ヤマザキマリのレビュー一覧
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ルシウスは、彼を追って宿に乱入した馬のハナコをなだめ、鐙もつけずに馬を乗りこなします。そんなルシウスの姿に、さつきは彼がほんとうに古代ローマ人なのではないかと考えるようになり、ますます惹かれていきます。
さつきの想いに気づいた彼女の祖父の鉄蔵は、ルシウスがどんな男なのか見るためにやってきます。こうして、ルシウスは鉄蔵のマッサージを受けることになります。その後、ルシウスはわずかな時間、ローマにもどることになりますが、そこでハドリアヌスの命が長くないことを聞かされます。
やがて現代日本にもどってきたシウスは、伊藤温泉にも危機が訪れていることを知ります。暴力団の武内組がさかんに地上げをおこない、周辺を派手な観光リゾートとして再開発しようと企てていたのです。武内組の美人局に引っかかり地上げの先兵となった圭介とチンピラが、ハナコのいる「いとう観光牧場」の地上げにやってきます。間に入るルシウスにチンピラが暴力を振るったため、それを目にしたハナコが暴れてチンピラたちを追い払います。
しかし、武内組のいやがらせはつづき、東林館の送迎用の車が使えなくなってしまいます。ルシウスは、いとう観光牧場のハナコと、もう一頭の暴れ馬のヒデキを見事に御し、この二頭に馬車を走らせようとします。そんな折、ついに武内組がさつきの誘拐に及びます。彼女が車に無理やり連れ込まれる様子を目にしたルシウスは、さっそく2頭の馬に馬車を走らせて武内組の車を追いかけ、さつきを無事奪還します。
こうして、さつきを助け出したルシウスは、彼女を抱き寄せて口づけを交わしますが、ちょうどそのとき、彼の姿が霞んでいきます。ルシウスがローマにもどるときがやってきたのです。
浴場の設計という主題から大きく離れてロマンスになってしまったわけですが、これはこれでたのしめました。 -
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第4巻には、本作のヒロインが登場します。
アエリウス・カエサルが突然死去し、ルシウスは気を落とすハドリアヌス帝を励まします。そこでまたしてもとつぜんに、ルシウスは現代日本の温泉宿に飛ばされます。皇帝の身を案じるルシウスは古代ローマに戻ろうと、何度も温泉にダイブしますが、どうしてももどることができません。そんな彼の前に、古代ローマを勉強する小達さつきという28歳の女性が現われます。ラテン語を操る彼女の助けもあり、ルシウスはローマに帰れるようになるまで「東林館」という温泉宿で働くことになります。
最終ページの、ルシウスを追って宿に乱入する馬の絵が大迫力なのが、不思議と印象にのこっています。 -
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古代ローマからとつぜん現代日本に飛ばされてしまう、浴場設計技師のルシウスの物語の第2巻です。
妻に逃げ出されたルシウスが、「金精様」を祀る儀式のただなかに飛ばされてしまう話や、入浴のマナーを知らない外国人に迷惑する日本人とローマ人の話、病に倒れたハドリアヌス帝の命を受けて、跡継ぎのルキウス・ケイオニウス・コンモドゥスの最初の事業としてローマ民衆が楽しめるウォーター・スライダーを作る話、客足が遠のいて困っている古い浴場の経営振興策を考える話などが収められています。
のちに「哲人皇帝」マルクス・アウレリウスとなる、マルクス・アンニウス・ウェルス少年も登場します。 -
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古代ローマ帝国の浴場建築家のルシウスが、浴場の水流に飲み込まれて現代日本の風呂へとタイム・スリップするという物語です。
ルシウスは、「平たい顔族」の風呂の文化から学びとったことをローマに持ち帰り、次々に革命的な浴場設計をおこなって、ついにハドリアヌス帝の浴場設計を手がけるに至ります。
本書のおもしろさはなんといっても、ともに風呂を愛する文化をもつ古代ローマと日本をつなぐという発想にあります。古代ローマ人が風呂あがりにフルーツ牛乳を飲むシーンなど、これまでだれも想像してみたことすらなかったのではないでしょうか。
また、ローマ帝国についての著者の薀蓄が盛り込まれているのも、いいアクセントになっています。 -
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<女神的リーダーシップ 未>
今、世界各国で求められるリーダー像は旧来の、一元的で直線的な男性的なリーダーシップではなく、共感性や柔軟性があり、利他的で他人の話を聞く女性的なリーダー像である。
これらが重要視されるようになった背景には、世の中が複雑化し、異なる業種のチームワークが欠かせなくなったことがあげられる。socialなつながり、相互依存、透明性がより大切になってきている昨今、互いに共感し、調整する能力がますます必要になってきているのだ。
この本では、中東、南米、日本、中国等の実際の女性リーダーや、男性であってもつながりを大切にする女性”的”リーダーを紹介している。
<感想>
共感や思いやりがリーダーの資質として大切であることが前提の日本に暮らしていると、ことさらそれらを女性”的”としなくても、いいんじゃないかと思ったが、たぶんそれは日本の文化圏の特殊性なのかもしれない。
欧米等の強烈でともすれば独善的な「リーダーシップ」に比べるとそれらの資質を女性的としてクローズアップすることにはそれなりに意味があるのかもしない、と思った。
女性がリーダーになれば万事解決とは思わないが、”力強さ”よりは”柔軟性”がより有効な時代に入っているのかもしれない。 -
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前回取り上げてから2年近く経った。いつの間にかその間に3巻も進んでいた。言うまでもなく、プリニウス「博物誌」から想を得た一世紀ローマ時代の博物記録なのだ。いろんな発見があるので、この辺りで記録する。以下の箇条書きは、素っ気ない書き方をしているけど、素っ気ないマンガでは決してない。緻密な描写は驚嘆に値するし、誠実な描き方に2人のローマ愛を感じるのである。
4巻目。
・ポンペイ噴火の17年前に起きたポンペイ大地震の描写が、素晴らしい。水道の枯渇、深海魚の打ち上げ、赤い月、大量の羊の死骸、鳥の大群、そして起こる大地震。大地震は62年に起きたそうだが、詳細な記録が残る文化が既に確立していることの凄さ。
・キリスト教の微かな伝説化が始まっており、1部ユダヤ人は、その教えを持つことで迫害されていた。
・ネロは、無知の皇帝で、2人目の妻のポッパエアの陰謀で起きたようになっている。
5巻目。
・マケドニアで採れた磁石。雌の磁石は赤みがかかって強く、青いのは雄で弱いそうな。
・エチオピアでは言葉を持っていない未開民族がいて、胸に顔があったり、足が紐のようになっている。事実と嘘を取り混ぜた話が横行している。
・ネアポリスの港(ナポリ湾北岸)の現代的なこと。
6巻目。
・「博物誌」からの1部抜粋、「生命のないものを模倣する動物」「ウミウサギという毒をもつ海洋物」
・元カルタゴの土地のキャベツ。
・砂漠ではラクダの糞を燃料に使う。これは現代的な知恵。