ヤマザキマリのレビュー一覧
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個人的意見になるが、どうも対談本というのは理解しにくいようだ。過去の物・事・人について語り合っている二人の話がかみ合っているのかいないのかよくわからない。もとがオンラインだからなのか編集でカットされた部分があるのかわからないが、二人がそれぞれ言いたいことだけ言っているように思える。たぶん実際に話を聞いていればまた違った感想になるのだろう。そういう意味では最後の七つのヒント部分は理解しやすい。必ずしもヤマザキ氏に全面的に同意するわけではないがいろいろ考えさせられる。そしてこの本を買う大きな理由となったマンガ「美術館のパルミラ」は短いけど印象的。
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4人がそれぞれ一冊ずつ紹介するスタイル。
アンダーソンという人の想像の共同体が面白かった。
過去と正しく決別できていないからこそ、未来の日本人に対する無関心がある。
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第二に、歴史家の客観的な目には国民(ネーション)は近代的現象に見えるのに、ナショナリストの主観的な目にはそれは古い存在と見える。要するに、新しいのに当事者には古く見える。これこそ、ナショナリズムの最もふしぎなところです。
逆に、ヨーロッパのいずれかの国に植民地化され、まとまった行政単位として扱われたという事実が、結果的に、植民地の人々に「我々 ○ ○人」という意識を植え付ける結果となった、と考えるほかありません。
現代の日本は、実際、そのような状況にあるのではないでしょうか。しかし、現在、僕らが直面している重要な問題のほとんどが、現在生きている人たち以上に、これから生まれてくる人たちに関わっています。人口問題にせよ、環境問題にせよ、安全保障や憲法の問題にせよ、すべてそうです。これらの問題についての現在の日本人の意志決定の影響を受けるのは、主として、現在の日本人の大半が死んだ後に現れる将来世代です。 自分たちの後にくる未生の世代への異様な無関心。これが現代の日本人の特徴であるように思えてなりません。その原因はどこにあるのでしょうか。少なくともそのひとつの原因は、戦後の日本人が「我々の他者」を失ったことにあるのではないか。これが僕の仮説です。 -
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リコーダーの「タイタニック」のテーマ曲の動画、チラッと見たような気もするけど、じっくり見た(聞いた)のは初めてで大爆笑した。何か辛いことがあった時はまた見たい。教えてくれてありがとう。
何度も「人生は思い通りにならない」ということが書かれているのが印象的だった。歳を重ねた今、本当にそう思う。「どんなことでも起こり得る」。「しかし、落ち込み続けることは最終的に時間の無駄であり、なんの解決にも結びつかない」。
「人生とは目的と計画をもってその通りになるよう全うするのが良い」とまではっきりしたものを持っていたわけではないのだが、「様々な事情でそうならなかったときに、大変な思いをすることに」なった。
「猜疑心」を日本人は持たなすぎる、というのも繰り返し書かれていた。
「ある意味で自分以外の何かに責任を丸投げできる『信頼』に比べ、『疑い』には大いなる想像力と知性、そして自分の考えをメンテナンスする責任が問われます」。
おっしゃる通りだと思った。「信頼」する方が頭的に楽なのだ。芦田愛菜ちゃんも「信じる」について鋭く指摘していたが、「信じる」ということはある意味、脳を甘やかす怠慢だということでもあるのだろう。 -
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原田マハさんとヤマザキマリさん(テルマエ・ロマエの作者)が対談形式で美術史や画家に対する妄想を語っている本。
ヤマザキマリさんの経歴は何も知らなかったので興味深かった。今度著書を読んでみたい。
二人ともとても知識豊富で、それに裏打ちされた「こんな美術館(美術展)を作りたい」という妄想が爆発して盛り上がっている様子がわかって楽しかった。
お話しの中で知らなかった画家が出てきたり、その人が描いた絵画の写真もカラーで掲載されていて未知の世界を少し覗くことができた。
あとがきでマリさんが「美術館は、芸術という人間にしか生み出せない創造物を糧に生きてきた様々な人々の魂が集う緑豊かな森のようなもの」という表現をされていたのも印象に残った。 -
購入済み
完結
記録者「プリニウス」を描ききった本作、10年の連載完結。
最後の最後は思ったのと違ったけど、なぜベタな終わりでないのかは
巻末の作者の対談で延べられている。合作というのも挑戦的な試みであったと
思います。お疲れ様でした。 -
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イタリアにとどまらず、世界中で食べた物について、高級なものからスナック菓子まで実体験に基づく話はどれも面白かったです。
ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、ポルトガル、と、ヨーロッパの国々の違いについてもなるほど、と思うところが多かったです。
長くはない、私の海外生活体験からすると、日本食が恋しくなることはなくても、おにぎり1 つとか、かけうどん一杯などといった、「軽く食べる」ことが難しかったなあと思い出します。
そしてやはり「浴槽」。
あとがきの、「食事と風呂は人生における二大至福要素だ。」に、強く共感しました。
バター茶も臓物の煮込みもパスだけど、滋養強壮効果が高いという馬肉には、ちょっとチャレンジしてみようかな、という気持ちになりました。
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ネタバレヤマザキマリさんをテルマエロマエの漫画家ぐらいとしてしかしらなかったので、こんなにも知識深く、語る方とは意外でした。
お二人の話がもりあがってる感じで傍目からみて楽しそう。
中野さんの、とある言葉があって、そんな視点もって考えているんだ、って驚き。面白い。
ヤマザキマリさんの5章から、抜粋。
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本当の孤独というのはそうした生き方のスタイルではなく、他者という鏡に自分が映し出されていないと気づいた瞬間でなければ、実感できないものだと思います。
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この文章よ、、、
それは本当の恐怖だよ。恐ろしい。 -
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漫画家ヤマザキマリさんの好きな男たち。ハドリアヌス帝(76年−138年)もいれば、奥村編集長という漫画業界の名物編集者なる人(テルマエロマエの担当者でもあった)もいれば、トムとジェリーのトムまでいる。
裏表紙の紹介文など読むと「真の男らしさが見えてくる」「新男性論」などとあるので、「男とは…」「男はなぜ…なのか」というような論をぶっちゃうのかなと半ばハラハラ半ば期待したが、あくまで「極私的目線で」(とも書いてあった)の観察録であり、各人への思い入れや、男性に対する個人的な嗜好を熱く語ることこそあれ、傲慢さを感じさせるような“男性論”はなく、良かった。
ヤマザキマリさんは、テレビでは「舌鋒鋭い」みたいな印象があったが、今回初めて読んだ彼女の文章は硬質ではありながらも攻撃性は一切ない。美術や芸術全般に対する知識や感性が専門的で深いことはもちろんながら、何より惹かれたのは彼女のボーダーレスなものの考え方だ。今後も機会があればこの人の書いた文章を読んでいきたいと思った。漫画も。
以下、その他備忘メモ。
・十八代目中村勘三郎(1955-2012)。この人の魅力を伝える文章はたくさんあるが、ヤマザキマリさんによるこれは至高。しかも無駄がない。
・戸田得志郎(1895-1988)。ヤマザキマリさんの母方の祖父。「人生はね、自分がラッキーだと思う程、楽しいもんなんだよ」。ラストの似顔絵、かっこいい。
・スティーブ・ジョブズ(1955-2011)。古代ローマ皇帝ハドリアヌスと並べての次のような語りが面白かった。正確な引用ではないが適当に縮めて書く→「男性は本来社会的な適応性を巧みに操れる生き物ではないと思っている私にとって、二人とも、人間関係を上手くやりくりする事よりも、建築やデバイスの開発といった創造に全力を注いだ人。この創造性が、後に単なる捩くれた酷い人という扱いになるのか、捩くれた酷い人だけど天才で凄かった、となるのかを分けるポイントなのかもしれない」。男性論はないと言ったがこれくらいの差し挟みはある。この差し挟み含め、深く納得してしまった。この調子で女子観察録も書いてほしい。
・デルス・ウザーラ。「人間は(中略)自然の織りなす掟に逆らう事なく生きていれば、無意識のうちに道理にかなった倫理観や、優しさが備わるものなのだという事を、私はこの老人の生き様によって知った。デルス・ウザーラは地球という惑星に一切の負担も迷惑も掛けず生きている、とても希有な人間なのだ。」→まるで『大江戸リサイクル事情』じゃないか(注・最近読んだ本)。それはともかく、ヤマザキマリさんの名付けエピソードとしても味わい深い。
・空海(774-835)。留学したもの同士としての共感、尊敬があるらしい。スーダンのアブディンさんのことも思い出した(『わが盲想』)。空海、って名前もカッコ良すぎるしだいぶ昔の人だし宗教者だし字も上手いし何でもできたスーパーマンみたいで、かなりもやっとした教科書上の人物としか思っていなかったが、これを読んで初めて興味がわいた。確か司馬遼太郎が何か書いていたはず。 -
Posted by ブクログ
Audibleで途中まで聞いて、サブスクを解除してからも気になっていた一冊。
趣味の話から現代社会論まで、とても幅が広い連続対談集。養老先生も、ヤマザキさんも、すっごい読書家だ。すごくいろんなことを考えていらして、面白い。
『考えるのはカッコ悪い』
とか、
『賢そうな顔しやがって』
とか、果ては、
『暇だからいいわねー。』
だとか揶揄されるのは、いつから始まったんだろう。この本を読んでいると、考えることを止めたら、人間の一番面白いところをかっぱらわれることじゃないかと感じてしまう。考える材料として、知識は必要なのにそれが悪いみたいな言い草。なんだかものを考えていると悪いみたいな世の中で、こういう言説をよくぶっかけられるガキンチョだった私は、いよいよそれが加速していて、大人になっても、ごそごそした気持ちになる。
そして同時に、知識だけ、机上の論理だけで物事をひねくり回すのも、大概にしておいた方が良いんじゃなかろうかとも思うのだ。時間をかけてじっくり考えた方がいいことほど、ほったらかして。合わない鋳型に現状をはめ込もうとする。考えないで良いことや、シンプルにしたらいいことは、いきなりAIに考えさせようとか言い出す。ホントはみんな、ちょっと変って思っているのに。全然上手く止まれない。私達は、進行方向に崖があるのに進んでいく、ブリキのおもちゃのようだ。
この対談集が面白いのは、ほいっと気に入りのジャケットでも着るような気楽さで、虫の標本作りからコロナ禍のことまで、考えたり、話したり、味わったりしてるから。
読もうよ。考えようよ。見ようよ。そして、話そう?そして、頭の中の屁理屈は、ダンボールに入れようよ。
ちなみに、関係ないことだけど、AIで文章書くのは、アウトライン作るにはいいと思うの。でも、完成したものの良し悪し、完成度、自分らしさの味は、自分が判断して、手を入れる力がなくちゃだめと思うのだ。全否定も丸投げもよろしくない。
ほどよさって、人間しか持っていないのだ。それは、やっぱり、考えて、関わって、話して。面白がって。粘ったり諦めたりを、上手にやっていかなきゃ、知的生命体として枯れていくんじゃないか。この本を読んでいるとそんなことを思った。
自分より優れている人の話を聞くほど面白いものはないが、この本もそういう一冊。中身は深いけど気軽に読めるので、もしよかったらどうぞ。 -
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海外の出版業が不況の
なか、
日本の出版業は活気が
ある。
それはなぜか?理由に
ついてマリさんが説き
ます。
それは、日本の教育が
自分の考えを言語化し、
それを発言する弁証法
に力を入れてないから。
だから皆自分の代わり
になにか言ってくれる
人を、
書籍やメディアの中に
いつも探してるからだ
と。
私はその「みんな」に
すっぽりはまってるな
・・・
それはそうと、読んで
る間ずっと養老先生の
肉声が、
とってもリアルに脳内
再生されてました(笑
あとがきで、ご自分を
「くたびれた爺さん」
と称する養老先生。
まだまだお元気でいて
ください。