すべての高評価レビュー
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Posted by ブクログ
1冊まるまるエッセイだと思っていたら、
「はじめに」にて、なんと姉妹それぞれが挑戦した初めての小説も読めるとのことで、小説が好きな私としてはテンションが上がった。
小説は、みほさん作のみほさんワールドな作品も良かったし、えりこさん作の作品は、長編で読んでみたいと思わせる力作だった!
エッセイは、姉・えりこさんの丁寧に語りかけてくるような文章も好きだし、みほさんの笑わせてくるセンスのある文章も好き。
引越しの予定はないけれど、間取りとか物件見るのは大好きなので、阿佐ヶ谷姉妹の物件探しのお話は、読んでいて楽しかった。
綺麗事ばっかりではなく、2人それぞれが相手の愚痴をエッセイに書いちゃうと -
Posted by ブクログ
ネタバレ泣きそうだった。あんた犯人じゃないんかい!
死刑囚が脱獄して逃亡する。戸籍も身分証もない。身寄りもない。そんな社会でお金を稼ぎながら、道ゆく人に、警察に、バレないよう暮らさなきゃいけない。そんな辛いことある?私だったら、労働する必要もない、ただ刑期を待つだけの暮らしの方が楽だしそうする。
でもやってなかったら。そして生きていきたかったら。
逃亡中にいろいろな出会いがあったね。恋もしたんだね。縋るような思いで、井尾に接近して。
『自分を褒めてやりたい』が、本当に切ない。よくやった!!!と私もあなたを褒めてあげます。
一気読みでした。 -
Posted by ブクログ
悲しみ、特に愛する人を喪った悲しみを知る人に、強くお勧めできる一冊。
悲しみを知ることで、初めて本当の生を知る。
悲しみを知ることで、本当の私に初めて出会う。
強い悲しみを経験することは、何か簡単には言葉にできない、ある種の究極的な真理に、気づく権利が与えられるということなのかもしれない。
この本では、悲しみについての様々な思索が、古今東西の哲学や文学、特に詩歌をよすがに、とても豊かな情感とともに、そしてとても優しい筆致で、したためられている。
「悲しい」と書いても、「愛しい」と書いても、「かなしい」とよめる。悲しみには、その深い深いところで、ただ悲痛なだけではない何かがあって、そしてそれは、 -
Posted by ブクログ
村田沙耶香さん初の上下巻の長編は、ただただすごかった
下巻では世界がリセットされ「汚い感情」のないクリーンな世界
性欲処理や出産、汚かったり命がけな仕事をピョコルンが引き受けてくれるから心はクリーンでいられる世界
ウエガイコク、シタガイコク
恵まれた人、クリーンな人、かわいそうな人、最後には見えない人
かわいそうな人のもっと下に見えない人…
なんでこんなに穏やかな優しい口調でグサグサ刺してくるんだろう…
人間のグロテスクさを、この穏やかな優しい口調であらわにされ、こちらの心は終始混乱するのだけれど、この長編を締めくくるラストの壮大な『儀式』では、自分が空子になったかのように静かな気持ちで没入で -
Posted by ブクログ
これ全年齢でいいんですか?!ってくらい糖度増し増しで全年齢の壁ギリギリな甘さできゅんきゅんしました♡
フィオナが希少な女性魔法使いということでセドリックの葛藤は大きかったと思いますが、かなりじれじれで(使用人にはヘタレ認定されてた)なかなか進まない関係にやきもきしましたが、新婚旅行先での波乱がいい後押しになったみたいで笑
いい後押しというにはフィオナを口説く人が多すぎてセドリックが大変なことになっていましたが、生真面目すぎて1人で思い詰めすぎるきらいがあるので少しくらいは荒療治が必要だったのかなぁと思うと納得です。
穏やかとは言い難い新婚旅行でしたが、ちゃんと新婚旅行らしいシーンもあって仲