小池真理子のレビュー一覧
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あー、よかった、、、。
余韻に浸ってます。
この世代の恋愛ものを書かせたら、大好きな作家さん。
イヤらしくなくて、上品で。
還暦を迎えようとしている年齢でも、こうやって、ときめくドキドキする気持ちが残っていることを知って安心する。
相手を知りたい、と思う気持ち。
嫉妬。
友人に言いたいけど、言いたいけど、自制する気持ち(「恋愛は『舞台』で観客が必要」に笑ってしまった)。
読みながら、これから起こるであろう「別れ」が、ひょっとして、ニセ医者なのではないか?と予測できたのは、渡辺淳一さんの「雲の階段」を思い出したからかな。
にしても、実刑が1年、というのはちょっとびっくり。そんなもんなん -
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短編集って、ぜったいハズレの話があるって思い込んでたわたしですが、小池さん作品を読んで反省しました。ほんとにどの話も、短い中にもちゃんと起承転結があり、ぞくっとこわいオチがある。。
小池さん短編集の中では、『会いたかった人』が1番すきだったけど、この『危険な食卓』はそれを上回りました。何と言っても短編集だし、ひとつひとつの話は短いけど、読み終わった後には、長編ミステリーを読んだ後か?ってくらいの満足度を味わえました。
特に、囚われて、同窓の女、天使の棲む家がすき!同窓の女は、なんとなく予想できるのに、そうくるかーっていう恐ろしさが、、たまりませーん♡
久々短編集のヒット! -
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だいすきな小池真理子さん。久々のミステリーということで、とても楽しみに読みました。
最初は、主人公鏡子さんの心情の変化や、精神科医の高橋さんとのやりとり、軽井沢の美しい自然に引き込まれ、中盤は、高橋さんとだんだん距離が縮まっていく様が何とも言えず心地よくて。後半からは、彼が本当は誰だったのか?という謎に引き込まれ、振り返ってみると、あっという間の一冊。
小池真理子さんの本は、例えガヤガヤしたところで読んでいても、すっと本の中の景色に溶け込めてしまって、境遇はちがうのに共感してしまうのが本当にふしぎ。
最後に、また寄り添う2人を見れて、胸が熱くなりました。
また何年か後に読み返したい一冊♡ -
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私にとっての父親と、小池さんにとっての父親は少し違う存在なんだろうと思いつつ、それでも読み終えると、娘と父という共通した関係性が、私にとってとても気持ちよく表現されていて、素直に父に思いを馳せることができた。
今年の1月に父を亡くした。結婚して実家を出てから30年以上経ち、たまに実家に行くことはあっても面と向かって父とゆっくり話すことなどほとんどないままだった。
その生きざまを新聞記者の義弟が冊子にまとめてくれた。読んでみたけど、しっくりこないままだったのが、今日この沈黙の人を読み終えて腑に落ちた気がした。
父が私たちに言い残したかったのは何だったんだろう。病魔に侵されはしたが、最後まで意識 -
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恋愛小説の傑作。以前に読んで印象深かったので取り寄せての再読。
恋愛小説といっても若い男女のものではなく、40代半ばを過ぎた女性、千津の恋愛。恋は狂気に似ている。月明かりの美しさと妖しさと狂気。意図してなかったのに、あがらうことのできない激しい恋。
物語は千津と柊介の恋、千津の母と久保山の恋、そして葛城瑞穂作「月狂い」抜粋の中の峯子と門脇の恋、この3つが並行して語られる。どの恋にも月明かりによって妖しく狂気に突き進んでいく。この小説の題名は改名されたようだけど、「月狂い」の方がずっとしっくりくるように思う。
とにかく傑作。若くない男女の不倫の恋は渡辺淳一の「失楽園」が有名だけど、あれは男性目線 -
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ネタバレ*「独楽の回転」静かで慎み深い生活を望む妻と、異様なまでに精力的で無神経で騒々しい夫。夫の中で昼夜の別なく回り続ける独楽を止められたら・・・
*「災厄の犬」捨て犬だったバブルが来てから厄災ばかりで孤立無援の男。意を決して犬を捨てに行くが・・
*「ひぐらし荘の女主人」美しい囲われものの彼女と屋敷を自分のものにするために、男が腹をくくったこととは・・・
*「うわさ」人殺しと噂される元ヘルパーの楽しみは、かつての雇主の合鍵でこっそり部屋を物色すること。思わぬ信望者を得た彼女が取った行動とは・・・
誰のなかにもありそうな心の歪み、日常生活にある静かな恐怖を描いた、ホラーミステリー。ざわざわした救いよ -
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【本の内容】
一枚のモノクローム写真に秘められた懐かしくいとおしい日々の記憶。
人生の晩年を迎えようとしている女性随筆家は、愛した男への思いを胸に生きてきた。
だが、小さな出来事が平穏な生活にさざ波をたてる…。
表題作「夢のかたみ」ほか、再会の一夜のドラマを綴る「チルチルの丘」など、遠い日のエロスを溢れるノスタルジーで描く。
失われた時間への哀惜と感傷に満ちた5編。
[ 目次 ]
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ディオールの香水の名がタイトルになった『ディオリッシモ』は、37歳のキャリア女性が、電車に乗るうちに、もっとも幸せだっ