小池真理子のレビュー一覧

  • 墓地を見おろす家

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    めちゃくちゃ怖かったです、これはジャパニーズホラーでさすが名作だなと思いました。


    あらすじ

    不倫の末に結ばれた美沙緒と哲平は、待望の娘玉緒を産み、都心のマンションへ引越しを決める。間取りも広く、日当たりも良いが気になるのはマンションの目の前が墓地ということだけ。マンション自体に住民も少ないが、美沙緒と玉緒は4階に住む井上一家と交流を深めていく。その過程で知った物置代わりの地下室、その不気味さに怯える美沙緒だったが異変が起こり始めて…。


    ホラーを読み始める時いつも考えるのが自分がその立場であればいつになれば怖いものの存在を信じて、損切りをできるかということです。美沙緒の立場で見れば平穏

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    2024年12月17日
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

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    ネタバレ

    松任谷由実デビュー50周年記念オリジナル小集。全作書き下ろし。ユーミンの名曲タイトルから6人の女性作家が新たに奏でる小説のハーモニー。令和4年7月1日発行。

    小池真理子 「あの日にかえりたい」(1975年)
    桐野夏生 「DESTINY」(1979年)
    江國香織 「夕涼み」(1982年)
    綿矢りさ 「青春のリグレット」(1985年)
    柚木麻子 「冬の終り」(1992年)
    川上弘美 「春よ、来い」(1994年)

    ユーミン世代ではないので、リアルに記憶にあるのは「春よ、来い」くらい。といっても、歌詞なんて気にしてなかった年頃だったので、いまいちよく分かっていない。本当は、曲を聞いて、歌詞を読んで

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    2024年12月11日
  • 影牢 現代ホラー小説傑作集

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    誰もが知っているような作家の短編集を八つも集めたホラー短編集。
    特に面白怖かったのは、宮部みゆきさんの「影牢」と、三津田信三さんの「集まった四人」、小池真理子さんの「山荘奇譚」、有栖川有栖さんの「赤い月、廃駅の上に」
    あくまでも自分の好みというところですが。

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    2024年11月22日
  • 墓地を見おろす家

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     墓地に囲まれたマンションに暮らし始めた哲平一家が次々に不吉な出来事に見舞われ、最悪の事態を迎えてしまう正統派ジャパニーズホラーで、徐々に怪異が近づいてくる描写が背筋が寒くなるほど不気味で良かったけど、ラストの展開はかなり強引だと感じた。

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    2024年11月20日
  • 墓地を見おろす家

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    導入から中盤に掛けてありがちながら王道の展開で飽きさせない。
    ジワジワと怪異が近づいて来てるのに常識が邪魔して大胆にな行動にでれず最悪の結果に至る。
    文章も読みやすく臨場感もある書き方で安心して読めるけど最後の急展開はちょっと不満。
    残穢とか好きな人なら合うのかなと思います。

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    2024年10月25日
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

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    6曲のうち頭の中でメロディを再生できるのは1,2曲だけだけど、そこを抜きにしても楽しめた。初読みの作家さんの作品を読めたのもよかったな。第一篇が昭和の時代を回想するストーリーだから、それ以降も脳内で時代設定に混乱してしまった。最後の「春よ、来い」がよかった。これのおかげで読後感は暖かいものになりました。

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    2024年10月20日
  • 月夜の森の梟

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    夫を亡くした著者の心情を書いた話。何をしても埋まらない空間。悲しい。寂しい。自分の中の喪失感。埋める事は出来ない。時間と共に変化していくのかな。

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    2024年10月16日
  • 日暮れのあと

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    齢五十を過ぎて、少しずつ体や気持ちの老いを感じ始めてはいるけれど、まだ死を近しく感じるほどではない。
    そんな私に、死ってこんな風に近づいてくるんだなと教えてくれたような一冊。
    死に近づくって、食べることや誰かと交わることや、そんな本能的な欲を若さという勢いに惑わされることなくリアルに感じるプロセスなのかもしれないと思った。

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    2024年10月16日
  • 墓地を見おろす家

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    主人公が人間的に最悪なので共感できず、なかなかページが進まなかったが、途中からなんとか娘は無事で終わってほしいと思い一気に読めた。面白かった!

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    2024年08月26日
  • 月夜の森の梟

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    大切な人を亡くした喪失感を、森の心象風景と共に書き綴ったエッセイ。
    静謐な時の流れを、筆者の言葉が寂寥感を抑えて、しかしだからこそ迫り来るような孤独が沸々と迸る物語。
    特に涙腺が緩くなった「悔やむ」の中の、お守りマスコットに入ってた亡き夫のメモを発見した時のくだりである。それを見つけた際の筆者の気持ちにシンクロしてしまい胸の奥が痛くなった。

    あとがきにも記されていたが、大切な人を亡くした人は同じ周波数の同じ慟哭を抱えて生きているという表現は、形容し難い心情をよく捉えている。
    意を正して読めねばと久しぶりに思った本だ。

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    2024年08月25日
  • 怪談

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    作中や解説でも出てきた「さびしい戦慄」という言葉がぴったり合う作品集。
    怖いんだけど、悲しく切ない。正体はわからない異形の者に恐怖を抱きながらも、知らぬ間に虜になってるような。

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    2024年08月07日
  • 墓地を見おろす家

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    ネタバレ

    これぞホラーという感じがする。結局最後まで怪異の正体はわからないが、ただ悪意に満ちた存在であることだけは確かなのがいい。ひそひそ喋る声にしのび笑い、ひたひたと這う音。得体が知れず不気味で、嫌な怖さを存分に味わえる。

    管理人夫妻が越していくときに、手を振っていた集団がいたという場面は特に怖く、鳥肌がしばらく収まらなかった。あとで思い返してもぞっとする。日本昔ばなしの「夜中のおとむらい」によく似た怖さだ。最後の終わり方も、不気味さと絶望感がぐっとくる。

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    2024年08月01日
  • 感傷的な午後の珈琲

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    何気ない景色、事象についても
    小池真理子さんが書くと
    あぁこんなふうに表現されるものなのだ。
    と、しばし眺めいるほどに、美しく
    細部にまで想像力が行き届く文章。

    その人の、書くことについて、
    ともに生きる動物たちへの想い、
    食べ物について、旅先で経験したこと、
    そしてもう二度と会えない人たちとの記憶。
    どれをとっても、この人にしかできない
    表現があり、それぞれに胸に響く。

    この本をきっかけに、さらに色々と
    作品を読んでみよう。

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    2024年07月16日
  • 再生 角川ホラー文庫ベストセレクション

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    どの話も怖かったです。
    綾辻行人さんの話は別で読んでましたが、再読しても怖かった。澤村伊智さんの話はあのシリーズですね。面白かったです。

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    2024年07月15日
  • 月夜の森の梟

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    小池真理子氏が、夫て同じく作家であった藤田宣永氏の死に向き合い、まさに絶望と喪失感の最中に、絞り出すようにして書き上げた喪失エッセイ。
    簡単にわかるものでもないし、想像を超える心境なのであろう事はよくわかる。
    必ず自らにも起こり、避けては通れない事である。
    生きるとは。喪失感の先に見えて来るものとは。
    考えさせられる一冊。

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    2024年06月18日
  • 妖し

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    〈怪異〉をテーマに描く、奇譚アンソロジー。アンソロジーって色んな作家さんの話を読めるからお得感がある
    不思議な話もあったけど、一番最後の小池真理子の話は強さがぶっちぎりだった…
    背筋がぞぞーっとして鳥肌がすごかった。
    不思議と恐怖というのはグラデーションで、たぶん私がそんなに怖くない、特に不思議ではないというような感想をもつ話も他の人からすればすごく怖い!不思議すぎてわからん!ってなる話もあるんだろうな
    色んな人に読んでもらって一番好きな作品とか語り合うのが楽しい本だと思う

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    2024年05月11日
  • 墓地を見おろす家

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    こ、怖い!モダン・ホラーの名作と言われている本作だけれど、ほんとに怖い!後味が悪いというかすっきりしないというか、いやどうなるんやこの人たち…という気持ちで終わる。おもしろいなーと思ったのが主人公たちの家族だけじゃなくて他にもホラーの被害というか、怖い体験をしたりする人たちがいてその人たちの視点からも描かれているところ。わりとホラーは視点が固定されがちなイメージがあるので複数の立場から事象の観測があることでまずまず怪奇現象の”ヤバさ”みたいなのが補完されていくのがめちゃくちゃに怖かった…
    小池真理子さん、ミステリーとかサスペンスのイメージが強かったけど緻密に作り込まれたホラーってこんなに怖いん

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    2024年04月29日
  • 月夜の森の梟

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    ネタバレ

    作家の藤田宜永が亡くなり、長く連れ添った小池真理子の手記のようなエッセイ。
    文章自体は残された家族の悲しみに溢れた内容なんだけど、お二人の静かな暮らしが伝わるような、やはり美しい文章でした。
    確かに小池真理子には、都会の喧騒ではなく自然あふれる森が似合う。その森の中で、藤田氏の思い出に包まれながらまた美しい小説を書いて欲しい。

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    2024年04月26日
  • 千日のマリア

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    解説が的を得てて、そうそれ!ってなった。
    自分にもあるような人には言えない小さな秘密を、覗いてしまったドキドキ感のある短編集だった。

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    2024年04月17日
  • 月夜の森の梟

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    このエッセイは、作家同士の夫婦である小池真理子さんが、夫である藤田宜永氏の亡くなった後に綴った、50回にわたる朝日新聞の連載を一冊にしたものである。

    「37年前に出会い、恋に落ち、互いに小説家になる事を夢見て、共に暮らし始めた」
    という、前書きから始まる。
    そして、「それにしても、さびしい。ただ、ただ、さびしくて、言葉が見つからない。」……

    途中から、この本は、夜寝る前に読む事にした。
    なぜなら日の光の明るい所ではなく、静けさの中でこそ伝わって来るものがあるように思えたから。

    いっぱい話したい事があり、けんかする程話し合う。
    面白い事が有ると、相手に報告したいと思う。
    ふたりで過ごした時

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    2024年04月12日