小池真理子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
二つの殺意、少女の繊細な心と殺人、すれ違い。 さまざまな複雑な背景を持った登場人物たちがお互いに、淡い恋心を抱いてはいるもののすれ違う。そのすれ違いはとても丁寧に構成されていて、これこそ芸術の領域に達しているといえるだろう。サガンや綿矢りさを思い出させる繊細な心理風景が、ララ(途中ママと関連付けられる)という猫や、殺人の舞台となる雪の麦畠と古井戸、そして、主人公たちが生活する過度にアメリカ的な雰囲気の住居などを舞台に展開される。小説には二つの殺害があり、そのどちらも怪しいまでに人間の心の真相に迫っている。幼い孤独な少女に芽生えた殺意を美しく描写した物語としては、世界文学のレベルに達しているだ
-
Posted by ブクログ
超恐怖の「ぼくのなつやすみ」のような感じ。スランプ中の夫と、自分も有望な新人作家だった妻、夫の60代後半の母、5歳の息子、そしてなぜかついてきた妻の妹が向かったのは、茅葺き屋根と野畑、山々の稜線が美しい村…その名も夢見村。
小野不由美さんの「屍鬼」も前半は「この村なんかおかしい」から始まって手に汗握る展開に。その点、こちらのホラーは「この村なんか良すぎておかしい」から始まり、最後まで一気読み。平成初期の話ですがジャパニーズホラーが好きな方なら令和の今でも楽しめるはず。オカルトすぎるわけでもなく最後まで楽しく読み切りました。
ご老人の訛りもすいすい読めて理解できたのが不思議。読者自身が夢見村 -
Posted by ブクログ
ネタバレ
浮遊する水 鈴木光司
これあれじゃね?仄暗い水の底のやつって思いながら読み終わったら仄暗い水の底だった。びっくりした。
猿祈願 坂東眞砂子
ラストが本当に怖かった。不倫許せない人間なので、いい気味とか思えそうだったけれどもそんなこと吹っ飛ぶぐらい怖かった。読み終わってからヒェって声出た。
影牢 宮部みゆき
怖かった〜。語り口調の小説苦手なのに、すっと頭に入るのはさすが。驚くほどのどんでん返しはなかったけれど、ため息が出る感じの気持ち悪い怖さ。ずっとへばりつくような不気味さというか不快感があって、最後にそれがなんとなく意味がわかる感じ。
集まった四人 三津田信三
読んでる間ずっとぞわぞわ -
Posted by ブクログ
読みやすいホラー短編で読みやすかった!
個人的に好きな作品は
●綾川行人の「再生」
テレビでタレントが、「切れ味の良すぎる包丁で自分の指の一部を切り落としてしまって、しばらく経ったらその切り落とした部分が生えてきたんですよ!」って話してたのを思い出した。
人間の再生力の限界ってどこなんやろう?ってこの話を読んでまた思った(^^)不気味なお話です。
●福澤徹三の「五月の陥穽」
窓際族の影の薄いサラリーマンが屋上で昼休憩してて落としそうになったタバコを拾おうとしたらビルとビルの隙間に落ちてしまって、その隙間に挟まってしまってさぁどうしよう!ってお話。
サラリーマンとしても夫としても影が薄い主人公 -
Posted by ブクログ
立地条件の割に格安というマンションに移り住んだ哲平一家。紆余曲折を経て、新しい生活を送るためにマンションを買ったのだ。
このマンションの唯一の欠点は、目の前に広大な墓地があること。
そのうち、彼らの周りで不気味な現象が起きるようになる…
とても読みやすかった。すぐに読めてしまった。
全部で300ページ弱なのだが、180ページ辺りで、まだ結構残ってるけどここからどう展開するんだ!?と気になり、結末まで一気に読めた。
結末も不気味な感じが良かったし、面白かった。
あんまりあらすじを言うとネタバレになりそうなのでこの辺で。
引越しを検討するなら、物件はちゃんと調べないとなと思わされた。 -
Posted by ブクログ
最近なんとなく、「自分の好きなものは?」と言う問いに対して「オバケと宇宙人」と思った。
それでオバケの本を読んでいるわけです。
とは言え本作は、この作家さんの「恐怖配達人」がかなり面白く、こちらはオバケでは無いのだけど。同じような作品かと思ったらオバケでした。
この本の良さは、ホラーとして、土地や建物、引越し先の不安。序盤に不穏さをもたらす夫婦の過去の闇など、かなり面白い。
でもそれ以上に、登場人物が抱く得体の知れない恐怖や不安、後ろめたさなどの心情に引っ張られて読者も“出来事”以上に怖さを感じさせているんじゃ無いかなと言う点が魅力だと思いました。
また、平成初期かと思われる雰囲気、バ -
Posted by ブクログ
前夫を若くして亡くし、幼い娘をひとりで育てていた彩和は、18歳上の俊輔と再婚する。
俊輔もまた前妻との間に息子がひとりいた。
前妻の杏奈は、華やかで気さくな頼りになる存在だった。
夫が経営する「アンティークたかしな」は、さほど潤沢ではないようだが、TV出演や原稿書きなどで副収入に恵まれていた。
穏やかに夫婦と娘と暮らしていたはず…だが、いつしか運転手の野々宮との関係を疑いだす夫は、しだいにアルコールの量が増え、嫌味や酷い絡み方をするようになる。
ある日、彩和と野々宮は思わぬ場面で秘密の共有をすることになり…
夫が亡くなった後の遺言状を見た後に2人の運命は想像もしなかった方向へと辿る。