小池真理子のレビュー一覧

  • 彼女が愛した男

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    ネタバレ

    推理小説として逸品。
    全く著者に騙されていた。

    ネタバレの記事は読まずに読む事をお勧めする。

    人間として、どう生きるのがよいのか。
    考えさせられた。

    小池真理子が、表現の細部に気をつかうだけでなく、大きな話題をさりげなく忍ばせて行くことが旨い。

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    2012年10月20日
  • 青い夜の底 小池真理子怪奇幻想傑作選2

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    1よりすごい怖い話が多かったのですが!!ひい!!朝読書の間、一人でひぃひぃ怖がっておりましたよ。

    生きがい
    人を世話することが生きがいの女性。彼女は、飛行機事故で夫と子供を同時に失って以来、生きる気力を失っていた。そんな時、彼女の管理するアパートに住む、息子と良く似た大学生が、風邪をひいて寝込んでしまう。
    彼女は献身的に彼を看病し、久しぶりに生きがいを見つけるのだが、その結果、思わぬ事実に気がついてしまう。

    青い夜の底
    売れないシナリオライター。今回の原稿も没を食らい、愛する女とはしばらく連絡が取れていない。無気力になった主人公の目の前に、数週間ぶりに彼女が現れる。しかし、彼女が連れていく

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    2012年10月18日
  • 記憶の隠れ家

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    ネタバレ

    なんらかの家にまつわる記憶短編集6話。
    刺繍の家
    獣の家
    封印の家
    花ざかりの家
    緋色の家
    野ざらしの家
    解説は結城信孝

    「刺繍の家」は、結末の説明が十分にないところが恐い。読者がいろいろかってに想像できる。
    「獣の家」は、「キノコ」の家と呼んでもいいかもしれない。結末が恐すぎ。
    「封印の家」は、義母の愛情か,自分の思い込みか、家族について考えさせられる。
    「花ざかりの家」は、女性が気が狂う話でちょっと苦手。
    「緋色の家」は、推理小説はこうじゃなきゃというような展開。「
    「野ざらしの家」は、父親と娘の関係がいま一歩理解できていない。ある意味恐い。
    この本は、恐い,本当に恐い。

    あとがき、解

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    2012年11月04日
  • 美神

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    ネタバレ

    一人の女性の9,17,22,26,30,35歳を扱った6編の短編集のようなもの。
    父と義理の母とその連れ子の義弟の4人家族。

    1回ごとに、男性の主人公は異なる。
    最後に最初に出会った男が弁護することになる。
    結末は悲しい。

    小池真理子がこの本で言いたかったことは、なんだろう。
    記憶の断片の模細工が織りなす美なのだろうか。

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    2012年10月16日
  • 一角獣

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    ネタバレ

    超短編集(ショートショート)8話

    こんな花あらしの日の午後は
    月影の中で
    石榴(ざくろ)の木の下
    雨の朝
    闇のオンディーヌ
    一角獣
    妖かし
    光きらめく海
    あとがきにかえて

    日常生活を書かせたら,こんなにすごい作家はいないかも。
    怪しげな話も日常生活の一小間にすぎない。

    あとがきにかえて、では、掌編小説から短篇小説まで集めたとのこと。
    掌編小説は20枚。短編小説は60枚。なるほど分類があるんだ。

    銅版画が1話に1枚づつ。
    紙が薄いので裏は白紙。

    初出は2000年から2002年。

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    2012年10月14日
  • 浪漫的恋愛

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    ネタバレ

    恋愛小説が嫌いな方へ。

    違う視点での読み方。
    家族の交通事故死と自殺という2つの事象に立ち会った女性が、どう生きて行くか。

    自殺した母と同じ年代になり、当時の母の感じたことをなぞる。
    違いは子供がいるかどうかだけ。

    主人公に子供がいたら、これほど冷静な描写にはならなかったのかもしれない。

    小池真理子の主題は「行きて行く」こと。
    答えは書いていない。

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    2012年10月13日
  • う わ さ

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    ネタバレ

    短編集4話

    独楽の回転
    災厄の犬
    ひぐらし荘の女主人
    うわさ

    日常生活に潜む罠。
    冒険と犯罪の境界に挑む。

    まえの2話は他の本ですでに読んでいた。
    短編集の一覧を作らねばと思った。

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    2012年10月14日
  • ひるの幻 よるの夢

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    ネタバレ

    短編集

    夢のかたみ
    静かな妾宅
    彼なりの美学
    秋桜の家
    ひるの幻 よるの夢
    シャンプーボーイ

    解説は張競
    中国でも受け入れられるが,中国に書き手がいないかもとのこと。

    シャンプーボーイはやや気合い抜けかも。

    全体では作家の話がでてくるところが面白いかも。

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    2012年10月12日
  • 短篇セレクション サイコ・サスペンス篇1 会いたかった人

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    ネタバレ

    恐怖小説短編集。

    会いたかった人
    倒錯の庭
    災厄の犬
    3話。

    巻末エッセイあり。
    単行本は結城信孝が解説を書いている。

    子供を生まないと誓い合った話。
    恐すぎて結末が読めない。

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    2012年12月15日
  • 青い夜の底 小池真理子怪奇幻想傑作選2

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    ネタバレ

    解説 新保博久。編集を担当している。

    小池真理子の幻想恐怖小説は、恐いだけでなく,美的な感覚がある。
    終わり方も苦しいだけでなく、悲しい,わびしい,寂しいなどいろいろ。

    ありきたりでないところがよい。

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    2012年10月09日
  • 夜ごとの闇の奥底で

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    ネタバレ

    解説 吉野仁 によれば、
    心理サスペンスであり、モダンホラーだとのこと。

    たしかに、心理不安,現代恐怖ということばはよく似合う。
    妹が事故で人を殺した時,不安さえなければ、すぐに救急車を呼び,
    必要があれば警察が来るだろう。

    不安だからこそ、冷静な時になら取れる行動が取れない。

    山奥のペンションの親娘も同様だろう。
    不安だからこそ、男を監禁しようとする。

    現代社会の心理の裏側を描写している。

    最後は裁判の陳述を台本風に描写しているのは一工夫なのだろう。

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    2012年10月06日
  • 蔵の中

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    ネタバレ

    大きな家に嫁いだ女性の物語。
    蔵の中に冷蔵庫がある。

    最後まで読んで,推理小説ではなく文学なんだろうなと思いました。
    結末はいろいろ考えられ,小池真理子の本を半分以上読まないと,推測できないかもしれないと思いました。

    1 冷蔵庫の中身はすでにない
    2 冷蔵庫の中身は別のもの
    3 その後冷蔵庫の中は空になる
    4 その後冷蔵庫そのものがなくなる
    5 関係者がいなくなる

    何がどうなるか、続編を読みたいのは推理小説慣れしているのかもしれません。

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    2012年10月05日
  • 間違われた女

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    ネタバレ

    間違いが何重かにある。

    1 男性がすでに引っ越した女性に手紙を出しているので、受け取っている女性は間違い

    2 女性が受け取った手紙の宛名を「マコ」と読んだが,送った人は「アコ」のつもりだった。

    3 受け取った女性の友人が引っ越した女性だったが、手紙を見ても自分宛だとは思わなかった。

    4 男性に、新たに女性の友人ができたが、意思疎通がうまくできていない。

    5 新たな女性の友人は、男性の性格,行動をうまくつまみきれず、間際まで行動に出れていない。

    最後の最後に、そんな馬鹿なという結末が待っている。

    自分が書いたら,軟弱だから亡くなる人は別の人にするだろなと感じた。
    こういう恐い話が書

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    2012年10月04日
  • 危険な食卓

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    ネタバレ

    推理,恐怖小説短篇8話
    囚われて
    同窓の女
    路地裏の家
    姥捨ての街
    天使の棲む家
    花火
    鍵老人
    危険な食卓

    解説は篠田節子

    他の短編集にも入っているものがある。

    囚われては、愛犬も恋人も妄想という怖さ。
    同窓の女は、同級性に夫を押し付けられる恐さ。
    路地裏の家は、夫を殺す女性を目撃した少女。大人になって自分が夫を殺す嵌めに。
    姥捨ての街は、殺人者が老人を保護する
    天使の棲む家は、死体を閉じ込める。
    花火は最後が自殺を想像させるので怖い。
    鍵老人は、殺人の可能性を秘める。
    危険な食卓は、下剤程度なので可愛いもの。

    1つ一つが、しっかりとした骨組みを持っていて読み甲斐がある。

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    2012年10月03日
  • 懐かしい骨

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    ネタバレ

    表紙が古い,人の顔の絵のものを読みました。
    解説は山前譲。

    壊した古い家から、骨が出て来た。
    兄妹が、それぞれ誰の骨かを想像し、一人の女性で一致する。

    警察からの調べで,以外な女性だったらしい。
    関係者が亡くなっているので、起訴,書類送検などにはならない。

    壮大な物語で,最後に「懐かしい」わけを感じることができる。

    恐怖小説は嫌いなので、怖々読んだ。
    話の持って行き方がうまいなと思った。

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    2012年10月03日
  • 天の刻(とき)

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    ネタバレ

    短篇6話。解説 篠田節子。
    月を見に行く
    蝋燭亭
    天の刻
    襞のまどろみ
    落ちていく
    無心な果実

    R35, R40指定という話が解説にある。
    歳を取ったからわかる情景なのだろうか。
    死と恋愛に向き合う。
    日常生活と非日常の一部を叙述的に描写する。

    暗い。
    必ずしも後ろ向きでない。
    淡々としているのはよいかも。
    こういう感触の人も世の中にいるのだろう。
    勉強になりました。

    ps.
    三ヶ月後に二度目に読んだ時,筋を半分忘れていました。

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    2012年12月26日
  • 夏の吐息

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    ネタバレ

    短篇6話。解説 堀茂樹。
    秘めごと
    月の光
    パロール
    夏の吐息
    上海にて
    春爛漫

    「上海にて」は、なぜ上海なのかがわからなかった。
    全体に死と恋愛とが交互に現れる叙述的な小説。
    小池真理子が目指しているものは分かった。
    明るい気分の時は、明るい気分じゃないときには読めないかもしれないと感じた。
    暗い気分の時に,底から這い上がるのに読めるかもしれないと感じた。
    読むときの姿勢の持ち方でなんとか読めるのかもしれない。

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    2012年09月29日
  • 水無月の墓

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    ネタバレ

    推理小説短編8話。

    ぼんやり
    神かくし
    夜顔
    流山寺
    深雪
    私の居る場所
    水無月の墓

    なぜか暗い。
    時代なのだろうか。
    新人類の旗手の一人であるはずなのに。
    明るくないのは嬉しくない。

    「私の居る場所」のように、なにかもやもやとしたものが残る。
    「カミュ」のように暗いのと同じ文脈なのかと感じる。
    そういう時代だったのだろう。
    とすると、旧人類なのかもしれない。

    ps.
    夜顔は傑作集で既読だった。

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    2012年09月26日
  • 闇夜の国から二人で舟を出す

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    ネタバレ

    中身を見ずに手に取った。随筆集だとは知らず,小説だと思って買いました。

    なんどか飛ばし読みしているうちに、
    小池真理子 と 藤田 宜永 が別姓結婚または事実婚であることを知りました。
    小池 真理子 と 藤田 宜永  が2人とも直木賞を取っていたということを知りました。

    何も知らなかった人間にとって、本書は小池真理子を読み直すのにとても役立ちました。

    どんな本を読んでいたか,三島由紀夫をどう思っていたか、などなど。

    世代が近いと感じるか、世代が遠いと感じるか,人それぞれ。
    本としてくどいと思うか,繰り返し書いていることは変わらないことだと思うか。
    時間による変化があるか、時間を貫いた共通

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    2013年04月09日
  • 午後の音楽

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    私も同じ答えを導き出すと思う。なーんてね。

    メールのやりとりで物語は進んでいきます。
    心の変化が少しずつ文章から読みとれて
    気持ちが加速したり減速したり。

    でも、恋はいいですね。

    過程、が。

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    2012年05月29日