小池真理子のレビュー一覧

  • 感傷的な午後の珈琲

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    小池真理子さんの代表作はほとんど読んでます。どの作品からも感じられる、鋭い心の機微や美しい情景描写、匂いや温度は、小池さんが過ごしてきた幼少期や思春期の家族との思い出。大人になってから出会った、魅力的な作家たちとその別れ。愛しい生き物たちからヒントを得て、作られているのだなぁとしみじみ感じた。作ること、食べることの章では、小池真理子さんという女性が身近に感じられた。面白かったです。これからも作品、読み続けます。

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    2022年03月20日
  • 恋

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    再読です。
    著者が配偶者を亡くし、それを綴ったエッセイが話題になっていたころから著者のことがなんとなく心配で、でも、そんな辛いエッセイを読む気にはなれず、本棚に合った直木賞作品を再読することで折り合いをつけました。意味ないけどね。

    著者のことを初めて知ったのはまさにこの小説で、当時はかなりインパクトがありました。
    その後も著者の本は何冊か読みましたが、本書を超えるものはありません。

    再読でも、軽井沢の風景描写が美しければ美しいほど不穏な気持ちに拍車がかかってゆくという読者の誘導は絶妙だと感じたし、70年代の学生闘争の象徴である浅間山荘事件の終結が奇しくも主人公の官能的な世界の終焉と同時にや

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    2022年01月27日
  • 恋

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    一言で言うならは、すさまじい本です。
    これほど力のある作品と出会えることは、一生のうちにそうたくさんはないだろうと思うほどです。
    作品に描かれることになるテーマもさることながら、最初から最後まで、ことごとく予想を裏切る展開が続き、特に後半は息をするのを忘れそうになります。
    情景・心理描写の生々しさも、自分がその世界に飲み込まれたような感覚になります。
    最初にどんな事件であったか、表面的な事実は語られている、いわゆる「サスペンス」でありながら、これほど最後の最後まで真相が分からず先へ進まずにいられない作品には出会ったことがありません。
    直木賞受賞という事実が霞んで見えるほどのとてつもない傑作です

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    2022年01月27日
  • 夏の吐息

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    《死を背景としつつ、それに抗う生を、いっそう鮮やかに浮かびあがらせている。》

    男と女の話ではあるが、(男と女と言っても、死んだ友達の不倫相手だったり、偶然知り合ったかなり若い男だったり‥)それぞれの人生が、短編ながら読みやすくまとまっている。どの話の終わりも決して悲観的でなく、ポジティブな読後感に浸れる。

    最後の春爛漫は小池真理子さんらしからぬ、男と女な友情が描かれていて、意外な感じがした。幼なじみのカズは、決して恰好よくはないけれど、関西弁と笑顔がよく似合う、死んだ妻を愛するあったかいイイ男とみた。40、50歳になっても続く男女の友情って、すっごく憧れる。

    全編を通して、透明感が

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    2021年10月18日
  • 怪しい隣人

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    最近小池真理子さんの本にハマってて、これも一気読みした。
    「寺田家の花嫁」が一番面白かったかも。
    え?そう来る???ってなって衝撃的な展開だった。

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    2021年08月14日
  • 感傷的な午後の珈琲

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    「大小の嵐をくぐり抜けつつも、人生を誠実に生きてきた人だけに神が特別に与えてくれる本物の力、本物の感受性、本物のやさしさ」という言葉が印象的だった。それは無理でも、少しでも近くにいきたいな、と思う。

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    2021年08月12日
  • 危険な食卓

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    ネタバレ

    父が昔に買った本で随分色褪せていたけど、暇だったので読んでみた。
    ゾクゾクする内容ばかりでページをめくる手が止まらなかった。「囚われて」は特に面白かった。まさか全部幻想だったとは、、、( °_° ) 最後の最後まで目が離せない展開が素晴らしい!

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    2021年08月10日
  • 泣かない女 短篇セレクション ミステリー篇

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    短編だけれどどれも読後はオチがあり、うなるような感じが味わえる。『鍵老人』はタイトルからどんな内容かと思ったらドキドキちながら最後はなんだかホッとするというか不思議な感覚になった。あまり長いミステリーよりもこのくらいの短編が今しっくりくる。再読しても楽しめそう。

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    2021年07月12日
  • 無伴奏

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    本作は、作者の小池真理子氏が、1960年代に仙台のある女子校に転入し、自身とその時代を下敷きにして書いた物語である(あとがきより)。
    実は私の母が、その当時、モデルとなった女子校の生徒で、在学中の小池さんのこともよく覚えていた。ちなみに母は小池さんより2学年下で、学生運動が最も高揚していた時期に入学したという。
    作品と合わせると、主人公・野間響子が、制服廃止闘争委員会の委員長になったのが高2生で、母は中3。響子もこの時がいちばん『闘争』として、反戦デモやアジビラ刷りに加わり、その渦中にいたが、渉と祐之介、エマらとの出会いにより、運動から徐々に疎遠になっていく。
    高3生の頃には、予備校と学校をサ

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    2021年05月06日
  • 再生 角川ホラー文庫ベストセレクション

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    角川ホラー文庫ベストセレクション。というだけのことがあって、本当にもうどれをとっても大傑作のホラーアンソロジーです。お気に入りがどれかだなんて選べません。もう全部大好きすぎる作品でした。
    ほぼ既読だったので、雰囲気に浸りながらじっくりと再読。福澤徹三「五月の陥穽」だけ未読だったかな。これ、凄まじく怖かったです。リアルな恐ろしさというのでは一番だったかも。こんな状況には追い込まれたくないものです。

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    2021年04月15日
  • 沈黙のひと

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    最初から最後まで何度も泣かされます。

    自分の父はこの小説に登場するパーキンソン病とは異なる病でしたが幾度となく自分の父を想い出し辛く、悲しく、そして泣けました。

    いつもながらの丁寧な文章で一字一句読み漏らす事がない様にじっくり読みました。

    最後の著者の短いあとがきを読んでそこで絶句しました。
    著者のお父様がモデルであったと知り、更に感慨深い気持ちになりました。

    読んでいる間、フィクションの様でありながらも、どこか実在する物語の様な感情に陥ったのも納得が行きました。

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    2021年01月27日
  • 沈黙のひと

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    新聞の土曜版に連載されているエッセイに好感をもって初めて小池真理子さんの小説を読んでみた。もちろんフィクションだし、主人公の衿子は小説家ではなく文芸誌の編集者なんだけど、ご自身のことが色濃く反映された小説であることがわかる。
    パーキンソン病をわずらい発話も満足にできなくなり介護施設に入っている父親を見舞う日々と過去の思い出が交錯しながら進んでいく。この父親、幼い頃をともに暮らしたわけではなく、衿子の母以外の女性のもとにはしったような人物。亡くなった後に遺品のなかからいかがわしいビデオが見つかったり、衿子の母とも再婚した現妻とも違う女性がいたりもする。でもそうした父親に対し衿子の確執らしき思いは

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    2020年12月30日
  • 青い夜の底 小池真理子怪奇幻想傑作選2

    購入済み

    満足!品の良い余韻

    ぞわりとする余韻ある作品ばかりでした。あっという間に読み終えてしまい残念。まだまだ作品の扉を開けて楽しみたかったです。購入して正解でした!

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    2020年11月16日
  • ふたりの季節

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    由香が高三の頃から数年間付き合っていた拓と30年後に偶然出会うという話。由香の回想や拓との思い出話で学生時代のふたりの物語が綴られる。時代背景は10年のズレはあるが、まるで自分の話じゃないかと思った。新たな社会人生活を前にして、お互い好きすぎて、どうしていいかわからず、別れてしまう。

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    2020年09月20日
  • 柩の中の猫

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    ネタバレ

    嵐の夜、主人公がララと桃子と初めて心を通わすシーンが印象に残りました。千夏があのような狂気に駆られたのは単なる猫嫌いという理由だけではなく、前妻である百合子さんへの嫉妬心もあったのかな。

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    2020年07月20日
  • 妖し

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    あまり「妖し」じゃなかったんですが
    一番良かったのは
    窪美澄先生の 「真珠星 スピカ」
    死んだ母親が娘を こっくりさんを使って
    守る話で 愛情に不意打ちされて
    かなり泣けました さすが

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    2020年03月09日
  • 新装版 あなたに捧げる犯罪

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    短編だが、短編といえど濃厚な時間を過ごすことができる。どの話も絶妙な毒加減がいい。小池真理子さんは裏切らない。

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    2019年11月10日
  • 恋

    購入済み

    没頭と陶酔

    10才頃から、基本的に絶えず手放せない読者中毒です。成人してからは、立て続けに読む日々の流れが突然醒めるクセがついてしまいました。
    年に2,3か月の冷却。それを繰り返して30年になります。
    醒めてる間の手持ちぶさたな日々が退屈で、中毒状態にもどりたくであがきます。でもそれには、かなり強めに引き込まれるきっかけの一冊が毎回必要で、さまよいます。この本は間違いなくその一冊になりました。

    今、読んだ直後。いろんな種類の読後感がぐちゃぐちゃに混ざっています。

    心の中にある虚無感は、人によって濃度は違えど、皆が持っているはず。でも、うまく言い表せない虚無感です。それを、こんな物語を通して、手のひらに

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    2019年07月28日
  • 欲望

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    目眩く性と死…圧倒された世界でした。
    類子と正巳と阿佐緒、そして袴田…形の違う欲望でも、それぞれの欲望はとても強かったです。
    肉体だけでなく精神のエロス。かなり際どいことも書かれているのですが全く厭らしくないのはさすがです。
    正巳が性的不能者じゃなかったら、類子と正巳はここまで感応し合い、高まらなかったのではないか…とも思いました。
    静かに狂っていく感じも良かったです。正巳の最後の海での言葉は悲しくなりました。
    そして三島由紀夫の豊饒の海を今度こそ読破したくなります。その上で再読したいです。
    官能にもみくちゃにされました…すごかったです。

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    2019年05月30日
  • 柩の中の猫

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    同世代でもネコ好きでもないのにどうしてこんなに懐かしくて苦しいようなキモチになるのか、不思議です。胸の内にひっそりと、彼らの生活が息づきます。

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    2019年04月15日