【感想・ネタバレ】もっこすの城 熊本築城始末【電子特典付】のレビュー

あらすじ

熊本城に生涯を賭した築城家の一代記、感涙必至の戦国ロマン!

藤九郎、わしと一緒に日本一の城を築いてみないか――。

織田信長の家臣・木村忠範は本能寺の変後の戦いで、自らが造った安土城を枕に壮絶な討ち死にを遂げた。遺された嫡男の藤九郎は家族を養うため、肥後半国の領主となった加藤清正のもとに仕官を願い出る。父が残した城取りの秘伝書と己の才知を駆使し、清正の無理な命令に応え続ける藤九郎――。戦乱の世に翻弄されながらも、次から次に持ちあがる難題に立ち向かう藤九郎は、日本一の城を築くことができるのか。

【電子書籍特典】
過去500以上の城跡を訪れた歴史作家・伊東潤による
ラジオ番組の人気コーナー「城歩きのすすめ」の原稿を電子書籍化した
『歴史作家の城めぐり 2』(熊本城 / 名古屋城 / 江戸城)を同時収録。
(マイクロコンテンツとしても別途好評発売中です)

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

父が残した秘伝書を抱え、加藤清正のもとで難攻不落の城造りに挑む藤九郎の一代記。

「城とは、戦をせぬための道具だ」
鬼と呼ばれた清正の、「戦は嫌いだ」という本音と、そのために堅固な城を築くのだという意思が、この一言に凝縮されている。

無理と分かっていながら無理難題を提示する清正と、無理と思いながらも無理とは言わずその期待に全力で応えようとする藤九郎。藤九郎を慕い信頼して支えていこうとする人々。それぞれが熱く尊い。

随所に惜しみなく描き込まれる築城のノウハウがまたとても興味深く、読み進めながらも知りたい!調べたい!と、探究欲が刺激される。

今すぐ『城めぐり』に出発したくなる一冊。

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2025年07月08日

Posted by ブクログ

加藤清正推しの自分としてはとても興奮して面白かった一冊!面白すぎて1日で読み終わってしまいました。城は戦うためにあるのではなく、民を守るためにあるという父、木村次郎左衛門忠範(高重)の言葉が胸にグサリとささりました(笑)加藤清正推しの人はぜひ読んでみてください。【小5】

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2023年12月25日

Posted by ブクログ

歴史小説。
安土城を築城した、父が本能寺の変で安土城と共に命を落とし、嫡男・藤九郎は残された築城の秘伝書を携え新しく肥後の国主となった加藤清正の家臣となり民を守るために隈本城を築城するまでの城取り一代記。
冒頭から肥後の治水から始まり、秀吉の朝鮮出兵の足掛かりとなる名護屋城、朝鮮での築城などを越え、隈本城の築城に至る苦難の連続の物語。
読む前はもっこすの城とは=隈本城の事だと思っていましたが、肥後もっこすが命を掛けて作った城たちのことでした。
「無駄に長く生きるなら、己の才知を使いきって早死にしたほうがまし
し」という台詞には同感しました。才知があればそうしたいものです。

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2020年10月25日

Posted by ブクログ

期待通りの軽妙洒脱な文体でとても読みやすく、まさに一気読みでした。戦国末期の歴史好きにはお馴染みの頃の話でしたが、城作りという視点からの主人公の人生には、感動と共感しかありません。

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2024年10月26日

購入済み

城に込められた熱き想い

作者の城に対する深い想いが安土城から名護屋城、倭城、そして名城、熊本城を生み出した感動の物語を紡いでいる。それをひきだしたのは兎角武闘派と言われる加藤清正が実は大局観、行動力に満ちたバランス感覚のある武将という作者の解釈によるもの。清正の語る対局に従い城づくりの人々が築城技術、工期に死力を尽くす姿はリアルだ。
これまで何度も足を運んでいる熊本城。傷も癒えてはいないが改めて訪れてみたい思っている。

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2023年04月21日

Posted by ブクログ

城取りを主人公に加藤清正のかっこよさも描かれてて面白いんだけど、なんかクライマックスがない感じ。築城の技術的な話が難しくて理解できなかったからかも。

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2021年06月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

熊本城を築城する話しかと思って読んだら
清正の城取の藤九郎の半生を描いた小説だった。

若輩の上司が周りに認められるにはどうすれば良いか、
上司の無茶振りにどのように答えていくか。
最初は父親が記した秘伝書から答えを見つけていたが、後半にはそれを踏まえ自分の今までの経験から答えを導き出していった藤九郎に感動した。

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2021年06月13日

Posted by ブクログ

『城取り』
城を取り立てる際の選地から縄張りと事前準備、さらに実際の普請(土木工事)と作事(建築工事)全般を指揮する統括者。

本能寺の変にて、明智光秀が織田信長を倒し安土城に迫る。主人公の木村藤九郎秀範の父木村次郎左衛門忠範が緊急事態と城に馳せ参じるも、親方を失い我先にと逃げ出す輩ばかりで、守ることもできず…

城造りの極意書を引き継ぐも、逃れた先でその日暮らしであった藤九郎が、加藤家の仕官試験を経て肥後国へ。

肥沃な大地を守り、農民たちが安んじて農事に励めるようにすれば一揆は起こらないと、治水、街道整備、商いの振興から取り組むべきと言う加藤清正公は、勇猛果敢な武将と言うイメージが強かったが、大いに裏切られる。

まずは治水からであるが、自分より年上、経験者を使う立場に。あからさまな邪魔する訳ではないが協力しない。でも期日は迫る。どうするか?
動かない人を変えてもらうなんて方法もあるが、何とか解決策を見つけようと悩み抜く点などは、今の時代も変わらず参考になる。

真摯に取り組む姿勢を周りは評価し、更に大きな事に取り組む事が出来、そこでも新たな課題にぶつかりそれを解決することで更に成長する。
結果だけ見ると簡単そうだが、その間の努力の大変さ、諦めずに続ける事の大切さがわかる。

城とは、戦をせぬための道具である。
この想いを強く持ち、大局的に見ておられた加藤清正公。
いい意味で大きく裏切られる物語であり、人として成長する為の方法も指南してくれる素晴らしい作品でした。

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2021年03月13日

Posted by ブクログ

自らに課せられた役割を必死にこなす。自分ではまだまだと思いながら、必死に努力する。その姿は、周りの人々が見ている。人々は徐々に心を動かされ、助けてくれるようになる。到底無理そうだったことも、成し遂げられていく。人の力って、凄い!

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2020年10月25日

Posted by ブクログ

加藤清正の熊本城は有名だが、実際の現場で働く人物を生き生きと描く伊東潤の歴史ものは本当に惹きつけられる。
数年前(平成28年)の熊本地震で被害を受けた熊本城。少しずつ復旧はしているのかな?
阿蘇の雄大な風景とともに現場を訪れてみたくなった。

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2024年02月27日

Posted by ブクログ

織田信長の安土城を建築した父、木村高重の息子木村藤九郎。父親が残した築城の秘伝書を懐にして、加藤清正のもとで、日本一の城を築くため、奮戦していく。

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2022年05月10日

Posted by ブクログ

戦国末期の世の中の動きを加藤清正を通して、築城という独特な切り口から描く。

石垣の積み方や築城方法など興味深いし、朝鮮出兵時の半島各地での攻防など、本書で始めて知った。

数多の城を築きながら早逝する藤九郎の愁嘆場で物語を閉じるのがよかったのかはわからない。

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2020年11月24日

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