Posted by ブクログ
2018年08月05日
前回取り上げてから2年近く経った。いつの間にかその間に3巻も進んでいた。言うまでもなく、プリニウス「博物誌」から想を得た一世紀ローマ時代の博物記録なのだ。いろんな発見があるので、この辺りで記録する。以下の箇条書きは、素っ気ない書き方をしているけど、素っ気ないマンガでは決してない。緻密な描写は驚嘆...続きを読むに値するし、誠実な描き方に2人のローマ愛を感じるのである。
4巻目。
・ポンペイ噴火の17年前に起きたポンペイ大地震の描写が、素晴らしい。水道の枯渇、深海魚の打ち上げ、赤い月、大量の羊の死骸、鳥の大群、そして起こる大地震。大地震は62年に起きたそうだが、詳細な記録が残る文化が既に確立していることの凄さ。
・キリスト教の微かな伝説化が始まっており、1部ユダヤ人は、その教えを持つことで迫害されていた。
・ネロは、無知の皇帝で、2人目の妻のポッパエアの陰謀で起きたようになっている。
5巻目。
・マケドニアで採れた磁石。雌の磁石は赤みがかかって強く、青いのは雄で弱いそうな。
・エチオピアでは言葉を持っていない未開民族がいて、胸に顔があったり、足が紐のようになっている。事実と嘘を取り混ぜた話が横行している。
・ネアポリスの港(ナポリ湾北岸)の現代的なこと。
6巻目。
・「博物誌」からの1部抜粋、「生命のないものを模倣する動物」「ウミウサギという毒をもつ海洋物」
・元カルタゴの土地のキャベツ。
・砂漠ではラクダの糞を燃料に使う。これは現代的な知恵。