何度かTVでお見かけしたことがあるヤマザキマリさん
失礼ながら何ひとつ作品を読んだことがなくテルマエ・ロマエも映画をチラっとTV放映で観た程度なのであるが…
この方のコメントを聞いていると、間違いなく自分の好きなタイプの女性であることがわかった
そのうち、この方はどんな人生を歩んで形成されたのか
...続きを読むしら?と好奇心が沸々
…とタイトル的に非常に惹かれるこちらを読んでみることに
「私をつくった本と旅」こちらが副題だが、もうハッキリいってこれがすべて
そう、本と旅で出来上がった人であった(笑)
指揮者であったお父上は病気で他界されており、シングルマザーのヴィオラ演奏者の母親と妹の3人家族であったマリさん
ミッションスクールに通う深窓令嬢だったお母様にヴィオラで人生に転機が!
北海道交響楽団に初の女性団員として(両親から勘当同然の身で)縁もゆかりない地へ降り立つことに
そしてマリさんは北海道の大自然と本で育つ
◆お母様の生きる姿勢から得たこと
~見えない壁を突き破る
世界がどんな広いか
自分のいた場所がどんな場所だったか
世界はこんなにも美しい
生きるのは喜びであり、情熱である~
身をもって教えてくれたお母様
さらに続きがある
~他人の目に映る自分は自分ではない
人からどう見られようと
自分が志しを持って生きているなら十分やっていける
想像力とは孤独の賜物、個性の源泉~
(ふぅ、素晴らしすぎますねぇ 私は全く逆に育っているため、羨ましい限り)
◆海外留学で得たこと
母の代理で14歳(!)一人ヨーロッパ旅行
そして絵の勉強のためイタリア(フィレンツェ)留学した17歳
暗黒の青春時代だったそうな
ライフラインを止められる、その日食べるものにありつくが精一杯の貧乏な留学時代
そんな中、文壇のサロンが拠り所となる
メンバーには亡命者も多い
貧しいながら、文学の話を延々と語り合う仲間たち
時には喧嘩もしながら、自分の意見を言い対話の醍醐味を思う存分味わう
イタリア式アウトプットにより、人と人が限りなく近づくための寛容性を身につける
~膨大な知識量、教養はひけらかすお飾りではなく、現実を生き抜くための具体的な力、進むべき道を切り開くための飛び道具~
(頭でっかちになってはいけないのです 知識はため込むものではなく使うためのものですね)
飄々ともがき続ける
もがき苦しむ自分に酔うことなく
自分が体験した不条理な出来事を、どこか哄笑し、突き放してみせる
(こうありたいなぁ カッコいいなぁ)
◆「本」について
ちょっと脱線するが、私も大好きなガルシア・マルケスの「百年の孤独」が登場
あの本の凄さを言語化していただけているので紹介したい
~生まれては消える泡のようにはかない
しかしながらその人は確かに生きてそこにいた…という実在感が迫る
すべてを俯瞰してみせることで、人間の最も本質的なものをこんなにも生々しく浮かび上がらせることができるなんて!
剥き出しの人間そのもの、前も悪もない、人がこう生きるしかないという原初的な姿がありのままに描かれている~
(おおお、私が体感したことを代わりに言語化してくださる人がいるとはなん素晴らしいことだろう)
たくさん本を読むだけではダメ
見て読んで知ったら言葉に転換していく
アウトプットすることで教養に経験を積ませていく
教養をブラッシュアップして深化させていく
(これねぇ、なかなか周りの本好きがいないと難しい が、それをいかにアウトプットするかを考えることって大切でワタクシ只今模索中)
◆人生最悪の時から得たこと
息子を出産した27歳
毎日の借金取り立て、そして死さえ考えた時期
失敗はダメージポイントじゃない
失敗が増えるほど自分の辞書のボキャブラリーが増える、経験が増える
傷ついて、転んでは立ち上がるうちにカサブタは分厚くなり、たくましくなる
そして薄皮が一枚一枚剥がれるみたいに余分なものがとれていく
経験と時間がいる、点が線になり…腑に落ちるときがくる
いや~哲学だ
それなのにスカッとします
傷つきながら迷いながら悩みながら…自分の足で大地をしっかり歩いた人のご意見は心に響く
失敗続きで落ち込んでいる人、人生に迷いがある人、勇気が足りず悩んでいる人、テンションが上がらない人、
(わたしのように)省エネで生きているあなた(笑)…そんな人たちにおススメ
そして、読んだら何かを得ます
前向きになれます
何よりも元気と勇気が出ます
(省エネモードをオフにしよっと)
安部公房「けものたちは故郷をめざす」、三島由紀夫「豊饒の海」、小松右京「日本沈没」読まなきゃ
チェ・ゲバラに関する本も…
ワクワクするなぁ