ヤマザキマリのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
人は誰でも必ず老い、死に至る。平凡な人生なんて一つもない。だから誰の人生でも、数奇な人生なのである。
著者のマンガ作品は読んでいるが、エッセイを読むのは初めて。
これだけ特徴的な人生を送っている著者ならではの死生観が表れている。
人は人生の経験が深みとなって、言葉に重みを加えていくのだと改めて感じた。
著者の若い頃の体験も記載があったが、なかなか普通の人生ではない。
今となればマンガで成功した大先生と言えるが、経歴からすれば遅咲き。
決して若いとは言えない年齢での成功だった。
つまり、この成功を掴むまでは、相当な苦労をしたのだと思う。
こういう人生を送っていること、そのものを運命と言ってしまっ -
Posted by ブクログ
ヤマザキマリさんの著書は4冊目。
「働くこと」「働き方」について読みながら改めて考えました。
著者の生き方や考え方に気づきや刺激をもらえたし、共感することも多かった。
かなりハードな働き方をしてきた実体験をもとに語られる文章が響いてくる。
「テルマエ・ロマエ」が生まれた裏話、作品が大ヒットしてマリさんに何が起こっていたか…。
自身のこと、家族のこと、その苦悩や異常な状況についても綴られています。
いつものことだけどマリさんの本を読むと付箋だらけになってしまう。
本作でもいっぱい刺激をもらいました。
『もっと俯瞰して、考えよう。人生にはこういう時代もある。そしてそれはきっと無駄にならな -
Posted by ブクログ
個人的意見になるが、どうも対談本というのは理解しにくいようだ。過去の物・事・人について語り合っている二人の話がかみ合っているのかいないのかよくわからない。もとがオンラインだからなのか編集でカットされた部分があるのかわからないが、二人がそれぞれ言いたいことだけ言っているように思える。たぶん実際に話を聞いていればまた違った感想になるのだろう。そういう意味では最後の七つのヒント部分は理解しやすい。必ずしもヤマザキ氏に全面的に同意するわけではないがいろいろ考えさせられる。そしてこの本を買う大きな理由となったマンガ「美術館のパルミラ」は短いけど印象的。
-
Posted by ブクログ
4人がそれぞれ一冊ずつ紹介するスタイル。
アンダーソンという人の想像の共同体が面白かった。
過去と正しく決別できていないからこそ、未来の日本人に対する無関心がある。
===
第二に、歴史家の客観的な目には国民(ネーション)は近代的現象に見えるのに、ナショナリストの主観的な目にはそれは古い存在と見える。要するに、新しいのに当事者には古く見える。これこそ、ナショナリズムの最もふしぎなところです。
逆に、ヨーロッパのいずれかの国に植民地化され、まとまった行政単位として扱われたという事実が、結果的に、植民地の人々に「我々 ○ ○人」という意識を植え付ける結果となった、と考えるほかありません。 -
Posted by ブクログ
リコーダーの「タイタニック」のテーマ曲の動画、チラッと見たような気もするけど、じっくり見た(聞いた)のは初めてで大爆笑した。何か辛いことがあった時はまた見たい。教えてくれてありがとう。
何度も「人生は思い通りにならない」ということが書かれているのが印象的だった。歳を重ねた今、本当にそう思う。「どんなことでも起こり得る」。「しかし、落ち込み続けることは最終的に時間の無駄であり、なんの解決にも結びつかない」。
「人生とは目的と計画をもってその通りになるよう全うするのが良い」とまではっきりしたものを持っていたわけではないのだが、「様々な事情でそうならなかったときに、大変な思いをすることに」なった。 -
Posted by ブクログ
原田マハさんとヤマザキマリさん(テルマエ・ロマエの作者)が対談形式で美術史や画家に対する妄想を語っている本。
ヤマザキマリさんの経歴は何も知らなかったので興味深かった。今度著書を読んでみたい。
二人ともとても知識豊富で、それに裏打ちされた「こんな美術館(美術展)を作りたい」という妄想が爆発して盛り上がっている様子がわかって楽しかった。
お話しの中で知らなかった画家が出てきたり、その人が描いた絵画の写真もカラーで掲載されていて未知の世界を少し覗くことができた。
あとがきでマリさんが「美術館は、芸術という人間にしか生み出せない創造物を糧に生きてきた様々な人々の魂が集う緑豊かな森のようなもの」と -
購入済み
完結
記録者「プリニウス」を描ききった本作、10年の連載完結。
最後の最後は思ったのと違ったけど、なぜベタな終わりでないのかは
巻末の作者の対談で延べられている。合作というのも挑戦的な試みであったと
思います。お疲れ様でした。