小池真理子のレビュー一覧
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前夫を若くして亡くし、幼い娘をひとりで育てていた彩和は、18歳上の俊輔と再婚する。
俊輔もまた前妻との間に息子がひとりいた。
前妻の杏奈は、華やかで気さくな頼りになる存在だった。
夫が経営する「アンティークたかしな」は、さほど潤沢ではないようだが、TV出演や原稿書きなどで副収入に恵まれていた。
穏やかに夫婦と娘と暮らしていたはず…だが、いつしか運転手の野々宮との関係を疑いだす夫は、しだいにアルコールの量が増え、嫌味や酷い絡み方をするようになる。
ある日、彩和と野々宮は思わぬ場面で秘密の共有をすることになり…
夫が亡くなった後の遺言状を見た後に2人の運命は想像もしなかった方向へと辿る。
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2021年の第25回日本ミステリー文学大賞を受賞された小池真理子さん
「これまでの作家活動・ミステリー分野への貢献」に対して贈られた「功績賞」的な意味合いのようですが、その受賞に充分な作品群だと思います。
怪奇幻想傑作選 第2弾
「鬼灯(ほおづき)」
父の愛人とそのお手伝いに囲まれた、少女時代の微妙ながら居心地のよい擬似家庭。女たちの静かな共存が描かれる。
「生きがい」 ★5
高校生の息子と夫を飛行機事故で同時に失った妻。夫の残したアパートに住む大学生に息子の面影を見出し、世話を焼くうちに…。圧倒的な哀しみと叙述トリックが重なる傑作。
「しゅるしゅる」
仕事も恋愛も順調だった女性が、あ -
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ネタバレ「出会ってしまった」人たち。
杳子、青爾、美夜、佐高は全員罪深い……時代柄、夫の女遊びは許容されても妻の不倫は絶許だし、妻から離縁切り出すのも難しいし、使用人が主人へ恋心抱くとか以ての外。
わかっていても抑えられるかといったらそうじゃないのが恋心とはいえ、青爾と美夜が婚約するのは誰かが止められたのでは!?と思います。出会った時点で妹の婚約者なら、おっと…とさすがになります。
杳子視点なので霞んでいるけれど、美夜もなかなかだと思う。自分を好いてる佐高を「恋とかじゃないけど、寂しい私に優しくしてくれて、とっても感謝してる人」って言ってしまえる人ではあるので。残酷です。
自分に降りかかってないから -
Posted by ブクログ
これってもしや私のこと!?って、そんなわけないんだけど。麻布台にマンションなんて持ってないし、起業なんてとんでもないし、独り身でもないんだけど、でもそれでも自分のことかと錯覚するくらい、女というものは、恋愛のその過程において考えたり悩んだり笑ったりときどきめらめらと嫉妬のような感情に支配されて自分にいらいらしたり、どんな環境でもそうはかわらないもんだな、と思う
この男に落ちるなんて自分では思わない、そんなわけない、でも40歳のBDに400本のバラを送ってくる男、毎日のように電話してきていたのにふっと何日も音沙汰なしにして感情をゆすぶる男にどうしてこうもほろりとおちてしまうのだろう、
「わか