小池真理子のレビュー一覧
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アメリカでの語学留学を終えた男性が、飼っていたペットのリスの死骸を日本に持ち込み、自宅の庭に埋葬したことから恐ろしい感染病が発症します。
他方、TVの女性ニュースキャスタに心を奪われ、一方的にその女性との関係を築こうとする心の病を持った男性が引き起こす誘拐事件。
この二つの事象が絡み合ってストーリーが進みます。
小池女史は女性心理を描きながら展開する作風が多いと思うのですが、この一冊は、キャスターの夫、警察の刑事、TV局のプロデューサーなど、男性達の心理描写が中心でストーリーが展開していきます。
さて、恐ろしい「悪魔」の存在と結果は⋯⋯。 -
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Posted by ブクログ
小池真理子さんのホラー短編小説集。初出のデータが不備のため個々の作品の年代は不明。主に80年代から20世紀末にかけての作品と思われる。KADOKAWAの編集者はちゃんと仕事してほしい。
やはり小池さんのホラー小説はとても良い。どうやら作者自身、「美しさ」を心がけて書いているらしいが、全くその通り、美しいのである。淡々とした大人しい筆致で、どの短編も途中までは普通小説として書き上げられている。それから怪異が起こっても、その淡々としたたたずまいは変わらず、絶叫などはない。むしろごく当たり前の日常であるかのようにさえスーパーナチュラルな事象が馴染んでおり、その静かなタッチにはいささかのケレン味も -
Posted by ブクログ
小池真理子さんのホラー短編小説アンソロジー。初出誌は巻末に記載されているが、年代が全部は載っていない。「1991年」と「2011年」のものがあることだけは分かるので、その辺りの頃、と推測するしかない。
とても良い作品集だった。抑制された堅実な文体で淡々と醸し出される「恐怖の」イメージが、美しい。もう少し文章が磨かれれば、泉鏡花とまでは行かないまでも彫琢されれば、これは立派な芸術作品になると思う。
ただ一つ、「蛇口」だけは、ストーリーは悪くないが文章が良くなくて、1991年の作だからもしかしたら作者のごく初期のものなのかもしれない。
「ミミ」のような、一種の詩情さえ湛える形象の美しさを、更 -
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Posted by ブクログ
2021年刊、文庫オリジナルのホラー短編アンソロジー。2001年から2017年に発表された作品が収められている。
冒頭の3編はエッセイである。著者の母親が霊感の強い人だったそうで、著者自身も幾らか霊感があり、何度も霊を見る体験があるとのこと。なるほど、それで幽霊の出てくる物語を多く書いてきたのかと納得。
続く「恋慕」「花車」「慕情」は『律子慕情』なる単行本に収録された連作で、主人公律子の霊体験を、幼女時代からの成長に伴って描いている。この3編が、とても良い。一般的にこれは「ホラー小説」なのか?という疑問もあり、「恐怖をメインとした小説」という定義からは外れ、普通小説としての滋味を持って物