あらすじ
自殺はしないが、いつ死んだってかまわない──。世間に背を向けるわけでなく、かといってヴィヴィッドな後半生を望むわけでもない。みずからの積極性を放棄した、しかし魅力的な女たち。40代も終わりにさしかかろうとする女性が、思いがけず、恋愛の極みへと誘われていく。古い日本家屋やたるんだ初老男の肉体、果汁したたる枇杷の爛熟した匂いに導かれた官能の一瞬に、彼女たちは何を見ているのか。エロスとタナトスが、絶妙の筆致で融合された極上の恋愛作品集。
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小池真理子さんの小説は、読んでいてとても心地よく、癒される。所持する本をもっと絞って、何度も何度も読み返したいけど、好きすぎてなかなか絞れない作家さん。
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すべての描写が素晴らしい。「天に刻」の心境に感服。ただ、さすがにこの本を勧められるような人はいないし、いても勧めはしない(できない)。自分がそうなったときに、自分に勧める感じかなあ。
Posted by ブクログ
短篇6話。解説 篠田節子。
月を見に行く
蝋燭亭
天の刻
襞のまどろみ
落ちていく
無心な果実
R35, R40指定という話が解説にある。
歳を取ったからわかる情景なのだろうか。
死と恋愛に向き合う。
日常生活と非日常の一部を叙述的に描写する。
暗い。
必ずしも後ろ向きでない。
淡々としているのはよいかも。
こういう感触の人も世の中にいるのだろう。
勉強になりました。
ps.
三ヶ月後に二度目に読んだ時,筋を半分忘れていました。
Posted by ブクログ
主人公の女達の年齢にはまだ20年程届いてないけど
読んで良かった。傷ついて泣いてばかりだった気持ちが楽になった。
感情移入できるかどうかは別として。
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これが大人の小説なんだって思いました。40代の女性のいろんな形の恋愛。そして死についての思い。確かにR35にしてもいいと思います。ヒロインたちの気持ちが痛いほど伝わってきます。ついに私も熟女の仲間入り?
Posted by ブクログ
中年女性達を主人公にした短編集。若いとは言えなくなる時期には心、身体ともに変化し祖音変化に悩む時期だろう。その悩み、苦しむ女性の感情を表現した作品だと思う。ちなみにどの作品にも「食」の描写があり、人間の大きな欲求と絡めて表現しているのだろうか。
Posted by ブクログ
実らない恋に身を寄せる女の短編集。
って、書いちゃうと安っぽく聞こえるけど、内容はずっしり重い。。。
私は40超えてますが。。。。うーーん。こういう心境になったことないので、いまいち理解出来ないとこが多かった。
「ふーん、そういうものなのかな~?」って感じで読み進めた。
最初の4編は、
夢も希望も生きがいもない人生に飽きて「なんとなく死にたい」と思い「死」を選択してしまう心情がわからなかった。
でも、この大きい世の中に数え切れない人がいて、その中でこういう生き方や考え方をしてる人はいるんだよね。
私としては、「もう死んじゃってもいいや」と思って「死」を選ぶのって卑怯な気もするけど。。。。
世の中、生きたくても生きれない人がいるのに、自分で「死」選んじゃうってどうなのかな~~?
「自殺」っていうのをきれいに書きすぎてる気もしないでもない。
最後の2編は、不倫を精算した女の話。
こっちのほうが、まだ分かりやすかったかな。
題材はどうであれ、きれいな表現だったので、読んでて嫌にはならなかった。