小池真理子のレビュー一覧
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二つの殺意、少女の繊細な心と殺人、すれ違い。 さまざまな複雑な背景を持った登場人物たちがお互いに、淡い恋心を抱いてはいるもののすれ違う。そのすれ違いはとても丁寧に構成されていて、これこそ芸術の領域に達しているといえるだろう。サガンや綿矢りさを思い出させる繊細な心理風景が、ララ(途中ママと関連付けられる)という猫や、殺人の舞台となる雪の麦畠と古井戸、そして、主人公たちが生活する過度にアメリカ的な雰囲気の住居などを舞台に展開される。小説には二つの殺害があり、そのどちらも怪しいまでに人間の心の真相に迫っている。幼い孤独な少女に芽生えた殺意を美しく描写した物語としては、世界文学のレベルに達しているだ
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Posted by ブクログ
ネタバレ久々の小池真理子作品。相変わらずのなめらかな文体で、描かれているのはドロドロの人間模様だ。
舞台は鎌倉。後妻という立場でどこか孤立感を抱える眼科医師の主人公と、娘の友人である若者との恋。
登場人物はみな身勝手。亭主は秘書と浮気三昧だし、娘も私生活むちゃくちゃだし。
そんな中で、常識人として、また良き妻・良き母であろうとしながら、少しずつ壊れていく主人公。本当はやりたいようにやるしかないのだろうけど、そう単純にはいかないのが人生というものなの?
とはいえ、この主人公自身も、よくよく見ればけっこう身勝手。
若者が東京で働くロックバーの名は「アンジー」。
ストーンズ、ビートルズ、ニール・ヤング -
Posted by ブクログ
辻堂環の死をきっかけに彼との蜜月を思い返す6人の女性の短編集
各編がそれぞれの女性からの視点で環との出会いからその終わりまでが語られ、流れは似たよっているけど、時系列に沿った構成になっており、環の年齢が徐々に上がっていくので彼の画家人生の横顔を見るような感触を味わうことができた。
小池真理子作品の中でも、終わった恋を中年期以降の年齢になり振り返る構成のものが大好きで、この本は全てそれに準じているので自分好みだった。
恋愛作品はあまり好みではないけど、小池作品のライト層向けの恋愛ものとは異なり、官能味や心理描写が濃厚でとても味わい深いものが多く、これからも読みたいと思う。 -
Posted by ブクログ
多分読み返しはしないから★3と迷ったんだけど、作者さんの別の作品も読んでみたくなったから★4にした。読み返しはしないけどどの短編もハラハラする展開で続きが気になって、オチも納得秀逸なものも多く面白かった。
手に汗握るサスペンス短編集。
贅肉→過食症になりぶくぶく太っていく姉。妹の世話無しでは生活できない、自分の人生は姉に食い潰されていくと気づいた時彼女が起こした行動は…。
ねじれた偶像→友人の夫が強盗殺人犯かもしれない。どんどん物的証拠が見つかり、やっとの事で妻を逃がすも友人の夫が訪ねてきて…。
一人芝居→どうにも弱気な主人公はとあるドラマのキャラに憧れ、セリフを真似たりする。ある日、向かいの