小池真理子のレビュー一覧

  • 日暮れのあと

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「生と死、そして性を描く濃密な短編集
    過ぎてみれば、全部、どうってことなかった――」

     王道の恋愛もの、ミステリー・サスペンス、あるいは幻想怪奇小説など幅広い作風で読者を魅了してきた小池真理子は“短編の名手”でもある。その実力をいかんなく発揮している「日暮れのあと」。
     人の生と死、そして性を描き、人生の哀歓をつづる短編は大人の読書を満喫するのにちょうどいい。

    ミソサザイ
    喪中の客
    アネモネ
    夜の庭
    白い月
    微笑み
    日暮れのあと
    の7作品。

     表題作「「日暮れのあと」の主人公は、日々老いを感じつつ山裾の町で暮らす絵本作家の雪代。ある日やってきた植木屋の青年に興味を惹かれ話をしてみると、彼

    0
    2023年09月06日
  • 再生 角川ホラー文庫ベストセレクション

    Posted by ブクログ

    名作の寄せ集めなのでもちろん良い
    ただ半分は読んだことある作品だった
    読んだことなくて面白かった作品が収録されてる短編集を買うことにした

    0
    2023年09月03日
  • 無花果の森

    Posted by ブクログ

    追い詰められた時
    あでもなく辿り着いた土地で
    彼女にとっていい出会いがあり
    悲しい別れもあったけれど
    ハッピーエンドもありで
    最後、サクラの存在が良かった。
    サクラバーに行ってみたい

    0
    2023年09月03日
  • 日暮れのあと

    Posted by ブクログ


    7篇の短編集ですがどのお話も印象的。生と死、愛、性が共通していて全く違う雰囲気なんだけど、どれもねっとりとした感じで読み応えあり。

    『喪中の客』は最後ゾクッとして印象に残りました。好きなお話は『アネモネ』『白い月』『日暮れのあと』

    中高年の女性とかなり歳下の男性との恋のお話がいくつかありますが、表題作の『日暮れのあと』はその中でも極めつけという感じでした。26歳の植木職人の男性が結婚したい相手は64歳の現役風俗嬢。なかなかあり得ないお話だけど、男性に興味津津で馴れ初めをを聞く72歳の雪代の気持ちはわかるなぁ。

    0
    2023年08月15日
  • 無花果の森

    Posted by ブクログ

    よかった。
    泉の追い詰められている感じがリアルで自分も逃げ回っているような気持ちになった。
    キャラの強い人たちが周りに多いけれど、それもなんだかよかった。
    サクラのバーに行ってみたい。

    0
    2023年07月24日
  • 墓地を見おろす家

    匿名

    購入済み

    怖かった

    小池先生の作品を初めて読みました。
    読みやすい文章と結末が知りたいのとで一気読みしました。
    昭和感たっぷり。
    面白かったので違う作品も読んでみます。

    #怖い

    0
    2023年07月14日
  • 日暮れのあと

    Posted by ブクログ

    「ミソサザイ」
    「喪中の客」
    「アネモネ」
    「夜の庭」
    「白い月」
    「微笑み」
    「日暮れのあと」
    七話収録の短編集。

    洗練された言葉で紡がれる七つの物語は、登場人物や風景が自然と眼前に浮かび上がる。

    生と死と性が共通して描かれている本作だが、最も心に迫って来たのは深い孤独感。

    時に淫靡で生々しさをを醸し出しつつも、そこに厭らしさは感じられず、老いて死へ向かう者達の寂寥感や悲哀が伝わる。

    ホラーテイストの『喪中の客』が一番インパクトが強く背筋が寒くなるが、どの短編もつ粒揃いで味わい深い。

    この静謐でしっとりとした世界観が堪らなく好き。

    0
    2023年07月04日
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    松任谷由実の曲を元にしたトリビュート小説集
    著名な作家さん達による、別角度からの切り口で綴られる物語

    歌詞をそのまま物語にしたものではない
    むしろ設定のリンクはそんなにないかも
    タイトルにインスパイアされた短編という表現の方が近い


    収録は6編
    あの日にかえりたい/小池真理子
    DESTINY/桐野夏生
    夕涼み/江國香織
    青春のリグレット/綿矢りさ
    冬の終り/柚木麻子
    春よ、来い/川上弘美
    解説:酒井順子



    ・あの日にかえりたい/小池真理子
    いまも私の心は学生時代を過ごしたあの場所にいる


    昭和の学生運動が盛んな頃の大学生
    男を巡る友人とのちょっとした行き違い

    大学生の頃に戻りたい

    0
    2023年05月30日
  • 欲望

    Posted by ブクログ

    インポテンツってそんなに屈辱的なものなのかな。
    女だから分かりませんでした。

    解説の「この人の文はすっと入ってくる」って言葉、分かるなあって思った。水みたいにするすると読める。あっという間だった。

    映画も見てみたいな!

    0
    2023年05月27日
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ユーミンの曲を女性作家さん達がトリビュートし
    創作された物語の短編集。
    小池真理子「あの日にかえりたい」
    まだ共同玄関や共同トイレが一般的だったころに
    学生時代を過ごした主人公の郷愁の物語
    既に老年に入った主人公が人生を振り返るような
    切ない物語。短編の中に人生の流れがつまっていて
    さすが小池真理子さんだなと思った。

    桐野夏生「DESTINY」
    村上春樹が愛読書の争いごとを好まない青年の物語
    変わらぬルーティーンの中ではっと目についた
    女学生に少し惑わされてしまうけれど、また
    普段の日常に戻っていく。何も劇的なことは
    ないのだけれどシニカルでとても良かった。
    村上春樹とか山田風太郎とか主人公

    0
    2023年05月22日
  • 再生 角川ホラー文庫ベストセレクション

    Posted by ブクログ

    岩井志麻子と澤村伊智がよかった。

    岩井志麻子先生、バラエティ出てきた時文章との差にぶっ飛んだもんな。今回も硬くて陰鬱な空気感。読み慣れるまでちょっとかかる。

    学校は死の匂い。うん。好意、真っ直ぐ返ってきてほしいよね。古市くんがいい人格付与されてるなぁ。

    0
    2023年05月19日
  • 再生 角川ホラー文庫ベストセレクション

    Posted by ブクログ

    どれも面白かった。
    著書に『リング』がある鈴木光司の作品にはリアルな生々しさがあった。
    特に好きだったのがビルとビルの隙間に落ちる『五月の陥穽』。
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    角川ホラー文庫約30年の遺産!90年代から現在までの最恐セレクション。

    1993年4月の創刊以来、わが国のホラー・エンターテインメントとともに歩んできた無二の文庫レーベル、角川ホラー文庫。その膨大な遺産の中から、時代を超えて読み継がれる名作を厳選収録したベストセレクションが登場。大学助教授の〈私〉が病院で知り合った美しい女性、由尹。ミステリアスな雰囲気をたたえた彼女は、自分の体は呪われていると告げる。ともに

    0
    2023年05月04日
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    印象に残ったところ
    ・小池真理子 『あの日にかえりたい』
    学生時代のほろ苦い仲違い。どこでボタンをかけちがったのかなーと思うことは、人生であるけれど、そのどうにもできない思い残りを微妙なタッチで描いた作品だった。ズシンと澱が残るような、そんな読後感。
    ・綿矢りさ 『青春のリグレット』
    菓子の思い出に共感。
    その当時は、その後にそんなに大きな存在になることなどないと思った存在が、ふといちいち思い出す存在になっていたと感じることはある。それが確かに青春という時期特有のものなのかもしれないなーと気付かされる。

    0
    2023年04月25日
  • 異形のものたち

    Posted by ブクログ

    少しゾッとするような短編が6つ.それぞれ対象となるモチーフが印象的だった.「面」では般若、「森の奥の家」ではキーホルダー、「日影歯科医院」ではクラウン、「ゾフィーの手袋」ではシルク、「山荘奇譚」では染布、「緋色の窓」では絵.どれも怖かったが「日影歯科医院」で香澄が実際に治療を受けた話だ.数十年前に閉院した歯医者さんで.

    0
    2023年02月15日
  • 瑠璃の海

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    自分だったら愛する人から「一緒に死のうか」と言われて、「あなたとなら死ねる」と返せるだろうか…2人の結末が本当に幸せだったのかどうか、というよりむしろ個人的にはそっちを考えてしまって、そういう意味でモヤモヤしてしまう読後でした。

    0
    2023年02月08日
  • ふしぎな話 小池真理子怪奇譚傑作選

    Posted by ブクログ

    短編小説かな
    っと思いきや、話が繋がっているのもあり
    面白いが、

    短編小説もあり、『んっ?』っと思ってしまった物もあり斜め読みをした部分があり、
    星⭐︎を減らしています。

    個人の感想です。

    0
    2023年02月04日
  • モンローが死んだ日

    Posted by ブクログ

    夫が亡くなり孤独になった鏡子。心身の不調となり精神科を受診する。それが高橋医師との出会い。親密になってから医師が行方不明になる。そして偽医師だと気づくのだった。有り触れた話のようで実は深い。鏡子や彼の孤独感がひしひしと伝わる。思ったとおりの終わり方だが良かった。

    0
    2023年01月30日
  • 恋

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    全体的に色っぽくて背徳的だけどいかがわしい感じはしないという不思議な小説でした。
    主人公がただ肉欲に溺れるわけではなく、片瀬夫妻を神聖視しているのではと思えるほど深く愛してしまったが故に起きた悲劇といった感じです。
    どう考えてもピュアな恋愛とは程遠いはずなのですが、下手な恋愛小説よりよほど真剣さというか、鬼気迫るほどの純粋さを感じました。
    雛子が大久保に恋をした時に、布美子が肉体ではなく精神での繋がりを求めるなんて汚いといった表現をしたのが印象的でした。
    布美子に感情移入しすぎて大久保を撃ち殺すシーンで自分までスッキリしてしまいました(^_^;)

    0
    2023年01月26日
  • 無花果の森

    Posted by ブクログ

    「ドラマ的展開」が面白く、どんどん読み進めてしまう系統の物語だった。人間ドラマ+微サスペンスという風情。

    有名な映画監督を夫に持つ新谷泉は、度重なる夫からの暴力に耐えかねて、ある日夫が不在のうちに家を出た。
    そして流れ着いた寂れた地方都市で、老齢の女性画家の家での住み込み家政婦の仕事に偶然ありつき、身を潜めて暮らし始める。
    夫に探し当てられるのではないかと怯えながら暮らす中、主である画家の付き添いで行った街のゲイバーで、かつて関わりのあったある男と再会してしまう。

    後ろ暗い雰囲気が全開で、泉の怯えが文体からも伝わってくる。
    そんな中「ある男」の塚本と再会したことが、泉の人生をがらりと変える

    0
    2023年01月09日
  • 夏の吐息

    Posted by ブクログ

    「肉体的な欲望をもって、精神的な愛情ももって、そのうえ、そこに言葉がほしい、って私、いつも思ってるんです。なのにそれがいつもうまくいかない。」 言葉を欲する自分がいながら、気持ちを表現しようとすればするほど、本当の思いとはかけ離れて行くような気がする。 「どう頑張って言葉を編み出してみてもね、書き連ねた言葉は嘘になっている。真実ではない。ごまかしがあったり、気取りがあったり、複雑にさせたりしている分だけ、偽物にすり替わってしまっている」

    0
    2022年12月25日