【感想・ネタバレ】回天の剣 島津義弘伝(下)のレビュー

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島津四兄弟の物語

2022年07月03日

破天の剣、衝天の剣、回天の剣と通して読んだ。
島津四兄弟が生きた時代の史実を踏まえ、作者が紡ぐ物語に凄まじいものを感じた。歴史は勝者が作るとよく言われるが、その過程で数多の人生が交錯し人間の本質が曝け出されていることも改めて突きつけられた。この時代の沸々たる思いが数百年の時を超えて明治「維新」へとつ...続きを読むながっていったのだろうか。
読み応え充分の作品だった。

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Posted by ブクログ 2019年12月05日

同じ作者が先に送り出した『破天の剣』の「続き」のような作品だ。四兄弟の活躍で九州制覇を目前にした島津家が豊臣秀吉の軍門に下った後の時代が上下巻を通して描かれる。この下巻は、豊臣秀吉が世を去った後の状況を背景にした物語だ。
島津家の四兄弟としては、結局は長兄の義久―本作では「龍伯」という号を名乗るよう...続きを読むになっている…―と義弘―途中から「惟新」という号を名乗るようになる…―とが長く生き、色々なことに巻き込まれて、色々なことに心を砕くようになって行く。
弟達や一門の若く有望だった者達が斃れる中、島津義弘は「島津の武威」を体現するようなカリスマ的な指揮官として、苦しい戦いに身を投じて必死に戦い続ける。他方、兄の龍伯(義久)は弟達や一門の若く有望だった者達が斃れ、領国で色々な犠牲を強いられるようになった状況下、深い想いを胸に謀を巡らせる。
この種の物語は、或る程度知られている史上の様々な出来事に一定程度依拠して創られる訳で、「何がどうなって行く」という大まかな流れは「判っている」ということになるにも拘らず、その大まかな流れの隙間を埋める作者の想像の翼が大きく羽ばたき、それが非常に面白いのだ。
結局は「互いを敬愛し、互いを恃みにする四兄弟」が激動の戦国時代末期を潜り抜ける物語…というところであろう。敢えて加えると、本作では脇役ということになる同時代の色々な人達も作中人物として登場するが、それらも各々に味わいが在る。
時代モノが好きな方、戦国時代の物語に少しでも興味が在る方には強く御薦めしたい作品だ。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年09月10日

関ヶ原の戦い前後の場面が描かれているが、戦の場面も細密に描かれておりとても読み応えがあった。また、それぞれの登場人物の思惑が事細かに描かれており、結末は知っているものの、とても話に引き込まれた。

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Posted by ブクログ 2021年10月23日

衝天の剣の続編であり島津家シリーズの完結編。
義弘、家康、三成など様々な人物の視点から物語は進み、それぞれの思惑を描くことで話の深みが増していました。今作でも多くの犠牲を払いながらも、最後まで島津家を守り抜くといった強い覚悟を感じさせられます。破天の剣を読んだ時から、作者の天野さんは人の感情に響かせ...続きを読むる文や表現が上手い方だと思っていましたが今作ではそれをより実感しました。(島津の退き口や終章の場面)
折を見て、また読み直そうと思います。

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Posted by ブクログ 2020年07月12日

人生において、何を大切にするのかは人によって異なる。そこに哀しみが生ずる。しかし、如何ともし難い。それもまた人生か。

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