月夜の森の梟

月夜の森の梟

小説・文芸
770円 (税込)

3pt

作家夫婦は病と死に向き合い、どのように過ごしたのか。残された著者は過去の記憶に苦しみ、その後を生き抜く。大反響を呼んだ朝日新聞連載のエッセイ。文庫化に際し、夫の藤田さんが亡くなってから3年10カ月、現在の心境を加筆。解説は林真理子氏。

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月夜の森の梟 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    私個人、本当に個人的な意見です。最初に言っておきます。
    夫婦は愛だの恋だのを経て冷め切って同居人になり、同居人以下になり、邪険にまでなった。
    挙げ句の果てには、この際別々に生きて行こうか…
    などど考えてしまっている最中に出会った本でした。
    我が家とは関係性も全く違うものの、今まで居た人が居なくなる…死という事実は想像を遥かに超えた
    孤独と寂しさなのだと教えていただきました。
    「今週はずっと雨だねぇ…」という呟きに何の返事も返ってこない、ご飯を食べても美味しいというわけでもない、何なら喋らないで1日が終われる自信があるくらい会話がなくても、存在があることこそが
    幸せなことなのだ、気づかせてくれました。
    失ってわかるもの、失わないとわからないもの。
    全ては自分の甘えなのだと気が付きました。

    藤田氏の「事故で彼女の内蔵が出ていたら自分の手で戻してやる…」という究極の愛情表現は
    今の私にとってこれからの一本の太い柱になりました。

    0
    2026年09月15日

    Posted by ブクログ

    朝日新聞「be」で連載していた(2020~2021年頃)のを途中から読むようになって以来、いつか全編読みたいと思っていたのをようやく読んだ。しっとりと落ち着いたところで読みたいと思い、小池さんと夫の藤田宜永さんが暮らしていた軽井沢ではないけど、奥日光のホテルに泊まった冬の夜から翌朝にかけて読んだ。
    自分は伴侶をなくした経験はないしこのままだと今後もそんなことなさそうだけど、親や友人とは違う存在で長いこと人生をともにした存在が亡くなったときの悲嘆や戸惑いなど心のもちようが静かに伝わってくる文章だとあらためて思った。小池さんと藤田さんがかたちだけの夫婦として長く暮らしてきたのではなく事実婚の期間も長く文学を巡って論争したり音楽や映画や生活のこまごまとしたことでたくさん会話を交わしてきた積み重ねが生む小池さんの思いであり、それをまた物書きの技として静謐な筆致に落とし込むことができたのだろうと思う。感傷的にならず努めてかわいた感じでありながら、それでもにじみ出てくる哀しみ……というか懐かしさ、恋しさのようなものが漂っているような気がする。
    小池さんは常に最悪のことを考えてしまったり、幼い頃から欲しいものをねだるようなこともしない子だったとか。おとなびて考え過ぎてしまう人でありそれにあまのじゃくが絡んでいるような人ではないかなと思う。自分もそんな自分を自覚しているのでこの本はあまのじゃくな気持ちにならず素直な気持ちで染みてきたように思う。
    夫婦を表す言葉って「伴侶」とか「つれ合い」というのがいいなと思っていて、そういう類の存在をもつ人たちが主人とかかみさんとか相方とかしょうもない呼称をつかうもんだなと常々思っているんだけど、小池さんはこの本の最後のところで「かたわれ」という言葉で表していてこれもいいなと思った。夫婦的な関係以上に結びつきの強さを感じさせる。この本のなかで書かれている部分を読みながら「かたわれ」のイメージしたとき浮かんだのがオスカルとアンドレだった。読むなかで二人の思い出や関係性についていくつも書かれていてそれを思い返すと「かたわれ」どうしというのがぴったりであり、そういう存在が消えた思いはいかばかりかと。一方で、人生のなかでそういう存在と出会えることそれだけでも幸いなことではないかとも思ったり。

    0
    2025年12月30日

    Posted by ブクログ

    夫を亡くした喪失感が
    痛いほど伝わる
    軽井沢の森の景色の美しさ
    静謐な文章
    とても奥深くて
    多分、この先も何度も読み返すだろう

    0
    2025年11月06日

    Posted by ブクログ

    ご自身のかたわれ的存在だった夫の死について書かれた喪失エッセイ。紡がれる言葉が本当に美しくて美しくて…隠しておきたい大事な宝物たちをそっと見せてもらった気持ちになりました。特に好きだったのは「悔やむ」。文庫版あとがきもとても良かった。

    0
    2025年02月05日

    Posted by ブクログ

    夫という片割れを失った作者の、引き裂かれるような悲しみが、軽井沢の自然とともに、淡々と描かれている。大切な人を失った者の静かな慟哭。

    0
    2025年01月15日

    Posted by ブクログ

    小池真理子さんのエッセイ
    夫を亡くした直後の心模様が描かれている
    小池真理子さんのお住まいの近くの自然が美しい
    夫の話の前後に描かれる自然が移ろいゆく時間を表していて残酷でとても美しいと思った

    0
    2025年01月05日

    Posted by ブクログ

    哀しくて美しい。癌治療は壮絶だというけれど、壮絶さは感じさせられない。ただただ哀しくて美しい愛でした。

    0
    2024年07月29日

    Posted by ブクログ

    まだうまく言葉にできない
    物書き同士が惹かれあって(しかも凄まじい才能)ひとつ屋根の下に暮らすって、どれほど深いんだろう。苦しいんだろう。
    喉が痺れる。
    電車では泣きすぎてしまって読めなかった

    0
    2024年06月28日

    Posted by ブクログ

    #月夜の森の梟
    #小池真理子 さん

    少々言葉をまとめるのに時間がかかる。

    ただひたすらに嘘偽りのない言葉たちが
    心の奥深い部分に届くのが分かった。

    喪失、絶望、そしてその先、
    繰り返しの生活。

    喪失を抱え、傷ついている人にこそ
    届いて欲しいと思える一冊。

    小池さんが直向きに向き合い続け
    見つめ続けてきた言葉たち、
    多くの人の胸に響いたんだろうと分かる。

    本屋さんでたまたま目に入って購入したのだけど、
    このタイミングでこの一冊に会えてよかった。

    本との出会いも、人やものごとと同じように
    タイミングがあるんだと思う。
    その点で今この本に会えたこと、きっと意味がある。

    心の深いところに引っかかった錘が
    少しだけ軽くなった感覚。

    私の拙い言葉では表現できないけど、
    大切な一冊になった。

    0
    2024年06月12日

    Posted by ブクログ

    長年連れ添った伴侶を亡くした小池真理子さんの喪失の日々を綴ったエッセイ。全50話、1話3ページほどの短いもの。軽井沢での静かな日々、夫婦喧嘩や2人で笑い合ったこと、自身の幼い頃の思い出、様々なことが書かれているが、それは全て失った寂しさにつながっていく。

    時間は癒してくれないし、誰かと昔のように笑うフリはできても、昔と同じように笑うことはできない。
    日常のどこを切り取っても、思い出と寂しさが詰まっている。
    美しい文章で、時に豊かな自然の風景を描きながら、言葉にしない寂しさが切々と伝わってくる。
    自分もいつかこんな思いをするのか、またはさせるのか。

    まだ経験したことのない寂しさが怖くもあり、そんな夫婦でいられた夫妻を素晴らしいと思う。

    0
    2024年04月19日

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