小池真理子のレビュー一覧

  • 恋

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    この本を開いて読み出したら、世界観にのめり込みすぎて、手を止めてもなかなか現実世界に戻ってくることが出来なかった。
    設定、ストーリーの細部、登場人物のひとりひとりまで愛しく感じられ、私自身この作品に『恋』をしたと言って良いくらい気に入ってしまった。
    このタイトル以上に相応しいタイトルは無い作品でしょう。
    今年読んだ100冊以上の本のベスト5には間違いなく入る、私のお気に入り作品となりました。
    好みは別れるでしょうが、一個人としては素晴らしいの一言に尽きるかと思います。

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    2016年01月10日
  • ナルキッソスの鏡

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    美しくナルシスティックで性的に倒錯している真琴や狂った益代と息子との異質な関係
    暗く冷酷で不気味さ漂う雰囲気の中に少し甘ったるくて官能的な文章がすごく好き。夢中で読み耽りました
    サスペンスとしても面白いけど、この小説の良さは歪んでる人間の内面の描写が魅力的なところだと思う。とくに真琴の内面を掘り下げていくところはぞくぞくした

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    2016年01月02日
  • 沈黙のひと

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    複雑な家庭環境を背景に、病を患った父とキャリアウーマンの娘の交流と、父の死後明らかになった父の秘密。そして母の元夫である父の想いが綺麗に織り成せていると思います。
    小池真理子先生の作品は初めて読んだのですが、難しいようでスラスラ読めて良かったです。

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    2015年12月17日
  • モンローが死んだ日

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    この作家は元から好きですが、すらっと読めます。この年代の心境もよく表れていて、こんなトキメキしてみたいと思います。ある意味女性にとって憧れる先生です。女性にお勧めです。

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    2015年11月02日
  • モンローが死んだ日

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    あー、よかった、、、。
    余韻に浸ってます。

    この世代の恋愛ものを書かせたら、大好きな作家さん。
    イヤらしくなくて、上品で。

    還暦を迎えようとしている年齢でも、こうやって、ときめくドキドキする気持ちが残っていることを知って安心する。

    相手を知りたい、と思う気持ち。
    嫉妬。
    友人に言いたいけど、言いたいけど、自制する気持ち(「恋愛は『舞台』で観客が必要」に笑ってしまった)。

    読みながら、これから起こるであろう「別れ」が、ひょっとして、ニセ医者なのではないか?と予測できたのは、渡辺淳一さんの「雲の階段」を思い出したからかな。

    にしても、実刑が1年、というのはちょっとびっくり。そんなもんなん

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    2015年09月26日
  • 危険な食卓

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    短編集って、ぜったいハズレの話があるって思い込んでたわたしですが、小池さん作品を読んで反省しました。ほんとにどの話も、短い中にもちゃんと起承転結があり、ぞくっとこわいオチがある。。
    小池さん短編集の中では、『会いたかった人』が1番すきだったけど、この『危険な食卓』はそれを上回りました。何と言っても短編集だし、ひとつひとつの話は短いけど、読み終わった後には、長編ミステリーを読んだ後か?ってくらいの満足度を味わえました。
    特に、囚われて、同窓の女、天使の棲む家がすき!同窓の女は、なんとなく予想できるのに、そうくるかーっていう恐ろしさが、、たまりませーん♡
    久々短編集のヒット!

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    2015年08月24日
  • モンローが死んだ日

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    だいすきな小池真理子さん。久々のミステリーということで、とても楽しみに読みました。
    最初は、主人公鏡子さんの心情の変化や、精神科医の高橋さんとのやりとり、軽井沢の美しい自然に引き込まれ、中盤は、高橋さんとだんだん距離が縮まっていく様が何とも言えず心地よくて。後半からは、彼が本当は誰だったのか?という謎に引き込まれ、振り返ってみると、あっという間の一冊。
    小池真理子さんの本は、例えガヤガヤしたところで読んでいても、すっと本の中の景色に溶け込めてしまって、境遇はちがうのに共感してしまうのが本当にふしぎ。
    最後に、また寄り添う2人を見れて、胸が熱くなりました。
    また何年か後に読み返したい一冊♡

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    2015年08月17日
  • モンローが死んだ日

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    ネタバレ

    物語の前半は、天涯孤独な中年女性鏡子が夫を亡くした後、精神の不安定を抱え、精神科に通い、その精神科医と恋愛に至るまでの心の過程が丁寧に描かれる。読者である私までがすっかり鏡子の気持ちに同化した所でその精神科医の突然の失踪。後半は果たして彼は何者だったのかという謎解きになる。鏡子が謎を解明しようとするのに私も夢中でページをめくった。そしてその謎が解けた後再び寄り添う二人に胸が熱くなった。とても面白く1日で読破して大満足。

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    2015年08月16日
  • 沈黙のひと

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    私にとっての父親と、小池さんにとっての父親は少し違う存在なんだろうと思いつつ、それでも読み終えると、娘と父という共通した関係性が、私にとってとても気持ちよく表現されていて、素直に父に思いを馳せることができた。

    今年の1月に父を亡くした。結婚して実家を出てから30年以上経ち、たまに実家に行くことはあっても面と向かって父とゆっくり話すことなどほとんどないままだった。
    その生きざまを新聞記者の義弟が冊子にまとめてくれた。読んでみたけど、しっくりこないままだったのが、今日この沈黙の人を読み終えて腑に落ちた気がした。
    父が私たちに言い残したかったのは何だったんだろう。病魔に侵されはしたが、最後まで意識

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    2015年07月18日
  • 沈黙のひと

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    切なくて、哀しくて、でもどこか温かさの感じられる作品。
    人生は思う通りにはいかない。いかないのにそれでも人は、こんなにも生に執着してしまうのだろうか。
    必死に言葉を、想いを、伝えようとする姿が、リアルに伝わってくる。
    上手く言葉に出来ないが、間違いなく心を揺さぶられた作品。

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    2015年07月11日
  • 浪漫的恋愛

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    恋愛小説の傑作。以前に読んで印象深かったので取り寄せての再読。
    恋愛小説といっても若い男女のものではなく、40代半ばを過ぎた女性、千津の恋愛。恋は狂気に似ている。月明かりの美しさと妖しさと狂気。意図してなかったのに、あがらうことのできない激しい恋。
    物語は千津と柊介の恋、千津の母と久保山の恋、そして葛城瑞穂作「月狂い」抜粋の中の峯子と門脇の恋、この3つが並行して語られる。どの恋にも月明かりによって妖しく狂気に突き進んでいく。この小説の題名は改名されたようだけど、「月狂い」の方がずっとしっくりくるように思う。
    とにかく傑作。若くない男女の不倫の恋は渡辺淳一の「失楽園」が有名だけど、あれは男性目線

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    2016年08月31日
  • う わ さ

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    ネタバレ

    *「独楽の回転」静かで慎み深い生活を望む妻と、異様なまでに精力的で無神経で騒々しい夫。夫の中で昼夜の別なく回り続ける独楽を止められたら・・・
    *「災厄の犬」捨て犬だったバブルが来てから厄災ばかりで孤立無援の男。意を決して犬を捨てに行くが・・
    *「ひぐらし荘の女主人」美しい囲われものの彼女と屋敷を自分のものにするために、男が腹をくくったこととは・・・
    *「うわさ」人殺しと噂される元ヘルパーの楽しみは、かつての雇主の合鍵でこっそり部屋を物色すること。思わぬ信望者を得た彼女が取った行動とは・・・

    誰のなかにもありそうな心の歪み、日常生活にある静かな恐怖を描いた、ホラーミステリー。ざわざわした救いよ

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    2015年06月25日
  • 妻の女友達

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    再読。1992年の作品。
    菩薩のような女、転落、男喰いの女、妻の女友達、間違った死に場所、セ・フィニ-終幕 の6編

    どの話もとても面白い。勧善懲悪でなく、ある面では悪女もの、小気味好い話ばかり。
    特に「妻の女友達」は傑作!!
    外れ無し、何度読んでも堪能できる短編集。

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    2014年08月29日
  • 短篇セレクション ノスタルジー篇 夢のかたみ

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    【本の内容】
    一枚のモノクローム写真に秘められた懐かしくいとおしい日々の記憶。

    人生の晩年を迎えようとしている女性随筆家は、愛した男への思いを胸に生きてきた。

    だが、小さな出来事が平穏な生活にさざ波をたてる…。

    表題作「夢のかたみ」ほか、再会の一夜のドラマを綴る「チルチルの丘」など、遠い日のエロスを溢れるノスタルジーで描く。

    失われた時間への哀惜と感傷に満ちた5編。

    [ 目次 ]


    [ POP ]
    小池真理子の作品の中から「遠い日の情景」を描いた短編をセレクト。

    ディオールの香水の名がタイトルになった『ディオリッシモ』は、37歳のキャリア女性が、電車に乗るうちに、もっとも幸せだっ

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    2014年08月24日
  • 新装版 あなたに捧げる犯罪

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    短編集なので、犯罪が終わったと思ったら、また犯罪。
    一作ずつ、時間をあけて読んだ方が良かったかも。
    そう読んだと思って『五つ星』にしました!

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    2014年04月21日
  • 虚無のオペラ

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    別れるための旅行。

    大人の別れ。
    悲しい。
    潔い結子さん。潔さも悲しい。

    最後のタクシーの別れのシーン、泣きました。
    京都、雪、別れ…美しい

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    2014年02月07日
  • 熱い風

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    大好きな本。
    なぜこの人は、こんなに官能的で情熱的で美しい文章が書けるのだろう。。
    読んでいるだけでイメージできてしまう。切ないけど美しい。
    出てくる外国の風景も、空気感までも想像できてしまう美しさ。
    今ある時間を大切にしたいと思えた本。

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    2014年01月11日
  • 欲望

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    小池さんワールド。
    心から愛した人が性的不能。
    なんとなく、死が近づいていることがわかりながらも、2人の心の繋がりを信じたかったなあ。
    なんでこんなに、世界に浸れるのか不思議。それくらい引き込まれた。

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    2014年01月11日
  • 妻の女友達

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    さすが有名な短編集だけあり、とても楽しめた。
    てか、女のってこわ。。
    どれもおもしろかったけど、転落と妻の女友達の女は特に怖かった!
    男が思うほど女って弱くないし計算高くてずる賢いし自己中。
    男喰いの女、は、結局全部妄想で結果的に旦那を殺してしまうけど、思い込みで突っ走る感じも、あぁ女だなぁ。と。
    さすがです。

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    2014年01月11日
  • 無伴奏

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    恋3部作の1作目。「恋」「欲望」と既読で、第一作が最後になってしまった。3部作の最初にふさわしい、作品。仙台の無伴奏に行ってみたくなる。今はないらしいが・・

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    2013年12月27日