小池真理子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
アメリカでの語学留学を終えた男性が、飼っていたペットのリスの死骸を日本に持ち込み、自宅の庭に埋葬したことから恐ろしい感染病が発症します。
他方、TVの女性ニュースキャスタに心を奪われ、一方的にその女性との関係を築こうとする心の病を持った男性が引き起こす誘拐事件。
この二つの事象が絡み合ってストーリーが進みます。
小池女史は女性心理を描きながら展開する作風が多いと思うのですが、この一冊は、キャスターの夫、警察の刑事、TV局のプロデューサーなど、男性達の心理描写が中心でストーリーが展開していきます。
さて、恐ろしい「悪魔」の存在と結果は⋯⋯。 -
Posted by ブクログ
小池真理子さんのホラー短編小説集。初出のデータが不備のため個々の作品の年代は不明。主に80年代から20世紀末にかけての作品と思われる。KADOKAWAの編集者はちゃんと仕事してほしい。
やはり小池さんのホラー小説はとても良い。どうやら作者自身、「美しさ」を心がけて書いているらしいが、全くその通り、美しいのである。淡々とした大人しい筆致で、どの短編も途中までは普通小説として書き上げられている。それから怪異が起こっても、その淡々としたたたずまいは変わらず、絶叫などはない。むしろごく当たり前の日常であるかのようにさえスーパーナチュラルな事象が馴染んでおり、その静かなタッチにはいささかのケレン味もなく、夢野久作などとは真逆である。
小池真理子さんはホラーよりもメインは恋愛小説の方なのかも知れず、私はそちらはまだ読んだことが無いのだが、ホラーにおいてこそ、この文体は生えるのではないかと思う。
以前にも書いたが、これでもうちょっと文章に工夫を凝らせば、立派な第1級の芸術小説である。ただしその際でもメインストリームの文学史は、こういう幻想文学は無視するであろう。坪内逍遙が上田秋成を無視したように。正しく評価されるには、少なくとも100年はかかるだろう。