【感想・ネタバレ】ユダヤ人の歴史 古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまでのレビュー

あらすじ

ユダヤ教を信仰する民族・ユダヤ人。
学問・芸術に長けた知力、富のネットワーク、ホロコーストに至る迫害、アラブ人への弾圧――。
五大陸を流浪した集団は、なぜ世界に影響を与え続けているのか。
古代王国建設から民族離散、ペルシア・ローマ・スペイン・オスマン帝国下の繁栄、東欧での迫害、ナチによる絶滅計画、ソ連・アメリカへの適応、イスラエル建国、中東戦争まで。
三〇〇〇年のユダヤ史を雄大なスケールで描く。



■目次
序 章 組み合わせから見る歴史

第1章 古代 王国とディアスポラ
1 ユダヤ教以前のユダヤ人?――メソポタミアとエジプトのあいだで
2 ユダヤ教の成立――バビロニアとペルシア帝国
3 ギリシアとローマ――キリスト教の成立まで

第2章 古代末期・中世――異教国家のなかの「法治民族」

1 ラビ・ユダヤ教の成立――西ローマとペルシア
2 イスラーム世界での繁栄 西アジアとイベリア半島
3 キリスト教世界での興亡――ドイツとスペイン

第3章 近世――スファラディームとアシュケナジーム
1 オランダとオスマン帝国――スファラディームの成立
2 ポーランド王国との邂逅――アシュケナジームの黄金時代
3 偽メシア騒動からの敬虔主義誕生――ユダヤ教の神秘主義

第4章 近代――改革・革命・暴力
1 ドイツとユダヤ啓蒙主義――同化主義なのか
2 ロシア帝国とユダヤ政治――自由主義・社会主義・ナショナリズム
3 ポグロムとホロコースト――東欧というもう一つのファクター

第5章 現代――新たな組み合わせを求めて
1 ソ連のなかの/ソ連を超えるユダヤ人――社会主義的近代化
2 パレスチナとイスラエル――「ネーション」への同化
3 アメリカと文化多元主義――エスニシティとは何か

むすび
あとがき
参考文献
ユダヤ人の歴史 関連年表

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ユダヤ3000年の歴史。
途方もない、永い時間、その軌跡を終えるだけでも本当に神秘的で筆舌に尽くし難い経験だと感じた。

遥か昔の古代からこの地球に人間が生きていることを、知ってはいたけど体感として知らしめられた、そんな読書体験だった。

実際の中身のところでいくと、ユダヤ人に対する見方が変わった。良い悪いではなく、史実を知ることができた。

特にユダヤ人迫害の歴史は、ヨーロッパ大陸が地続きであるというところをベースに、ユダヤ教の根本である律法主義や、時代、外的環境、様々出来事が複雑にか絡み合い今日に至るんだなと。
でもとにかく、国を豊かにするためにユダヤ人を利用して、ユダヤ人側もそれを逆手にとり栄えてきた。
とにかく一筋縄ではいかないものがあるなと。

島国日本人には、到底理解しきれないな〜
私もわかってるつもりで本当の体感としてはわからないんだと思う。

でも一つ言えるのは、これを読んだことによりネタニヤフの根源が知れたというか、とにかくユダヤ人は「奪われてきた」と、そういう想いなんだね。
でもネタニヤフの性格も影響ありそうだなと。

今後のニュースの見方が変わりそうです。

読みやすくて、知らないことが知れて本当に面白かった。

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2026年09月03日

Posted by ブクログ

ユダヤ人の歴史を、「主体」(自ら意図したか)と「構造」(外的要因に規制されているか)の組み合わせから解き明かす。主に「構造」の視点から描かれる世界史の通史において、ユダヤ人は往々にして一神教が登場する古代もしくは近代以降にしか登場しない(そこではディアスポラやホロコーストなど、往々にして悲劇の民として描かれる)が、それ以外の時代では「主体」として自ら変容し、多様な歴史を辿ってきたことを解説してくれる。ユダヤ人やイスラエルについての一面的な理解を見直すきっかけをあたえてくれる好著。

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2026年09月02日

Posted by ブクログ

ユダヤの歴史を起源から現代まで一気に読める。著者があとがきの中で、各時代の専門家がいる中で、通史を本にするのは不遜という言葉で謙遜していたのが印象的だった。パレスチナ問題のニュースはいつも歯切れが悪いというか、複雑ですから…というトーンがつきまとう。確かに新書1冊の通読にも苦労しましたし、多分大して理解できていない。
いつの時代も、1つの国に含まれる土地と住民は、その国の中で階層に分かれていて、緊張や対立を含んでいるものの国としての秩序は保たれている限り国家として存続している。ユダヤ人はその中でうまく渡っていたからこそ、対立が顕在化する時代の変換点に激しい攻撃を受ける。立場が異なる2者でも和解は難しいのにプレーヤーが多い分いよいよややこしい。

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2026年08月30日

Posted by ブクログ

まえがきに「世界史未履修でも通読できる」と書いてあるけど、履修してから読んだほうが絶対面白い。むしろ、高校世界史Bの補完、「もう一つの世界史」のような側面があると思う。世界史好きからすると、「人類史全てを語る」世界史のダイナミックさにもう一度触れているようで、たのしい。
・イスラームとユダヤ教が非常に似ていることを確認。C教と違って両者とも聖職者は不在で、法学者が偉い。バグダードでウラマーとラビがアラビア語で議論してたって。
・マイモニデスとスピノザが一つの軸で語られてるのめちゃめちゃ気持ちいい
・アシュケナジームとスファラディームの通史を完全に押さえられるから素敵。大航海時代のアムステルダム、最盛期のオスマン帝国、ポーランド=リトアニア王国と、世界をまたにかけてダイナミックな歴史を展開しているユダヤ史の面白さで、満ち足りる。
・近現代史の専門家が通史を書くと、近現代の章だけ異様にこみいって特定のテーマに偏った記述になる(しかも中途半端)というのはあるある。
逆に古代〜中世、近世は適切な距離感で描かれている。

あとがきで、著者は学部時代にアラブを勉強していたら社会学に出会って、いろいろあってユダヤの通史を書くに至ったと書いてある:なんで?
視野が広がった。モチベーションが上がった。社会学も気になる。

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2026年06月08日

Posted by ブクログ

複雑に捻れている現在のイスラエル周りのこと、少しでも知りたいなと思って手に取りました。

情報の密度がとても濃い文章で、頭から煙を出しながら必死に文字を追いました。
元々の世界史、地理の知識が乏しいのであまり理解はできていませんが、一応通して読んで良かったなと思っています。
意図なくキリスト教系の大学に進学し、必修だったためキリスト教に関する授業を受けました。
その中で安息日の労働はみなさんが考えてるのと違って、電球のスイッチオフとかもそうなんですよと話されたのがとても印象に残っていて、大学の講義以来その話を見る機会となり、読みながら興奮しました。ほんとだ!と。

ユダヤ教、キリスト教、イスラム教…複雑すぎて全然わからないです。
印象に残ったのはラビ、ポグロムなどの単語。この本で初めて知りました。
違う本で、周知の知識として単語が出てきて、知ってる!となれたのが嬉しく、それだけでもこの本を読んで良かったと思ったくらいです。

『夜と霧』を読んで以来、考えを大事にしているスピノザが出てきて、スピノザのやばいとこ知るの怖い!と思ったら冷静に見ていて、やっぱ最高!となった(p116)
「神は他の民族を差し置いてヘブライ人たちを神自身のために選び取った(「申命記』第十章十五節を参照)とか、神は彼らの返くにいるが他民族の近くにはいない(『申命記』第四章四〜七節)とか彼らだけに正しい律法を授けてくれた(同書第四章八節)とか、また他の民族を差し置いて彼らだけに自分の存在を知らせてくれた(同書第四章三十二節など参照)とか聖書で言われているのも、すべてはヘブライ人たちを律法に服従させるため、ただ彼らの理解力に合わせてそう語っているだけなのだ(同書、一四六~四七頁。)

p282
文化多元主義と多文化主義の話は、色んなことに通じそうだなと思った。
理解が合ってるかわからないけど、文化多元主義の方が良いなと思ってる。
マイノリティの言うことばっかり聞いて 多数派が割を食ったり、言うことを聞き続けなければならないという偏った雰囲気ではなく、多様化ならどちらもあって良いよね、という。
雰囲気としたのは、人々の感情でのことで、数値だけで言えばどうしても多数派が減るとは思うからそこは仕方ないかなとは思う。

p294 ネタニヤフのお兄さんの話初めて知った。
イスラエルが行ってることで許せないこともたくさんあるけれど、その行動に出ることについて、許したり認めたりする意味ではなく、仕方ないなという気持ちがはじめて沸いた。だからといって肯定はできないですが。

憎しみあいの応酬は避けるべきといっても 私はその失う痛みを知らないから綺麗事を言える。
失った人たちは綺麗事よりも、目の前のことを破壊したくなるくらいに傷ついたって主張するのかな。
悲しい。



とてつもなく複雑に絡み合った歴史で驚きました。
一冊の本に書き上げることは著者も校正も編集も皆さんとても大変だったでしょう。
全てを理解できるほどの知識が自分にないことが悔やまれますがこの本をきっかけによりユダヤ人や国際情勢について理解を深めていきたいと思えました。

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2026年05月24日

Posted by ブクログ

3,000年にわたるユダヤ人の通史。ローマ帝国やオスマン帝国、ロシア帝国、イギリス帝国など歴史の強者に翻弄されてきた歴史がよくわかる。

ホロコーストは必ずしもナチス・ドイツによるものだけではなかったこと、当たり前のことながらユダヤ人は必ずしも一枚岩ではないこと、アメリカとイスラエルは当初から蜜月ではなかったことなど新たに気付かされることも多い。

そして最も印象に残ったのは同化の難しさだ。為政者が融和的であっても市井では不満が歪みとしてたまり民族対立に至ることもあるし、融和が進むかと思うタイミングで民族主義が過激化することもある。歴史はどうやら融和と対立のグラデーションを行ったり来たりするようだ。これを人類がいまだに乗り越えられていないことは今まさに世界で起こっている対立からも明らかだ。

その点を踏まえると労働力不足の名のもとに移民的労働者を受け入れる日本は安易すぎるかもしれないし、将来、融和や同化が進まず対立に至るという同じ轍を踏まないでほしい。

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2026年05月12日

Posted by ブクログ

ユダヤ人といえばホロコーストだが、ホロコースト以前からポグロムという形の被害、差別があって、それには経緯と構造と時勢など様々な要因があった。ディアスポラにより世界各所で「適応」しながらも、戒律に従うことで一体感を保てたこと。そして「適応」がときに権力側と結びつきを生み、それが市民からの反発を招く構造的な問題があったこと。
どれもが組み合わせの妙で必然と呼べるものではないが、説得力があり色々な発見があった一冊だった。

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2026年09月14日

Posted by ブクログ

昨年書評を見て購入
イスラエルのやっていることが?!?!!で
でも、むずかしそう……
本棚の薄い新書を横目で見ながら一年が過ぎてしまった
やっと読んだ
やっぱり難しかった
なんやねん、ユダヤ人!

〈ユダヤ教を信仰する民族・ユダヤ人。学問・芸術に長けた知力、富のネットワーク、ホロコーストに至る迫害、アラブ人への弾圧――。〉

〈五大陸を流浪した民族〉
〈3000年のユダヤ史を雄大なスケールで描く〉
〈受動的な犠牲者というイメージは本書によって塗り替えられる〉

なんやねん、ユダヤ人!

本当によくまとめておられると思う
著者に敬服
でもモヤモヤはまだすっきりしない
イスラエルが分からない

≪ 全世界 あなたと共に かみさまは ≫

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2026年09月11日

Posted by ブクログ

私が抱いていたユダヤ人へのイメージを変え、自分は知らないことが多すぎる。。と反省した。もっと世界で何が起こって来たのかを知りたい。

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2026年09月10日

Posted by ブクログ

世界史どころか日本史さえろくに勉強してこなかったし、今も関ヶ原の戦いがなんなのかすらわからないような人間の感想。

 イスラエルとガザの争いから興味を持って読んだ。
 内容を一部だって理解できたとは言えないけれど、「弱者」「被害者」「少数派」のようなユダヤ人の印象に、少しだけ奥行きが出たように思う。
 また、歴史的な文脈があるにせよ、自分という個人に過去3000年に渡るユダヤ人という物語を接続して、他人を攻撃する理由にしてしまえるのは怖いことだと感じた。多かれ少なかれ誰しも「ナショナリズム」を持ってはいるのかもしれないけれど、タガの外れた様相だと思う。それが宗教の怖さだな、と言ってしまうと言い過ぎだろうか。
 マクロな視点を離れて彼らひとりひとりを見たときには、もしかしたら個人的な理由から敵意を抱いているのだろうか。
 他にも、人種差別やその抵抗運動にもその背景には一概には言えない色々な文脈が潜んでいるのかもな、という気持ちがした。最後の方で語られる、黒人差別とユダヤ人差別の対比に、ハッとさせられるものがあった。

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2026年09月01日

Posted by ブクログ

国を失えば、民族は消えるのだろうか。その問いが二千年を超えて響いてくる。古代に故郷を離れ、各地に散ったユダヤ人は、信仰や律法、共同体の記憶を子へと手渡し、自らが何者であるかを守り続けた。しかし近代、その違いは排斥の理由ともなり、ホロコーストという惨禍に至る。一方、「自らの国を」という願いはシオニズムを生み、イスラエル建国へと結びついた。土地を失っても記憶は残り、やがて記憶が再び土地を求める。だが、その実現は新たな対立も生んだ。ユダヤ人の歴史は、迫害と苦難だけの物語ではない。国とは何か、故郷とは何か、そして人は何を次代へ渡すのかを、私たちに問いかけている。

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2026年08月25日

Posted by ブクログ

ユダヤ教ユダヤ人全体を理解するためにとても勉強になった1冊。ちょっと世界史の知識が必要なので、そういう意味ではちょっと読みづらさも感じる。社会学的な主体と構造での分析は結構勉強になりました。

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2026年07月31日

Posted by ブクログ

3000年前から今にも及ぶ世界情勢を知ることができる貴重な本だと思う。
日本の大半の人はこの事実は知らないと思うので、読んで見てほしい。
うまく纏められていると思うが、時系列が前後して分かりづらい所もあるので、地図と同様に歴史年表も掲載してくれるとより分かりやすいのではないかと感じた。

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2026年07月29日

Posted by ブクログ

中公新書にありがちな大学の講義の教科書のようなテイストで、情報量は多いが、物語的ではなく、楽しく読めるという感じではない。

個人的には、スファラディームとアシュケナジームの成立とその後の経緯が特に興味深かった。

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2026年07月26日

Posted by ブクログ

読むのに難渋したけど、読んで良かった本。内容は決して難しく無いのだが、次々に出てくるカタカナ用語がおぼえられないうちに、その言葉を知っている前提で話が進んで行くのでついていくのがしんどいという(読み返せばいいだけの話だが)。 現在ガザで起きている悲劇の元をたどって行くと迫害されたユダヤ人がいる。ホロコーストも単にナチスドイツが暴走した故に起こったものでは無いということを知った。ユダヤ教徒とイスラム教徒が平和に共存していた時代もあった、それが小さな希望。

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2026年07月05日

Posted by ブクログ

序章  組み合わせから見る歴史
第1章 古代ー王国とディアスポラ
     メソポタミア、エジプト、バビロニア、ペルシャ帝国、
     ギリシャ、ローマ
第2章 古代末期・中世ー異教国家のなかかの「法治民族」
     西ローマ、イスラム世界、ドイツ、スペイン
第3章 近世ースファラディームとアシュケナジーム
     オランダ、オスマン帝国、ポーランド
第4章 近代ー改革・革命・暴力
     ドイツ、ロシア帝国
第5章 現代ー新たな組み合わせを求めて
     ソ連、イスラエル、アメリカ

三千年の歴史!
ユダヤ人の話ですが流浪した先の5大陸の歴史を学ぶことも出来ます。
流浪の民族ユダヤ人は「カスタマイズ」と「組み合わせ」を繰返して民族・組織として生き残り、繁栄もしていく。
現代のイスラエルは”最悪な組み合わせ”なのかもしれない。

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2026年07月05日

Posted by ブクログ

最近ユダヤ人に関するニュースをよく見るので、ユダヤ人とは を知りたくて読みました。内容ですが、ユダヤ人の歴史を簡潔にまとめてありました。世界史を全く知らない身としては、かなり難しかったです。
書籍を読んで、ユダヤ人がイスラエルを建国した理由、ユダヤ人でも様々な分類わけできる点、各国のユダヤとの関係を理解できました。

以下は書籍で使われていたユダヤ教についての単語を、GPTでまとめました。
ヤハウェ:ユダヤ教における神の名前。ヘブライ語ではYHWHと表され、ユダヤ教では直接口に出すことを避けることが多い。

カナンの地:聖書で、神がアブラハムとその子孫に与えると約束した土地。現在のイスラエル、パレスチナ周辺にあたる地域。

ラビ:ユダヤ教の宗教指導者・教師。律法や聖書を教え、礼拝や共同体の活動にも関わる。

スファラディーム:主にスペイン・ポルトガル系のユダヤ人。のちに北アフリカ、中東、オスマン帝国などへ広がった。

アシュケナジーム:主にドイツ・東欧系のユダヤ人。ポーランド、ロシア、リトアニア、ウクライナなどに多く住んでいた。

ハスカラー:18〜19世紀ごろのユダヤ啓蒙運動。近代的な教育や科学、世俗社会への参加を重視した動き。

シオニズム:ユダヤ人の民族的故郷をパレスチナ地方に建設しようとした民族運動。のちのイスラエル建国につながった。

ポグロム:ユダヤ人に対する集団的な迫害・暴動・虐殺。特にロシア帝国や東欧でのユダヤ人襲撃を指すことが多い。

シナゴーグ:ユダヤ教の会堂・礼拝所。祈り、聖書朗読、学習、地域の集会の場。

改革派:ユダヤ教を現代社会に合わせて柔軟に解釈する立場。礼拝や生活習慣も比較的自由。

保守派:伝統を大切にしながらも、時代に合わせた変化も認める立場。改革派と正統派の中間的な位置づけ。

正統派:トーラーやタルムードなどの律法を厳格に守る立場。食事規定、安息日、礼拝など伝統的な生活を重視する。

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2026年06月06日

Posted by ブクログ

高校の教科書には、ユダヤ人がほとんど登場しない中世から近世までの間も含めたユダヤの歴史
一度読んだだけでは、とても頭に入りきらないし、とても一言では言い表せないのがユダヤ人ですなぁ…
ウクライナのゼレンスキー大統領がユダヤ人であるということも初めて知りました。

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2026年05月22日

Posted by ブクログ

イスラエルの戦争の動機や要因を根本から知りたくて、この本を手に取った。

イスラエルを形作るユダヤ人は常に他国という構造に挟まれながら生きてきた。構造と主体を筆者は重要視するが、その視点から読み解くと分かりやすくなる。

悲惨な過去はユダヤ人の戦争動機を肯定する材料にはなり得ない。しかしながら、その背景を考慮せずにただ批判するだけでは建設的な批判にはならない。

有意義な批判を行うために必要な1冊。

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2026年05月20日

Posted by ブクログ

- 歴史の「歪み」と、寄せ集めの民の重力を見つめる

中公新書から2025年に刊行された鶴見太郎氏の著書。
ユダヤ人の通史だが、著者の筆致は客観性に徹している。ラビン暗殺といった歴史的悲劇すら淡々と、簡潔に記述していく姿勢が、歴史の逃れられない冷徹さを際立たせている。

関心を惹かれたのは、生存戦略としての「法(テキスト)」の扱いだ。
申命記にある「外国人からは利息を取ってもよい」という神の言葉の解釈。この宗教的根拠が、彼らに金融という独自の活路をもたらした。一方で、この仕組みが為政者との便宜的な関係を生むと同時に、庶民の怨嗟を買い、外部社会との間に決定的な「金利の歪み」を定着させた。この構造が数千年の流転にどう影を落としたかが、冷静に解き明かされている。

イスラエル内部の複雑な構造も、本書を読んで腑に落ちた点だ。
「欧州の白人ユダヤ人対パレスチナ」という単純な構図ではない。ホロコーストの記憶を持つアシュケナジーム、アラブ圏にルーツがあり右派を支えるミズラヒム、世俗的なナショナリズムを貫くロシア系移民。異なる背景を持つ人々が、「ユダヤ人」という共通のレッテルによって寄り集まっている。

アシュケナジームのエリート層が企図した「理性的」な和平案が、国内の情念や生存本能によって暗殺という形で葬り去られた。この事実を前にすると、中東の平和の遠さを実感せざるを得ない。

あらゆる事象に歪みがあり、それでも成り立っているのがこの世界なのだろう。その歪みそのものを受け入れ、アービトラージ(裁定)を繰り返しながら生きていく。不条理な現実を読み解くための、確かな補助線となる一冊だった。

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2026年05月11日

Posted by ブクログ

どの時代を切り取ってみるかでイメージが大きく変わるのが「ユダヤ人」だと思う。近代史以降は知っていることがほとんどだったが、古代から遡ると知らないことも多く、興味深かった。ユダヤ人と地政学というテーマで何か書籍があれば読みたいなと思った。

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2026年05月06日

Posted by ブクログ

現在起こっているイラン戦争の何故を理解したくて読みました。ユダヤ人について全く知識がなかったためとても勉強になりました。
迫害され続けたユダヤ人が国に執着する理由がよくわかりましたが、それでもイスラエルの今のやり方には賛同できません。戦争から学べるものは因果応報しかないのでしょうか。

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2026年05月06日

Posted by ブクログ

私のユダヤに関する知識が不足しているが故に、十分に消化出来なかった。長いユダヤ教、ユダヤ人が辿った歴史を丁寧に論ずる学術色が強い本である。古来よりいくつかの派閥があったこと。ニューヨークに住んでいるとき、異様に見える服装、姿からハシディズムは最右翼的な存在かと思っていたが、そうでもないらしい。ホロコースト、ポグロム。ドイツよりも東欧の被害者が圧倒的であること。ロシア・ユダヤ人が多くイスラエルに渡り影響を与えていること、ゼレンスキーはユダヤ系であること、など色々知らないことばかりである。たぶん三分の一も消化出来ていない。他の本も読んで深めたいと思う。

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2026年05月04日

Posted by ブクログ

ユダヤ人の歴史を、単なる「犠牲者」や「富豪」といった断片的なイメージではなく、生存戦略の積み重ねとして捉える視点は非常に鋭く、また現代を生きる私たちにとっても深い示唆に富んでいる。

​宿命を「生存戦略」に変えた民族の足跡
​ユダヤ人の歴史を紐解くと、そこには「国を持たない」という圧倒的な不安定さの中で、いかにしてアイデンティティを守り抜くかという、壮絶な生存のドラマが見えてくる。
​私たちが当たり前としている「法律」は、本来は国家という枠組みがあって成立するものです。しかし、国を持たない彼らにとって、法とは物理法則のようにどこへ行っても変わらない「戒律」であり、生き残るための「合理的な知恵」そのものだった。

​妥協と固執、そして資本主義
​支配者が変わるたびに、ある派閥は体制に寄り添って実利を取り、別の派閥は頑なに伝統を守る。この「柔軟さ」と「頑固さ」のせめぎ合いが、彼らを歴史の表舞台へと押し上げてきた。特に中世から近代にかけ、土地を持てない彼らが金融や経済の分野で力をつけたことは、資本主義の発展において大きな恩恵をもたらしたが、同時に「金にがめつい」という偏見や憎悪を生む引き金にもなってしまう。

​迫害が生んだ「国家」への渇望
​ポグロムやホロコーストといった悲劇は、単なる差別ではなく、政治的な扇動や選民思想への猜疑心が招いた「構造的な暴力」だった。この極限状態が、バラバラだったユダヤ人たちを「自分たちの国を持つべきだ」というシオニズムへと向かわせる。皮肉なことに、迫害から逃れるための主体的な動きが、パレスチナへの移住と現在のイスラエルという国家の形成、そして新たな対立へと繋がっていく。

​歴史の転換点に立ち続ける理由
​なぜ、彼らは常に歴史の転換期に登場するのか。それは、彼らが常に「提示された世界の構造」に対して、ただ流されるのではなく、主体的に、かつ必死に対応せざるを得ない宿命を背負ってきたからだと言える。

​結びに代えて
​ユダヤ人の歩みは、形のない「思想」がいかにして物理的な「歴史」を動かすかという進化の記録でもある。彼らの物語は、特定の民族の記録という枠を超えて、組織や国家が崩壊する局面で人間がどう振る舞うべきかという、普遍的な問いを私たちに投げかけているように感じる。
​歴史のうねりの中で、常に「当事者」として対応し続けてきた彼らの民族性は、まさに人類史の縮図そのものだった。

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2026年05月03日

Posted by ブクログ

ユダヤ人を構造から見る視点はとても興味深い考察だった。

そもそもユダヤ人の定義からしていまいちよくわからないとこだが、ユダヤ教徒とその戒律からくる生活習慣や価値観がカギなのはわかる。

なぜユダヤ人が金融や商業に強い理由が戒律重視故の識字率の高さに起因しているのではないか?というのも興味深かった。

国(土地)を追われた後に国の権力者にとっては商業資産を持つものとして、関係性をもちつつ、農民からは高利貸しの搾取者として恨まれやすかった(そう認識されやすかった)というのも興味深い考察だった。

とはいえ、多数のユダヤ人を一つの構造で理解することはできない。あくまで一つの見方として参考になる。

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2026年09月06日

Posted by ブクログ

世界を理解するにはユダヤ人を理解しておく必要があると思って手に取った1冊。
長い離散生活の中、各地域に根付きつつもユダヤ教の信仰を守り続けて、同化せずにコミュニティを維持し続けていることはとても凄いことだと思う。それだけ、ユダヤ教というものに魅力があるのだろうか。
現代世界では、ユダヤ教とイスラム教は対立構造で相容れないもののように見えるが、長い歴史のなかで共存してきた事実があり、再びそのような状態に戻れるとよいなと思った。

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2026年08月17日

Posted by ブクログ

単調、平坦に進む。まとめるとこうなるのかもしれないが、もっと粒度を粗くしてもよいので、解釈も深めに入れてくれたほうが好み。どんな枠組みで同胞意識を持つかは、時代と地域と当事者やら関係者やらで、様々なんだと改めて認識した。

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2026年07月31日

Posted by ブクログ

◾️歴史に忠実であろうとしていることはわかるが、それゆえに細かすぎて頭に入ってこない。研究者向け。
■P.186-187さらりと書かれているが、共産主義思想がなぜロシアで起きたのか書かれていて興味深い。
■ホロコーストの時代の東欧におけるユダヤ人に対する視線
■あくまで事実を丁寧に探究しているので、メリハリというよりは興味ある事実を見つけ出すように読むのがいいのかもしれない。
■東欧系ユダヤ人とドイツ系ユダヤ人
◾️初版が出てから10ヶ月で15版になっている。結構売れていると思われる。

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2026年07月20日

Posted by ブクログ

ユダヤ人は役人と農奴の中間職を担っていて、国の発展時は活躍・繁栄し、衰退時は農奴からの恨まれ役になる、という構造的問題を知れたことが一番の収穫でした。

またアウシュビッツの被害がごく一部であることにも大変驚きです。こんなにも虐殺されていたのですね。

「シオニズム」や「セファラディーム」などなど、語彙の意味や帝国などの版図を適宜整理しながら読んでいたので、かなり体力を使いました(笑)世界史を学んだ方はもう少し楽に読めるのかな?

正直なところ大枠しか捉えられてない気はしますが、ヨーロッパ史の整理や地理の解像度も上がって、収穫大アリの本だったなぁと。

もう2,3周したら楽しみながら読めそうです…

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2026年06月28日

Posted by ブクログ

ユダヤ人の3000年にわたる歴史を書いている。
おそらくユダヤ人の歴史において、もっとも知られているであろう近代以降(ホロコースト以降)は全体の半分から1/3程度である。このあたりは広く言及されがちな歴史なので、ほかにも参考となる書籍は多くある。

本書でよかったのは、古代から近世までの、あまり言及されないユダヤ人の歴史。著者自身も書いているが、ユダヤ人は近代になるまで教科書にもほとんど登場しない。そのため、本書の役割は大きいと思う。

現代のユダヤ人といえば、ホロコーストの被害者からのパレスチナを植民地化する加害者という印象が強い。ただ、そこに至るまでの、近代以前からの過程は直線的ではない。むしろいまのイスラエルは、ユダヤ人の歴史からすれば特異な位置付けになると思う。

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2026年05月11日

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