小池真理子のレビュー一覧

  • 沈黙のひと

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    新聞の土曜版に連載されているエッセイに好感をもって初めて小池真理子さんの小説を読んでみた。もちろんフィクションだし、主人公の衿子は小説家ではなく文芸誌の編集者なんだけど、ご自身のことが色濃く反映された小説であることがわかる。
    パーキンソン病をわずらい発話も満足にできなくなり介護施設に入っている父親を見舞う日々と過去の思い出が交錯しながら進んでいく。この父親、幼い頃をともに暮らしたわけではなく、衿子の母以外の女性のもとにはしったような人物。亡くなった後に遺品のなかからいかがわしいビデオが見つかったり、衿子の母とも再婚した現妻とも違う女性がいたりもする。でもそうした父親に対し衿子の確執らしき思いは

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    2020年12月30日
  • 青い夜の底 小池真理子怪奇幻想傑作選2

    購入済み

    満足!品の良い余韻

    ぞわりとする余韻ある作品ばかりでした。あっという間に読み終えてしまい残念。まだまだ作品の扉を開けて楽しみたかったです。購入して正解でした!

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    2020年11月16日
  • ふたりの季節

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    由香が高三の頃から数年間付き合っていた拓と30年後に偶然出会うという話。由香の回想や拓との思い出話で学生時代のふたりの物語が綴られる。時代背景は10年のズレはあるが、まるで自分の話じゃないかと思った。新たな社会人生活を前にして、お互い好きすぎて、どうしていいかわからず、別れてしまう。

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    2020年09月20日
  • 柩の中の猫

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    ネタバレ

    嵐の夜、主人公がララと桃子と初めて心を通わすシーンが印象に残りました。千夏があのような狂気に駆られたのは単なる猫嫌いという理由だけではなく、前妻である百合子さんへの嫉妬心もあったのかな。

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    2020年07月20日
  • 妖し

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    あまり「妖し」じゃなかったんですが
    一番良かったのは
    窪美澄先生の 「真珠星 スピカ」
    死んだ母親が娘を こっくりさんを使って
    守る話で 愛情に不意打ちされて
    かなり泣けました さすが

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    2020年03月09日
  • 新装版 あなたに捧げる犯罪

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    短編だが、短編といえど濃厚な時間を過ごすことができる。どの話も絶妙な毒加減がいい。小池真理子さんは裏切らない。

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    2019年11月10日
  • 恋

    購入済み

    没頭と陶酔

    10才頃から、基本的に絶えず手放せない読者中毒です。成人してからは、立て続けに読む日々の流れが突然醒めるクセがついてしまいました。
    年に2,3か月の冷却。それを繰り返して30年になります。
    醒めてる間の手持ちぶさたな日々が退屈で、中毒状態にもどりたくであがきます。でもそれには、かなり強めに引き込まれるきっかけの一冊が毎回必要で、さまよいます。この本は間違いなくその一冊になりました。

    今、読んだ直後。いろんな種類の読後感がぐちゃぐちゃに混ざっています。

    心の中にある虚無感は、人によって濃度は違えど、皆が持っているはず。でも、うまく言い表せない虚無感です。それを、こんな物語を通して、手のひらに

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    2019年07月28日
  • 欲望

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    目眩く性と死…圧倒された世界でした。
    類子と正巳と阿佐緒、そして袴田…形の違う欲望でも、それぞれの欲望はとても強かったです。
    肉体だけでなく精神のエロス。かなり際どいことも書かれているのですが全く厭らしくないのはさすがです。
    正巳が性的不能者じゃなかったら、類子と正巳はここまで感応し合い、高まらなかったのではないか…とも思いました。
    静かに狂っていく感じも良かったです。正巳の最後の海での言葉は悲しくなりました。
    そして三島由紀夫の豊饒の海を今度こそ読破したくなります。その上で再読したいです。
    官能にもみくちゃにされました…すごかったです。

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    2019年05月30日
  • 柩の中の猫

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    同世代でもネコ好きでもないのにどうしてこんなに懐かしくて苦しいようなキモチになるのか、不思議です。胸の内にひっそりと、彼らの生活が息づきます。

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    2019年04月15日
  • 贅肉 新装版

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    短編集。
    女の醜い部分から綺麗な部分までが取り扱われている作品達でした!
    一瞬の出来事で被害者加害者の立場が逆転する爽快さは見てて飽きません。
    一気読み推奨です。

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    2019年04月14日
  • 蔵の中

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    やっぱり、小池真理子、最高だ。
    色っぽくて緊張感があってドキドキする。
    殺害シーンも、愛を交わすシーンも、まるで自分がしている(笑)かのような錯覚に陥る。
    最後は、そうきたか!と。
    このまま婚家へ戻るのだろうか。それとも、、。
    この余韻の残し方も実に味わい深い。

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    2019年01月12日
  • 柩の中の猫

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    8割方読んだところで、このままでは終わらない、どのような結末に落ち着くのだろうとは感じたが、予想外すぎる結末だった…。
    心理描写がうっとりするほど繊細。

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    2019年01月06日
  • 闇のカルテット 新装版

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    この人の恋愛はあと一歩というところで裏切られる。その裏切りを心地いいと感じるか怒りを覚えるかはどくしゃしだいだ

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    2018年07月10日
  • 愛するということ

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    小池真理子さんの小説が好き。
    ませた女の子が年上男性を好きになって、夢中になって、自分を無くして、捨てられて、
    こじらせた憧れを含めて、むっとする色気を感じて、うっとりしてしまう。

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    2017年09月09日
  • 冬の伽藍

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    ネタバレ

    小池真理子作品はほぼ読んでいるが、その中でも一番と言っても過言ではないくらい、大好きな本。何度目かの再読。

    ラスト1ページのためのこの約600ページがある。
    静かで美しく、かつ情熱的な二人。事件はあれど、出会えてよかった。だめだと思いつつ断り切れない、英二郎の魅力が理解できなかったけども、、。

    小池真理子の文章って、軽井沢の街並みに合うわ~~。特に冬。行きたくなった。

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    2017年09月06日
  • 沈黙のひと

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    父を早くに亡くし、母がゆるやかながらも進行性の病気にかかっている、そんな状況の私にはとても身につまされる小説だった。
    そうでなくてもある程度の年齢になれば親が老いて介護が必要になったり、段々と死に近づいていく。そんなときどんな風に向き合うかを考えさせられる。

    両親の離婚によってほとんど関わり合うことなく生きてきた父が、難病を患った末に亡くなった。
    娘の衿子は父の遺品のワープロを持ち帰るが、そこには病気により口を利くことも出来なくなっていた父の心の叫びと後悔、そして衿子への愛情が綴られていた。

    主人公の衿子は50代で独身(離婚歴あり、子どもなし)。編集社で働く、いわゆるキャリアウーマン。

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    2016年12月15日
  • 天の刻(とき)

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    すべての描写が素晴らしい。「天に刻」の心境に感服。ただ、さすがにこの本を勧められるような人はいないし、いても勧めはしない(できない)。自分がそうなったときに、自分に勧める感じかなあ。

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    2016年10月13日
  • モンローが死んだ日

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    小池真理子さんの長編恋愛小説。
    やはり上手だなと感じた。
    できるなら寒い季節に読みたかったな。
    失踪した精神科医はいったい何者だったのか、どのような事情があったのか。
    彼にとっての鏡子との過ごした時間は何だったのか。
    行方を追う鏡子に思い切り感情移入しながらページを捲った。
    最後の長い手紙も鏡子への思いと真実が嘘なく綴られていて、それを受け入れた上での新たな生活の始まりに嬉しい気持ちになった。

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    2016年05月11日
  • 墓地を見おろす家

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    墓地を見下ろす家

    怖すぎる!

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    2016年03月29日
  • 存在の美しい哀しみ

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    ネタバレ

    あれ、小池真理子、だよね?
    変化したような気がした。
    今まで持っていた、硬質な美意識とか、孤高の激しさ、とかのイメージがいい意味で裏切られて。
    人はみな、複雑で多面的で、色んなものを内包しながは生きている。そんな豊かさとか、優しさとか、深みを増した切なさとか、ひとすじ縄ではいかないさまざまな感情とか。
    小池真理子、がもっと好きになった。

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    2016年03月24日