すべての高評価レビュー
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Posted by ブクログ
まず他人を信じなくなる訳を書き、そして自分を信用しなくなる経緯を書き、先生が自殺しなければならない理由を読者によく説明した。一人の内心の葛藤を最果てまで曝露し、しかも拵えを全く感じさせない文学作品はどれぐらいあるだろう。明治が終われようとする時代背景もこの作品の重さを増している。
中盤、父の重体に陥っている間、「私」が先生の遺書を受け取り、父か先生かという二者択一の問題に臨む部分が特に絶妙であるだけに、汽車で先生の遺書を読んだ後の「私」の感想、それからの行動や現在の思考など、一切書かれていないことが遺憾だ。(あるいはそもそも書けないかもしれないが) -
Posted by ブクログ
残念ながら著者の小説は読んだことがないが、
(地図と拳 で直木賞受賞のSF作家?)
作家の頭の中を垣間見たるようで、
非常に興味深い本であった。
最初はあまりピンとこなかった。
何をぐちゃぐちゃねちねち語っているんだろう、
と思いながら読み進めたが、
その前提あってだんだん小説づくり?が見えてきた気がした。
素材をこう扱っても小説にはならないが、
こう組み合わせると、あら不思議、形になる。
このあたりのテクニック、というのではないが、
見せ方というのは、小説ではない普通の文章、
いや、日常の会話でも当てはまるものがある、と思った。
「読み返しを強要する」文章はよくない、と。
読むリズムが狂 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「第三のできごとが起こったのはそのときです。
ニックは『ペン』といいませんでした。かわりにこういいました。『はい、きみの……フリンドル。』
小学校五年生のニックは、新しい言葉を生む実験を始めた。しかし、辞書と言葉を愛するグレンジャー先生が立ちはだかり、言葉の戦争が勃発。「フリンドル」という言葉は定着するのだろうか。
いたずら好きなニックが、授業をわき道にそらしたり、先生をからかったりする場面は子どもが喜んで聞きそう。ペンを「フリンドル」と呼ぶ実験は、一見くだらないけれど、言葉がどのように普及していくかが見せられているようで興味深く読める。
頑なに見えたグレンジャー先生は、やはり卓越し -
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Posted by ブクログ
『愛する人や街』がいるという、力強さ
留吉、弾馬、銀治、与市、そして燐丞。
彼らの胸に秘めた思いが、しっかりと描かれていた短編集。
罪を犯したから…火消だから…医者の家系だから…。
誰かと出会い、誰かを助け、愛しあう。
本当ならば、思うがままで生きたい。
だけど自分が持つ傷や家系などの葛藤に本心を蓋をしてしまいがち。
そんなままじゃ前に進めない。そんなんでいいのかな。
世のため人のために救いたいから
火消(燐丞は医者兼火消)になってるんだから矜持は大事でしょ。
だから荒れ狂う火と戦う。
特に印象深い弾馬の回(恋大蛇)。
紗代の弾馬に対する愛は自分の人生を委ねたいと願ってることに心が震えて -
Posted by ブクログ
ネタバレまったく違うところで、いろいろなことが起きている
数ページで別の人物と場面に変わるのはまるで映画を見ているようで楽しい
登場人物が多いのに混乱しないのは、それぞれの登場人物の設定や特徴に際立つものがあるからだと思う。
最初は違う場所にいた人同士がつながったところで思わず「あー!」と声を出してしまった。
『ひとじち』になっているのに、今夜お寿司食べられるのかな(257p)と呑気で緊張感のない麻里花や、警察がわらわらと囲んでいるのに『どらや』のお菓子の方が気になる優子。
3つある『どらや』の行方や如何に!まじでおもしろい。
エンタメ角川はやっぱりおもしろい!
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