2025年、夏休み。
高校生の明日子と双子の弟の日々人は折り合いの悪い父親から、突然、同じ年のいとこがいることを知らされる。
いとこの名は堂上今日子。明日子の目には「純血種のJK」あるいは「女学生」に見える彼女は実は1978年生まれ。
彼女は、冷凍睡眠で30年間眠っていたのだったーーー。
毛色の変
...続きを読むわったタイムスリップもののような読み心地。
タイムスリップものの小説や映画の名作がちらちらと頭に浮かぶ。
今日子と同じ時代を同じような年代で生きていた私には懐かしすぎる今日子の語る1995年。
まるであの頃の友達のはなしを聞いてるかのよう。
三十年近く前のはなしなのに、昨日のことのように感じる。
同時に、明日子たちの感覚もわかる気がする。
私はもう女子高生でなくおばさんだけれど、2025年の一年前、2024年を生きている。
今日子と明日子たち、両方の感覚がわかることで、不思議な感慨が起こる。
ラストは切なかったが、その後の短編『堂上今日子について、そしてさよならプレイガールちゃん』は、さらに切なくて半泣きで読んだ。
年齢を重ねたからこその読後感ではないかと思う。
あの頃も今も未来も大切にしたくなる作品です。
さてさてさんのレビューでこの作品を知ることができました。
ありがとうございました!