ヤマザキマリのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
原研哉の本に書いてあったのだが、世界地図を-90度回転させて日本が一番下に来るようにすると、ちょうどパチンコ台でどのような経路を辿ろうと一番下の穴に玉が入るように、シルクロードやシベリアもしくは東南アジアの海洋経由ですべての文化は日本に自然と伝わってきたのだとわかる。
そう考えたときに日本文化が様々な海外の文化を吸収して日本風にしてきたという事実は非常に納得がいく。
さらに渡辺京二の「逝きし世の面影」で描かれているように、徳川時代の鎖国によってその文化は醸成された。
明治維新後に失われたものは多いかもしれないが、私達の文化にはそのような背景があるのだ。
そして現代にいたり、本書のように海外の目線で日本を捉えると(著者は日本人であるが10代から海外で暮らしイタリア人と結婚しアメリカ在住である)、前述のような日本文化は失われたのではなく未だ私達の根底にあるのだということが浮き彫りになる。
そのようなことを強く感じさせてくれる本だった。 -
Posted by ブクログ
番組を見損なった。萩尾望都大ファンの番組プロデューサー(秋満吉彦)が満を持して放つ100分de名著。番組よりも論者は更に加筆したようだし、論者たちをア然とさせたらしい萩尾望都ロングインタビューも完全版で載っている。番組観なくても、こういうムックで読む方がよっぽど役に立つ。
【内容】
『トーマの心臓』をよむ――小谷真理
『半神』『イグアナの娘』をよむ――ヤマザキマリ
『バルバラ異界』をよむ――中条省平
『ポーの一族』をよむ――夢枕獏
萩尾望都インタビュー
ここで新たに提示されている萩尾望都論は、それなりに新しい視点ではあるけれども、驚くようなことは書かれてはいない。かつて80年代の初めに漫画評論誌「ぱふ」に於いて橋本治が「花咲く乙女たちのキンピラゴボウ」で指摘した時から、萩尾望都は文学評論の水準で語られてきた。まだまだ汲めども尽きぬ視点が出てくるだろう。
ここの論者たちが繰り返し指摘している視点がある。
「異端者」としての主人公=作者が、どうやって世間と折り合いをつけてゆくか。
「ここではないどこかへ」というのは、21世紀から出てきた萩尾望都短篇のテーマではあるが、それはそのまま萩尾望都の生涯のテーマであるというのである。
それはその通りだと思う。
じゃ、それは単なる「世間」なのか?
というのが私の問題意識である。
それはもっと手強い「世界」ではないのか?
言葉にできない「世界」に対する不安。
それは同時に私たちの問題意識でもある。
萩尾望都が何度も読み返されるのには、理由がある。
小説では描けないものを描いているから、萩尾望都はマンガを描いているのである。と、インタビューで萩尾望都は明確にしていた。ネームの作り方は、最初は登場人物の心理状態も全て書くらしい。そのあと絵で還元できるものは全て削って、最後にうまく絵にならない部分が、あの夢のように流れる「モノローグ」として残るらしい。曲のない歌詞が歌ではないように、絵のない言葉はマンガではない。「悲しみの天使」という映画とヘルマン・ヘッセの小説に刺激されて「トーマの心臓」が出来たようだが、一度その両方を見て、私にも「トーマ」がつくれるか試してみたい(笑)。
論者たちの討論では、「イグアナの娘」のラストシーンに出てくる小さなトカゲの正体について、議論があったそうだが、インタビューではあっさり「それはお母さんです」と明かしている。ヤマザキマリは放送された番組を観てズッコケたらしい。この場合、娘とお母さんの和解は成立していたようだ。
その他、新「ポーの一族」で「アランは復活させます」とあっさり語っていたり、とっても重要なことをさらっと言っている。
萩尾望都を読んでいくために、新たに重要な本がまた誕生した。 -
無料版購入済み
ヤマザキマリさんのフットワークの軽さや、どこの国でも生きていけそうな人情味に溢れた逞しさに憧れます。これを読むとキューバという国が身近に感じられて、なんだか得した気分になります。これからキューバの話題を耳にする度に、あの家族のことを思い出すと思います。
-
匿名
購入済み『テルマエ・ロマエ』の作者さんだ!と思い読んでみました。国際結婚したイタリア人の旦那さんとその家族との日常を描いたエッセイ漫画で、日本人がイメージするイタリア人像とのギャップがだいぶあって、面白かったです。
-
購入済み
走り去るように
ページをめくる手がどんどん速くなってしまう。
スピード感のある一冊。
舞台の内容には度肝を抜かれました。
セットを見て、思わずそこだけ何度も見返してしまいました。
-
Posted by ブクログ
まず、ヤマザキマリさんって物書きではないよね?って疑うくらい文章がうまい。若くして日本を離れ様々な国で生活し、多量の芸術・文学作品に触れてきた彼女の表現力に引き込まれ、一気読みしてしまった。
「男子観察録」というタイトルだから、性別としての"女子"からみた"男子"を語るのかと思いきや、実在する人物か否かは関係なく作者の憧れる男性を挙げて、割と偏った見方で力説している。というか挙げる人物(猫もいる)も偏っているのだが、読み終わった時には知らなかった人物でも魅力的に見えて、なんだか世界の広さを感じてしまった。
ここまでの熱量で憧れる人(猫)に会えることこそ人生の宝物だと思う。
時々笑いながらサクッと読めて面白かった。
-
Posted by ブクログ
漫画家と脳科学者という異色だが意気投合しそうな二人が新型コロナをネタにオンラインで緊急会談。
イタリアと日本の文化・生活様式の人と人とのディスタンスの違いが感染率に現われているのは、そうだろうなと納得する。
コロナ対応で女性リーダーが注目されたが、男女の問題ではなく、女性でもリーダーになれる実力社会なのかどうかというコメントも印象に残った。
自粛警察、同調圧力なども日本人のメンタリティだと思うので、自分の考えは持ち、それと異なる意見も否定することなく(対話はしてもいいけれど)、状況に応じた度合いで空気を読むことをしたいと思った。
20-55