あらすじ
イタリアに暮らし始めて三十五年。断言しよう。パスタよりもっと美味しいものが世界にはある! フィレンツェの絶品「貧乏料理」、シチリア島で頬張った餃子、死ぬ間際に食べたいポルチーニ茸、狂うほど愛しい日本食、忘れ難いおにぎりの温もり、北海道やリスボンの名物料理……。いわゆるグルメじゃないけれど、食への渇望と味覚の記憶こそが、私の創造の原点――。胃袋で世界とつながった経験を美味しく綴る食文化エッセイ。
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Posted by ブクログ
食事、生活を見直そうと、オーガニックという言葉が行き交うこの時代に、大声を上げてスナック菓子の美味しさを伝える作者。人を惹きつけさせ面白く感じさせる作者の自己主張こそがこの作品の魅力だと思います。
Posted by ブクログ
パスタぎらい
著:ヤマザキマリ
紙版
新潮新書 809
世界をめぐって食を追求した結果、一番よかったのが日本
息子もやっぱり、和食好き、母はつよし
各国の食のご紹介
本書はこの3つを言いたいと思いました
気になったのは以下です
■貧乏パスタ
・安上りで腹持ちもするパスタはイタリアにおいては庶民のための食であり、イタリア映画でも貧窮した様子を表現するときは、大人数で大量のトマトソースのスパゲッティを食べるシーンを良く用いている
・私が食べたくて仕方のなくなるパスタは、ケチャップを使った和製のナポリタンやタラコのソース、または、納豆を使ったようか、いわゆる、和風スパゲッティである
・いくら、海外暮らしが長くても、家族が外国人であっても、やはり私の味覚はなんだかんだで和製優位なのだろう
■日本のパン
・実際かつて日本に連れて来た十人のイタリア人のオバさんたちは、日本で最もおいしかったものの一つのパンを上げていた(ちなみに一番はイタリア料理だった)
・西洋便器をウォシュレットに進化させると同様、海外で生まれたものを本国以上のクオリティで製造してしまう、日本のこだわりの職人気質の成果の一つともいえるかもしれない
■果物
・果物と言うものの概念が日本では果てしなく違うのである
たまに贈答品として、みるからに高価な雰囲気の果物を頂いてしまった時などは、悲鳴に近い叫び声とともに深い落胆に陥り、果物が高級品として扱われる日本を憎々しく思うのだった
■ラーメン
・今こうして思い出してみると、北海道では本当にありとあらゆるラーメンをたべてきた。
函館、札幌、旭川、…… 美味しいラーメンがあると聞けばどんな地域にも赴いた
・まさに日本を象徴する完璧なソウル・フードが、ラーメンなのである
■ケチャップ
・日本の洋食に欠かせない調味料のひとつがケチャップである
・加熱ケチャップ味で、イタリア人に受けた洋食といえば、オムライスがある
■OBENTO
・キャラ弁は海外のサイトでも紹介された人々を驚愕させている
・ここのところの毎年の楽しみの一つは、新宿の京王百貨店で催される全国駅弁大会に出かけることで、なるべくその時期を狙って日本に帰国するようにしている
■にぎりめし
・私は自分で練習して三角形のおにぎりを握れるようになった。
それ以来おにぎりを作ろうと思うと、自然に手は三角形を握る形になってしまう Good!!!
■恋しい日本食
・うちの子供は、イタリア生まれの海外育ちだが、食に至っては完全な和食党である
■スナック菓子
・日本人というのはとにかく舌が肥えている
当地でたべるイタリア料理よりも、日本人シェフの作ったイタリア料理のほうがよほどおいしい、などと感じてしまう人も少なくない
・中東から欧州、中国、南米、南太平洋の島々に至るまで世界の国でいろいろなスナック菓子を試してきた結果、私にとってどこよりも美味しいポテトチップスは、やはり、日本製である
・高級食材と技術によって味覚を極める一方、ジャンクフードでも食感や味の多元性を愉しむ日本人は、つくづく食に容赦のない民族である
■世界の食材考
・オリーブオイル
・ワインビネガー
・馬肉
・モツ
・高級キノコ ポルチーニ
・ジェラート
・クリスマス
シュトーレン:ドイツ
ブッシュ・ド・ノエル:フランス
パネットーネ:イタリア
パンドーロ:イタリア
・機内食とソーセージ
・羊肉、豚肉
・卵かけごはん
・餃子
・串刺し料理はインターナショナル
焼き鳥
魚の串焼き
おでん
串カツ
団子
田楽
ケバブ:イスラム圏
サテー:フィリピン
チキンティッカ:インドの焼鳥
ヤンローチャン:中国屋台
スブラーキ:ギリシア
シュラスコ:ブラジル
サンジョク:韓国
スピエド:イタリア
・酒
シャンパン:フランス
スプマンテ:イタリア
プロセッコ:イタリア
・チーズ
目次
第1章 イタリア暮らしですが、なにか?
第2章 あなた恋しい日本食
第3章 それでもイタリアは美味しい
第4章 私の偏愛食
第5章 世界をつなぐ胃袋
あとがき
ISBN:9784106108099
出版社:新潮社
判型:新書
ページ数:208ページ
定価:780円(本体)
2019年04月20日発行
Posted by ブクログ
まず、表紙の「口をベタベタにして、美味しいのか不味いのかわからない顔でパスタを喰らう女」の絵が、強烈。
そして、パスタぎらい。
でも、本の中には、食べてみたい知らない料理やら、知ってるけどまた食べたくなる料理など、確実に胃袋を刺激する内容だった!
世界中の食文化は、面白くて奥深い。
そして、言葉が通じない、異文化の人が、うちの料理を美味そうに食べたら、私は仲良くなりたいって思ってしまう!
Posted by ブクログ
パスタぎらい ヤマザキマリ
テルマエロマエの作者。海外生活が長くイタリアに家族を持つ筆者の食事に関するエッセイ。
食に対する強い想いがユーモラスに書かれている。
蛇足だが、や、最後に、という書き出しの1文が度々出現するが、その内容が書き出しに収まらない程奇想天外で滑稽である。それらの書き出しが今か今かと読み進めてしまった。面白い
Posted by ブクログ
今山崎マリさんにはまって色々読んでいるところ。
食にまつわるこちらのエッセイも、とても面白かった。
本当にユニークなお人柄。
そして、とても読書家であることから、文章がとても上手であり、幅広い知識の持ち主であると感じる。
でもそれをひけらかす感じもないのが、良いです!
Posted by ブクログ
「食文化」というカテゴリーに絞れば、日本の"外交能力"は他国に比べて突出している。
そんな日本人であり 日本に生まれ暮らしていることは幸せだと思う
Posted by ブクログ
17歳でフィレンツェに留学、イタリア暮らし35年。海外生活の長い筆者の日本食とイタリアほか世界の食に関する多彩なエッセイ。
紀行と同様、食に関するエッセイは難しい。おいしさを伝えるだけでは単なる自己満足、表現力のほか独自の切り口がなくては読者の心は動かせないように思う。
日本のナポリタンをイタリア人の友人に食べさせてもなかなか受け入れられない。たまに日本に帰るとイタリア料理にが恋しいでしょうと気を使われたり、お弁当は日本独自で日本のアニメを見た外国人が不思議がったりあこがれたり、など。
海外暮らしが長い日本人なら他にもたくさんいるだろう。だが筆者には鋭い視点、切り口とマンガでも文でも表現する手段がある。そして常人を超えた食欲と食に対する執着心。
気楽に読めつつも、実はなかなか奥が深いと思わせる一冊でした。
Posted by ブクログ
爆笑しながら読んだw
徹子の部屋で徹子さん相手に圧倒している姿を見てエッセイが読みたくなり読んだ
美しい都市だと聞いたことがあるので、戦争前のシリアに住んでいたのがとても羨ましい
イタリアが食に対して保守的なのは知らなかったので面白かった
日本人の舌の寛容さと節操のなさの表現は的を得ていると唸りつつ笑う
私は自分がグルメだと思ったことはないが、日本に生まれ育った時点である程度は美食家なのかもと思った
食に関してはすごいいい環境だなーと改めて思った
植民地と寿司や外国料理への浸透率の関係面白そうなので調べてみようと思った
Posted by ブクログ
ヤマザキマリさんのバイタリティは、食に関しても人生に関しても尊敬に値し、憧れます。でも、リアルに身近にいる人だったら、きっと仲良しにはなれないと思う...
Posted by ブクログ
ヤマザキマリさんはイタリア在住で活躍されていることは知っていたが著作を読んだのは初めてだったが、素敵なだけではないイタリアのあれこれを垣間見られるのが新鮮だった。
型にハマらずバイタリティに溢れていて感じたことがストレートに表現されている署者の表現は読んでいて気持ちが良かった。
世界は広く、細かいことを気にしすぎるよりもいろんなことに挑戦してみたほうが楽しい人生送れそう、と思わされる一冊。
Posted by ブクログ
思わずお腹がグゥとなりそうなくらい美味しそうな話で溢れていた。食欲って生きる力なんだとつくづく思う。世界中を旅している気分も味わえて、各地のお粥のような存在の話も面白く楽しめた。漫画も素敵だけど、文章も上手なんだなぁ。
Posted by ブクログ
このあとの『貧乏ピッツァ』の方を先に読んでいるものだから、かぶる話もなくはなかったんだけどね。とはいえ、料理とヤマザキ氏の生活史のエピソードをからめた文章は、やっぱり楽しいね。自分の経験では、スイスに行ったときにいただいたチーズサンドを一口で戻しそうになった経験があり、決して相いれない味覚があるのは敬虔のあるところ。それでも、いろいろな味覚体験をみるとなんか楽しそうだったね。
Posted by ブクログ
イタリアにとどまらず、世界中で食べた物について、高級なものからスナック菓子まで実体験に基づく話はどれも面白かったです。
ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、ポルトガル、と、ヨーロッパの国々の違いについてもなるほど、と思うところが多かったです。
長くはない、私の海外生活体験からすると、日本食が恋しくなることはなくても、おにぎり1 つとか、かけうどん一杯などといった、「軽く食べる」ことが難しかったなあと思い出します。
そしてやはり「浴槽」。
あとがきの、「食事と風呂は人生における二大至福要素だ。」に、強く共感しました。
バター茶も臓物の煮込みもパスだけど、滋養強壮効果が高いという馬肉には、ちょっとチャレンジしてみようかな、という気持ちになりました。
Posted by ブクログ
ヤマザキマリさんの食にまつわるエッセイ…とでも言いましょうか。
海外生活が長い山崎さんですが、永く住んでいてもパスタはさほど好んでは食べない、という話に始まって、好きで食べ続けてアレルギーが出てしまった話や、もてなしを断れずに出された料理を食べ続けていたら過剰摂取による食中毒を起こしてしまった話など、自分の経験をもとに書かれているのですが、それと合わせてその国の文化などと照らし合わせて考察してしまうところに、なるほど!と膝を打ってしまいました。
海外生活の方が長くなっているヤマザキさんですが、やはり子ども時代に食べてきた嗜好が、結局、後々まで影響を及ぼすのだな、と思いました。
2019/10/09
Posted by ブクログ
読書の感覚を取り戻したくて読んだところ、期待通りサクッと楽しく読めた。
海外好き、ごはん好きにはたまらない一冊。イタリアはじめシリア、米国など海外に長く住んだ著者が出逢った各国の美味しいもの(必ずしも著者の感想は美味しいばかりではないが)、また日本のごはんの素晴らしさなどが語られる。ワインナショナリズム(ヨーロッパ各国の人々は基本的には自国ワインを好む)などは、世界中あらゆる国のワインが街のスーパーにも並ぶ日本と対比すると興味深い。
Posted by ブクログ
世界の食文化を紹介するエッセイでは
ありますが、やはり日本の食の寛容さ
は世界でも突出しているらしい、と感
します。
寿司などの高級食もあれば、ジャンク
フードとも言えるスナック菓子も種類
が豊富でとても美味しい。
スナック菓子はアメリカが発祥である
にもかかわらず、今や日本の食べ物と
言っていいです。
ラーメン、カレーなども説明不要で
しょう。
この何でも受け入れて自国の食べ物に
してしまう寛容さは、外国語の習得が
苦手な日本人であることの裏返しでは?
と著者は指摘します。
せめて「食」だけでも。という考察に
は納得してしまう一冊です。
Posted by ブクログ
高価な店で高価な食材を使った料理でなくても、食を楽しむことはできると思える。それは誰でも食で人生を豊かにできるということ。著者の経験談もふんだんに盛り込まれて、美味しく楽しい一冊。
Posted by ブクログ
『テルマエ・ロマエ』で一世を風靡した漫画家・ヤマザキマリが主にイタリアの食事について語る本。
一時期、北海道でグルメレポーターをしてただけあり、日本の食事にも非常に精通しており、エッセイとして普通に面白かった。
Posted by ブクログ
テルマエロマエで有名な漫画家、ヤマザキマリさんの食エッセイ。イタリアを中心に、海外の様々な料理についてユーモアを交えて語られていて、テンポの良い文章だったので楽しく読めた^ ^やはり、ポルトガル料理は美味しそう。是非行ってみたい!
Posted by ブクログ
もうどこかで読んだこともある話も多いけれど、何度読んでも面白いヤマザキマリさんのエッセイ。エッセイなのに新書なんですね。個人的だけど、食文化論ということでしょうか。
ヤマザキマリさんが一番好きなのは日本のナポリタンというのはもう有名ですが、これはイタリアでは「パスタ」とは認められていないらしい。ケチャップやタバスコなんてとんでもない。でも、食べさせたら好評だったという皮肉・・・。
ペペロンチーノなんて、貧乏パスタ。
イタリア人におけるオリーブオイルとバルサミコ酢について。食いしん坊が書いた食のエッセイは、とにかく面白いです。
Posted by ブクログ
どの話も庶民的で素直な文体が読みやすくて美味しそう。オリーブオイルと餃子の話が印象的だったり「餃子一個で千メートル」という表現が面白くて激しく同意。
Posted by ブクログ
イタリア人が食に保守的だということに驚いた。日本には世界中の食べ物があり、しかも人気で、寛容なんだなと思う。
一方で、「我が家はこの味」とワインやらオリーブオイルやら決まったものがあるというのは一種羨ましくもあり。
日本では選択肢が多すぎて……お気に入りを見つけて、定番化したい。
マリさんはてっきりイタリアらしくコーヒー党なのかと思いきや、紅茶派だった。書いてあった和紅茶飲んでみたい。(佐賀の嬉野や熊本の天草)
あとフィレンツェのランプレドット、食べてみたいなあ。
Posted by ブクログ
第1章 イタリア暮らしですが、なにか?
Ⅰ 貧乏パスタ
Ⅱ イタリアのパンの実力
Ⅲ トマトと果物が苦手です
Ⅳ コーヒーが飲めません
第2章 あなた恋しい日本食
Ⅰ ラーメンが「ソウル・フード」
Ⅱ 世界の“SUSHI”
Ⅲ 日本の「洋食」とはケチャップである
Ⅳ 憧れのお弁当
Ⅴ にぎりめし考
Ⅵ キング・オブ・珍味
Ⅶ スナック菓子バンザイ!
第3章 それでもイタリアは美味しい
Ⅰ 「万能の液体」オリーブ・オイル
Ⅱ 酸っぱいだけじゃない!
Ⅲ 優しいスタミナ食
Ⅳ 臨終ポルチーニ
Ⅴ ジェラートとイタリア男
Ⅵ クリスマスの風物詩
第4章 私の偏愛食
Ⅰ 思い込んだらソーセージ
Ⅱ 私の“肉欲”
Ⅲ パサパサか、ドロドロか
Ⅳ たまご愛
Ⅴ シチリア島で餃子を頬張る
Ⅵ 串刺しハングリー
Ⅶ 世界の「病人食」
第5章 世界をつなぐ胃袋
Ⅰ ワインとナショナリズム
Ⅱ チーズと寛容
Ⅲ ミラノ万博取材記
Ⅳ 胃袋の外交力
あとがき
Posted by ブクログ
筆者が長年暮らしたイタリアの料理を中心とした食文化エッセイ。世界の色んな料理を食べてたくさんお腹を壊しても、食への探究心はなくならないエネルギーに圧倒される。各地で体調を崩している筆者が体験した世界の病人食というのが興味深い。
Posted by ブクログ
イタリアには旅行で行ったことしかないんですけど、ヨーロッパに住んでいたことがあるのでマリさんの話に共感させられることが多くてスラスラよめました。
世界中のどんな料理でも日本人なら現地のもの以上の味を作れる。これって本当にすごいことです。
日本人は舌が肥えてるし、本当に食に対するこだわりが半端じゃないなと思いますね。
早くイタリアに行ってトリッパ食べたいです!!
Posted by ブクログ
美味しいと思えないものを無理やり食べるところから「味覚の外交力」が始まり、寛容性が生まれるのかもしれない。
食の寛容性は日本が突出している。異国の珍しいものでも躊躇なく食べ、世界中のあらゆる料理や調味料が手に入る。和食の繊細な味から、スナック菓子のバリエーションまで、ここまで豊富な国はない。
ヨーロッパ各国はそれが中々難しい。ワインやチーズにしてもその土地の産地のものしかほぼ置かれていないし、そもそも需要がない。また、料理に関しても然り。
だがローマ人は違う。貪欲な食欲と食への探究心を持っている。
Posted by ブクログ
<目次>
第1章イタリア暮らしですが、なにか?
第2章あなた恋しい日本食
第3章それでもイタリアは美味しい
第4章私の偏愛食
第5章世界をつなぐ胃袋
あとがき
日本人の(食を)受け入れる受容性、味覚の外交力
Posted by ブクログ
著者が、海外滞在中に日本食を渇望する気持ちがよく分かる。
私の場合、子どもの頃、海外に住んでいたので、日本に帰国したときの楽しみは、卵かけごはんを食べることだった。
日本の食文化の寛容性の高さと、アレンジする技術の素晴らしさが良く分かる。
他国の現地で食べるのも、異国情緒を感じられて良いだろうなぁ。
現地に着いたら、現地の食べ物を躊躇せず頂く、というヤマザキさんの姿勢が素晴らしい。