あらすじ
大噴火に見舞われたものの、何とかアフリカに上陸した一行。そこで出会うもの全てに好奇心を刺激されるプリニウスの心は穏やか。当地の総督ウェスパシアヌスと旧交を温めたのち、一行はラクダに乗って砂漠を旅する。一方の帝都ローマ。皇帝ネロは倦怠の日々のなか、心は荒むばかり。「君側の奸」ティゲリヌス、王妃ポッパエア、ユダヤの宝飾商、哲人セネカ……王宮には陰謀が渦巻き、それぞれの思惑が交錯する。波瀾の予兆にみちた第六巻!
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Posted by ブクログ
アフリカの旅を続ける中で旧交を暖めるプリニウス一行、ローマでは、皇帝ネロが妻と側近に利用され、孤独の闇に落ち徐々に錯乱していく。混迷を深める巻でした。
Posted by ブクログ
前回取り上げてから2年近く経った。いつの間にかその間に3巻も進んでいた。言うまでもなく、プリニウス「博物誌」から想を得た一世紀ローマ時代の博物記録なのだ。いろんな発見があるので、この辺りで記録する。以下の箇条書きは、素っ気ない書き方をしているけど、素っ気ないマンガでは決してない。緻密な描写は驚嘆に値するし、誠実な描き方に2人のローマ愛を感じるのである。
4巻目。
・ポンペイ噴火の17年前に起きたポンペイ大地震の描写が、素晴らしい。水道の枯渇、深海魚の打ち上げ、赤い月、大量の羊の死骸、鳥の大群、そして起こる大地震。大地震は62年に起きたそうだが、詳細な記録が残る文化が既に確立していることの凄さ。
・キリスト教の微かな伝説化が始まっており、1部ユダヤ人は、その教えを持つことで迫害されていた。
・ネロは、無知の皇帝で、2人目の妻のポッパエアの陰謀で起きたようになっている。
5巻目。
・マケドニアで採れた磁石。雌の磁石は赤みがかかって強く、青いのは雄で弱いそうな。
・エチオピアでは言葉を持っていない未開民族がいて、胸に顔があったり、足が紐のようになっている。事実と嘘を取り混ぜた話が横行している。
・ネアポリスの港(ナポリ湾北岸)の現代的なこと。
6巻目。
・「博物誌」からの1部抜粋、「生命のないものを模倣する動物」「ウミウサギという毒をもつ海洋物」
・元カルタゴの土地のキャベツ。
・砂漠ではラクダの糞を燃料に使う。これは現代的な知恵。
Posted by ブクログ
何だかんだでようやっと読み終わった6巻。プラウティナやネロが久しぶりに出てきて久しぶりにローマなシーンもありました。しかし、主人公たちはアフリカ……温度差が激しい。