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Posted by ブクログ
私個人、本当に個人的な意見です。最初に言っておきます。
夫婦は愛だの恋だのを経て冷め切って同居人になり、同居人以下になり、邪険にまでなった。
挙げ句の果てには、この際別々に生きて行こうか…
などど考えてしまっている最中に出会った本でした。
我が家とは関係性も全く違うものの、今まで居た人が居なくなる…死という事実は想像を遥かに超えた
孤独と寂しさなのだと教えていただきました。
「今週はずっと雨だねぇ…」という呟きに何の返事も返ってこない、ご飯を食べても美味しいというわけでもない、何なら喋らないで1日が終われる自信があるくらい会話がなくても、存在があることこそが
幸せなことなのだ、気づかせてくれました。
失ってわかるもの、失わないとわからないもの。
全ては自分の甘えなのだと気が付きました。
藤田氏の「事故で彼女の内蔵が出ていたら自分の手で戻してやる…」という究極の愛情表現は
今の私にとってこれからの一本の太い柱になりました。
Posted by ブクログ
朝日新聞「be」で連載していた(2020~2021年頃)のを途中から読むようになって以来、いつか全編読みたいと思っていたのをようやく読んだ。しっとりと落ち着いたところで読みたいと思い、小池さんと夫の藤田宜永さんが暮らしていた軽井沢ではないけど、奥日光のホテルに泊まった冬の夜から翌朝にかけて読んだ。
自分は伴侶をなくした経験はないしこのままだと今後もそんなことなさそうだけど、親や友人とは違う存在で長いこと人生をともにした存在が亡くなったときの悲嘆や戸惑いなど心のもちようが静かに伝わってくる文章だとあらためて思った。小池さんと藤田さんがかたちだけの夫婦として長く暮らしてきたのではなく事実婚の期間も長く文学を巡って論争したり音楽や映画や生活のこまごまとしたことでたくさん会話を交わしてきた積み重ねが生む小池さんの思いであり、それをまた物書きの技として静謐な筆致に落とし込むことができたのだろうと思う。感傷的にならず努めてかわいた感じでありながら、それでもにじみ出てくる哀しみ……というか懐かしさ、恋しさのようなものが漂っているような気がする。
小池さんは常に最悪のことを考えてしまったり、幼い頃から欲しいものをねだるようなこともしない子だったとか。おとなびて考え過ぎてしまう人でありそれにあまのじゃくが絡んでいるような人ではないかなと思う。自分もそんな自分を自覚しているのでこの本はあまのじゃくな気持ちにならず素直な気持ちで染みてきたように思う。
夫婦を表す言葉って「伴侶」とか「つれ合い」というのがいいなと思っていて、そういう類の存在をもつ人たちが主人とかかみさんとか相方とかしょうもない呼称をつかうもんだなと常々思っているんだけど、小池さんはこの本の最後のところで「かたわれ」という言葉で表していてこれもいいなと思った。夫婦的な関係以上に結びつきの強さを感じさせる。この本のなかで書かれている部分を読みながら「かたわれ」のイメージしたとき浮かんだのがオスカルとアンドレだった。読むなかで二人の思い出や関係性についていくつも書かれていてそれを思い返すと「かたわれ」どうしというのがぴったりであり、そういう存在が消えた思いはいかばかりかと。一方で、人生のなかでそういう存在と出会えることそれだけでも幸いなことではないかとも思ったり。
Posted by ブクログ
#月夜の森の梟
#小池真理子 さん
少々言葉をまとめるのに時間がかかる。
ただひたすらに嘘偽りのない言葉たちが
心の奥深い部分に届くのが分かった。
喪失、絶望、そしてその先、
繰り返しの生活。
喪失を抱え、傷ついている人にこそ
届いて欲しいと思える一冊。
小池さんが直向きに向き合い続け
見つめ続けてきた言葉たち、
多くの人の胸に響いたんだろうと分かる。
本屋さんでたまたま目に入って購入したのだけど、
このタイミングでこの一冊に会えてよかった。
本との出会いも、人やものごとと同じように
タイミングがあるんだと思う。
その点で今この本に会えたこと、きっと意味がある。
心の深いところに引っかかった錘が
少しだけ軽くなった感覚。
私の拙い言葉では表現できないけど、
大切な一冊になった。
Posted by ブクログ
長年連れ添った伴侶を亡くした小池真理子さんの喪失の日々を綴ったエッセイ。全50話、1話3ページほどの短いもの。軽井沢での静かな日々、夫婦喧嘩や2人で笑い合ったこと、自身の幼い頃の思い出、様々なことが書かれているが、それは全て失った寂しさにつながっていく。
時間は癒してくれないし、誰かと昔のように笑うフリはできても、昔と同じように笑うことはできない。
日常のどこを切り取っても、思い出と寂しさが詰まっている。
美しい文章で、時に豊かな自然の風景を描きながら、言葉にしない寂しさが切々と伝わってくる。
自分もいつかこんな思いをするのか、またはさせるのか。
まだ経験したことのない寂しさが怖くもあり、そんな夫婦でいられた夫妻を素晴らしいと思う。
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