あらすじ
新築・格安、都心に位置するという抜群の条件の瀟洒なマンションに移り住んだ哲平一家。 問題は何一つないはずだった。ただ一つ、そこが広大な墓地に囲まれていたことを除けば……。 やがて、次々と不吉な出来事に襲われ始めた一家がついにむかえた、最悪の事態とは……!? 衝撃と戦慄の名作モダン・ホラー。
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Posted by ブクログ
だんだんと絶望感が襲ってくる感じがたまらない
90年代の少し懐かしい雰囲気を感じるところも個人的に好きなポイント。
来年の夏また読み返したくなるであろう賞
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幸せな一家が引っ越してきたのは、駅近で南向き、生活至便な文句なしの格安マンション。 墓地、寺、火葬場に三方を囲まれているという一点を除いては……。
豊かな生活環境と、そこへじわじわと忍び寄る得体の知れない不気味さの対比が、読んでいるこちら側にもひたひたと不安感を煽ってきます。
終盤の展開が「かなりの力技」と聞いてはいましたが、なるほど、たしかに。思わず「えー!そんなことある!?」と声が出てしまうような展開に引き込まれてしまいました。とても楽しめました!
Posted by ブクログ
読みやすいし、ちゃんと怖いし、おもしろいホラー。中盤から終盤にかけての理不尽と恐怖に駆られていく感じに読む手が止まらない。襲いかかる恐怖の正体は不明のままだが、終わり方も潔い感じでよかった。
Posted by ブクログ
一気読みでした、特に後半から急展開で映画を観ている感じになります、ホラー&パニック映画のラストシーンみたいなのが後半ずっーと続きます。
ホラーの正体は明かさずじまいですが悍ましさは迫力があり中々読み応えありです。
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最初からずっと不安な気持ちが続いていく。
些細な出来事も、連なると恐ろしい怪異の一端と思えてきて、ゾワゾワしながら読み進めていくと後半に決定的な事件が起こる。
結局、あれらはどこから来た何者なのか分からず、地下通路も特に展開をみせることもなくなのが少し残念だったけど、数の暴力にやられた感じ。
Posted by ブクログ
こ、これは…!と唸らされる心霊系ホラー小説。
容赦がない!1988年というバブル期の作品だからなのか、男尊女卑だったり、恋愛に重きを置き過ぎていたり、主人公夫婦が最低な所業をしていたり、登場人物がいい人ばかりじゃなかったり。
逃げ場がない!いまなら、そんな超常現象起きるわけないとか、起きちゃったら大騒ぎになるよねという配慮(?)、理屈付けがなされそうなところを、そんなことしない。心霊に人間の理屈なんて関係ないと言わんばかり。
救いがない!途中でちょっと助けてくれそうな人が出てくるけれど、あっさり退場。連絡もとれないのね。物理的に干渉してくる系の心霊なので、パワーで対抗しようとするも歯が立たない!
怖いけど、最後まで読めないとか、一人でいられないとかいう類ではなかったです。お風呂では読まなかったけども。
なんか、とにかくすごかった〜!
Posted by ブクログ
めちゃくちゃ怖かったです、これはジャパニーズホラーでさすが名作だなと思いました。
あらすじ
不倫の末に結ばれた美沙緒と哲平は、待望の娘玉緒を産み、都心のマンションへ引越しを決める。間取りも広く、日当たりも良いが気になるのはマンションの目の前が墓地ということだけ。マンション自体に住民も少ないが、美沙緒と玉緒は4階に住む井上一家と交流を深めていく。その過程で知った物置代わりの地下室、その不気味さに怯える美沙緒だったが異変が起こり始めて…。
ホラーを読み始める時いつも考えるのが自分がその立場であればいつになれば怖いものの存在を信じて、損切りをできるかということです。美沙緒の立場で見れば平穏な生活と素晴らしいマンション、お金をかけて得られたこの生活をいつ捨てる決心がつくのかと考えながら読んでいました。読者からすればやめておきなよ…と思いつつも当人になればうまく踏ん切りはつかないだろうなとも思わされます。
またこの本が他の本と違うのはわからない面が多すぎるところです。芦花公園さんや澤村伊智さんのホラーがめちゃくちゃ好きですが、あの本には明確な怪異の答えがあります。しかしこの本にはなぜ怪異が起きているのかもわからず、これが原因か…?と思う要素がいくつも散りばめられており、それもまた混乱させられます。怪異には何か原因があってほしい、そんな心理を突かれて怖かったです。
ゾクゾクしたい方にはおすすめです。
Posted by ブクログ
墓地に囲まれたマンションに暮らし始めた哲平一家が次々に不吉な出来事に見舞われ、最悪の事態を迎えてしまう正統派ジャパニーズホラーで、徐々に怪異が近づいてくる描写が背筋が寒くなるほど不気味で良かったけど、ラストの展開はかなり強引だと感じた。
Posted by ブクログ
導入から中盤に掛けてありがちながら王道の展開で飽きさせない。
ジワジワと怪異が近づいて来てるのに常識が邪魔して大胆にな行動にでれず最悪の結果に至る。
文章も読みやすく臨場感もある書き方で安心して読めるけど最後の急展開はちょっと不満。
残穢とか好きな人なら合うのかなと思います。
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主人公が人間的に最悪なので共感できず、なかなかページが進まなかったが、途中からなんとか娘は無事で終わってほしいと思い一気に読めた。面白かった!
Posted by ブクログ
これぞホラーという感じがする。結局最後まで怪異の正体はわからないが、ただ悪意に満ちた存在であることだけは確かなのがいい。ひそひそ喋る声にしのび笑い、ひたひたと這う音。得体が知れず不気味で、嫌な怖さを存分に味わえる。
管理人夫妻が越していくときに、手を振っていた集団がいたという場面は特に怖く、鳥肌がしばらく収まらなかった。あとで思い返してもぞっとする。日本昔ばなしの「夜中のおとむらい」によく似た怖さだ。最後の終わり方も、不気味さと絶望感がぐっとくる。
Posted by ブクログ
こ、怖い!モダン・ホラーの名作と言われている本作だけれど、ほんとに怖い!後味が悪いというかすっきりしないというか、いやどうなるんやこの人たち…という気持ちで終わる。おもしろいなーと思ったのが主人公たちの家族だけじゃなくて他にもホラーの被害というか、怖い体験をしたりする人たちがいてその人たちの視点からも描かれているところ。わりとホラーは視点が固定されがちなイメージがあるので複数の立場から事象の観測があることでまずまず怪奇現象の”ヤバさ”みたいなのが補完されていくのがめちゃくちゃに怖かった…
小池真理子さん、ミステリーとかサスペンスのイメージが強かったけど緻密に作り込まれたホラーってこんなに怖いんだな…。こう逃げ場がない感覚が余計に絶望するというか、誰か助けてくれえ…の気持ちになる。でもめちゃくちゃおもしろい
匿名
怖かった
小池先生の作品を初めて読みました。
読みやすい文章と結末が知りたいのとで一気読みしました。
昭和感たっぷり。
面白かったので違う作品も読んでみます。
最後がすき
皆さん書いてますが、伏線回収はあまり無く、?が最後まで残ります。
ホラーな雰囲気を楽しみたいなら文章も読みやすくライトに読める1冊です。
疑問点は多く残りますが、最後の描写が個人的にはかなり好みです。
関係ないですが、この本を読み終えてから急に浴室のシャワーヘッドから水滴がぽたぽたと落ちてきて別の意味でも怖かったです。
夜の1人読書では結構勇気がいるかもしれませんね。
Posted by ブクログ
家系ホラーが好みなので購入。
約20年前の作品ということだが、読みにくい等はなかった。
タイトル通り墓地の側のマンションを購入したある一家に様々な怪異が起こっていくという話。そもそも墓地だけじゃなくてお寺や火葬場等も併設されているということでなかなか気味の悪い立地で何か起こらない方がおかしいだろうなという感じ。最初にペットの白文鳥が亡くなったことから始まるが、そこから怪異が始まっているように感じる。
ただ単にマンションに何かがいるといった怪異だけでなく、この一家の夫婦の後ろめたい過去から序盤は起こっている怪異に対して気のせいだと思い、相談できない雰囲気なのも気味が悪い。
最近のホラー小説のようなラストがあっけらかんとした感じはなく、最後までしっかり一家の様子が描写されている。ただ、結局のところ怪異の正体が何だったのか(過去に建設途中だった地下通路とマンションがつながったままであり、地下通路の上に墓地やら人が埋葬されていたりとやらで人ではないものと繋がっているみたいな話?)が、お寺の住職などがはっきりさせてくれるかなーと思っていたのでそこが残念だった。
Posted by ブクログ
主人公一家が引っ越してきた新居はまさかの墓地に囲まれた家。怪談のシチュエーションとしてはもってこいのロケーション。何も起きるはずがない(笑)。
テッペイ(夫)はミサオ(妻)とタマオ(娘)との3人暮らし。それにクッキーという飼い犬。近所に住む仲良くなったママ友や管理人さん。しかし、幸せな新居生活はすぐに一変してしまう。
住むマンションには地下室があるがタマオがそこで遊んでいると膝をかまいたちに遭ったように怪我をしてしまう。それを機に怪奇現象が起き始める。止まるエレベーター、窓の手形。そして、家族が転居を試みる度に起きる不幸ごと。マンションは一家を手放す気などないのである。
最終的には家族以外の住人は全て転居してしまう。家族も何とか転居の目途をつけ、引っ越しの準備を弟夫婦とするが、怪奇現象に弟夫婦も巻き込まれてしまう。マンション内からは出られなくなり、次第に関係の悪化が見られてくる。弟と非常食を取りに地下室へ行った際に一つの穴を発見、それは地下道らしきものに繋がっていた。
地下道があったと弟は妻や義姉を呼び戻しに行くが…。最終的には姿なき亡霊の様なものにより弟夫婦は襲撃されてしまう!?テッペイたちは一度自室へ戻り、夫婦で愛を確かめ合おうとする矢先で、ぞろぞろと大勢の者がテッペイ宅を訪れる。果たして彼らは救助隊なのか、それともマンションに巣食う亡霊だったのか…!?
Posted by ブクログ
蔵書を整理してたら未読が発覚。有名なだけにとっくに読んだ気でいた。初出は1988年らしい。
近頃の理詰めの怪異(どういう経緯で誰が誰をどうして呪って、だからこういう現象で、だから呪いを解くための行動は云々)と違って、怪異が純粋に怪異ってのが新鮮。やたらと解像度の高い昔話や、妄想じみた推理は(ほぼ)なし。冒頭、ペットの小鳥が変死するシーンから、夫婦の暗い過去の説明、どこか影のある住人たち登場と、ゆったり静かで不穏な空気感は嫌いじゃない。クライマックスのフィジカルっぷりにはちょっと笑っちゃったけど。
和ホラーを体系的に把握しているわけではないけど、本作の功績はおそらく分譲マンションというモダンな場にホラーを持ち込んで、後続作品の足がかりを作ったことにあるんだろうと予想。単体で語り継がれるような作品ではないけど、雰囲気は好きだし、数時間で読めたのでまあよしとする。
Posted by ブクログ
1988年書き下ろしの本作
国産“モダンホラー”の先駆けと言われているとか
現代社会のリアルな日常の中の恐怖を描く、という流れです。
1980年代後半、日本は分譲マンションが急速に普及していきます。
小説では、「都心から電車で20分、新築かつ格安」
という魅力的なセールスコピーが出てきます。
そんな住宅トレンドと現代的ホラーの融合です。
マンションを手に入れて得た幸福感を徐々に覆す恐怖。違和感が不安感となり、そして孤立。
古いマンションのホラーは何作もありますけど
新築マンションホラーは珍しいかな。
建物というより残穢的でした。
Posted by ブクログ
マンションの近辺は墓地、寺、火葬場…なんでこんな所にマンションを建てたのか。小さな怪異から始まり、住人も逃げるように引っ越していく。文章自体は面白かったが、期待していた怖さと違った。背筋が凍る心霊ものではなく、超常現象を怖がるパニックホラーだった。オチも良かったんだけどね。
Posted by ブクログ
マンションの中でも怪奇現象が頻発する物語、主人公がマンションから出るのを拒む霊のなす技、得体の知れない恐怖。怪奇現象を前に素直を怯える人と何がなんでも怪異の存在を認めるまいと抵抗する人、恐ろしや
Posted by ブクログ
このマンション
立地も景色もお値段も好条件。
周りの墓地さえ気にしなければ、、
家族が引っ越す場面からすでに
暗雲が立ち込める。
終盤は怒涛に恐怖が押し寄せてきて、
読んでる最中、周りの物音が気になってしまう。
ザ・王道ホラーという感じ。
Posted by ブクログ
中盤までは得体の知れない怪奇現象に家族が蝕まれていく様子を細かく描写しており、読んでいて緊張感があった。地下へ行くにはエレベーターしか方法がないところも良い。ただ、後半は若干ヤケクソ感ある。
Posted by ブクログ
広大な墓地と火葬場に囲まれた格安マンションに、家族で引っ越してきて...というどうしても期待してしまう設定のホラー作品。
“恐怖”の助走の取り方、シチュエーションの活かし方、ラストも悪く無いが、途中かなり意見が分かれであろう恐怖描写が幾つか。
個人的には無しと思いつつ、作品の作り出す雰囲気は良質だと感じた。
Posted by ブクログ
無駄が多いとは思うけど、普通に楽しめた
引っ越した人達は無事なのかな?とか
色々気になる部分はあるけど
あまり深く考えないのが正解かな
Posted by ブクログ
はっきりと断言できるわけではないけれど、何か得体の知れないものが忍び寄ってくる恐怖。
というには、恐怖をもたらすものは中途半端に姿を見せてくるし、想像してゾッとするようなおどろおどろしさでもない。
不完全燃焼な感じです。
Posted by ブクログ
小学5年生の時に初めて買ったホラー小説がこの作品でした。当時小学生だった私は、純粋に『墓地マンション』の地下に潜む得体の知れない怪異に恐怖しましたが、大人になった今は得体の知れない怪異よりもどちらかと言うと、主人公夫婦の方が恐ろしいと思ってしまいます…。
Posted by ブクログ
ヒトコワ系かと思っていたが、オカルト系。
特段怖いとは思わなかったけど、身近に感じられるような怖さは良かった。
ただ自分の中でこういう建物内で起こる怖い話というと残穢のように謎を追っていき原因が明かされる方が好きなので、星は3かな。
Posted by ブクログ
「得体の知れない何か」が最後まで「得体の知れない何か」だったのが怖いし、物語の締め方も怖かった。結局やつらは何者だったのか?何故他の住人ではなく加納一家を狙ったのか?色々と謎を残したまま物語は終わってしまうが、それが怖さを増幅させている。
最後の入居者募集は誰が何の目的で出してるのか。「入居者募集」のためじゃないよね...
夫婦の過去が物語のキーになるのかなと思ってたけどそういうわけではなかったので、単純にこいつら(特に哲平)最低な夫婦だなとしか思えなかったwもうちょっと前妻のことを絡めてもよかった気もする。
昭和に書かれた作品とは思えないほど古さを感じさせなかった。
でももうちょっと和ホラーというか、背筋がゾッとするような作品が読みたかったなぁ。
オチがない。
聞いたことのある本だったので手に取りました。
日常と非日常の交差、生と死の交差、序盤から色々な伏線が散りばめられており、ドキドキしながら少しずつ読み進め、後半、怪異が本格的に顔を出し始めてから一気に読み終えました。
文章が上手いので面白い…といえば面白いのですが、あれだけ大風呂敷を広げながら、意味ありげに出てきた前妻の位牌も、火葬場や墓地も、打ち捨てられた町おこしの計画やトンネルも、何一つ伏線が拾われないまま、いつの間にか物語が終わりました。
正直、仕事をやり切らないままに放っていかれたようなこの読後感にはかなり不満。
え?これだけ?
前半長々と引っ張って、後半に起こるのはこれだけ?
目新しさもなく、昔のアメリカのホラーのよう。
構想も甘いし。
電子書籍化する際のものなのか、元からなのかはわからないが、誤植と思われる箇所や言葉の誤用が多すぎるのも気になった。
ホラー作家としてはまだまだ上に大勢いる感じ。
うーん…
この如何にもな小説のタイトルをみて、ドキドキするあらすじを眺めて、さぞや怖がらせてくれるストーリーなんだろうなと覚悟をして本書を読みました。
救いもオチも無い、体がうすら寒くなるようなホラー話は好きですが、この薄っぺらなストーリーはぜんぜん怖くなかった、というのが感想です。
特にシラけさせられたのは後半の、例のあのシーンです。。。
瞬く間に人間を溶かすほどの強いレーザー光線で、生きた人間を瞬殺してしまうような、なんだか近未来的な技術を持つ悪霊…。
あらら…となりました。
あのシーンにはちょっと笑ってしまいます。
主人公らの最後の3日間なんて
地球が終わる日のような終末的雰囲気でした。
窓も開かず電気も切られ、密室内が暑くて可哀想だと思いましたが、ホラーとして怖くない。
悪霊たちがみんなでわいわいエレベーターに乗ってやって来るラストにも、うーん…
文体が軽いのでぱらぱらと読みやすいですが、
世界観がしっかり作り込まれている、話の上手い作家さんに共通するような迫力を感じませんでした。