小池真理子のレビュー一覧

  • 新装版 あなたに捧げる犯罪

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    短編だが、短編といえど濃厚な時間を過ごすことができる。どの話も絶妙な毒加減がいい。小池真理子さんは裏切らない。

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    2019年11月10日
  • 恋

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    没頭と陶酔

    10才頃から、基本的に絶えず手放せない読者中毒です。成人してからは、立て続けに読む日々の流れが突然醒めるクセがついてしまいました。
    年に2,3か月の冷却。それを繰り返して30年になります。
    醒めてる間の手持ちぶさたな日々が退屈で、中毒状態にもどりたくであがきます。でもそれには、かなり強めに引き込まれるきっかけの一冊が毎回必要で、さまよいます。この本は間違いなくその一冊になりました。

    今、読んだ直後。いろんな種類の読後感がぐちゃぐちゃに混ざっています。

    心の中にある虚無感は、人によって濃度は違えど、皆が持っているはず。でも、うまく言い表せない虚無感です。それを、こんな物語を通して、手のひらにのせて見せてくれた筆者に対して、なぜか嫉妬もわきました。よかった。

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    2019年07月28日
  • 欲望

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    目眩く性と死…圧倒された世界でした。
    類子と正巳と阿佐緒、そして袴田…形の違う欲望でも、それぞれの欲望はとても強かったです。
    肉体だけでなく精神のエロス。かなり際どいことも書かれているのですが全く厭らしくないのはさすがです。
    正巳が性的不能者じゃなかったら、類子と正巳はここまで感応し合い、高まらなかったのではないか…とも思いました。
    静かに狂っていく感じも良かったです。正巳の最後の海での言葉は悲しくなりました。
    そして三島由紀夫の豊饒の海を今度こそ読破したくなります。その上で再読したいです。
    官能にもみくちゃにされました…すごかったです。

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    2019年05月30日
  • 柩の中の猫

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    同世代でもネコ好きでもないのにどうしてこんなに懐かしくて苦しいようなキモチになるのか、不思議です。胸の内にひっそりと、彼らの生活が息づきます。

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    2019年04月15日
  • 贅肉 新装版

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    短編集。
    女の醜い部分から綺麗な部分までが取り扱われている作品達でした!
    一瞬の出来事で被害者加害者の立場が逆転する爽快さは見てて飽きません。
    一気読み推奨です。

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    2019年04月14日
  • 蔵の中

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    やっぱり、小池真理子、最高だ。
    色っぽくて緊張感があってドキドキする。
    殺害シーンも、愛を交わすシーンも、まるで自分がしている(笑)かのような錯覚に陥る。
    最後は、そうきたか!と。
    このまま婚家へ戻るのだろうか。それとも、、。
    この余韻の残し方も実に味わい深い。

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    2019年01月12日
  • 柩の中の猫

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    8割方読んだところで、このままでは終わらない、どのような結末に落ち着くのだろうとは感じたが、予想外すぎる結末だった…。
    心理描写がうっとりするほど繊細。

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    2019年01月06日
  • 闇のカルテット 新装版

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    この人の恋愛はあと一歩というところで裏切られる。その裏切りを心地いいと感じるか怒りを覚えるかはどくしゃしだいだ

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    2018年07月10日
  • 愛するということ

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    小池真理子さんの小説が好き。
    ませた女の子が年上男性を好きになって、夢中になって、自分を無くして、捨てられて、
    こじらせた憧れを含めて、むっとする色気を感じて、うっとりしてしまう。

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    2017年09月09日
  • 冬の伽藍

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    ネタバレ

    小池真理子作品はほぼ読んでいるが、その中でも一番と言っても過言ではないくらい、大好きな本。何度目かの再読。

    ラスト1ページのためのこの約600ページがある。
    静かで美しく、かつ情熱的な二人。事件はあれど、出会えてよかった。だめだと思いつつ断り切れない、英二郎の魅力が理解できなかったけども、、。

    小池真理子の文章って、軽井沢の街並みに合うわ~~。特に冬。行きたくなった。

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    2017年09月06日
  • 沈黙のひと

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    父を早くに亡くし、母がゆるやかながらも進行性の病気にかかっている、そんな状況の私にはとても身につまされる小説だった。
    そうでなくてもある程度の年齢になれば親が老いて介護が必要になったり、段々と死に近づいていく。そんなときどんな風に向き合うかを考えさせられる。

    両親の離婚によってほとんど関わり合うことなく生きてきた父が、難病を患った末に亡くなった。
    娘の衿子は父の遺品のワープロを持ち帰るが、そこには病気により口を利くことも出来なくなっていた父の心の叫びと後悔、そして衿子への愛情が綴られていた。

    主人公の衿子は50代で独身(離婚歴あり、子どもなし)。編集社で働く、いわゆるキャリアウーマン。
    子どもの頃両親の離婚によって別れた父とはたまに会う程度で、その後父は再婚し2女をもうけた。
    そんな父がパーキンソン病にかかり、介護施設でその終末を送り、亡くなったところから物語はスタートする。

    家族というものを信じず、濃密に関わることも避けてきた衿子が、父の死後に父の想いを知り、ドライに生きてきた自分のやり方が正しかったのかを見つめ始める。

    父の後妻、そして衿子にとっての異母姉妹である2人の娘との付き合い方ややり取りに、女同士だからこその微妙な距離や少しの皮肉が含まれていて、読んでいてざわざわする感覚が。
    衿子や姉妹はとりあえずは“大人”で、後妻だけは自分に正直に生きている(それが良いかどうかは別にして)。

    父の死後に、父が遺した文章や手紙から、父の想いや秘密を知るということ。
    晩年喋ることが出来なくなった父が思っていた真実、そして過去の愛の遍歴。
    私も多少似たような経験があるけれど、親が生きているときにその人生を知るというのはとても難しくて、亡くなって初めて知ることのほうが多い。
    そこには複雑さも当然あるけれど、何となく安心したり、不思議と穏やかな気持ちになれたりもする。
    そしてそこで自分の失敗や後悔を見つめ直して、それをその先に生かせるかどうか。

    登場人物の女たちの微妙な心情が、とくに会話からはっきり見える。
    衿子の父を誰が愛していて、そして誰が愛していなかったのかも。
    様々な選択の果ての死。簡単には取り戻せない失敗も、ときにはある。
    最後“沈黙の人”になるしかなかった人生だからこそ、その想いは文章に姿を変えて饒舌に語られた。
    普段寡黙な人こそ、その内にはたくさんの想いがあるのかもしれない。

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    2016年12月15日
  • 天の刻(とき)

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    すべての描写が素晴らしい。「天に刻」の心境に感服。ただ、さすがにこの本を勧められるような人はいないし、いても勧めはしない(できない)。自分がそうなったときに、自分に勧める感じかなあ。

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    2016年10月13日
  • モンローが死んだ日

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    小池真理子さんの長編恋愛小説。
    やはり上手だなと感じた。
    できるなら寒い季節に読みたかったな。
    失踪した精神科医はいったい何者だったのか、どのような事情があったのか。
    彼にとっての鏡子との過ごした時間は何だったのか。
    行方を追う鏡子に思い切り感情移入しながらページを捲った。
    最後の長い手紙も鏡子への思いと真実が嘘なく綴られていて、それを受け入れた上での新たな生活の始まりに嬉しい気持ちになった。

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    2016年05月11日
  • 墓地を見おろす家

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    墓地を見下ろす家

    怖すぎる!

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    2016年03月29日
  • 存在の美しい哀しみ

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    ネタバレ

    あれ、小池真理子、だよね?
    変化したような気がした。
    今まで持っていた、硬質な美意識とか、孤高の激しさ、とかのイメージがいい意味で裏切られて。
    人はみな、複雑で多面的で、色んなものを内包しながは生きている。そんな豊かさとか、優しさとか、深みを増した切なさとか、ひとすじ縄ではいかないさまざまな感情とか。
    小池真理子、がもっと好きになった。

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    2016年03月24日
  • 恋

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    この本を開いて読み出したら、世界観にのめり込みすぎて、手を止めてもなかなか現実世界に戻ってくることが出来なかった。
    設定、ストーリーの細部、登場人物のひとりひとりまで愛しく感じられ、私自身この作品に『恋』をしたと言って良いくらい気に入ってしまった。
    このタイトル以上に相応しいタイトルは無い作品でしょう。
    今年読んだ100冊以上の本のベスト5には間違いなく入る、私のお気に入り作品となりました。
    好みは別れるでしょうが、一個人としては素晴らしいの一言に尽きるかと思います。

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    2016年01月10日
  • ナルキッソスの鏡

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    美しくナルシスティックで性的に倒錯している真琴や狂った益代と息子との異質な関係
    暗く冷酷で不気味さ漂う雰囲気の中に少し甘ったるくて官能的な文章がすごく好き。夢中で読み耽りました
    サスペンスとしても面白いけど、この小説の良さは歪んでる人間の内面の描写が魅力的なところだと思う。とくに真琴の内面を掘り下げていくところはぞくぞくした

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    2016年01月02日
  • 沈黙のひと

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    複雑な家庭環境を背景に、病を患った父とキャリアウーマンの娘の交流と、父の死後明らかになった父の秘密。そして母の元夫である父の想いが綺麗に織り成せていると思います。
    小池真理子先生の作品は初めて読んだのですが、難しいようでスラスラ読めて良かったです。

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    2015年12月17日
  • モンローが死んだ日

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    この作家は元から好きですが、すらっと読めます。この年代の心境もよく表れていて、こんなトキメキしてみたいと思います。ある意味女性にとって憧れる先生です。女性にお勧めです。

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    2015年11月02日
  • モンローが死んだ日

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    あー、よかった、、、。
    余韻に浸ってます。

    この世代の恋愛ものを書かせたら、大好きな作家さん。
    イヤらしくなくて、上品で。

    還暦を迎えようとしている年齢でも、こうやって、ときめくドキドキする気持ちが残っていることを知って安心する。

    相手を知りたい、と思う気持ち。
    嫉妬。
    友人に言いたいけど、言いたいけど、自制する気持ち(「恋愛は『舞台』で観客が必要」に笑ってしまった)。

    読みながら、これから起こるであろう「別れ」が、ひょっとして、ニセ医者なのではないか?と予測できたのは、渡辺淳一さんの「雲の階段」を思い出したからかな。

    にしても、実刑が1年、というのはちょっとびっくり。そんなもんなんだー。

    勿論、最後に二人が新しい出発ができることはとても嬉しい。ちょっと泣きそうになったくらいだ。
    そして、「鏡子」の名前が最後に意味があるとは、、。
    恐れ入りました。

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    2015年09月26日