小池真理子のレビュー一覧

  • 短篇セレクション 幻想篇 命日

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    短編小説 5話

    命日
    家鳴り
    流山寺
    水無月の墓
    ミミ

    現世と異界その往復 巻末エッセイ3
    解説 辻章

    恐怖小説,推理小説,魔界小説。
    恐いといえ恐い,結末が予想できなかったといえば,予想できなかった。
    いい意味で期待を裏切る。

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    2012年12月18日
  • 恋人と逢わない夜に

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    知的悪女のすすめ の延長線上の評論集。

    解説を小沢遼子が書いている。

    日刊スポーツ,野生時代,住宅新報,赤ちゃんとママ,女子大生ノート,オールセールス,PHP,ミステリーマガジン,月間プレイボーイ,けいしんニュース,王様手帖,婦人画報ビューティ,Peopleなどに掲載の話。てんでばらばら。

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    2012年12月13日
  • ナルキッソスの鏡

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    これまで,小池真理子の理想が見えていなかった。
    三つ以上の方向があるような気はしていた。

    真琴の自己陶酔は,一つだと感じた。自分を美しいと思う。

    千鶴の浩二への想いも,一つかもしれない。
    「浩二はしばらくの間,じっと千鶴を見つめていた。雨まじりの風が強く吹き,闇の中でベランダに下げた丸い物干しがくるくる回っている。わかった,と彼は真顔で行った。「でも,車は貸さないよ」「何故?」「僕も一緒に行くからさ」また涙があふれそうになった。」

    もう一つはみつからない。乃里子の真琴への思いだろうか。美しいものが好き。

    推理小説としても,いくつも途中での予想を裏切られたという点ですごいと思った。

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    2012年12月12日
  • 夜は満ちる

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    短編恐怖小説6話。
    やまざくら
    縁えにし
    坂の上の家
    イツカ逢エル
    蛍の場所
    康平の背中

    蛍の場所は恐い。
    結末の理由が分からない。
    著者がなぜこういう小説を書くのかが分からない。
    恐すぎて,読み切るのに3日かかりました。
    次の話が読めない。

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    2012年12月10日
  • 追いつめられて

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    推理短編小説6話

    窓辺の蛾
    悪者は誰?
    追いつめられて
    泣かない女
    隣りの女
    予告された罠
    あとがき

    予告のようなところで終わっているものもある。
    主人公の意図をしっかり記述している。
    恐いといえば恐いし,話だからといえば話だし。
    日常生活の一部に現れる殺意のようなものを表現することもある。

    小池真理子の推理小説はいける感じがする。

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    2012年12月01日
  • 愛するということ

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    微妙な立場に経たされた主人公
    自分の信念を貫こうとしていく。
    全く別の人生訓を吐く男。
    結末は,戦友意識の芽生えかもしれない。

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    2012年11月29日
  • 律子慕情

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    収まるところに収まった感。
    亡くなった人の姿を見るのはなんだったんだろう。
    本人の不安定さが原因なのかもしれない。
    亡くなった人にかこつけて,自分の反射を見ていたのかもしれない。

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    2012年11月29日
  • 水底(みなそこ)の光

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    p50
    「誰も否定できない,正しい当たり前のことを当たり前の顔をして口にして,したり顔をする人間が,わたしは昔から苦手だった。この種の人間は,人の心の中に生まれる曖昧な勘定を理解できないばかりか,強引に整理して,整理しきれないとわかると,平然と切り捨てにかかる。」
    p51
    「わたしはいつも中途半端だった。一番大切なものが,何なのか,わからなかった。同時に,一番背を向けたいものが何なのかも,わからなかった。大切なものも,背を向けたいものも,全部,自分が暮らしている家の中にあるような気がした。」

    小池真理子が書きたいのは,当たり前の生活の中の,微妙なずれなのかもしれない。

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    2012年11月27日
  • 雪ひらく

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    短編6話。
    おき火
    最後の男
    仄暗い部屋
    雪ひらく
    場所
    パラサイト
    文庫版あとがきにかえて

    なんとなく,後ろ向きの言葉が多い。
    生きていることが良いことだという確信は,誰でも持てるとは限らない。
    著者が何が書きたいかが分からないまま読み進むのは辛いかも。いろいろな女性がいるということと,女性のありのままの姿を知るきっかけを掴むことができるかどうかが理解の鍵かもしれない。

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    2012年11月25日
  • 青山娼館

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    どんなことがあっても生き抜いた方がいいという伝言だと理解した。
    それ以外に読み方が分からない。

    青山という地名が,高級感を醸し出しているのだろうか。

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    2012年11月18日
  • 虹の彼方

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    序章と終章以外は,志麻子,正臣という2人の主人公の名前が章の見出しになっている。

    読むのが辛かった訳ではない。
    志麻子,正臣と読むと,ちょっと休憩したい。

    同じところをぐるぐる回っているような感じ。

    読後感として,赤川次郎の「杉原爽香」シリーズが思い浮かんだ。
    赤川次郎の理想の女性像に対して,男性のだらしなさ。

    小池真理子理想の男性像として,どんな状況でも自分のことに一途になって欲しいという気持ちが垣間見える。女性の行動は生き方としての美学が赤川次郎と違う。

    何が美しいかを主張したくて,長くなっているのだろうと推測した。

    辛くはないが,ぐるぐる感が残った。
    そうか,志麻子,正臣とい

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    2012年11月17日
  • 薔薇いろのメランコリヤ

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    2000年から2001年 マリクレール連載。
    小池真理子の魔法で、雑誌にちちんぷいぷいとするとできあがる物語。

    型紙ができていて、そこに雑誌の粉を流し込むだけ。
    いろいろな思い,思惑はあるのだろう。

    ヨーロッパへの脱出。
    結婚。
    再開。

    最後の急展開と、再開という小間割りは小池真理子風。
    この技習得したい。

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    2012年11月06日
  • 冬の伽藍

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    唯川恵が解説を書いている。
    「この美しい結末に、涙することのできる自分が嬉しかった。
     大丈夫,私はまだ失ってはいない。大切なものを感じる力をちゃんと持っている。
     私がこの「冬の伽藍」で感じた感動を、今,読者のみなさんと共有していることをとても光栄に思う。」

    うまい。この文章を読んだら,唯川恵の書いたものが読みたくなってしまう。

    作家は、他の作家のよいところを見つけた時に,その作家自身も伸びるのかもしれない。違う方向へ進みながらも、別の方向も良いと思えることに自信が涌くのだろう。

    「冬の伽藍」は第一部は目をつむって、黙々と読み進み,
    第二部の手紙の部分まで辿り着くことが大切。
    第二部の

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    2012年11月05日
  • 怪しい隣人

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    短篇六話
    「妻と未亡人」
    「家鳴り」
    「終の道づれ」
    「寺田家の花嫁」
    「本当のこと」
    「隣の他人」

    「妻と未亡人」は,誤解なのか,詐欺なのか。結末が悲惨すぎるかも。

    「家鳴り」は、家にまつわる話題。
    短篇なので、結末が唐突なのは仕方が無いかも。

    作者は文学者なので、余韻を残す為に説明はしない。

    「小説すばる」に1993年から1994年に掲載。

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    2012年12月29日
  • あなたに捧げる犯罪

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    標題は小説推理のシリーズ名とのこと。

    各短編の標題は、
    菩薩のような女
    転落
    男喰いの女
    妻の女友達
    間違った死に場所
    セフィーニ 終幕
    で読み切り。

    「あとがきに代えて」がある。

    他の短編集に出ているものもあり、ちょっと恐い話もある。
    男喰いのように因果関係が不明確な場合もある。
    間違った死に場所のように、そこまでやるかという話もある。

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    2012年11月04日
  • いとしき男たちよ

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    日刊スポーツ西部版 九州
    毎週1回の連載。

    毎回読み切りで、友人のネタを使ったとのこと。
    そんな恐いこと。
    結構際疾い話題もあり、友達どうしであれば、誰のことかばれてしまうはずなのに。

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    2012年11月04日
  • 肉体のファンタジア

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    「骨」「指」「歯」「目」「背中」「舌」「毛」「爪」などなどの18節の見出しをもった評論集。
    映画
    ツゴイネルワイゼン
    あの胸にもういちど 原作 オートバイ(マンディアルグ)
    ピアノレッスン カイテル
    愛と時のアレゴリー ブロンツイーノ作
    ジュテームモアノンプリ ジェーンパーキン セルジュゲンズブール
    エイリアン

    文学
    美徳のゆらめき 三島由紀夫
    案山子 水上勉
    翼 三島由紀夫
    水の翼 小池真理子


    鏡を見るヴィーナス ディツアーノ

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    2012年11月01日
  • 死者はまどろむ

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    坂東眞砂子さんが解説を書いている。
    日本的な恐怖小説。
    「日本人の皮膚感覚を大事に」という表現が丁度よい。

    こんな恐い話は、日本人でないと理解できないかも。
    隠れキリシタン。
    ミイラ。
    という、非日本的なものと日本的なものの、日本的な融合。

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    2012年10月31日
  • 瑠璃の海

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    「エリカ」と「瑠璃の海」を同時に読んでいます。

    エリカの感想には
    小池真理子の書きたかったこと。
    日常にありえる設定で、どの方向へ進むかではない。
    どの方向へ進んだとしても、そこにあるのは日常であるということ。

    設定そのものに対する見方を提示している。
    描写の旨さは、旨いことがいいことなのではなく、日常的である枠に収めてしまうところがいいことなのではないか。

    小池真理子が書きたかったことはそんなことではないかと思う。
    と書きました。

    瑠璃の海も全く同じ文脈で読んでいます。
    進んだ方向に疑問を投げかける方も見えます。

    物語なのだから、そちらに進んだらという仮設だと思って読まないと,疲れ

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    2012年10月21日
  • エリカ

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    小池真理子の書きたかったこと。
    日常にありえる設定で、どの方向へ進むかではない。
    どの方向へ進んだとしても、そこにあるのは日常であるということ。

    設定そのものに対する見方を提示している。
    描写の旨さは、旨いことがいいことなのではなく、日常的である枠に収めてしまうところがいいことなのではないか。

    小池真理子が書きたかったことはそんなことではないかと思う。

    「瑠璃の海」と並行で読んでいた。

    エリカが積極的な人との出会いの場合で、
    瑠璃の海が後ろ向きな人との出会いの場合を
    模擬実験した結果の例だと見ればいいかも。

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    2012年10月24日