小池真理子のレビュー一覧

  • ウロボロスの環

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    心理小説っていうジャンルがあることを初めて知った。
    起伏に富んだり、ものすごく突飛な出来事があるわけでもないけど、描写が細かく、読みやすくて、分厚い本だけど、読むのは苦ではなかった。

    全編にわたって時代のせいか、昼ドラの雰囲気の漂よう本。
    俊輔はどんな気持ちで酒に溺れていったのかなあとか、遺言書を書き換えたのは何故なのかなど、色々考える余地があるのは良かった。
    ただ男たちがみんな死ぬのはどうなんだろう。
    できたら生きてるうちに、いろんな問題を解決して欲しいと思う。
    言葉にしないといけないことや、後悔先に立たずって感じの本だった。

    ヒロインはネガティブ思考の持ち主で、被害者側のように思う描写が多いけど、読んでる方から見ると、そこで大胆になるんだ? 身から出た錆では? と思うところもちょいちょいあって、完璧でないところが物語を面白くしているのだと思った。

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    2026年10月18日
  • ウロボロスの環

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    ストーリー的には彩和の行動に?と思う箇所ありだったが、小池真理子さんの筆致に最後迄読めた。ウロボロス。死と再生。タイトルの意味が理解できた。

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    2026年10月15日
  • 愛するということ

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    人生1冊目の小説

    本屋の古本コーナーで110円くらいで買った。

    恋愛小説という括りだけど、映画化されるようなキラキラキュンキュン系ではない。
    なんかもっと生々しい大人のドロドロ系。

    むしろこっちの方が現実味あるしリアル。

    とにかく文章が綺麗だったな。
    小池さんの綺麗な文章だから重たくなりすぎず、悲しくもなりすぎず読み切れたのかと思った。
    とにかく文章言葉の使い方の綺麗さに感心させられた。

    最後の方に少し涙しそうにもなった。

    もしこの本に帯を着けるなら…

    この話はフィクションです!

    とつけるかな?

    それくらいリアルな描写だった。

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    2026年10月09日
  • 望みは何と訊かれたら

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    昔に読んだが、また読んだ。
    あの頃は学生運動と呼ばれるものは、単なるファションだったと思うが、今日では単なる歴史になったと思う。

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    2026年09月21日
  • 異形のものたち

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    「怖がらせるホラー」というより、現実のすぐ隣にある異界を描いた幻想怪奇小説集。

    『面』
    般若の面をつけた女が現れるものの、怖さよりも不思議さが残る作品。
    何が起きているのかはっきり説明されないまま、現実と異界の境目が曖昧になっていく。
    「これのどこがホラー?」と思いつつも、じわりと残る奇妙な読後感。

    『森の奥の家』
    森の奥にある家をめぐる、不思議でどこか切ない物語。
    怖さよりも、登場人物の抱える寂しさや、最後に訪れる安堵感が印象に残った。
    静かで幻想的な雰囲気の中に、ほんのり哀しさが漂う一編。

    『ゾフィーの手袋』
    ここからは霊の存在がはっきり感じられ、じわじわとした怖さがある。
    ゾクゾクするほどではないものの、この後どうなってしまうのかという不安が残る。
    すべてを説明しきらないラストが、読後にも不穏な余韻を残す。

    『日影歯科医院』
    歯科医院という身近な場所が舞台だからこそ、霊の存在がより不気味に感じられる。
    あの兄弟はなぜ主人公を治療したのか、少女や家族との関係も気になるところ。
    説明されない部分が多く、「結局あれは何だったの?」という怖さが残る。

    『山荘奇譚』
    これは一番「ホラー小説らしい!」と感じた作品。
    山荘の地下に潜む得体の知れないものが、じわじわと恐怖を煽ってくる。
    これまでの作品とは違い、異形のものそのものの怖さをストレートに味わえる一編。

    『緋色の窓』
    現在と過去、現実と異界の境目が曖昧になっていく、不思議でノスタルジックなホラー。
    夕暮れや湿った家の空気が、どこか懐かしくも不穏な世界を作り出している。
    読み終えて「異形のものたち」というタイトルの意味が、ようやく腑に落ちた。

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    2026年09月20日
  • ストロベリー・フィールズ

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    ネタバレ

    久々の小池真理子作品。相変わらずのなめらかな文体で、描かれているのはドロドロの人間模様だ。

    舞台は鎌倉。後妻という立場でどこか孤立感を抱える眼科医師の主人公と、娘の友人である若者との恋。

    登場人物はみな身勝手。亭主は秘書と浮気三昧だし、娘も私生活むちゃくちゃだし。
    そんな中で、常識人として、また良き妻・良き母であろうとしながら、少しずつ壊れていく主人公。本当はやりたいようにやるしかないのだろうけど、そう単純にはいかないのが人生というものなの?
    とはいえ、この主人公自身も、よくよく見ればけっこう身勝手。

    若者が東京で働くロックバーの名は「アンジー」。
    ストーンズ、ビートルズ、ニール・ヤング、さらにはトッド・ラングレンまで登場。タイトルの「ストロベリー・フィールズ」はもちろんビートルズの曲からとられているが、その歌詞に込められた意味こそが、この物語全体の背景。

    中公文庫 650ページ

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    2026年08月13日
  • 蜜月

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    辻堂環の死をきっかけに彼との蜜月を思い返す6人の女性の短編集

    各編がそれぞれの女性からの視点で環との出会いからその終わりまでが語られ、流れは似たよっているけど、時系列に沿った構成になっており、環の年齢が徐々に上がっていくので彼の画家人生の横顔を見るような感触を味わうことができた。

    小池真理子作品の中でも、終わった恋を中年期以降の年齢になり振り返る構成のものが大好きで、この本は全てそれに準じているので自分好みだった。

    恋愛作品はあまり好みではないけど、小池作品のライト層向けの恋愛ものとは異なり、官能味や心理描写が濃厚でとても味わい深いものが多く、これからも読みたいと思う。

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    2026年08月10日
  • 懐かしい骨 新装版

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    不穏なホラーを想像しながら読み始めたのに、気づけば家族が過ごした時間の中を歩き、最後は静かにアルバムを閉じるような気持ちになった。

    読み終えて残るのは、事件ではなく、素敵な思い出や家族のぬくもり。
    どこか懐かしいレトロな時代の空気も心地よく、事件そのもの以上に、その時代や家族の記憶が印象に残る作品だった。

    もう、お父さんたらっ!

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    2026年07月23日
  • 日暮れのあと

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    猫が好きなのでつい、気になる表紙に惹かれました。
    短編集になっているのですが、総じて、すぐそこに、隣に、すれ違ったりしたりしてる人々のごく一部の話なのでは?というような、普通の人達のお話で、でも、解説にもある通り、全ての登場する人達を否定することなく、大丈夫だよって寄り添ってくれるような優しさがあちこちの文に著者のあたたかさが伝わったかというか…

    帯に書いてある、「過ぎてみれば、全部、どうってことなかったーー」

    この言葉を自分が言えるようになった時、また世界の見え方、心の扱い、変わっているのかな?と思いました。

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    2026年07月17日
  • ウロボロスの環

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    モラハラ夫の過去。
    知らない方が良かったこと。
    想像が度をこすと、人を追い詰めてしまうかもしれない。
    手に職をつけておかないと、男に頼って我慢して生きていくしかないなんて嫌。

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    2026年07月14日
  • ウロボロスの環

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    ネタバレ

    (3.5)
    前半は退屈な恋愛サスペンスだったが、後半以降あっと驚く展開で面白かった。
    人生が変わってしまうだろう選択で、なぜそうなるのと腑に落ちない場面もありましたが、そうしないと物語としては成り立たないのだろうな。おかげで後半は一気読みでした。

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    2026年07月14日
  • 贅肉 新装版

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    多分読み返しはしないから★3と迷ったんだけど、作者さんの別の作品も読んでみたくなったから★4にした。読み返しはしないけどどの短編もハラハラする展開で続きが気になって、オチも納得秀逸なものも多く面白かった。
    手に汗握るサスペンス短編集。
    贅肉→過食症になりぶくぶく太っていく姉。妹の世話無しでは生活できない、自分の人生は姉に食い潰されていくと気づいた時彼女が起こした行動は…。
    ねじれた偶像→友人の夫が強盗殺人犯かもしれない。どんどん物的証拠が見つかり、やっとの事で妻を逃がすも友人の夫が訪ねてきて…。
    一人芝居→どうにも弱気な主人公はとあるドラマのキャラに憧れ、セリフを真似たりする。ある日、向かいの家に住む憧れの人妻のゴミを漁ってしまい、何とか近づきたいために「あなたのことをよく知っている」と伝えて…。
    誤解を生む法則→後輩をホテルに誘っただけでセクハラだと騒がれ会社を辞めた主人公は、むしゃくしゃした腹いせにドライブインで会った犬連れの女を山道の途中で車で煽ってしまう。そのせいで崖から女が落ちて死んでしまい、残された犬を連れて帰ってくるが、迷い犬として探されていて…。
    どうにかなる→住む家をなくし、仕事もなくした老女はとある老女と出会い数日家に泊まらせてもらうことに。老女の息子が一緒に住もうと説得に来た次の日、家主の老女は布団で亡くなってしまう。次に老女が起こした行動は…。

    いちばんハラハラして好みだったのはねじれた偶像だな。

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    2026年07月05日
  • 日暮れのあと

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    これは好みが分かれそう…ではあるが、個人的にはかなり好みだった。
    日暮れのあとで締めるのが素敵。

    人によって老い方も死に方も様々。
    劇的でなくてもわかりやすいしあわせの形でなくても、受け入れてくれる人がいる幸せってあるんだろうな。

    少し後味が悪い話が多めな気もする。
    今はそういうものも読みたい気分だったのでよかった。

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    2026年06月27日
  • ウロボロスの環

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    かなりの長編でしたが、小池真理子ワールドに引き込まれて、一気に読んでしまいました。主人公の彩和の心理描写に引き込まれハラハラしながら読みました。夫が嫌な奴~と思っていたけど、その後の展開には驚かされました。
    何を言ってもネタバレになってしまいそうなので、詳しく書けないけど、本当に人生は偶然の積み重ねでちょっとしたことがちょっと違っていたら何もかも違っていたのだ…と。
    彩和と野々宮の秘められた、抑制された故の純愛。プラトニックでもそれ以上に濃い結びつき。美しいけど哀しい。読み応えがありました。あぁ、切ない…

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    2026年06月25日
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

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    ネタバレ

    豪華作家がユーミンの曲をイメージして描くショートストーリーです。
    自分はユーミン世代ではないので、知らない曲もありました。
    なんかストーリー的にしっくりこないなと思うのもあったのですが、読んだ後に曲を聴いてみると「メチャクチャ良いじゃん」でした。
    ユーミン世代や、ユーミンの曲をすでに知っている方はそのまま読んで楽しいと思いますし、自分と同じように曲を知らない方は、読んでから聴いた方がいいような気がします。
    聴いてから読む派の方の意見も聞きたいですね。

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    2026年06月25日
  • 妖し

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    ネタバレ

    アンソロジーは結構当たり外れがあると思っていて、今回は当たりでした。
    怪異をテーマに10人の豪華な作家が描いた作品です。
    アンソロジーの短編集は作家が変わるが故に薄味になりがちなイメージですが、どの作品もしっかり味があって良かったです。
    個人的には、「わたしキャベンディッシュ」、「かぐわしきひと」が特に良かったです。
    アンソロジーは普段読まない作家に出会うので、定期的に読みたいなと思いました。

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    2026年06月19日
  • 目覚めると、ひとりだと気づく 家族が過ごした最期の日々

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    誰もが等しく経験する
    最愛の人との別れ

    かけがえのない家族の死と
    向き合い
    悲しみから始まる新たな
    人生

    柳田邦男さんの
    ページ211
    →
    書くことは生きること
    傾聴ボランティアのなか
    患者に語るとすれば
    「何か自分を表現する手段を
    持つといいですね」

    表現手段
    =書くこと

    俳句、短歌
    毎日あまり肩をはらず
    書くのだ

    書く行為
    =自分の
    混沌とした内面を整理
    客観化
    見ることで
    自分の生の証を確認
    生きるエネルギーを
    獲得する作業だと


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    2026年06月18日
  • ウロボロスの環

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    まるで大河ドラマを観ているような展開に引き込まれ、570ページ一気読みでした。最後は彩和さんが幸せそうで安心しました。

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    2026年06月17日
  • 日暮れのあと

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    昔は嬉しかった自分の誕生日が嬉しくない。老いていくことがこわい。最近そんなことを考えるようになってきました。

    大樹の言葉が優しいです。
    過ぎてみればどうってことなかった、楽しかったと思える日が私にも来るだろうか。楽になれるならおばあさんになるのも悪くないかもと少しだけ思いました。

    もっと年を重ねてからもう一度読みたいと思います。

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    2026年06月10日
  • 神よ憐れみたまえ(新潮文庫)

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    長いけど、展開が気になりすぎてサクサク進みます。人間模様、時代背景、血生臭さがすべて良い塩梅でミックスされてて面白かった。

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    2026年06月06日