【感想・ネタバレ】城郭考古学の冒険のレビュー

あらすじ

城跡の発掘調査、絵図・地図、文字史料など分野横断的に「城」を資料として歴史を研究する「城郭考古学」。城を築いた豪族・武士の統治の仕方や当時の社会のあり方等々、近年、城を考古学的に研究することで、文字史料ではわからなかったことが次々に明らかになってきた。信長・秀吉・家康・光秀・久秀らの城づくりからわかる天下統一と戦国大名の実像、石垣・堀・門の見方、アイヌのチャシ・琉球のグスクなど日本の城の多様性、世界の城との意外な共通点等々、城郭考古学の成果とその可能性を第一人者が存分に語りつくす。

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Posted by ブクログ

城郭考古学の第一人者、千田嘉博氏による城郭研究に関する入門書的な内容。大阪城や江戸城等の有名な城郭から地方の中世城郭までとにかく分かりやすく解説しています。何と言っても、著者の城郭考古学者としての矜持が強く感じられる内容であり、読み応えがあります。

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2022年09月24日

Posted by ブクログ

NHKで戦国時代の城郭の解説には必ず出演される著者の贅沢な作品。
旅先の城を見る程度の城ファンの私でも、読み始めると止まらないぐらい面白く幅広い。

研究者としてだけでなく、著者の城郭への愛が溢れ、知的好奇心を刺激してくれる。
入門編にとどまらず、海外との比較もあり、この著者の研究範囲の広さに驚きでもあった。今後も、城郭というワードが出てくるテレビ番組にはこの著者が当面活躍されるだろう。

著者は知識を楽しそうに語っている著者の風景が目に浮かびつつ、日本史好きは勿論、城っていいなと思った程度の人でも楽しめる城(郭)入門書である。
城郭のためだけの旅行もやってみたくなる悪魔の書でもある(笑)
機会があれば、千田先生の授業も受けてみたい。

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2022年03月15日

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あ〜こんな楽しい学問が有ると知っていたらその道に進んでいたのに!と思えるほど「お城」の見方が大きく変わります。そして「お城」を見に行きたいと思える本です。

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2021年07月15日

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文献のみでなく現地の調査など多角的に城を研究する城郭考古学、その魅力を余す所なく伝える良著。

古代の遺跡に比べて発掘調査の軽視されてきた城の調査。レーザー測量などの技術も活用しようやく進展し始めた城郭考古学。客観的な証拠の数々により従来の通説を覆す可能性も秘めている。

織田信長の城。家臣との関係が同盟的なものから次第に権力を集中させる過程が家臣の屋敷跡から明かされる。豊臣秀次が行った聚楽第の要塞化の痕跡。秀次謀反の企ての大きさ、処罰の厳しさなど謎が繋がる。

日本だけに留まらず、世界の城との比較も含め、包括的に城郭考古学を紹介した作品。

また城についての研究では実際に現地を訪れ、攻める立場、守る立場を時代を超えて想像する喜びもあるという。

学界、行政それぞれの現状の問題提起も含め、城の研究の入門書として良くできた一冊。

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2021年05月07日

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城郭研究者の第一人者が古今東西の城について比較解説してくれる本。

特に海外の城との比較が興味深い。

最近宇陀松山城のあたりにも行ったが、このような城がたくさん築かれた戦国時代って本当に大変な時代だったんだなと思う。

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2021年04月17日

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千田先生の城郭研究に対する熱意と覚悟を感じた一冊。海外の城との比較についての章において日本の城郭研究の意義を知った。文化財保護とその活用についての考察など姿勢を正して改めて考えるべき問題点が山積みであることもわかった。

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2021年03月28日

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読み切ることを一旦断念しました。お城は好きですが、鑑賞することが好きで、お城の詳しい構造などは知らず、想像が出来なかったため文章が頭に入ってきませんでした。写真とかで解説してある初歩的な本を読み再読したいと思う。
城郭考古学の第一人者である千田先生の著書。著書からいろいろな話を引用され1冊にまとめられているため、同じ話が複数回出てくることもある。
城郭考古学とは、城を復元することとは、領主と家臣の関係性が顕著にわかる織田信長以降の城郭構造、城から見る光秀の考え方、聚楽第跡からわかる豊臣秀次の謀反計画、豊臣秀吉の本拠地など、興味深い話が多く、城の遺構、城郭の構造、資料などから武将の思惑や事件の新たな理由などを考察されている。

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2024年07月02日

購入済み

城めぐりファン必読

テレビ出演が多い筆者のため、すでに知り得た情報は少なくない。それでも体系的に整理されているのでより理解が深まった。山城ファンとしては共感できるところが多く、今後ますます存在感を高めて頂き遺構発掘、保全に貢献されることを期待したい。

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2023年10月05日

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日本史はあまり得意ではないのだが、戦国武将好きな息子と一緒に、主にNHKの歴史番組を見ているうちに千田先生の存在を知り、少年のように楽しそうにお城のロケをしているのを拝見してすっかりファンになってしまった。
この本もそんな千田先生のお城愛があふれていて、かつ、現在の日本のお城或いは城跡の保存の在り方について、学者として言うべきことははっきり言う箇所も随所にみられ、納得の一冊ではあった。
ただ学問的には、千田先生の学説の中には「最近の有力説」ではあるけれども、学会でオーソライズされたいわゆる「通説」とまではなっていない、という説もまあまああるようなので、それらについては他の先生たちの本にも触れて、自分ならどう考えるか、そういう態度で臨むべきなんだろうなあと思うところはあった。個人的には、千田先生の説がこれからは通説となっていくだろうとは思っているが、千田先生の熱量に押されて、千田先生の説だけが唯一正しいように受け取ってしまうのは、読む側の姿勢としては気をつけたいところだとは思う。
とは言え、日本史が得意でない私でも読んでいて楽しかったのに間違いはないので、私もこれからお城めぐりを始めてみたいなと思った。

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2022年03月26日

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千田先生、テレビでは磯田先生とキャッキャウフフしてるとか杉浦アナと仲良く討ち死にとか、ひたすら楽しい先生なのだが、文章となると驚くほど真面目です。城郭考古学のパイオニアとして、既存の学問と戦ってきたスピリットが見える本でした。なお、過去に書かれたものを集めて新書化しているので、重複する話が一部見えるのが、ちょい引っかかりますが、それだけ強調したいポイントだと考えましょう。

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2021年03月08日

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城は戦の舞台であると同時に人々の暮らしを守る器でもあった。土塁や堀に刻まれた痕跡は無言のまま歴史を物語る。石垣の積み方一つから時代の権力構造が浮かび上がり築城の工夫は地域の知恵を映す。だが城は観光の名所として美化されがちで戦や支配の現実は薄れがちだ。発掘の成果は華やかさの裏に潜む人間の営みを映し出す。遺構に耳を澄ませれば歴史は単なる展示物でなく生きた問いとして私たちに迫る。

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2025年09月01日

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馬出し、外枡形など織豊期に積極された防御形態が世界的にも地域発生的に採用されており、防御施設としての普遍性があるというのは驚きであった。また織田信長の築城した小牧山城や安土城、明智光秀が築城した周山城の形態から各大名が目指すべき主君像が反映されていて面白いと感じた。

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2023年08月06日

Posted by ブクログ

ああ、お城に行きたい欲がむらむらと…明智光秀、松永久秀のところ興味深かったなあ。2人とも、ほんとはいい人なのだな。お城の復元や整備はしてほしい気持はあるけど、あれこれと問題もあるのね…もともとなかった天守を作っちゃうのは酷い…難しい部分も多いけど、そうなんだ〜!と感心していたら少しずつだけど読めたわ。海外のお城もイケる千田先生すごい。モンゴルに発掘調査に行った時のドレスコードいい。勇者。その服装でのお写真載せてほしかった〜。

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2023年05月04日

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