感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
合成の誤謬
一部ご紹介します。
・かつて、出産は命がけだった。産後のある時期、分娩時の傷からの細菌感染により、二日以上母親の熱が続く。場合によっては死ぬ。
産褥熱である。これは医師の手洗いによって、防ぐことができる。
19世紀の産婦人科医センメルヴェイスは「消毒」の重要性を明らかにした。が彼は、当時の名だたる医師から集中砲火を浴び、排斥された。
最後は、頭がおかしいと病院に閉じ込められて、そこで暴行を受けて死んだ。
人間は、理性で言い訳をしながら、感情が暴走するままに異質な主張をする者を排斥し、追い詰めるものなのだということがよくわかる。
学者や医師という科学の徒でさえそうなのだ。
・お湯につかるとセロトニンが分泌されて悲しい気持ちやつらい気持ちが少なくなる。
精神安定に関わる物質なので不安な気持ちが強い人はお湯につかるとよい。
火山大国に住んでいた古代ローマ人はそのことを経験的に知っていた。
だからこそ、浴場を建てればその敷地内に子供たちが教育を受けられる学校を作り、食堂を作り、会議室や図書館を設けた。現代のショッピングモールのような複合施設であったのだ。そしてローマ軍は遠征するときも、まず浴場を設営することから陣地を整えたのである。
・疫病というものは人間を混乱させもするが、考える時間も与えてくれる。
未曽有の天変地異を経験させられるため、様々な思いが頭をめぐる。
想像力の訓練なしにはルネッサンス(再生)という精神改革は実現しない。
・「合成の誤謬」。みんなが少しづつ自分のためにいいと思って振る舞っていても、
それらが合わさると全体として間違った方向に行ってしまうことがある。
その誤謬に気づいて、一人だけで正そうとすると、正そうとした人が最も損をする。
従って、一気にみんなで正さなくてはならない。一気にやり方を変えなければならない。
そうしないと絶対に誤謬は修正されないのだ。
・現代は、エンターテインメントが経済的な生産性を持っている。
経済を元に戻そうという勢いがエンターテインメントと繋がれば、新たな世界を築けるのではないだろうか。
Posted by ブクログ
日本では若者と高齢者が交流する場がないというのは確かにそうだなと思いました。
イタリアでは年齢層ごとの雑誌がなく孫と同じ雑誌読むとか、ホームパーティーにおばあちゃんが普通に参加するとか。いいなーと思いました。
交流があれば、選挙のシニア票とかももしかしてバラけないかなと思ったり。
民衆の検閲というパワーワードも印象的。