小池真理子のレビュー一覧

  • ふしぎな話 小池真理子怪奇譚傑作選

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    物語は戦後から解放された豊かさに向けて走り始める頃の設定、大人は子供に媚びず子供には子供の世界があったし大人も見守るゆとりを持っていた時代。死者が見える少女の戸惑いと成長の(恋慕)事故で急死した恋人との(水無月の墓)他、梅雨時のこんな時期に似合うショートホラー小説でした。

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    2025年06月11日
  • エリカ

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    これってもしや私のこと!?って、そんなわけないんだけど。麻布台にマンションなんて持ってないし、起業なんてとんでもないし、独り身でもないんだけど、でもそれでも自分のことかと錯覚するくらい、女というものは、恋愛のその過程において考えたり悩んだり笑ったりときどきめらめらと嫉妬のような感情に支配されて自分にいらいらしたり、どんな環境でもそうはかわらないもんだな、と思う

    この男に落ちるなんて自分では思わない、そんなわけない、でも40歳のBDに400本のバラを送ってくる男、毎日のように電話してきていたのにふっと何日も音沙汰なしにして感情をゆすぶる男にどうしてこうもほろりとおちてしまうのだろう、

    「わかる!」と何度も膝をポンと打った。女の感情のこまやかな遷移やこころのひだを作者はとてもていねいに描いている。「そうなんだよね~」と同調したり、「あかん!あかんで!そこでそんなことしたら術中にはまるで!」とあたかもエリカの親友になったかのように忠告?したくなる。それは「あのときの」私に向けたアドバイスだ。もう遅いけど。

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    2025年05月31日
  • 堕ちる 最恐の書き下ろしアンソロジー

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    ホラーの多様性と作家の個性を堪能できる上質なアンソロジー。ただし、期待値次第で評価が分かれるかもしれない。
    宮部や小池の情感、三津田や内藤の伝統、新名や芦花公園の斬新さがバランスよく共存し、1冊で幅広い恐怖体験が味わえた。

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    2025年05月27日
  • 再生 角川ホラー文庫ベストセレクション

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    ネタバレ

    8篇のホラーアンソロジー。
    どの作品もすんなりとその世界に連れて行ってくれてとても楽しめた。
    「よけいなものが」(井上雅彦)では、短い会話文の中に違和感をするっと埋め込んできていて凄かった。気づいたときには役割がひとつズレて堂々巡り。抜け出せるきっかけが見つからない。
    「依って件の如し」(岩井志麻子)はバラバラに思えた話がひとつに繋がってゾッとさせられ、読後に余韻を残す話だった。
    「ゾフィーの手袋」(小池真理子)は主人公が何ひとつ悪くないのでひたすら気の毒だったのだが、あっさりした文章が好みだった。

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    2025年05月16日
  • 堕ちる 最恐の書き下ろしアンソロジー

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    有名作家が執筆したホラーアンソロジー。不思議な話、怖くない話もある。
    個人的に好きなのは三津田信三さんと小池真理子さんの話。
    三津田さんの話は想像するだけで怖くゾッとした。似ているかもしれない、って序盤で言われてる「竈の中の顔」を読んでみたいなと思った。
    小池さんのはほんわかする話から一変して困惑したまま終わるのが良かった。

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    2025年05月04日
  • 危険な食卓

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    JCOM 2025.4.30 「鍵老人」
    睦まじい夫と妻、恋人同士、女友達、父と娘、嫁と姑の間に巧妙に隠された嘘、過去、そして殺意。ありふれた日常に、突如開かれる戦慄の扉。幸福な人々に待ち受ける恐怖の陥穽。ホラーサスペンス8編。

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    2025年05月01日
  • 恋

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    学生の布美子と助教授の片瀬、妻の雛子の話。ドラマ見て深入りしたくて原作読み出したんやけど、え、めちゃくちゃ良かった。圧倒的な恋。この底なし沼かのようなドロドロ感と眩しい煌めきと疾走感に翻弄される。何やろこの共感とか反感とかじゃなくてずっと後に残る感じ。良かった。

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    2025年04月20日
  • 堕ちる 最恐の書き下ろしアンソロジー

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    内藤了の家ホラーが段違いで恐ろしかった。芦花公園の河童の話もここ最近の世相を反映したホラーという点で面白い。小池真理子の最後の作品は、アンソロジーの最後にふさわしい切なさがあってよかった。

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    2025年04月20日
  • 二重生活

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    この作家さんの作品はスルスル読めてしまう。適度にハラハラさせられて面白かった。
    「文学的・哲学的尾行」については、下卑た好奇心を美化させただけのようにわたしは思ってしまい、理解できなかった。また、それを崇高な行為のように考えているような主人公に幼さを感じた。

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    2025年04月19日
  • 月夜の森の梟

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    伴侶に先立たれたら、どんな気持ちになるだろう?と鬱転覚悟で読んだ。
    何年経っても喪失感は埋められない。忘れられない。

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    2025年04月06日
  • 欲望

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    小池さん作品3冊目。回想や手紙、死へ向かう等、他の作品と同じ要素ありでしたが、この作品は魅力的な登場人物が多く、タイトル通り「欲望」とは何か考えさせられました。

    三島邸もどきでの再会シーンの楓、書架、南の島での明るさ、ラストの陽の当たる庭、すべて美しい場面でした。フェティシズム等ではなく若者が誰しももつ思慕を描いていているのに薄ぺらくならないのが凄いです。(偏愛ものや禁欲、忍耐系を期待した読書には物足りないかもしれません)

    乳児が母親に触れたがるような単純な接触欲、
    親しい相手と手を繋いで寝るような信頼•安心感、
    母性、父性への憧れ、尊敬、肉体美、フェロモン
    妊孕性的な生殖欲、挿入欲、野獣性、友愛、
    コレクション的な統制欲、庇護欲、自我、承認、
    思想、精神的な繋がりとのバランス...

    それらへの感じ方の微妙な男女の違いなどがグラデーションの様に変化して(しない人もいて)、性欲や官能という言葉では収まりきらない欲望とは、生命力であり欲望が激しいほど無や死と隣り合わせでもあると感じるような小説でした。

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    2025年04月04日
  • アナベル・リイ

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     2022(令和4)年に単行本として刊行された小池真理子さんのホラー長編小説。
     ホラーといってもあまり恐怖感がないのは、例となって出現するのが、主人公がごく親しくしていた女性であって、危害をくわえられなそうな雰囲気がしたからだ。
     が、淡々とした文章で描き出される幽霊談は相変わらず美しく、小説として充実したものだと思う。
     小池さんの文体は単に「淡々としている」というよりは「暗い雰囲気のおとなしさ」を呈しているように、今回気づいた。

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    2025年03月30日
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

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    松任谷由美デビュー50周年を記念して、6人の女性作家さんたちが書き下ろしたユーミン曲がテーマのオリジナル小説集。題名見るだけで惹かれるものがあり、即購入。

    収録されている話は以下、
    ・あの日にかえりたい(小池真理子)
    ・DESTINY(桐野夏生)
    ・夕涼み(江國香織)
    ・青春のリグレット(綿矢りさ)
    ・冬の終り(柚木麻子)
    ・春よこい(川上弘美)

    いずれの曲も知っていたが、あらためて思ったのは、その曲に対する偶像イメージは『人それぞれ』ということ。特にユーミンなどは僕らの年代は誰もが知っていて、その曲に対する絵が脳裏に自然と浮かぶ。
    ただ、それをいざ物語化してみたら、作家が描くストーリーが自分とは少し違うのだ。

    例えば『あの日にかえりたい』のストーリーは学生運動の渦中であり全くオシャレ感は無く、『冬の終り』は歌詞には一切関係なく女性のパート職場の人間関係の話だった。

    まあ当時の僕らがカーステレオで流す音楽の何割かがユーミンやサザンであったように、青春の傍らには必ずユーミン曲が流れていたという象徴のような小説なんだということかな。

    『私を許さないで 憎んでも覚えてて』というキラーフレーズが印象に残る『青春のリグレット』は、自由奔放に恋愛をしていた女性が回顧しながら交差点で物思いする話は、僕のイメージに近かったかなあ。『綿矢りさ』だから、女性のしたたかさ?が描かれていてちょっと怖かったな。

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    2025年03月07日
  • 感傷的な午後の珈琲

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    小池さんの文章は本当に手触りの良い上質なガーゼケットのよう。
    過去に読んだことのある本について、小池さんの目を通すとそう捉えるのかと新たな発見もあった。谷崎潤一郎を再読したくなった。
    フランス映画の視点についても興味深い。

    特に心に残った箇所
    「本物のときめき」
    私自身はもう若者ではなくなってしまったけど、若い頃から“なんとなく無難”を選んでしまっていたので痛いところを突かれたなーと感じた。何かとコスパ、タイパや断捨離など無駄を極力省いたものが好まれるけど、無駄こそ人生の楽しみというのもまた一理。

    「至福のほろ酔い旅行日記」
    オランダは自己責任の国。運河にはどこにも柵や手すりが設けられていないそうで、こどもたちは服を着たままプールに飛び込み、自力で這い上がる訓練をするという。日本もそういう傾向になってほしいなと思った。

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    2025年03月01日
  • 堕ちる 最恐の書き下ろしアンソロジー

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    好きな作家さんが何名か著者として表紙に名前があったので読んでみました。
    宮部みゆきさん、小池真理子さんは怖いだけじゃなくて読み終わった後の余韻もある味わいでさすがです。新名智さんの作品はゲームブック風、でも読み進めていくうちに…と驚きの展開でした。芦花公園さんは相変わらずワールド炸裂。一番怖かったのは内藤了さんの「函」でした。ONのシリーズが頭にあったのですが、全然違う味わいで、怖くて読みやめたいのに面白くてやめられないという大変な状況に。

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    2025年01月27日
  • あなたから逃れられない

    購入済み

    ハラハラ

    展開が早く、主人公がどんどん追いつめられていく様子に感情移入して、一気に読み終えてしまいました。
    小池真理子さんの作品が大好きです。

    #怖い #ドキドキハラハラ

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    2025年01月21日
  • 堕ちる 最恐の書き下ろしアンソロジー

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    「竜狩人に祝福を」
    一番面白かった。
    ファンタジーのタイトルで内容も外国が舞台になってて、ゲームブックの構成だったから懐かしいな〜って思って楽しんでたらとんでもないことに…

    「函」
    久しぶりにめっちゃ怖い!夜中に読んでて途中で読むのやめて次の日に読みました。あんな家一泊もしたくない。

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    2025年01月15日
  • 妖し

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    面白かった。
    なんとも言えない不思議な妖しい話ばかり。
    特に恩田陸さんの金沢の話が好きだ。恩田陸さんのユージニアも金沢が舞台だったな。なんとも印象に残る話だった。恩田さんの、金沢に対する特別な思い入れを感じる。
    ちょっと乙一さんのような妖しいオムニバスだった。

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    2025年01月05日
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

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    ネタバレ

    松任谷由実デビュー50周年記念オリジナル小集。全作書き下ろし。ユーミンの名曲タイトルから6人の女性作家が新たに奏でる小説のハーモニー。令和4年7月1日発行。

    小池真理子 「あの日にかえりたい」(1975年)
    桐野夏生 「DESTINY」(1979年)
    江國香織 「夕涼み」(1982年)
    綿矢りさ 「青春のリグレット」(1985年)
    柚木麻子 「冬の終り」(1992年)
    川上弘美 「春よ、来い」(1994年)

    ユーミン世代ではないので、リアルに記憶にあるのは「春よ、来い」くらい。といっても、歌詞なんて気にしてなかった年頃だったので、いまいちよく分かっていない。本当は、曲を聞いて、歌詞を読んでからこの本を読もうと思っていたのだけど、まぁ、積読になってしまっていたので、ひとまず読んでみた。
    ユーミン世代のお姉さまたちに読んでもらって、感想と解説を求めようと思う。
    NHKのドラマでもやっていたのは知ってたけど、見逃したんよね。

    以下、各小説ごとの感想。
    「あの日にかえりたい」
    1970年代に東京の大学に出てきた女子学生。恋?と友情のあいだで迷い、友情のために嘘をついたのに、気付かれて疎遠になってしまう。でも、年賀状のやり取りは続く。あの日、嘘をつかなければ、ずーっと大人になった今の2人の友情の形は違ったのかな。

    「DESTINY」
    30歳を過ぎた真面目だけど、マザコンなのでは?という男性の恋。きっとこういう誠実で真面目で、仕事も安定してるけど、恋愛下手な男性っていると思う。女性も然り。

    「夕涼み」
    結婚して子どももいる姉が、年の離れた妹の結婚をお祝いしつつ、結婚後に起こる、女性が抱える悩み、窮屈さ、夫婦関係の悩み・・・。そんな思いを妹がしなくてもよい結婚を姉は願う。敢えて海外で見た女性たちの様子を例えのように出しているのが、美しいというか、生々しくない。海外でも日本でも、女性が抱えるものは同じなのね。ちょっと切ない。切ないけど、この姉の願いが多くの人に広がって、何かが変わっていくといいな。

    「青春のリグレット」
    自分の方が相手を好きで好きでたまらなくて結婚した方が幸せなのか。それとも、相手の方が自分のことを好きで好きで大切にしてくれて結婚した方が幸せなのか。
    私も思い当たる恋愛があり、んー、と考えてしまった。

    「冬の終り」
    地方の寂れた?スーパーのフードコートで働く女性。時々シフトが一緒になる女性のことが気になる(恋愛ではない)。ある時ユーミンの曲が店内でかかったとき、その女性と心が通じ合ったような、近づいたような気がして、スーパーの他のおばちゃんたちと深入りしないでおこうと思いながらも、行動は深入りしていて、ちょっとクスッとしてしまった。いいね、女の友情。これは女の友情だと私は思う!柚木麻子さんはこういう話うまいな~。

    「春よ、来い」
    実は一番よく分からなかった話。でも、私なりに解釈した。
    知らない誰かのために、自分に与えられた特別な能力を使って、知らない誰かの幸せを願う。
    きっと私たちの世界って、どこのだれか知らないけど、心のなかで「頑張れ!」と応援したくなったり、「この子の優しさがこの子を幸せにしますように」とそっと願いたくなったり、そういう小さな小さな誰かに対する優しい気持ちが集まって、巡りめぐって、自分にも幸運がやってきているのかもしれないと思う。

    さて、近いうちに、ユーミンの曲を聞いてみよう。

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    2024年12月11日
  • 影牢 現代ホラー小説傑作集

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    誰もが知っているような作家の短編集を八つも集めたホラー短編集。
    特に面白怖かったのは、宮部みゆきさんの「影牢」と、三津田信三さんの「集まった四人」、小池真理子さんの「山荘奇譚」、有栖川有栖さんの「赤い月、廃駅の上に」
    あくまでも自分の好みというところですが。

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    2024年11月22日