【感想・ネタバレ】破天の剣のレビュー

あらすじ

群雄割拠の戦国時代、九州は薩摩の戦国大名・島津貴久の四男として生まれた家久は、若年の頃より「軍法戦術に妙を得たり」と評されるほどの戦巧者であった。だが兄弟の中で家久だけが母親の違う出自の為に深い懊悩を抱えていた。家久はその思いを払拭するかのように大友宗麟、龍造寺隆信といった九州の名だたる大名と奮闘を繰り広げ、島津の九州統一の夢に奔命する。しかし、天下人・豊臣秀吉とその弟・秀長が率いる大軍が島津家の前に立ちはだかる――。島津家の知将・島津家久の波乱に満ちた生涯を描く、第十九回中山義秀文学賞受賞作、待望の文庫化!!

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島津四兄弟の物語

島津氏に関してはとかく義弘に興味が集まる。私もそう思い込み義弘ゆかりの城々を巡った。
しかし、本書を読み、家久の出自、行状、やがて明らかとなる軍才係る葛藤を乗り越えて如何に四兄弟が結束したかを見せつけられていたく感動した。
家久なくして秀吉の荒波は乗り切れなかったであろうし、後の家康の荒波も家久の息子、豊久が命をかけて義弘を生還させた結果乗り切れたと思えば家久、豊久父子の島津家に尽くした貢献は計り知れない。

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2022年04月21日

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北方謙三の激アツな文章に慣らされてしまっているので、これだけ静かな筆致でこれだけ熱く表現できる作者の才能を感じます。
他のも読んでみたい。

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2017年10月02日

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本作は、島津家久を主人公に据えている。戦国時代の終わり頃の島津四兄弟の末弟である。この島津家久は、島津義久、島津義弘、島津歳久という3人の兄が居る。本作の主人公は末弟の家久ではあるのだが、本作全般を通じてみると、何処と無く「四兄弟の物語」という雰囲気も在る。

本作の家久…変わり者で型破りであるが、天才的な戦術家で、「不敗の名将」というようになって行く…そういうように歩んだ家久の底流に在ったモノが何なのか?それが全編の奥底に在る…

そして…数々の合戦の様子が活写されるが…これが凄い!

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2015年12月20日

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ネタバレ

戦国時代でも屈指の兄弟間での争いがなく、共に乱世を生きてきた4兄弟だが、兄弟だからこそ感じてしまう感情や思いが描かれており、とても読み応えがあった。

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2025年06月08日

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九州の島津家久を主人公とした歴史小説。九州を舞台にした戦国時代の物語は初めて読みました。軍略の神と称された主人公が、巧妙な策略で大軍を破るシーンは興奮しました。若い歴史小説作家の他の作品にも期待です!

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2022年03月13日

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人は、認められたい生き物。

島津四兄弟の末っ子、家久の小説。自分だけが妾腹(しかも、父の胤ですらないかもしれない)と悩む。兄弟として、一族として認められたい一心で、軍略の才を発揮していく。

自分が求めるところと、自分ができることは、必ずしも一致しない。いや、むしろ一致することの方が、少ないのかもかもしれない。
生きていくというのは、本当にしんどい。

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2018年07月14日

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島津四兄弟の末弟・家久が主人公。
4人兄弟の中でたった一人だけ母親が違う、そして実は父親は貴久ではないのでは?などという噂まであった家久。
家久自身、戦でしか居場所がない。と思い続け、兄たちや周囲の人に認めて貰いたい一心で「軍神」といわれる立場まで登りつめる。
本当に求めたものって?
居場所は戦場ではなかった。
最後に気付いたけれどそれを掴み取る事が出来なかった家久。
戦いのシーンと家久の内面との差が悲しい。
長兄・義久は弟たちに劣等感を持ちつつ当主として、兄として毅然と立とうとしている。
次兄・義弘は初め家久に対抗心を持っていた。
三兄・歳久はなんだかんだと家久の面倒を見ている。
この本の中では1番家久を「弟」として見てたのは歳久だと思う。
最後は本当に切ない。

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2016年07月04日

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父親から勧められ読む。天野さんの小説は初めて手に取った。ライトテイストな部分もありながら、味わい深い戦国時代の雰囲気を十分に感じられる。司馬さんなどの大御所はこうは描かなかったのではないか、というような解釈に感じた。
そもそも歴史背景として戦国末期の島津が4兄弟ということもしらなかった。島津奔る、や、関ケ原で出てくる以前の九州を切り取っていく時代を知れたのは面白かった。とはいえ、上記二小説で目にしていた「義家」は、本小説では最後まで「義珍(よしたか)」のままだったが。できれば、家久亡き後の島津家も天野さんの筆で読ませてもらいたかった。

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2016年04月04日

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薩摩の戦国武将・島津の四兄弟の物語。本書の中心は末っ子の家久だが、家久の詳細な情報収集、それに基づく緻密な戦略立案は今の仕事にも繋がると思った。自分の足で現場を見て、感じる。とても大切なことだ。戦場の様はとても臨場感があり、思わず本を握りしめてしまった。家久が軍神のように周りには思われるが、実は戦が好きではないということが徐々に紐解かれていく話の展開はとても感慨深い。

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2016年02月14日

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面白かった。
戦国の島津四兄弟のなかでも突出した戦巧者、家久を描く。
脳内で、俳優の菅田将暉さんを配役して読み進めた。
大河で扱ってほしい。豊臣兄弟もいいけど。

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2025年11月20日

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爽快な北方謙三から少しハードボイルド感を抑えて司馬遼太郎感を付け加えたような作品。よい著者を知った。

内容は、中央では信長などが台頭してくる中、島津が九州で覇業を成そうと戦を進めていたと言うところから、最後は秀吉との決戦に向けてと言った内容。中でも、家久の活躍が爽快だ。

島津家第十五代当主貴久は病の床で次の当主義久に言った

大将たる者、みだりに動じず、しかと腰を据えておるがよい。それが、戦で勝ちを得る大本ぞ

と。

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2025年05月23日

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島津家久の生涯。出生の怪しさに悩む天賦の軍才。得意な戦いで周りから褒められたいと願い、命を削る努力を重ね、奇跡的な勝利をもたらす。戦いから解放された時、毒殺される。釣り野伏せの天才。耳川の戦い、沖田畷の戦い、戸次川の戦いで九州の勢力図を変える大勝利を上げる。島津四兄弟の末弟で唯一、母親が違うのでこういうこと設定のキャラになるのだろう。

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2016年01月28日

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