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Posted by ブクログ 2023年04月15日
中野信子さんとヤマザキマリさんの対談。普段は対談形式の本はあまり読まないのだけど、この二人の対談は面白かった。ヤマザキさんはコロナの現状をイタリア人である夫とその家族の習慣などからお話をしていて、国が違うと考え方がすごく違うものだと考えさせられたし、中野さんの的確な分析などが読んでいて、心にストンと...続きを読む落ちるものがあったように思う。今後はこういった対談形式の本も読んでみようと思った一冊だった。
Posted by ブクログ 2020年12月26日
古代ギリシアやローマ時代から現代に至るまでのうんちくや、日本との文化の違いなどが縦横無尽に語られていて興味深い。2人の掛け合いのテンポが良くて心地よい。それぞれの専門分野の観点形式が持ち寄られ、なるほどなるほど、へーそんなんだと思いながら読んだ。
一部ご紹介します。
・かつて、出産は命がけだった。産後のある時期、分娩時の傷からの細菌感染により、二日以上母親の熱が続く。場合によっては死ぬ。
産褥熱である。これは医師の手洗いによって、防ぐことができる。
19世紀の産婦人科医センメルヴェイスは「消毒」の重要性を明らかにした。が彼は、当時の名だ...続きを読むたる医師から集中砲火を浴び、排斥された。
最後は、頭がおかしいと病院に閉じ込められて、そこで暴行を受けて死んだ。
人間は、理性で言い訳をしながら、感情が暴走するままに異質な主張をする者を排斥し、追い詰めるものなのだということがよくわかる。
学者や医師という科学の徒でさえそうなのだ。
・お湯につかるとセロトニンが分泌されて悲しい気持ちやつらい気持ちが少なくなる。
精神安定に関わる物質なので不安な気持ちが強い人はお湯につかるとよい。
火山大国に住んでいた古代ローマ人はそのことを経験的に知っていた。
だからこそ、浴場を建てればその敷地内に子供たちが教育を受けられる学校を作り、食堂を作り、会議室や図書館を設けた。現代のショッピングモールのような複合施設であったのだ。そしてローマ軍は遠征するときも、まず浴場を設営することから陣地を整えたのである。
・疫病というものは人間を混乱させもするが、考える時間も与えてくれる。
未曽有の天変地異を経験させられるため、様々な思いが頭をめぐる。
想像力の訓練なしにはルネッサンス(再生)という精神改革は実現しない。
・「合成の誤謬」。みんなが少しづつ自分のためにいいと思って振る舞っていても、
それらが合わさると全体として間違った方向に行ってしまうことがある。
その誤謬に気づいて、一人だけで正そうとすると、正そうとした人が最も損をする。
従って、一気にみんなで正さなくてはならない。一気にやり方を変えなければならない。
そうしないと絶対に誤謬は修正されないのだ。
・現代は、エンターテインメントが経済的な生産性を持っている。
経済を元に戻そうという勢いがエンターテインメントと繋がれば、新たな世界を築けるのではないだろうか。
Posted by ブクログ 2023年11月28日
日本では若者と高齢者が交流する場がないというのは確かにそうだなと思いました。
イタリアでは年齢層ごとの雑誌がなく孫と同じ雑誌読むとか、ホームパーティーにおばあちゃんが普通に参加するとか。いいなーと思いました。
交流があれば、選挙のシニア票とかももしかしてバラけないかなと思ったり。
民衆の検閲という...続きを読むパワーワードも印象的。
Posted by ブクログ 2023年11月08日
ヤマザキマリと中野信子の対談形式の文章
コロナ禍で会話した内容を文字起こししたようになっている
発売されたのは2020年8月20日
確かにあの頃は真っ最中でもあり、徐々に何かが分かりかけてきた時期でもありましたねぇ
パンデミックが歴史的にどう影響を与えてきたのかという縦軸と、洋の東西を横軸に語ら...続きを読むれる影響
文化的な背景、国民性による対策の違いなど
こういう軸で語られる知識人の対談は面白いですよね
目次
第1章 コロナでわかった世界各国「パンツの色」
第2章 パンデミックが変えた人類の歴史
第3章 古代ローマの女性と日本の女性
第4章 「新しい日常」への高いハードル
第5章 私たちのルネッサンス計画
ヨーロッパはハンカチで鼻をかむ文化なので感染しやすかった?
マスクとは、病気に負けた証拠のイメージなので拒否反応を示す
各国の指導者の演説の違い
「平時には隠れていた世界各国の『本性』が明らかになった気がする。下世話な表現を使うと、コロナが『お前はどんなパンツをはいているのか、脱いで見せてみろ』とそれぞれの国に迫ったような感があった」
スペイン風邪のときにように、危機的状況に陥るとポピュリズムが蔓延し、独裁者がもてはやされてファシズムが台頭しやすくなる
民主主義のもつ脆弱性やセキュリティホールのようなもの
日本は普段から身体的な接触が少なく、ソーシャルディスタンスが取られている
疫病に対する文化的な比較
ヨーロッパは疫病を敵と考えて「戦い」「打ち勝つもの」
日本は耐えてやり過ごすもの
または下位の立場から交渉して共存するもの
観光に依存しているイタリアでロックダウンをしたら経済が死んでしまうという意見に対し
経済は生き延びている人間がいればなんとかなる
お金よりも人命が優先
日本の場合はリーマンショックでの自殺者増加した事実があるが
自殺を罪とするキリスト教圏では、貧困が原因で自殺するという事にリアリティが感じられない
必然、対策が同じにはならない
危機管理の優先順位が各国で異なるので、対策を比較する事は無意味
黒死病ではユダヤ人がスケープゴートにされた
貴賤貧富の関係なく襲ってくる恐怖
それを利用してキリスト教が広がる要因になった
疫病が流行れば、キリスト教会は疫病や凶作は不信心な者どものせいだというプロパガンダをくりひろげて信者を増やしてきた
メディチ家はパンデミック成金
魔女狩りの起源
現代日本でも同様の密告や私刑が横行してるなぁ
ヨーロッパ世界最悪のパンデミックであるペストがルネサンスや宗教改革をもたらした
今回のパンデミックはどのような世界の変容をもたらすのか?
共同体に貢献をせず、利益だけを得て「ただ乗り」するフリーライダー
フリーライダーが増えてしまうと、ルールは死文化し、共同体は成り立たなくなってしまう
そこで、フリーライダーを見つけて、その人を罰することに快感を覚える仕組みが備えつけられている
「正義中毒」という快感
「自粛警察」は不倫カップルのことも許せないのと同様の心理が働く
知識のある人達の変わった切り口からの意見や分析は面白く読める
ただ、対談を文字起こししたようなものなので、情報の出典や根拠となる文献があればもっとよかった
ま、中には参考資料が示されたとて怪しげな意見も述べられているけどね
Posted by ブクログ 2022年03月10日
新型コロナウイルスの世界的大感染を基に鑑みる現人類の在り方、思想、または中世ヨーロッパにおける生活様式に至るまで、日本に住んでいるだけでは知り得ない知識がふんだんに盛り込まれていました。ポルトガルのリスボンの鍼灸院にボブ・ディランが飛び入りできたというエピソードは衝撃でした。腰は大切にしないとですね...続きを読む。
Posted by ブクログ 2021年01月17日
<目次>
対談のはじめに
第1章コロナでわかった世界各国パンツの食色
第2章パンデミックが変えた人類の歴史
第3章古代ローマの女性と日本の女性
第4章新しい日常への高いハードル
第5章私たちのルネッサンス計画
対談を終えて
ヤマザキさんの頭のよさがよくわかります。
欧州人の考え方として、何か別の...続きを読むものを持ってこないと
つまらない。知性の幅が広がらない。
14Cの黒死病のあとのルネッサンス
パンデミックがあると、キリスト今日が拡大する
Posted by ブクログ 2020年11月20日
異なる「場所」からの視点を
持っているからこそ
見えてくるものがある
とても 刺激的で
とても 考えさせられる
丁々発止(!)の対話でした
ヤマザキマリさんは何冊も読ませてもらっているので
その論旨の根拠も ふむふむ ですが
中野信子さんは初めてなので
ほぉーっ
そんなふうな 考え方もあるのか...続きを読む
と なかなか興味深く
次の一冊につながっていきそうです
Posted by ブクログ 2020年11月13日
漫画家と脳科学者という異色だが意気投合しそうな二人が新型コロナをネタにオンラインで緊急会談。
イタリアと日本の文化・生活様式の人と人とのディスタンスの違いが感染率に現われているのは、そうだろうなと納得する。
コロナ対応で女性リーダーが注目されたが、男女の問題ではなく、女性でもリーダーになれる実力社会...続きを読むなのかどうかというコメントも印象に残った。
自粛警察、同調圧力なども日本人のメンタリティだと思うので、自分の考えは持ち、それと異なる意見も否定することなく(対話はしてもいいけれど)、状況に応じた度合いで空気を読むことをしたいと思った。
20-55
Posted by ブクログ 2023年06月18日
ヨーロッパと日本の、疫病に対するスタンスの話が面白かった。
ヨーロッパは、疫病は戦うもので、打ち勝つもの。日本は、避けるものと捉えている。らしい。
読み物として面白いと思った。
Posted by ブクログ 2022年11月07日
パンデミックの話よりも、各国でのコロナの位置づけや対策などから文化を語る比較文化論。
読み物としては面白かったものの、パンデミックそのものの分析を期待すると裏切られるかも。
Posted by ブクログ 2022年02月23日
よくもわるくも、ステイホーム中にひまつぶしでおしゃべりしましたー!みたいな感じ(^^ゞ
過去の“パンデミック”によって“文明”がどう変わったか?ということを語っているのかなーと思って読むと、かなりアテが外れるw
とはいうものの、人というのは、どこの国の人でも自らの国の習慣が正しい!と思ってるみたい...続きを読むなw
そのくせ、コロナ騒動みたいな未曽有のことが起こると、他に責任を押し付ける(それは、自国の政府や他の国だったり)。
ヒドイのになると、うまくいっている(ように見える)他者/他国に奇異な目を向けたり批判したりっていうのは、
どこも、いつの時代も同じなんだなーって可笑しかった。
ヤマザキマリって、実はファンだったりする(ま、漫画も映画も見たことないんだけどさw)。
一方の中野信子はテレビのバラエティ番組で、番組の内容に沿った「答え」をしゃべる学者って言ったらいいのかな―。
テレビで視聴者ウケすることを科学的に言う役回りの人みたいな、言ってみれば、バラエティ番組御用達学者っていうイメージがあって。
中島みゆきの「時刻表」の歌詞に出てくる、
♪誰が悪いのか言いあてて どうすればいいのか書き立てて
評論家やカウンセラーは米を買う
見えることとできることは別ものだよと米を買う
の典型みたいな人なんだろうなーって。正直言って、ウサンクサイ人だと思っていた(爆)
でも、これを読んでいたら、二人とも印象がちょっと変わった。
中野信子は断言口調で話す時でなく、「こうなんじゃないかなーと思う」みたいに感覚的に言う時の話がユニ―クで。
この人ならではの面白さがある。
思わず「ふーん…」って言っちゃうような、特有のひらめきやきらめきあるような気がするのだ。
脳科学者というと、当然理系だから。その行動は脳からなんだらが分泌されて、それによって、ど―ちゃらこ―ちゃらみたいな、
その事に科学的な理屈で「答え」を提示してくれる…、
ていうか―、ぶっちゃけ、起こった事に科学的な理屈をあてはめちゃう、みたいな?(^^ゞ
確かに、聞いていて、一応は「なるほどな―」とは思うんだけど。
その反面、「それは科学でそうだからそうなんです(科学ではそれが正解なんだから、それで納得してね」と言われただけ、みたいな気もしちゃうって言ったらいいのかな―w
そういうイメージだったんだけど、これを読んでいたら、実はこの人って、好奇心にまかせて無意識にいろんなことを見たり感じたりしていて。
それ故、すごく勘がいい人だったりするのかな―なんて気がした。
なんてこと言うと、科学というのは実験の結果の積み重ねであって…みたいに言う人も多いんだろうけどさw
でも、自分は算数もわからない文系で、なおかつモノグサだから、勘がよくなきゃ仮説がたてられないじゃん!って安直な方に逃げちゃう人なのだ(^^ゞ
だから、中野信子はこの話の中で「それって、トンデモだろ!」とツッコまれかねないこととオカルトチックな話題を出すんだけど、そこがいいんだよ!w
世間から気鋭の脳科学者みたいに思われてる人が、そんなことにも目を向けていて、そして面白がっていろいろ考えてるんだな―ってわかって。
理系の世界なんて、よくわからないけど。でも、日本の学者はノーベル賞は取っても、世の中を一変させるような技術を開発できないのは、そういう何でも面白がる気持ちが足りないからなんじゃない理由があるんじゃない?な~んてw
もっとも、ノーベル賞を取るような方だと、さすがに何でも面白がるタイプみたいだけどさ。
いや、批判じゃなくってね。
学者の世界だって、やっぱり働き方改革が必要なんじゃない?って思うんだよね(^^)/
そんなわけで、中野信子はちょっとイメージよくなったんだけど、ヤマザキマリは逆にちょっと下がった(^^ゞ
ヤマザキマリって、意外と思い込みが強すぎちゃうタイプなんだな―っていうか、自分の経験や知識に固執しすぎっていうかw
意外や意外、考え方に柔軟さが感じられない。
だから、「100分de名著」のスペシャルに出てくる時の話のようなユニークさがない。
だから、「それは、そうだからそうなの」と言われているだけみたいな気がしちゃう。
一昨年の春くらいだったかな?
Eテレで、ヤマザキマリが感染症の専門家(だったか?)とあと一人でオンラインで対談した番組があったんだけど、その中で、電車の中で見た女子高生(だったか?)のエピソードが今でもすごく印象に残っている。
コロナが騒がれ始めた頃というから、2020年の2月の初めくらいか?
ヤマザキマリが(東京で)電車に乗っていたら、前に高校生くらいの女の子が立っていた。
電車の中で立っているわけで、当然、その女の子は手すりを掴んだり、つり革を掴んだりしていた。
ある時、ヤマザキマリの隣が空いて、その子が隣に座った。
座るなり、カバンからパンを出してそのまま手づかみで食べ始めた…、のを見て、ヤマザキマリは「この子は世の中でこれほど騒がれている事態(新型コロナ)を知らなんだろうか?」と呆れてしまったと(^^;
ただ、食べ物経由での感染というのはないとされていたわけだ(最近は知らないけど、WHOはそれは「ない」としている。ただし中国では「あった」という報告があるらしい)。
そう考えると、電車の手すりやつり革を触った手でパンを食べ始めたその子を批判的に見たヤマザキマリの視点というのは、やもすれば自身の知見によるやや過剰な反応になっていた…、とは言えないだろうか?w
さらに言えば、その子は女子高生くらいだったというのだから、感染しても発症しにくいだろうし。
また、発症しても重症化しにくいわけだ(ただし、後に後遺症が残りやすいらしいされるわけだが)。
まー、確かに、ヤマザキマリが「この子は今の事態を知らなんだろうか?」と呆れたように、たぶん、その人は新型コロナを耳にしたことくらいはあったかもしれないけど、でも、それは他人事だと思っていたんだろう。
だって、ニュースのインタビュー見てもわかるように、そんな人はいくらでもいた/いるわけだ。
ただ。もしかしたら、その子は自らの生体としての判断(勘みたいなもの?)がつり革や手すりを触った手でパンを食べても問題はないと判断したから、その子はパンを食べたんだという考え方もあるんじゃないかと思うのだ。
その時点で、その人よりヤマザキマリの方が新型コロナについての知識を持っていたのは確かだろう。
でも、その知識というのは、専門家ですら手探りで言っていた知見のまた聞きでしかなかったのも確かだ。
電車の中でパンを食べても大丈夫なのか? ヤバいのか?
それこそ、ワクチンを打つ/打たないじゃないけど、たぶんこれからもそういう曖昧な状況で判断をしなきゃならないことはいっぱいあるんだろう。
「科学という正解」は必ずあるとは限らないわけだ。
というか、「科学的正解」はない方が多いわけだ。
科学を否定する気は100%ない。
でも、だからって、生物である人が生物に備わっている「勘」を軽視するのは間違いだと自分は思う。
それは、気象庁のナウキャストの予測より、近所のおばさんが洗濯物を干しているか否かの方が意外に確実だったりするのを見ても言えると思うし(爆)
なにより、一昨年のあの時点でコロナ患者を診た医師や看護師は未知のウイルスに対して、「勘」で行動するしかなかったはずだ。
新形コロナでは、既存薬を新型コロナに対抗する薬として使われたが、それだって医師たちの「これが効くかもしれない」という必死の「勘」だったはずだ。
もちろん、医師や看護師には長年の経験と知見があったのは確かだ。
でも、知見はともかく、自らがそれまで生きてきた経験は誰でも持っているのだ。
2020年の春の時点で、新型コロナについて確実にわかっていることはあまりなかったはずだ。
専門家の今までの知見から得られる、「それは言えるだろう」、「恐らくそうだろう」、「たぶんそうじゃないだろうか?」みたいなことが常識になっていたように思う。
番組で電車の中で平気でパンを食べていたという話を聞いた時、実は自分は「それは大丈夫なんじゃない?」と思った。
というのは、以前(コロナ前)TVで内科医の方が、「インフルエンザの流行時は診察の合間にお茶を頻繁に飲むようにしている。飲むことで口やのどについたウイルスが胃に流れ、胃酸で死滅するからだ」と言っていたのを思い出したからだ。
ま、後に新型コロナウイルスはウ●コからも見つかるとわかるわけで、もしかしたら胃酸では死滅しないのかな?とも思うのだがw
ま、いずれにしても。未知のウイルスによるパンデミックみたいな事態に直面したら、今までの自分の“当たり前”も疑ってみることも必要なんだろう。
そういう意味でも、この二人が話すことで出てきた、“頻繁に入る風呂(湯に浸かる)習慣があることで日本は感染を抑制出来たのかもしれない”というヤマザキマリの仮説は面白かった。
風呂に入ることで感染を抑制できるなんて言うと、そんな「ためしてガッテン」みたいなことあるかよってバカにする人も多いと思うけど(爆)
でも、新型コロナウイルスというのは未知といっていいウイルスだから、それこそ押谷さんや尾身さんみたいな専門家だってわからないことが多いわけだ。
風呂に入って体を洗えば、外でついたウイルスは流れ落ちるし。湯に浸かれば体が温まるから、免疫機能も上がるだろう。
また、気持ちよくてリラックスすることでも免疫機能に効果があるだろうし。
湿度100%みたいな場所だから、ウイルスもきっと嫌だろう。
そんな風に、外ではみんなマスクをしたり、手洗いや消毒が徹底されていたり、風呂に頻繁に入ったりみたいな、感染を抑える小さな取り組みの積み重ねが、他の感染者が多かった国と比べれば抑えられたというのはあるのかもしれない。
(ま、今では、日本人だか、東アジアの人には特殊な酵素だか何だかを持っている人の割合が多かったという研究報告もあるみたいだ)
エビデンスだとか、再現性がど―とか、それはもちろん科学では大事なことだ。
でも、その前に仮説がなければ、エビデンスも再現性もないわけで。
そういう意味でも、また、ステイホーム中のたんなる気晴らしとしても、こういうムダなおしゃべりwって、とっても大事なんだろう。
Posted by ブクログ 2021年08月24日
国が違えば、文化・思想・経済・社会制度・生活常識なども異なり、日本とイタリアで同じコロナ対策はあり得ない。
自国基準を善として他国の批判をしてしまいがちだが、その国の事情を理解して考えなくてはいけない。
2020年8月発行なので、ちょうど1年前のコロナの状況をふまえての対談です。
緩いコロナ対応な...続きを読むのに感染が低く抑え込まれていた日本を、欧州の国々は「ミラクルジャパン」と不思議がっていた。
入浴や手洗いなど清潔な習慣ができている。
握手やハグやキスなどの習慣がなく、ソーシャルディスタンスが保たれている。
普通にマスクも受け入れるし、大声でしゃべったりしないので飛沫感染も防いでいる。
未知の「ファクターX」を日本人は持っていて、コロナ耐性があるのではとも言われていた。
だが、「ミラクルジャパン」なんて言ってる場合じゃなくなる可能性だって大いにあるとのマリさんの懸念が現実になってしまった。
この対談は、コロナをきっかけに企画されたものですが、主にイタリアとの対比で日本の特徴が語られています。
日本人は空気を読む、皆と異なることを許さない同調圧力が強い。
イタリア人は空気を読まない、他人と同じは良しとせず自分の意見を求められる。
日本人は窮地に立つと苦笑いでごまかす。
イタリア人は窮状を受け止め強く耐え脱却する。
良しも悪しきもオープンにするイタリアから見ると、都合の悪いことを隠ぺいしちゃう国と見られているのが中国・日本らしい。
日本は社会が安定的であれば、体制を長く保持できるように作り上げられてきた。
利権が損なわれる改革や大きな変化は望まない、身の危険と自粛警察の圧力でテレワークはできたが、自身への影響が希薄な9月入学は拒まれた。
ヤマザキマリさんは次のように言っている。
「日本は建前としては実力主義や民主主義だとされているが、確立している質感がない。」
「日本みたいに空気を読みつつ、自らの欠点や汚点と向き合わない社会に、民主主義は果たして合っているのか考えさせられた。」
これは、近年の日本の政治とそれを良しとしている国民から感じることなんだろう。
Posted by ブクログ 2021年01月08日
頭のいい人たちの世間話。
第3波で感染爆発が起きてる今と対談時期との間では状況が異なるので、ズレ感はあるが、話題が多岐にわたるので、隙間時間にちょろっと読むのにちょうどよい。
コロナ禍で約1年友達と会えてない。わたしもバカ話がしたい。
Posted by ブクログ 2020年12月07日
・世代の分断
イタリア→3世代同居が多い。「楽ではない人生をこんなにたくさん生きてきたのだから、後はもう親切にしてあげないと」
日本→「長生きしたら若いもんに申し訳ない」
文化が世代間で共有されていない。
世代が違う人と、いっしょに飲んだりしない。
・「はりぼて」の民主主義
自分たちの頭で考え、意見...続きを読むを言い、反論することができて、受け入れることができるのが民主主義のフォーマット
西洋→弁償や演説が要
日本→忖度、階級、ごまかし笑い
世間が戒律
映画「はりぼて」の政治家たちは、論理的に考える、語ることができない。「行間を読んで」「答える立場にない」「あんたも分かるやろうへらへら」思考停止。
ウーマンラッシュアワーの漫才
無関心が生んでいる現状
弱者の声を無視して作られた「はりぼて」の平和
お笑いじゃないと批判する人々
この国では、政治を語ること自体が
タブー?イタいこと?
私たちは、言葉を持たなければいけない
なぜ、そうすべきなのか
なぜ、してはならないのか
どんな、社会で生きたいのか。
語れる人を育てて行かなければいけない。
Posted by ブクログ 2020年11月08日
イタリア人の夫を持つ著者による、日本人とイタリア人のコロナ対策の考え方の違い、またその背景にある倫理観・宗教観・文化の違いについての箇所がかなり面白かった。
対策内容ばかりに目が行きがちだったからかなり考えさせられた。
Posted by ブクログ 2020年09月30日
読後、女性ならでは、と思いかけて、いやそうじゃないだろうと反省。これが養老孟司と内田樹あたりの対談なら、男性ならでは、はもちろん、年配の人なんていうラベリングもしなかったことだろう。そういうのも偏見だよなぁ、と反省する。特にヤマザキマリさんの方は何冊か読んでいて好きなんだけど、それぞれが持ち味を出し...続きを読むて、楽しませてくれたと思う。自分にはそおゆう語り口が期待されているんだ、と言っちゃうあたりも含めてね。
コロナだけではなく、現代社会を生きる人間として、いろいろ考えさせられる部分があったんじゃないだろうか。まぁトンデモな話も断ったうえで乗っけたりしてたし、それほど大上段に構えた本でもないんだけどね。