡げている。

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    2021年04月17日
  • 士道太平記 義貞の旗
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    私には新しい義貞

    義貞の生き様を安部先生が生き生きと描かれており、時代背景のなかで義貞の存在感が今までになく輝き出した。
    ただ、太平記では犬死とされている義貞の死を先生なりの解釈で読んでみたかった。いづれにしても、私の義貞に対するこれまでの評価とはまったく異る姿は大変興味深く読めた。

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    2021年03月03日
  • 婆娑羅太平記 道誉と正成
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    太平記にますます深まりそう

    佐々木道誉に惹かれ、本書を読んだ。
    いつもながら先生の分析力、創造力に舌を巻きながらますます道誉が理解出来、好きになった。
    これまで太平記を読んで道誉と正成はこれまでまったく別次元の存在と思っていたが、存外共通するところが多いところに気づき太平記にますます深まってしまいそう。

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    2021年02月23日