あらすじ
新築・格安、都心に位置するという抜群の条件の瀟洒なマンションに移り住んだ哲平一家。 問題は何一つないはずだった。ただ一つ、そこが広大な墓地に囲まれていたことを除けば……。 やがて、次々と不吉な出来事に襲われ始めた一家がついにむかえた、最悪の事態とは……!? 衝撃と戦慄の名作モダン・ホラー。
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Posted by ブクログ
これぞホラーという感じがする。結局最後まで怪異の正体はわからないが、ただ悪意に満ちた存在であることだけは確かなのがいい。ひそひそ喋る声にしのび笑い、ひたひたと這う音。得体が知れず不気味で、嫌な怖さを存分に味わえる。
管理人夫妻が越していくときに、手を振っていた集団がいたという場面は特に怖く、鳥肌がしばらく収まらなかった。あとで思い返してもぞっとする。日本昔ばなしの「夜中のおとむらい」によく似た怖さだ。最後の終わり方も、不気味さと絶望感がぐっとくる。
Posted by ブクログ
家系ホラーが好みなので購入。
約20年前の作品ということだが、読みにくい等はなかった。
タイトル通り墓地の側のマンションを購入したある一家に様々な怪異が起こっていくという話。そもそも墓地だけじゃなくてお寺や火葬場等も併設されているということでなかなか気味の悪い立地で何か起こらない方がおかしいだろうなという感じ。最初にペットの白文鳥が亡くなったことから始まるが、そこから怪異が始まっているように感じる。
ただ単にマンションに何かがいるといった怪異だけでなく、この一家の夫婦の後ろめたい過去から序盤は起こっている怪異に対して気のせいだと思い、相談できない雰囲気なのも気味が悪い。
最近のホラー小説のようなラストがあっけらかんとした感じはなく、最後までしっかり一家の様子が描写されている。ただ、結局のところ怪異の正体が何だったのか(過去に建設途中だった地下通路とマンションがつながったままであり、地下通路の上に墓地やら人が埋葬されていたりとやらで人ではないものと繋がっているみたいな話?)が、お寺の住職などがはっきりさせてくれるかなーと思っていたのでそこが残念だった。
Posted by ブクログ
主人公一家が引っ越してきた新居はまさかの墓地に囲まれた家。怪談のシチュエーションとしてはもってこいのロケーション。何も起きるはずがない(笑)。
テッペイ(夫)はミサオ(妻)とタマオ(娘)との3人暮らし。それにクッキーという飼い犬。近所に住む仲良くなったママ友や管理人さん。しかし、幸せな新居生活はすぐに一変してしまう。
住むマンションには地下室があるがタマオがそこで遊んでいると膝をかまいたちに遭ったように怪我をしてしまう。それを機に怪奇現象が起き始める。止まるエレベーター、窓の手形。そして、家族が転居を試みる度に起きる不幸ごと。マンションは一家を手放す気などないのである。
最終的には家族以外の住人は全て転居してしまう。家族も何とか転居の目途をつけ、引っ越しの準備を弟夫婦とするが、怪奇現象に弟夫婦も巻き込まれてしまう。マンション内からは出られなくなり、次第に関係の悪化が見られてくる。弟と非常食を取りに地下室へ行った際に一つの穴を発見、それは地下道らしきものに繋がっていた。
地下道があったと弟は妻や義姉を呼び戻しに行くが…。最終的には姿なき亡霊の様なものにより弟夫婦は襲撃されてしまう!?テッペイたちは一度自室へ戻り、夫婦で愛を確かめ合おうとする矢先で、ぞろぞろと大勢の者がテッペイ宅を訪れる。果たして彼らは救助隊なのか、それともマンションに巣食う亡霊だったのか…!?
Posted by ブクログ
マンションの近辺は墓地、寺、火葬場…なんでこんな所にマンションを建てたのか。小さな怪異から始まり、住人も逃げるように引っ越していく。文章自体は面白かったが、期待していた怖さと違った。背筋が凍る心霊ものではなく、超常現象を怖がるパニックホラーだった。オチも良かったんだけどね。
Posted by ブクログ
中盤までは得体の知れない怪奇現象に家族が蝕まれていく様子を細かく描写しており、読んでいて緊張感があった。地下へ行くにはエレベーターしか方法がないところも良い。ただ、後半は若干ヤケクソ感ある。
Posted by ブクログ
無駄が多いとは思うけど、普通に楽しめた
引っ越した人達は無事なのかな?とか
色々気になる部分はあるけど
あまり深く考えないのが正解かな
Posted by ブクログ
小学5年生の時に初めて買ったホラー小説がこの作品でした。当時小学生だった私は、純粋に『墓地マンション』の地下に潜む得体の知れない怪異に恐怖しましたが、大人になった今は得体の知れない怪異よりもどちらかと言うと、主人公夫婦の方が恐ろしいと思ってしまいます…。
Posted by ブクログ
ヒトコワ系かと思っていたが、オカルト系。
特段怖いとは思わなかったけど、身近に感じられるような怖さは良かった。
ただ自分の中でこういう建物内で起こる怖い話というと残穢のように謎を追っていき原因が明かされる方が好きなので、星は3かな。
オチがない。
聞いたことのある本だったので手に取りました。
日常と非日常の交差、生と死の交差、序盤から色々な伏線が散りばめられており、ドキドキしながら少しずつ読み進め、後半、怪異が本格的に顔を出し始めてから一気に読み終えました。
文章が上手いので面白い…といえば面白いのですが、あれだけ大風呂敷を広げながら、意味ありげに出てきた前妻の位牌も、火葬場や墓地も、打ち捨てられた町おこしの計画やトンネルも、何一つ伏線が拾われないまま、いつの間にか物語が終わりました。
正直、仕事をやり切らないままに放っていかれたようなこの読後感にはかなり不満。
うーん…
この如何にもな小説のタイトルをみて、ドキドキするあらすじを眺めて、さぞや怖がらせてくれるストーリーなんだろうなと覚悟をして本書を読みました。
救いもオチも無い、体がうすら寒くなるようなホラー話は好きですが、この薄っぺらなストーリーはぜんぜん怖くなかった、というのが感想です。
特にシラけさせられたのは後半の、例のあのシーンです。。。
瞬く間に人間を溶かすほどの強いレーザー光線で、生きた人間を瞬殺してしまうような、なんだか近未来的な技術を持つ悪霊…。
あらら…となりました。
あのシーンにはちょっと笑ってしまいます。
主人公らの最後の3日間なんて
地球が終わる日のような終末的雰囲気でした。
窓も開かず電気も切られ、密室内が暑くて可哀想だと思いましたが、ホラーとして怖くない。
悪霊たちがみんなでわいわいエレベーターに乗ってやって来るラストにも、うーん…
文体が軽いのでぱらぱらと読みやすいですが、
世界観がしっかり作り込まれている、話の上手い作家さんに共通するような迫力を感じませんでした。