ヤマザキマリのレビュー一覧
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一部ネットで嫌われてそうな論客たちからのメッセージ集。みなさん、日本から少しずつ自由が奪われていると危惧している。
ある一面の行動・発言が切り取られて批判されることが多い方々だが、その考えに直に触れると、国の在り方や自由について真剣に考えているのが分かる。
例えば表現の不自由展に携わった津田大介氏。近年、アートの世界では政権の意向に沿った展示しかできなくなってきたと言う。意向に反せば、補助金が下りないなど不自由を強いられるそうだ。
詳しく知らないが、おそらく、この展示は慰安婦像などを展示するのが目的ではなく、賛否両論のものを公の場で示すこと自体が目的だったのではないか。こうした国の動きに対 -
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ネタバレコロナ禍で見つめた日本。
ヤマザキマリ氏は漫画家である。海外での暮らしが長く、日本を相対化したコメントをよくテレビなどで聞く。コロナ禍でイタリアの家族と会えなかったり海外に出られなかったりというのは聞いていた。さぞかしストレスが溜まるだろうなぁと思っていた。
この本は2020年に出版された。2020年の8月に書いていたとある。著者はただストレスを溜めていたのではなかった。動けない中で内にこもるというよりは、内を見つめていた。そしてこの本に言語化している。
コロナ禍は海外に行くチャンスも、人と出会って語り合う機会も奪ってしまった。あの最初の頃、やけに本を読む気になったのは、何かを吸い上げて -
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漫画家のヤマザキマリさんの安部公房論。彼女の人生とリンクした作品の紹介があります。「砂の女」を始めとして数多くの作品が登場します。
ヤマザキさんについては、イタリアに住んでいる漫画家という印象ぐらいでしたが、この本を読みこれまでの半生のエピソードにまずびっくりしました。17歳で絵画の勉強のため単身イタリアに渡り、まもなく生活能力に欠けたイタリア人の詩人と同棲していたと言う事実。17歳と言ったらまだ高校生で、女の子。異郷の地に本人の希望とは言え一人やる親がすごい。それも多分仕送りなどはないのか、はたまた少ないのか極貧の生活をしていたようですから、その年齢の大人度が自分とは比べ物にならない!と感嘆 -
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Posted by ブクログ
ヤマザキマリさんの食にまつわるエッセイ…とでも言いましょうか。
海外生活が長い山崎さんですが、永く住んでいてもパスタはさほど好んでは食べない、という話に始まって、好きで食べ続けてアレルギーが出てしまった話や、もてなしを断れずに出された料理を食べ続けていたら過剰摂取による食中毒を起こしてしまった話など、自分の経験をもとに書かれているのですが、それと合わせてその国の文化などと照らし合わせて考察してしまうところに、なるほど!と膝を打ってしまいました。
海外生活の方が長くなっているヤマザキさんですが、やはり子ども時代に食べてきた嗜好が、結局、後々まで影響を及ぼすのだな、と思いました。
2019/