あらすじ
秀吉配下の錚々たる武将が弟子となり、ついには「内々の儀は利休に」とまで秀吉に言わしめた千利休。だが、ある出来事を契機に二人の関係に綻びが生じ始める。利休を戦慄させた秀吉の〝侘び〟とは何だったのか?欲望の渦に吞み込まれた天下人を制御する術はあるのか?革命的な価値創造者の執念と矜持、その切腹の真相に迫る戦国大河ロマン!
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一気読みの傑作
登場人物は歴史ファンにとって良く知る人ばかり。行末、結末も知ってはいるが、作者が精緻に書き綴る会話に思わず手に汗を握ってしまう。まるでその場に立ち会っていたかのような臨場感だ。なんどか同じ素材の小説を読んだが、ようやくスッキリした感じを得ている。
Posted by ブクログ
■上巻は、覇者、蜜月、相克の3つの章立て。下巻は聖俗、静謐の2つの章立て。下巻の最後に、文庫特別収録として、著者インタビューがある。上巻・下巻ともに、今年6月に文庫化された。また、表紙は同じ金の茶室を模したものである。
■著者インタビューで、著者は日本史から日本の若者は多くを学んでほしい、そのために著者の歴史解釈力、ストーリーテリング力を駆使すると発言している。その言葉の通り、歴史小説だが現代に通じる教訓や考え方が様々なところに散りばめられている。
■下巻は、秀吉の九州征伐が終わり、小田原平定、山上宗二の処刑を経て、千利休の最期までとなっている。
■千利休の視点での構成となっており、戦国武将や茶人への評価が辛辣だが興味を惹く。千利休は堺の豪商だが、商人としての描写はなく、本の題名通り、茶人としての描写で一貫していた。
■読み込みが足りないのかも知れないが、自分としては、堺の豪商がなぜ茶の湯の道を極めようとしたのか、その経緯が知りたかった。でも、千利休の事績は不滅となったことは間違いない。
■名物の茶器や茶入れの名前が、上下巻ともに沢山出てくるので、巻物や茶碗に興味のある方にも読み応えのある1冊となると思う。
Posted by ブクログ
いやぁ、面白かった。
戦国のお話なのに合戦シーンはなく、人の心の合戦シーンばかり、なのに一気読みでした。
千利休の覚悟は、格好いい!
秀吉の最後との対比が素晴らしい。
「天下人の秀吉は光、利休は影」でも人間として臨終は
逆になったという気がする。