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おごうの二番目の夫・秀勝が亡くなり、岐阜城を明け渡すことになる。新城主は子供の頃、秀吉が担ぎ上げた三法師として知られた秀信。
おごうの侍女のおちかは謎の男「ちくぜん」と城下で再会する。
身重のおごうは大阪へ出向くが、やはり妊娠中の茶々からは沙汰もない。
無事に生まれた後になって呼ばれるが、前より綺麗になったおごうを見る秀吉の目が気に入らない様子。
やがて、秀忠との間に縁談が。
おごうの娘おきいはすくすくと育ち、茶々の養女に迎えられる。
秀忠は17歳。
文武の修行を毎日怠らない律儀な男。
おちかの目には平凡と映るが、並べたところが実はお似合い。
側室を持たなかったことでは有名だが、実は浮気はしていたのよねえ。
茶々の気の強さは意地悪くも見えるが、この時代の女性の生き方は生死に関わる。女城主として合戦していたも同然の立場だと思うと納得がいくような。
家康のやり口はずいぶんだが、茶々と秀頼には一大名として生き延びる道もあったわけなのに、それは拒否したわけだからね。
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乱紋下巻です。1日で一気に読み終わりました。上巻で感じた時と同様,今まで私が見てきたお江の方のイメージとは違った描かれ方をしていました。特に家光の乳母春日局の見方に納得がいった感じです。言い伝えとしてはお江の方が国松を寵愛したとされていますが,本書では春日局が勝手に利発な(家光は口数が少なかった)国松に敵対心を燃やす自分が悲劇のヒロインを演じることによって生きがいを得るタイプだったというように描かれています。
今まで見聞きしてきた国松は直接お江の方が育てた,というのも違うと,著者はきっぱり否定しています。歴史小説やドラマ等は史実を元に描いているフィクションであり,見方が変わればその人も変わるというのを実感した1冊です。それが楽しみでもあるのですが。今回は面白い描かれ方をしていて,非常に楽しく読めました。来年の大河ドラマではどんな描かれ方をするのか楽しみです。
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天がめぐろうとしている。権力をほしいままにした秀吉の立場に影がさしはじめた。
そんな折、おごうは三度目の花嫁となった。
嫁ぎ先は、徳川家康の嫡子、二代将軍となる秀忠―。
秀吉の死、関ケ原の戦いと歴史の大きな転換期に到達した時、お茶々とおごうは、姉妹で日本を真っ二つに分けて対決する両陣営の頂点にいた...
率直な感想は決して面白くない訳ではないですが、「おごうの生涯を描く」という紹介から歴史に忠実に事細かく(上と下があったので)書かれているかと思っていたのですが、そういった意味では期待はずれでした(;^_^A
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天がめぐろうとしている。権力をほしいままにした秀吉の立場に影がさしはじめた。そんな折、おごうは三度目の花嫁となった。嫁ぎ先は、徳川家康の嫡子、二代将軍となる秀忠―。秀吉の死、関ケ原の戦いと歴史の大きな転換期に到達した時、お茶々とおごうは、姉妹で日本を真っ二つに分けて対決する両陣営の頂点にいた。
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『「江」の生涯を描いた決定版』と平積みされていた。
大河の便乗かとみれば永井路子さんだった。
ということは、もしかしたら読んだことがあるかな、と思いつつ、全く内容を覚えていなかったので購入。まぁハヤリだしね。
永井路子の歴史小説は高校生の頃にほとんど読んだと思う。
自分の日本史好きは彼女の小説から始まった。
久しぶりに読んだら、高校生の時とは受け止め方は違っていたけどやっぱり面白かった。
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お江を中心に話は進んでいくものの、お江が何か積極的に動いたり、苦悩したりするわけではない。ハラハラしているのはいつも侍女で、最初から最後まで傍目には「どんくさい」女性、何を考えているのかわからない人、むしろ「考えたことがあるの?」という印象が残った。
周囲の環境だけがめまぐるしく変わっていく(豊臣政権→徳川政権への時代の変化、3度に渡る婚姻)が、全てに抗うことなく受け入れることで、最終的には栄達に達したお江。
運命に抗って生きることより、運命を受け入れて、ありのままに生きていくことへの道を示したのだと思う。
(よく言えばそうなるが、悪く言えば、ただ運が良かったどんくさい人、という印象がこの書に限っては強く残った。)
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結局、ごうの侍女目線のお話でした(笑
戦国時代、、時代に翻弄されて今の私達に置き換えて考えられないような人生を送った江、、、
自分を捨てずに生き抜くために自然と身にまとった性格(って言うんでしょうか?)
長年傍にいる侍女おちかの平凡な目線がおもしろかったですね。
でも、、、一体ちくぜんって何者だったんでしょう?(笑
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浅井三姉妹(茶々、初、江)の江メインの話。
自分の人生を切り開く茶々と、自分に与えられた道を進む江。その対照的な人生を作者独自の目線で展開した小説。
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浅井三姉妹の仲は決して良いわけではなかった。
それを前提に江姫の侍女である おちか を主人公として物語は進んでゆきます。
結果として、骨肉の争いに至らんばかりの渦巻く煩悩に振り回されるおちかのストーリーにドロドロ感を否めない内容となっていますが、逆にリアリティさはヒシヒシと伝わってきます。
この小説は江姫をメインで描いているものではありません。
が、浅井三姉妹の茶々、お初、そして江姫のそれぞれの人生のなかで、江姫を中心に彼女たちの周りで起こった出来事を深く理解することができました。
また、永井路子さんが独自の視点で展開をする、
『歴史のたられば推論』
には、思わず目を見張るものがあり、さすがは歴史小説家と思わずにはいられませんでした。
時折、史実を明らかにする文献史料などを引用しつつの描画に強い説得力を感じさせて頂いた本書の評価★は4つとさせて頂きます。