【感想・ネタバレ】【カラー版】ヤマザキマリの偏愛ルネサンス美術論のレビュー

あらすじ

大ヒット漫画『テルマエ・ロマエ』のヤマザキマリを、ただ古代ローマと風呂が好きなだけの漫画家だと思ったら大間違い。実は17歳で単身イタリアに渡り国立美術学校で美術史と油絵を学んだ筋金入りの美術専門家なのだ。そんな彼女が初の美術論のテーマに選んだのは、偏愛する「ルネサンス」。しかしそこは漫画家。あの大巨匠も彼女にかかれば「好色坊主」「筋肉フェチ」「人嫌い」と抱腹絶倒のキャラクターに大変身。正統派の美術論ながら、「変人」をキーワードにルネサンスを楽しく解読する、ヤマザキ流芸術家列伝! 電子版は、紙の書籍でモノクロにて収録されていた、美術作品の画像もカラーで収録! ルネサンスの美術作品を、カラーでお楽しみください。【目次】はじめに/第1章 フィリッポ・リッピとボッティチェリ――ルネサンスを爛熟に導いた二人/第2章 愛しのラファエロ、ミケランジェロ、レオナルド――秀抜した「変人」としてのルネサンス三大巨匠論/第3章 型破りで魅力的な各地の「変人」画家たち――シチリア、ヴェネツィア、北方の絵画/第4章 王様から小説家まで ルネサンスの礎となった「変人」――わが敬愛するルネサンス人たち/第5章 あらためて、「ルネサンス」とは?――多様性と寛容さが世界を救う

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Posted by ブクログ

ワクワクした。個人的にイタリアにはなんとなく惹かれる部分があって、読んでいてワクワクした。ヤマザキマリさんの文章はユーモアがあって、たくさんの文献に基づいた勉強になる内容なのに、友達が自分の好きな物を紹介されるような感じで読めるので、聞いていて楽しかったと言えてしまう。
「愛すべき変人」もっと彼らのことを知りたいし、友達になりたいと素直に思う。
そして、宗教に対する理解がないと自覚しているのでもっと深めたいと感じた。

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2021年04月01日

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大ヒット漫画『テルマエ・ロマエ』の作者さんが、愛するルネサンス期の巨匠たちを「変人」をキーワードに語った一冊。好色だったり人嫌いだったり。過去の偉人も人物像がくっきりと浮かび上がります!

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2025年03月04日

Posted by ブクログ

 「変人」という切り口でルネサンスの芸術家のみならず、君主や小説家についても語られる。
 幼くしてスター・ウォーズの C-3PO、近年では『シェイプ・オブ・ウォーター』の半魚人に心惹かれたヤマザキマリならでは。
 ……と甘く見ていたら、教養・見識の深さに脱帽した。

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2021年07月28日

Posted by ブクログ

まあ、ヤマザキさんが思い切り自分の好みで書いたエッセイかな。ルネサンス絵画の幕開けとして挙げているのがフィリッポ・リッピというのがいい。中世キリスト教絵画の基本のイコン画では、聖母もキリストもあくまで「記号」を意味していて、あいそもそっけもない。ところが、フィリッポ・リッピの聖母子は、一目で現実の女性を描いているのが分かるし、赤ん坊もいかにも乳臭い。というのも、自分の妻ルクレツィアと息子フィリッピーノをモデルにしているらしいのである。フィリッポ・リッピは坊さんのくせに、修道女のルクレツィアに一目惚れして駆け落ちしてしまったといういわくつき。これこそ、ルネサンスという「人間復興」のしるしなのだ。ルクレツィア、超美人です。
このあと、ボッティチェリ、フィリッピーノ・リッピ、ラファエロ、ミケランジェロ、レオナルド・ダ・ヴィンチを取り上げ、マニエリスム、ヴェネツィア派、北方ルネサンス、さらにフェデリーコ2世、ダンテ、ペトラルカ、アンドレーア・パッラーディオ、ヴァザーリまで筆が及んでいる。
ルネサンスとは、多様性、寛容さ、精神の自由さがキーポイントである。日本が鎖国をしてしまったのがとても残念だと著者はいうが、まあ、安土桃山時代の東南アジアまでどんどん乗り出していく闊達な日本人の気質は貴重だったかもしれない。日本にもルネサンスが訪れたか。でもまあ、鎖国をしていなかったら、江戸時代の安定はそんなに長く持たなかったかもしれないね。

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2020年03月21日

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ハプスブルク、ブルボンときて次はルネッサンス。フィリッポ・リッピは面白かったが、知識不足から次第について行くなくなった。イタリアに行く前にもう一度じっくり読まなきゃです。

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2018年08月16日

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ルネサンスの変人エピソードはどれも面白かったけど、この本の真髄は最終章。いかに人間にとって文化や創造活動が人間たらしめるものか、不可欠なものだがしかし自由な精神や寛容さ、知性をアクティブにしておかないとすぐに動物的、稚拙に戻ってしまうと説き、さらに今の日本にこそルネサンスの精神が必要だと主張する。まさに平田オリザの本で感じた、文化や教養の重要さと、懐疑的な思考力を育む必要性を再認識した。

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2017年12月24日

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「創造的な活動は(中略)生命を維持するうえで不可欠な営みです。自由な精神がいつでも駆動できるようにしておかないと、すぐに動物的・原始的な状態に逆戻りしてしまいます」

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2017年06月06日

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私が大学の先生で、教え子がこんなレポート書いてきたら、震える。愛に満ちているからこそ、最終章が胸に響く。ヤマザキ先生、なんて魅力的な人でしょう。素敵な「変人」です。

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2016年04月11日

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偏愛というだけあって、日本では知られていない人物についても作者の好きが伝わる。
読みやすいのでルネサンス入門書としてもいける。

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2016年02月04日

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映画「テルマエ・ロマエ」は飛行機の中で観た事があり、なかなか面白かった。ただ、漫画を読むというところまではいかなかった。

ヤマザキマリさんについても、「テルマエ・ロマエ」の作者であるという知識しかなかったが、曲がりなりにも「ルネサンス美術論」とあるので、購入してみる。

ヤマザキマリさんは、なんと14歳で留学しているのですね。少し読むだけで、「テルマエ・ロマエ」のヒットが必然であったことに気付く。彼女のもつ深い知識・洞察・経験・デッサン力・感受性等々がそれを可能にしたという事を。

たまたま時を同じく購入した「ヘンタイ美術館」では「ヘンタイ」と表現されているルネサンスの重鎮が、この本では「変人」として。それは「既成概念にとらわれず、型にはまることもなく、自在に自らの感性と技巧を操る、果てしなく自由な思想を持った人々」として。

早速「テルマエ・ロマエ」全6巻注文しました。

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2016年01月10日

Posted by ブクログ

好きでたまらないのが伝わる美術論です。
抑鬱された空気が漂う昨今なので、「変人列伝」は読んでて楽しくなりました。

新書なので図版に限りがあるのはしかたないんで、取り上げられた作品はネットで探して見ながらどうぞ。そのくらいの手間かけてでも読んで面白かったです。

第5章は少し毛色が違うのですが、「今」ぜひ読んで欲しい1章だな、とおもいます。

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2016年01月02日

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美術館の絵を見てもすごい〜映えるな〜としか思わなかったけど、背景を知ると愛着が湧く気持ちが少しわかった。

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2024年02月26日

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すごい読みやすい!!分かりやすい!
「ルネサンス」=文化のメンテナンス期って表現がいい、なるほど分かりやすい

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2022年03月07日

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見たことある絵や知ってる人が出てくる記述は面白かったけど、
初めて聞いた人のことはあまり記憶に残らす終わってしまった。自分のカタカナの弱さと教養のなさよ…

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2019年10月09日

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ビバ変人!
ヤマザキさんの手にかかれば、どんな偉大な画家さんも偏屈で変態で、でも魅力的に描かれる。

画家の人間臭さに焦点が当てられているので、画家のイメージをつけやすかった。

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2018年05月13日

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ルネサンス美術に興味を持ち、ヤマザキさんの美術論とのことで読んでみた。
当時の芸術家を「変人」と呼ぶ、ヤマザキさんならではの視点がとても楽しく、ますますルネサンス美術や当時の芸術家たちに愛着がわいた。
フィリッポ・リッピの聖母子の絵が好きなのだけど、あの絵はブロマイド的という表現は「まさに!」という感じ。

巻頭のカラーページの「アテナイの学堂」の写真は左右が逆では?
本文では「右側にラファエロの自画像が描かれている」とあったので、ヤマザキさんのミスではないと思うのだけど、ちょっと残念。

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2017年03月08日

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ヤマザキマリさんが実際にイタリアで美術を学び、触れた体験からの考察です。芸術家列伝のヴァザーリが自身も画家であったことを知りました。

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2017年02月06日

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借りたもの。
ヤマザキマリ女史が愛するルネサンス画家たちは、知性と好奇心き満ち、(当時の)一般的価値観から逸脱している「変人』をキーワードに選ばれている。
それは『男性論』の延長

古代ローマとルネサンスに共通する思想、自由と寛容さによって培われたこと、

懐古趣味に留まらない。
ルネサンスを通して、世界の中で現代社会の問題点、日本に対しても指摘する。

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2016年12月18日

Posted by ブクログ

読みやすいし思い入れも伝わるのだが、ヤマザキマリであればこそ、芸術家1人に1ページくらいの偏愛・薀蓄漫画でも欲しいところ。

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2016年06月11日

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