小池真理子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「文学的・哲学的尾行」の物語。
この話を読んで、実際に全く知らない人を、
ただただ尾行する楽しさは確かにありそうだなと感じた。
人の生活の一部を安全な場所で覗き見ることは
好奇心をそそられ、若干の優越感を得られると思う。
「結局のところ、人は秘密が好きなのだ。
彼が失いたくないのは、特定の誰か、ではなく、秘密そのものなのではないだろうか。」
このフレーズは、秘密を抱えた人間は誰しも少しは考えることではないかと思った。
秘密を抱えている人間は相手に対して猜疑心を持ちやすくなったり、
尾行相手と自分の取り巻く環境の共通点を見出すと、自分は同じルートを辿っているのではないかと不安にかられるとい -
Posted by ブクログ
2012年刊行、小池真理子さんの長編小説。裏表紙の解説を見ると、離婚によって疎遠になっていた父が難病にかかって死に、娘が遺されたワープロ原稿などを発見しそこに父の心の叫びを知る、という話だというので、これこそ私が読むべき本、読んで号泣しなければ! と衝動的に買った。
私も2年前に離婚して家族を失い一人娘と離ればなれになり孤独になった状態なので、まさに「身につまされる話」なのである。
もっとも、本作では冒頭で死ぬ父親は85歳、娘は50代ということで、私にとっては30年以上未来の状況ということになる。
本作は全然エンターテイメントではないし、恋愛小説でもなく、際だったストーリーもない普通小説 -
Posted by ブクログ
私はミステリーを読む時は大抵、犯人を推理しながら読むのですが、この作品は出てくる登場人物が皆怪しい!
一見すると怪しくは無いのですが、犯行理由や状況をふまえて考えると、この人なんじゃないか?いや、やっぱりこの人か?と二転三転する展開にハラハラしっぱなしでした。
結局終盤まで犯人は分かりませんでしたが、面白かった!
ミステリーの部分もですが恋愛小説?の要素もあり、とても楽しめました。
今から30年程前の作品ですので、連絡先の交換は自宅の電話番号と住所(今だったらまだ親しくもない相手に、住所を教えたりなんて考えられない)その当時の人達の恋愛模様と現在とを比べながら読むと、何だか新鮮な気持ちにも